こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。
今回は、銀行の中でも就活生に人気を誇る三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行のメガバンク3行について、各行の特徴を比較しながらお伝えします。
<目次>
●銀行業界全体の傾向
・マイナス金利政策とコロナ禍の影響
・三大メガバンク共通の傾向
●業績比較・順位
●メガバンク各行の特徴・強みの違い
・三菱UFJ銀行:日本最大かつ世界有数の総合金融グループ
・三井住友銀行:M&Aを推進し、グローバルで存在感のある金融機関を目指す
・みずほFG:非財閥だからこそ、幅広い企業を支えるメガバンク
●メガバンクの平均年収の比較
●メガバンク志望者に向けた選考対策ページ
●業界研究記事のまとめ
銀行業界全体の傾向
マイナス金利政策とコロナ禍の影響
業界動向の前提として、2016年から続くマイナス金利政策により、銀行の収益は大幅に縮小しました。それに伴い、現在多くの銀行はコスト削減に取り組んでおり、AI(人工知能)の導入や人員削減、支店の閉鎖などの効率化を図っています。
また2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響による国内の消費低迷で、決済やコンシューマファイナンス(消費者金融)分野が厳しい状況となりました(※1)。しかし、その後コロナ禍による経済活動への制約が和らいで、企業の資金需要が回復したことで、2022年3月期決算では3行とも増収増益となりました。中でも、三菱UFJフィナンシャル・グループが過去最高の純利益を計上しています(※2)。
(※1)参考:業界動向 SERACH.COM「銀行業界」
(※2)参考:朝日新聞デジタル「3メガ銀決算 ロシア警戒で与信費用3300億円 純利益は3割増」
三大メガバンク共通の傾向
3大メガバンクに共通して見られる傾向は2つあります。
1つ目は、事業カンパニーなどの「選択と集中」です。フィナンシャルグループという巨大組織であるからこそ、行内の組織をどう連携させ、機能させるかが共通する問題であるようです。その解決のために、数年前から各行では再編が行われています。具体的には、三菱UFJ銀行はグループの「機能別再編」(※3)、三井住友銀行では「事業部門・CxO制」を導入(※4)、みずほFGは「カンパニー制」を導入(※5)しました。
2つ目は、それに伴う「企業間連携の強化」です。「銀・信・証(銀行・信託・証券)」を一体化させ、富裕層を開拓します。関連性の高いサービスを同時に提供することで、事業間の相乗効果が期待できます。例えば「銀行の法人担当が信託と証券の窓口を兼任し、その預金を融資・信託・証券につなげる」といったサービスの流れを生み出し、相乗効果を最大化することなどが挙げられます(※6)。
(※3)参考:三菱UFJフィナンシャル・グループ「グループの『機能別再編』と子会社の商号変更について」
(※4)参考:三井住友フィナンシャルグループ「グループ概要」
(※5)参考:みずほフィナンシャルグループ「新中期経営計画『進化する“One MIZUHO”』」
(※6)参考:ニュースイッチ「三菱UFJ、関西で『銀信証』一体営業の狙い」
業績比較・順位
銀行の中でも主要3行である三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行の経常収益と当期純利益を見てみましょう。以下のグラフは各行の業績です。
また、銀行の「経常収益」は他の業界における「売上高」に相当します。
※出典:2022年度 有価証券報告書「三菱UFJ銀行 P.2/三井住友銀行 P.2/みずほ銀行 P.2」
2022年度は、経常収益は三菱UFJ銀行が、当期純利益は三井住友銀行が首位に立ちました。
それでは、各行の特徴を見ていきましょう。
メガバンク各行の特徴・強みの違い
それでは、メガバンク各行の特徴について以下でご紹介します。
・ 三菱UFJ銀行
・ 三井住友銀行
・ みずほFG
三菱UFJ銀行:日本最大かつ世界有数の総合金融グループ
国内外での圧倒的な存在感。さらに顧客満足度にもこだわる
国内外の銀行業界において圧倒的なプレゼンスを保持する三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)。
世界の金融機関の中でトップクラスの総資産を誇り、2023年1月時点の「世界の巨大銀行トップ50」において9位にランクインしています。SMBCは11位、ゆうちょ銀行は13位、みずほ銀行は18位である点を踏まえても、MUFGの優位性がうかがえるでしょう(※7)。
この資産力を武器に、MUFGは海外企業への出資・買収を行い、アジア全体でのプレゼンスも伸ばしています。三菱UFJ銀行はアユタヤ銀行やヴィエティンバンクなど、国内トップの資金力を武器にM&Aでその地域に根ざした企業を積極的に買収しています(※8)。現地化を推進することで地域のニーズに対応し、世界中で「顧客のため」を追求する環境を整備しているようです。
(※7)参考:LexisNexis® Risk Solutions「世界の巨大銀行トップ50」
(※8)参考:三菱UFJ銀行「アジアビジネス」
アジアを中心としたGlobal Financial Group
上述の通り、銀行業界では収益の大幅な減少に伴う改革に合わせ、海外展開も盛んになっています。三菱UFJ銀行は海外に100以上の拠点を有し(※9)、全貸出金(末残)の約40%は海外が占めています(※10)。
またMUFGは、2019年までに7年かけて、タイ・インドネシア・ベトナム・フィリピンの商業銀行に出資し、「ASEAN(東南アジア諸国連合)の商業銀行プラットフォーム」を構築しています。アジアへの展開だけに留まらず、2019年には豪州をベースとした資産運用会社FSI(First Sentier Investors)への戦略出資により、「海外アセットマネジメント事業」を強化しました(※11)。2022年には、アジアのデジタル金融領域に総額約2,000億円の出資を決定するなど、ビジネスモデルの変革に挑戦しています(※12)。
今後もMUFGならではの強みを活用しながら、さらなる海外展開を進めていくことでしょう。
(※9)参考:三菱UFJ銀行 新卒採用ホームページ「会社概要」
(※10)出典:MUFG「2022年度決算 投資家説明会 P.16」
(※11)参考:MUFG「MUFG Report 2021(統合報告書)MUFGの価値創造 P.19-20」
(※12)参考:MUFG「MUFG Report 2023 P.33-34」
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三井住友銀行:M&Aを推進し、グローバルで存在感のある金融機関を目指す
「スピード&効率」を追い求める革新的メガバンク
三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBC)は業務における効率性を追求しています。その背景として、低金利環境の長期化により、企業向け融資を中心とした従来のビジネスモデルの収益が伸び悩んでいることが考えられます(※13)。
効率化への積極性を表す代表例が、RPAです(※14)。2017年4月から複数のコンサルティングファームと協働してRPAの導入・活用を進め、デスクワークにおける定型作業の自動化とそれに伴う作業効率の向上に取り組んでいます(※15)。2019年にはRPAの導入からわずか2年で、約200万時間分もの作業時間を余力時間として捻出することに成功しています(※16)。
このような取り組みの結果として、三井住友銀行が属するSMBCの2020年度の経費率は62.3%(※17)と、三菱UFJ銀行の属するMUFGの68.7%(※18)を大きく下回っており、コスト削減という観点で業務の効率性が高いと分かります。
(※13)参考:日本経済新聞「三井住友FG、本部人員3割減へ 22年度までに」
(※14)……Robotic Process Automationの略。デスクワークにおける定型作業をパソコンのソフトウエア型ロボットによって代行・自動化するシステム
(※15)参考:SMBC「未来への取り組み 個の潜在能力を開花させる、RPAとは。」
(※16)参考:東洋経済 ONLINE「RPA導入2年で約1000人分の余力捻出事例も 現場が喜ぶ『失敗しないRPA導入』方法とは?」
(※17)出典:SMBC「2020年度決算 投資家説明会 P.5」
(※18)出典:三菱UFJ銀行「2020年度 有価証券報告書 P.93」
メガバンクからグローバルバンクへ
三井住友銀行は、高い潜在成長力を持つアジアを地域を中心に海外進出を進めています(※19)。
実際に、2009年から2019年の10年間で海外貸出残高は約4倍となり、20兆円を超える規模にまで拡大しました(※20)。2021年度は、海外証券ビジネス強化のために成長の柱となる買収・提携を進めました。具体的には、米国総合証券会社Jefferiesと資本・業務提携をしたほか、アジア金融フランチャイズの拡大に向けて、インド・ベトナムのノンバンク(※21)やフィリピンの商業銀行への出資を完了しました(※22)。
さらにSMBCでは、海外の経営層・人材の多様化にも注力しています。海外拠点従業員の人材情報を一元管理するデータベース整備や、幹部登用の透明性を高めるための枠組みとして「Global Talent Management Council」を設置し、地域を越えた人材活用を推進しています。
また、異文化環境におけるリーダーシップ養成のため、アメリカのペンシルベニア大学ウォートン校との提携による幹部従業員研修をはじめとした各国従業員の合同研修や、海外採用従業員が最長1年間国内拠点で勤務する「Global Japan Program」などを行っており、累計1,800人に上る従業員が参加しています(※23)。
(※19)参考:SMBC「SMBC GROUP REPORT 2023 P.65」
(※20)出典:SMBC「SMBC Group Report 2019 P.56」
(※21)……銀行以外の金融機関を指す。預金の受け入れを行わずに、お金を貸すなどの与信業務に特化した金融機関。
(※22)参考:SMBC「SMBC GROUP REPORT 2022 P.57」
(※23)出典:SMBC「SMBC GROUP REPORT 2022 P.86」
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みずほFG:非財閥だからこそ、幅広い企業を支えるメガバンク
徹底的に顧客目線を追求した特徴的なシステム
みずほFGの特徴は、「強固な事業基盤」と「One MIZUHO戦略による高度なサービス提供力」です。「One MIZUHO」とは、銀行・信託・証券が一体となった運営を進めるという戦略です。グループ各社が相互にシナジー効果を発揮し、一丸となって最高品質の金融サービスを提供することを目指しています(※24)。
みずほFGは、個人顧客を約2,400万人抱え、日本において約5人に1人はみずほFGの口座を持っています。国内法人取引については、強固な事業基盤があり、国内上場企業の約7割と取引をしています。また、約40の国・地域に約120拠点を展開し、海外ネットワークも充実しています(※25)。
さらに近年ではデジタル化・少子高齢化・グローバル化など、さまざまな潮流に対応すべく、ソフトバンク(※26)とパートナー契約を締結するなどの取り組みも見られます。2022年3月には、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社との連携を発表しました。顧客のニーズの変化にいち早く対応できるよう、オンライン、モバイル、事務、店舗、人材開発、企業文化など多方面でDXに取り組みます(※27)。
「次世代金融」の実現に向けて今まさに生まれ変わるフェーズにあるといえるでしょう(選考対策ページより)。
(※24)参考:みずほ不動産販売「事業と強みを知る One MIZUHOの総合力」
(※25)参考:みずほFG「<みずほ>の強み」
(※26)参考:ソフトバンク「プレスリリース 2023年 法人のお客さま向けDX支援において、みずほ銀行とパートナー契約を締結」
(※27)参考:みずほFG「みずほフィナンシャルグループとGoogleのデジタルトランスフォーメーション分野における戦略的提携について」
競合のメガバンクと異なるキャリアパス、若手時代から裁量が大きい
みずほFGの大きな特徴として、多様なキャリア形成も挙げられます。学びと挑戦のデジタルプラットフォーム「M-Nexus」や「キャリアデザイン研修」などをはじめとする、さまざまな研修や制度が充実しており、若手層の早期育成や社員一人一人のキャリアをサポートする仕組みがあります(※28)。
特徴的なシステムや人事制度に基づいて、幅広い観点を持った金融のプロフェッショナルが育つ環境があるメガバンクといえるでしょう。
(※28)参考:みずほFG「人材育成」
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メガバンクの平均年収の比較
以下の表は、各行の平均年収をまとめたものです。
企業名 | 平均給与 | 平均年齢 |
三菱UFJ銀行 | 785万円 |
39.4歳 |
三井住友銀行 | 843万円 |
39.0歳 |
みずほFG | 793万円 |
39.5歳 |
※出典:2022年度 有価証券報告書「三菱UFJ銀行 P.11/三井住友銀行 P.11/みずほ銀行 P.16」
※平均給与は千の位を四捨五入しています
※みずほフィナンシャルグループはみずほFGの有価証券報告書を参照しています
平均年収が最も高いのは三井住友銀行。続いて三菱UFJ銀行、みずほFGという順です。
日本全体の平均年収が約443万円(※29)なので、多少の差はあれど、3行とも十分に高い水準だといえるでしょう。
(※29)出典:国税庁長官官房企画課「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告ー 第12表 業種別及び年齢階層別の給与所得者数・給与額 その1 1年を通じて勤務した給与所得者 P.8」より算出し、小数点四捨五入
メガバンク志望者に向けた選考対策ページ
毎年多くの学生がメガバンクを志望するため、内定を獲得することは容易ではありません。それぞれの特徴や違いをしっかりと認識した上で対策しましょう。
詳しい選考ステップや合格の秘訣(ひけつ)は、下記の「選考対策ページ」を参考にしてください。
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
みずほフィナンシャルグループ
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
各企業の選考のクチコミはこちらをご覧ください。
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
みずほフィナンシャルグループ
ONE CAREERへの新規会員登録/ログインが必要です。
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