こんにちは、トイアンナです。
エントリーシートに優れたエピソードは必要ない、ということを今から証明します。
0.3%。これは日本国内における大企業の比率です。実数ではわずか1.2万社しかないにもかかわらず、大学生のほとんどが大企業の採用へ応募します。そう考えると大変な倍率に見えますが、就活生の数はたった40万人程度。もし各企業が50人ずつ採用したら、全就活生が大企業に内定できてしまいます。
この数字を見る限り、大企業に普通の人も内定していなくてはなりません。実際にトップ企業内定者のエピソードを聞いてみると、半分の学生は突出したエピソードがあるわけではない、いい意味で「普通の」学生でした。
では、トップ企業に内定している普通の学生はいったい何が違うのでしょうか? 彼らは「ずば抜けて通る」手段は持っていませんでしたが「落ちない作法」を知っていたのです。通ろうとするのではなく、落ちないようにすること。これこそ、普通の学生がトップ内定をゲットする極意でした。
さて、就活でもエントリーシートは最初の絞り込みに使われる道具。選考フローの中でも、最終面接と違い「選び抜かれる」ことよりも「落とされない」ことが何よりも重要です。今回は落ちないエントリーシートを作る極意を余すところなくお伝えいたします。
まず企業の求める人材像を洗い出そう
企業から届いたエントリーシートの設問を真っ先に読みたくなる気持ちは分かりますが、その気持ちに一度「待った」をかけましょう。そして、今までの説明会やOB・OG訪問、ウェブサイトの情報を見ながら「この企業はどんな人材だったら欲しいと思うか」をまず洗い出してください。何から手をつければいいか分からない……という方は、企業研究は10分で終わらせる!「欲しい人材を見抜く」裏ワザをご参照ください。
企業が求める人材像を洗い出せたら、次に自分の経験から求める人材像にマッチングしそうなエピソードをまとめます。
たとえば、電通であればこんなキーワードが出てくるかと思います。
1. 協調性が高くて社交的
2. チームワークが大好き
3. ちょっとユニークな個性がある
エピソードと求める人材像のマッチング
落ちないエントリーシートは、企業が欲しい人材だと思わせるエピソードを持っています。エピソードが偉大であるかどうかではなく、内容が企業の求める人材にマッチしているかが重要。そこで今度は、話の大小を考えずに求める人材像に該当しそうなエピソードを探します。
先ほどの電通の例だと、こんな感じです。
1. 協調性が高くて社交的だと思わせるエピソード
・語学クラスが仲良くなれるよう毎週飲み会をセッティングした
・友達がサークルであらぬ疑いをかけられたときにチーム全員に掛け合い誤解を解く
2. チームワークが大好きだと思わせるエピソード
・毎月新しい人にあって新鮮な視点を得られるようイベントを企画した
・バイト先で新人が入るとモチベーションを上げるために歓迎会をやっている
・ゼミの一体感を出すために文化祭のユニフォームを製作
3. ちょっとユニークな個性があると思わせるエピソード
・ロゴデザインを学ぶために企業ロゴを見かけると写真に撮るクセがある
・動物園が好きで目をつぶっても全国の動物園を案内できる
・高級料亭でバイトをしてVIPの接待担当をしていた
企業が求める人材の要素2~3エピソード用意できれば完璧です。ここまでできたら、実際のエントリーシートを見てみましょう。
エントリーシートの文法を守りながら書く
エントリーシートは「結論→背景事情→結論の繰り返し」の順番で記すのが黄金ルール。ここで電通に「あなたがチームに貢献した結果、成功した事例を具体的に書いてください」と求められたら、と想定して例文をご用意いたしました。
【結論】アルバイト先で月例歓迎会を企画し、チームを強化することで売上10%アップに成功しました。
【背景事情】アルバイト先は大きな居酒屋で人材の回転が速く、お互いに名前を知らず働くこともよくありました。そのため苦情が発生しても周知されず、売上ロスが減らないことに本社の社員は頭を悩ませていました。そこで私は飲み会を毎月開く習慣を作り、毎月一度はバイトスタッフ同士が顔を合わせお互い受けた苦情や改善点を共有する機会を作りました。
【結論の繰り返し】結果として苦情の件数が半減し、苦情対応の時間を売上アップに使えた結果、1年間で売り上げを10%向上させることに貢献しました。
このようにまずあなたが出した成果を書くことで採用担当者の目を引き、背景事情を説明することで自分の活躍を深く理解してもらい、最後にもう一度結論で締めくくることにより再度成果を強調しましょう。こうして、落ちないエントリーシートが生まれます。
おわりに
ここまで、落ちないエントリーシートを書く黄金ルールをお伝えしてまいりました。エントリーシートは頭で学ぶより実際に書いてみるのが一番です。実際にエントリーシートを一度書いたら、OB・OGや先輩に添削してもらうといいでしょう。
適切なエピソードを選び、適切な文法で書く。要約すれば技法はこれだけですが、なかなか最初は難しいもの。早く準備に取り掛かることで、落ちないエントリーシートの技法に慣れていってください。
▼エントリーシート対策をまとめた特集記事はこちら
・【エントリーシート(ES)完全対策版】下準備(自己分析)から書く際のコツ・書き方、頻出質問への回答例、業界ごとの特性まで全て解説!
※こちらの記事は2016年1月に公開された記事の再掲です。