こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。
最近は多くの企業でインターンを実施していますが、業界によってその立ち位置や重要度は大きく異なります。今回はそれらの違いを業界別にお伝えしていきます。
<目次>
●外資系企業のインターン参加への認識を誤り大惨事に……
●業界別!インターン参加の「意味合い」
●選考を有利に進めるインターン共通の目標
また、本記事では業界ごとに実施企業例も掲載しており、それらの企業名をクリックすると「選考対策ページ」で選考ステップや各選考で意識すべきポイントなども見ることができます。併せてご覧ください。
新規会員登録(無料)はこちら
「選考対策ページ」は会員限定メニューです
外資系企業のインターン参加への認識を誤り大惨事に……
突然ですが、これは学生さんから実際にいただいた相談です。
「外資系投資銀行A社のインターンにとりあえず応募してみました。A社が気に入ったら本選考を受けたいと思っているのですが、どういった点に気を付ければいいでしょうか?」
このメールを見て、事情が分かっている方は青ざめることでしょう。外資系企業におけるインターンは、最終選考に限りなく近い「本選考の山場」のことを指すからです。この相談をしてきた学生はインターンを「企業が自社を宣伝するために実施する就業体験」くらいに思っており、本選考が別にあると勘違いしていました。このように、業界における「インターン」の意味合いを知らないことで大惨事につながるというケースが後を絶ちません。
インターンには、業界によって「就業体験」「自社PR活動」から「最終選考」まで大きな差があります。そこで今回は代表的な業界別のインターンがもつ意味合いを紹介することで適切なレベルの準備ができるようご案内できればと思います。
業界別! インターン参加の「意味合い」
例外もありますが、業界別に一般的なインターンの「意味合い」をお伝えします。
外資系企業「実は本選考の山場」
最初の事例でご紹介したとおり、外資系金融・外資系コンサル・外資系メーカーなど、外資系企業でのインターンは、通称「ジョブ」とも呼ばれ、最終選考に限りなく近い「本選考の山場」を指します。
外資系企業では数日間学生を実際に就業させることで、面接でアピールしていた強みが実際に発揮できるのかを査定します。従って、外資系企業のインターンに招かれた場合はこれで全てが決まる直結型の選考だと考えて、準備を綿密にしていきましょう。
例えば、
外資系投資銀行のIBD部門であれば「M&Aの勉強」、
コンサルティングファームであれば「知っている大企業の売上向上の戦略を考えてみる」
外資メーカーのマーケティング部門であれば「あるブランドのマーケティング戦略を過去のケースから考えてみる」
など、できることはあります。
また、体力的にハードなインターンも一部あるため、健康状態も整えてください。
なお、日系企業の中にも、コンサルティングファームや投資銀行、ITベンチャーなどは、一部「最終選考」の意味合いが強いインターンを実施する企業も多く存在します。
【インターンを実施している主要な外資系企業】
・マッキンゼー・アンド・カンパニー
・ボストン コンサルティング グループ
・ゴールドマン・サックス
・P&G Japan など
外資系企業のインターンへ応募する際は、こちらの記事も参考にしてください。
・外資系投資銀行(IBD)のサマーインターンに行きたいならこう動け!〜外銀志望の戦略と選考対策〜
・外資系コンサルのサマーインターンに行きたいならこう動け!夏に内定するための戦略と選考対策
総合商社「志望度チェッカー&優秀者引き抜き」
総合商社では、インターンに学生が参加しているかどうかで「志望度の強さ」をチェックするためにインターンを利用しています。インターン自体は企業説明会のようなやさしい内容も含まれていますが、参加の有無は後ほどの選考に大きく関わってくるといえます。
例えば、2016年卒から三菱商事や三井物産のインターンが復活しました。それらのインターン選考では、エントリーシート(ES)が特に重要視されていました。
例えば、2017年卒インターンにおいて三菱商事はESと友人からの性格フィードバックのみで選抜、三井物産はESとGDの2段階で選抜する選考フローであったため、ESで相当絞られることが予想されます。
ESから気合を入れて挑みましょう。
エントリーシート(ES)やグループディスカッション(GD)の対策はこちらの記事をご覧ください。
・エントリーシートは中身じゃない!普通の学生も必ず通るエントリーシートの作法・エントリーシートで落ちた理由?内定レベルの志望動機と自己PRの書き方&例文集
・グループディスカッション対策完全版!テーマ例と議論の進め方・役割の選び方
・グループディスカッション(GD)の評価ポイント:コミュ力・協調性・リーダーシップ徹底解剖
また、優秀だと判断された学生はこの時点で引き抜かれるケースがあります。最速内定への切符は、インターンが決め手になるようです。
実際の社員に伺ったところ「優秀な学生はインターンで名前をメモし、人事へ報告する(総合商社・30代男性)」とのこと。某総合商社のインターンには、そもそも参加者が、外資系企業のインターン参加者ばかりだったという話もあり、露骨に優秀な学生を引き抜きにかかっています。気を抜かずに高評価を取れるよう取り組みましょう。
【インターンを実施している主要な総合商社】
・三菱商事
・三井物産 など
大手消費財メーカー「会社の業務理解・PR」
大手消費財メーカーでは、製品の魅力やその製品が生まれるまでの複雑なプロセス、そのプロセスにまつわる業務を理解してもらうためにインターンを実施する企業が多々あります。
魅力を伝えるとは言うものの、企業側は「製品が好きなだけのただのファンではなく、企業や製品の課題を考えられるような学生を欲している」と考えられます。そのため、事前に製品や企業の情報を調べ「この学生はよくこの会社のことを考え行動しているな」と思わせられるような質問などを通して、他の学生と差別化を図りましょう。
例えば、そのメーカーの製品販売戦略や競合とどう差別化しているかなど、製品情報のインプットを行うとよいでしょう。
【インターンを実施している主要な消費財メーカー】
・資生堂
・ユニ・チャーム など
広告「優秀層の囲い込み」
広告業界は「優秀者を確保する」目的を重視してインターンを用意しています。
採用人数が多いこともあり「協調性抜群」タイプだけでなく「クリエイティブ」「頭脳派」など、さまざまなタイプの学生を採用したい広告・マスコミ業界では、グループワークなど外資系コンサルティングファームを志望するような左脳系学生をターゲットにすることも多いようです。
選考通過に向けて、自分のタイプやキャラクターを印象付けられる1ネタと受け答えの準備しておくとよいでしょう。
【インターンを実施している主要な広告代理店】
・電通
・博報堂DYグループ など
日系金融・BtoB企業「業界への興味を喚起」
メガバンクや保険など日系金融や、BtoB(Business to Business:取引先も企業で、一般的消費者に触れない)企業は、「就活生が業界知識を持たないばかりに受けてくれなかったら困る」という共通の課題を抱えています。そこで、インターン経験を通じて広く業界へ興味を持ってもらい、本選考を受ける学生の人数を増やしたいと考えます。
また、リクルーター制度(学生に専属で社員がつき、内定までの重要な審査・ガイドを務める制度)を採用している企業は、インターンをきっかけに、リクルーターをつける対象となる学生を探し始めることがあります。
金融であれば簿記・会計知識を簡単に勉強しておくことで深い質問ができるようになる可能性が高いでしょう。また、その他BtoB企業の場合は業界シェアや競合にどういった企業があるかまで調べておけば、同じく質問をする際やGDの中でも他の学生に差をつけることができで名前を覚えてもらいやすくなるはずです。
【インターンを実施している主要な日系金融・BtoB企業】
・三菱東京UFJ銀行(※1)
・三井住友銀行 など
(※1)……三菱東京UFJ銀行(BTMU)は、平成30年4月1日より三菱UFJ銀行(MUFG)に変更となりました。本文中の名称は掲載時のものに準拠しております。
IT・ベンチャー「試用期間」
IT・ベンチャーでは短期・長期複数のインターンを用意していることが多くあります。
短期インターンでは、本命としてはベンチャーを受けに来ない層へ興味を持ってもらい、知名度を高めたり優秀層を確保する目的があります。
長期インターンは、ほぼ正社員として採用する前の「試用期間」です。長期ではほぼアルバイトのような形で働いてもらい、人材としての真価を見極めることで優秀な人材を直接採用したいと考えています。また、大手ベンチャー企業であればインターンまでに倍率が高い選考を経ていることも多く、正社員雇用への期待値はかなり高いといえるでしょう。
短期インターンの場合には、入念な業界研究、長期インターンの場合には予定調整をしつつ、できれば近い業界での実務経験があるとよいでしょう。
【インターンを実施している主要なIT・ベンチャー企業】(※2)……株式会社リクルートホールディングスは、2019年4月以降、国内9社の新卒採用を株式会社リクルートにおいて統合しました。本文中の名称は掲載時のものに準拠しております。
・(旧)リクルートホールディングス(※2)
・LINE
・フリークアウト・ホールディングス など
選考を有利に進めるインターン共通の目標
最後に、業界問わずインターン先で目標にしたいのは「優秀な学生として名前を覚えてもらう」ことです。
インターンであからさまに学生を落とす企業は少数派ですが、インターンで優秀だった学生が面接で有利に進むケースは多々あります。「インターンだから気軽に」「とりあえず話を聞こう」と予定を入れる前に、どうしたら他の学生と違う鋭い質問ができるか、どうすれば結果を残せるかを考えて積極的にインターンへ取り組みましょう。夏休み・冬休みは特にインターンが続く時期ですので、体調にも気をつけて頑張ってください。
▼このカテゴリーの他記事はこちら
・今から動けば早期内定も夢じゃない?人気業界の内定時期を一挙紹介!
・大学3年で選考終了も。早期就活のメリットと、今から始める就活ロードマップ
・基礎知識からおすすめインターンまで!インターンガイドマップ #インターンのリアル
・これを知らないと大惨事!?業界別・インターン参加と内定の関係性
・企業研究のやり方とは?その目的から7通りの方法と3つのコツを紹介
・外資系企業に興味があるあなたへ。ジョブ選考を突破するために、まずはこの10記事を読もう【外資特化編】
・外資系コンサルのサマーインターンに行きたいならこう動け!夏に内定するための戦略と選考対策
・【総合商社の筆記試験対策】ボーダーは日系企業でもトップクラス?WEBテストの種類と通過率まとめ
・IBDだけじゃない!外銀の各部門「今さら聞けない」業務内容や合格の秘訣をおさらい:マーケット、リサーチ、アセットマネジメント、オペレーション、テクノロジー
・企業選考を受けながら官僚も目指せる?サマーインターン前に知っておきたい「国家総合職・教養区分試験」とは
▼就活記事の総集編まとめ
・【新特集スタート】就活生の悩むべき問題は5つだけ。モヤモヤした視界を切り開く「就活の羅針盤」
・インターン/就活はいつから?スケジュールと準備の進め方
・OB・OG訪問とは?就活でOB・OG訪問が必要な人、しなくていい人
・志望動機の書き方と例文集|人気8業界のES通過例文と王道の回答例
・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
・【面接対策】質問集&回答例|新卒就活でよく聞かれることと準備方法
・【自己分析のやり方】たった4通り!簡単にできる方法・ツール・シートを解説
・【業界研究:34業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/コツや役割を網羅的に解説
・ケース面接対策&例題|コンサル・日系大手も出題!ゼロからの始め方
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策