こんにちは、Maryです。
秋も深まり、これから就職活動を本格化させる方も多いのではないでしょうか。自分の就職活動を振り返ると、この時期は特に「自己分析」について悩む学生が多かったように思います。
就職活動を始めたてのころは「自己分析から始めなさい!」と指導を受けることも多いでしょう。企業を選ぶ上で「自分が企業に求めていること」や「自分の就職活動の軸」を洗い出すための作業ですが、言うほど簡単なものではありません。
やっているうちに何を見いだせば良いのか分からなくなる、分析がうまくいかずに自信をなくしてしまう……そんな「沼」にハマってしまうケースも。
今回は自己分析で困っている就活生のために、つまずきやすいポイントに合わせて、解決方法を紹介しようと思います。
<目次>
●始める前に。就活における「自己分析」の目的は?
●自己分析を行うメリットは?
●自己分析のやり方1:自己分析ノートを作る
●自己分析のやり方2:モチベーショングラフを使う
●自己分析のやり方3:得意×需要×好きの4ステップ
●自己分析のやり方4:自己分析ツールを使う
●自己分析シートはネットに上げて、常に持ち運べ
●独りよがりの自己分析は危険! 他己分析も併せて進めよう
●面接が苦手な人のための必殺技──「私のプレゼン資料」を作れ!
●自己分析を元に作成した自己PRの例文
●目的を見失った、方法論だけの「自己分析マニア」になるな
始める前に。就活における「自己分析」の目的は?
自己分析を始めようとすると、多くの人が「どうやれば良いのか」という点で悩むことになるでしょう。しかし、はっきり言って、自己分析のやり方に正解はありません。いくつか試してみて、自分がやりやすいと思った方法で行えば良いと考えています。
それよりもはるかに重要なのは、自己分析を行う目的を見失わないことです。
自己分析というのは、自分についてひたすら考える作業です。思考に没頭するあまり、何のために自己分析をしているのかを見失い、考えることそのものが目的になってしまう学生は、案外少なくありません。
ひととおり考えて、いろいろな要素は出てきたものの、どうやってつなげれば良いのか分からない、どう志望動機に使えば良いのか分からない……そんな状況にハマってしまったことはありませんか。これこそが「手段の目的化」で失敗してしまう典型例です。
だからこそ、まず「何のために自己分析をやるのか」を明確にしましょう。自分がモチベーション高く働ける環境はどういうものか、10年後にどういう人間になっていたいかを明らかにする、といった具合です。その目的を言葉にし、見えるところに記録しておくとなお良いです。
自己分析を行うメリットは?
自己分析の目的を明確にすること、見失わないことの大切さは分かったけれど、自己分析の目的や必要性が腑(ふ)に落ちていない方もいるかと思います。
そんな方のためにも、自己分析を行うメリットを二つ紹介します。
1. 自分の強みが明らかになる
エントリーシート(ES)や面接で強みを聞かれる機会は今後たくさんあるでしょう。強みに説得力を持たせるには、過去の経験やエピソードに結びつけて面接官に強みを伝える必要があります。
自己分析で過去の経験や行動を深掘ることで、強みとそのエピソードのつながりが深まります。すると、伝える強みに対する面接官の納得度合いが上がります。
2. 自分に合った業界や企業が明らかになる
数えきれないくらい多くの企業が新卒採用を行っています。就活に割ける時間は限られており、すべての企業を受けることは現実的に不可能です。そこで、受ける業界や企業の取捨選択が必要です。
自己分析を行い過去の経験や強みなどを明確にすることで、自分に合う合わないが分かります。すると、自分が向いている企業や業界、仕事に求める要素が明らかになり、企業選びが楽になります。
さあ、こうしてスタートラインに立ったら、いよいよ自己分析の始まりです。ここからは、私が特に良かったと思う自己分析の方法をいくつか紹介していきます。
自己分析のやり方1:自己分析ノートを作る
自己分析用のノートを作るのもおすすめです。そんな大げさなものでなくとも、就活を通じて、日々思ったことや考えたことをつづる「就活日記」や「就活手帳」のような形でも良いと思います。
この方法のメリットは、自分の価値観や考え方の変化に気付きやすいことです。私自身、就職活動を終えて振り返ってみると、就活を始めたころに比べて、大きく価値観が変わりました。
それは、就職活動中に出会った多くの社会人や学生との会話や、普段出会えないような、役員クラスの人の話から刺激を受けた結果でしょう。互いの価値観を共有することで、新たな発見があるはずです。
そのため、自己分析は一度だけではなく、何度も行う方が良いと考えています。夏インターンが終わったとき、秋冬インターンが終わったとき、春の本選考が始まったときなど、区切りの良いところであらためて整理することで、志望業界を広げたり、志望度の順位付けがやりやすくなったりします。その際に、このノートは貴重な分析の材料になるでしょう。
ちなみに、私はTwitterで就活中の学びや考えを記録していました。就活におけるTwitterの活用方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
・最強就活ツール⁉内定に近づくTwitterの使い方【就活アカー入門編ー】
・就活アカのお悩み解決します!「見てるだけ」を卒業しTwitterをフル活用する7つのワザ【就活アカー発展編ー】
自己分析のやり方2:モチベーショングラフを使う
ご存じの方も多いかと思いますが、手っ取り早く自己分析を行えるのが「モチベーショングラフ」です。人生年表とも呼ばれていますが、これまでの人生の振り返りについてグラフを使って表現する方法です。
まずは、以下のように縦軸に「心の充実度(モチベーションの高さ)」横軸に「年齢」を設定します。
※筆者作成
次に自分のこれまでの人生を振り返り、モチベーションの高低を曲線グラフで描きます。自分に大きな影響を与えた出来事を思い出しながら描くのがポイントです。
グラフが描けたら、特にモチベーションに大きく変化があった時期に何があったのかを思い出し、そのイベントを記入します。
そして、そのときに自分が考えていたことや、今振り返ってみて当時どのようなことが原因でモチベーションの起伏があったのかを深掘りしていきます。
※筆者作成
モチベーショングラフを描くことで、自分が「どんなときに頑張れるのか」を考えるきっかけとなります。過去の具体的な場面を思い出すことで、自分の行動特性や思考特性を知り、そこから自分に向いている職業や職種を検討できるのです。
就職活動は、自分が身を置く環境選択の場でもあります。自分がどんな環境でパフォーマンスを発揮できるのかを知ることは大切なことの一つですよね。
実際に各企業が行うワークショップやインターンシップの選考などでも、モチベーショングラフの記入を求められる場面がありました。その際、すぐに記入できるようにするためにも、あらかじめモチベーショングラフを描いてみることをおすすめします。
自己分析のやり方3:得意×需要×好きの4ステップ
続いて紹介する方法は、得意×需要×好きの3つを考える自己分析です。こちらの手法は紙とペンさえあれば誰でも行えます。
紙いっぱいに、以下のようなベン図を描く必要があります。
※出典:ワンキャリア「自己分析の方法:就活の基礎!得意×需要×好きから自分の強みを分析」
それぞれの円には、自分が「好きなこと」「得意なこと」「需要があること」と記していきましょう。
次に、円が3つとも重なり合う部分に書いた特徴をピックアップしましょう。全てに合致する部分が「就活の自己紹介で使える、自分の強み」と言えます。
自己分析のやり方に悩んだ際はぜひ参考にしてみてください。こちらの記事で、より詳しい方法を解説しています。
・自己分析の方法:就活の基礎!得意×需要×好きから自分の強みを分析
自己分析のやり方4:自己分析ツールを使う
世の中には、皆さんが思っている以上にたくさんの自己分析ツールが存在します。有料のテスト型のものや、企業の選考を受ける際に受験する自己分析テストなど、形式も結果から分かることもさまざまです。この記事では、その中でも、特に使いやすかった3つを紹介します。
(1)絶対内定シリーズ
まず紹介するのは、書籍「絶対内定」シリーズです。
絶対内定は、我究館が毎年出版している就活対策本です。この本の前半部分は就職活動の概要や自己分析についての解説がなされており、後半部分は自己分析ワークシートになっています。
このワークシートは非常にボリュームが多く、真面目に取り組むと一周するのにとんでもなく時間がかかります。しかし、自己分析の方法や目的なども考える内容となっており、時間に余裕がある方にはとてもおすすめです。
(2)エニアグラム診断
こうしたワークシート系の自己分析は、十分に時間が取れる状況であればおすすめできますが、就職活動中は時間がなかなか取れない学生の方も多いと思います。そこで、おすすめするのが「エニアグラム診断」です。
エニアグラムは性格論の一種で、人間の性格を以下のような9タイプに分けて考えるものです。Web上の簡単なテストに答えることで、自分の性格を確認できます。
タイプ1:改革する人
タイプ2:人を助ける人
タイプ3:達成する人
タイプ4:個性的な人
タイプ5:調べる人
タイプ6:忠実な人
タイプ7:熱中する人
タイプ8:挑戦する人
タイプ9:平和をもたらす人
手軽に結果を得られる一方で、それを分析にどう生かすかが大切です。出てきた結果はあくまで目安として捉え、出てきたタイプに近しい過去のエピソードを考えてみるなど、分析を進める材料とするのが良いでしょう。
(3)市場価値研究所
エニアグラム診断は比較的簡易な自己分析ツールですが、就職活動をする上でより本格的なアセスメントテストを受けたい方におすすめなのが「市場価値測定テスト」です(※)。
株式会社 企業変革創造が開発したテストで、現時点での自分が持つ、ビジネスパーソンに必要な基本的技能や性格特性を数値化してくれます。
また、テスト受験後には、今後のキャリアデザインに関するフィードバック面談も受けることも可能です。
この他にも、選考の途中で受けた性格診断テストの結果を教えてもらうことができたり、フィードバックを受けることができたりすることもあります。
(※)……2022年に、学生向けにアレンジされた「就職力測定テスト」がリリースされています
自己分析シートはネットに上げて、常に持ち運べ
ここまで、さまざまな自己分析方法を紹介してきましたが、本格的に自己分析を始めるとかなり時間が取られてしまいます。就職活動中は自己分析以外にも、エントリーシート(ES)やWebテスト、筆記試験の対策、OB・OG訪問などやることが山のようにありますよね……。
私が自己分析をしていて一番イヤだったのは、自己分析シートはその量が多く、持ち運びが面倒だったことです。しかもそのほとんどが手書き。あまりにも非効率と言わざるを得ません。そのため、出先でもパソコンでサクサク記入できるよう「Web自己分析シート」を作りました。
※筆者作成
※筆者作成
上の画像はこの「Web自己分析シート」の一部ですが、オンラインで管理することで面接の直前でもスマホでチェックできます。
先ほど、自己分析を何回か繰り返すことを勧めましたが、自己分析シートを何周もするとなると、印刷代もかさむでしょう。痛い出費です。一方、Web上にデータを作れば、コピーして何度も利用できるので、節約にもなります。
独りよがりの自己分析は危険! 他己分析も併せて進めよう
今挙げてきた方法のように、自己分析というと、自分一人で行うイメージを持っている方も多いと思います。しかし、一人で黙々と考え続けることには「落とし穴」もあります。独りよがりな考えになり、客観性を欠いた分析になりやすいことです。
自己分析の目的は人それぞれ違うと思いますが、最終的に大切なのは、ESや面接の場で「自分を正確に伝えること」だと考えます。であれば、自己分析の結果、見えた自分の姿と、他人から見た自分の姿が違いすぎるのは、良いことではありません。
そのため、自己分析と並行して、客観的視点で自分を分析してもらう、いわゆる「他己分析」にも取り組むことを強くおすすめします。そういう類のツールもたくさんあるので、それを利用するのも良いですし、就活仲間同士で自己分析の結果にフィードバックを送り合うのも良いでしょう。
面接が苦手な人のための必殺技──「私のプレゼン資料」を作れ!
自己分析をしたは良いものの、私は面接がどうしても苦手でした。いざ面接になると緊張してしまったり、想定外の質問を投げかけられたりして、うまく自分自身のことを伝えられないことが多かったからです。
たくさん練習も積み重ねましたが、とっさに自分のことを言語化して伝えるのがなかなかうまくいかない。実際、夏インターン選考の際は、自己分析をして言語化までできたものの、面接でうまく伝えられずに落ちたこともありました。
このような失敗を経験したので、本選考の際には、これまでの就職活動の中で繰り返してきた自己分析をスライドにまとめて「自分自身のプレゼンテーション資料」を作って最終面接に臨みました。
事前にじっくり時間をかけて言語化した自分のコアバリューや、自身が求めている環境などを図解して示しながら、面接官に説明したのです。
※筆者作成
この図は面接時に利用していた資料の一部です。実際に資料を持ち出して説明し始めると、最初は「資料を作ってくる学生は見たことがない」と面接官の方に驚かれましたが、このおかげで自分が伝えたいことを毎回確実に伝えることができ「分かりやすかった」と高評価を受けることが多かったです。最終的に、この方法で面接をした企業から内定をいただくこともできました。
面接に持ち込み禁止というルールはありませんし、たった数分間の面接で、自分の価値観などを面接官に伝えるのは非常に難しいことです。「せっかく自己分析をしたのに、面接でうまく伝えられない」という方は、自分のプレゼンテーション資料を作ってみてはいかがでしょうか。
自己分析を元に作成した自己PRの例文
入念な自己分析を行うことで自己PRや志望動機を作成できます。ここでは「積極的に行動する」という強みを例に、自己PRを書いてみました。
【自己PR】
私の強みは積極的に行動することです。(1)接客のアルバイトでは常に店内を見渡すことでお客さまのニーズを察知するように心がけています。そのため、声を掛けられる前に求めているものを提供できました。(2)カフェのアルバイトでは接客の際にお客さまと対話することが苦手でした。苦手を克服するためにもあえて話しかける回数を増やし、先輩に常にフィードバックをもらうようにしました。また、同時にそこで得た学びを同僚に共有しました。(3)大学のサークルでは会長を務めています。全体をまとめる役割を果たすだけでなく、毎週のメールマガジン配信をはじめとする新たな取り組みを企画するなどサークルへの参加率アップに貢献しました。
自己PRの書き方や例文については以下の記事を参考にしてみてください。
・【エントリーシート(ES)完全対策版】下準備(自己分析)から書く際のコツ・書き方、頻出質問への回答例、業界ごとの特性まで全て解説!
・【自己PRの書き方】エントリーシート(ES)で自分の強み・弱みと企業をつなぐアピール方法
目的を見失った、方法論だけの「自己分析マニア」になるな
自己分析は本気で取り組めばかなりの時間がかかりますし、向き合いたくない一面を見ることにもなるため、厳しい思いをするかもしれません。
できるだけ楽しみながらやることをおすすめしたいですが、自己分析に終わりはないので、やりすぎて悟り(?)を開いたり、他の対策に回す時間がなくなったりしないように気を付けてください。繰り返しになりますが、自己分析で最も大切なのは、目的を見失わないことなのです。
今回は自分の経験をベースにお話ししましたが、ここで紹介したもの以外にも、自己分析にはさまざまな方法があります。余裕がある方は、ぜひ自分にぴったりの自己分析方法を探してみてください。
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・就活アカのお悩み解決します!「見てるだけ」を卒業しTwitterをフル活用する7つのワザ【就活アカー発展編ー】
・そう、就活は50万円掛かるマラソンだ。お金で諦めない就活マラソンの走り方。
・就活生は都合のいい労働力なんかじゃない 「長期インターン至上主義」に物申す
・もう「自己分析」で悩まない。始め方から面接突破の裏ワザまで徹底解説 ・大学は「就職活動予備校」なのか──早期就活の是非を考える ・自分の中での「100点ES」が全然通らない、たった1つの理由
(Photo:pathdoc , Roman Samborskyi/Shutterstock.com)
※こちらは2019年12月に公開された記事の再掲です。
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