こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、2016年卒の総合商社の面接選考で実際にあった鬼門面接について詳しく解説します。
2020年卒の鬼門面接については、下記記事をご覧ください。
・【面接・GD対策】5大商社の鬼門面接(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)【20卒向け】
外コン・外銀内定者でも落ちる! 商社のオーソドックスな面接の合間に潜む鬼門面接3つ
一般的に5大商社の選考は、過去の経験などについての深堀を通して学生の「人となり」を見極めるオーソドックスな面接がほとんどです。しかし、16卒の選考では、その例外として、以下の3つの特殊な面接がありました。
・三菱商事の2次面接
・三井物産の2次面接
・伊藤忠商事の2次面接
特に三菱商事に関しては、前年とは大きく異なる面接内容であったために、ここでつまずいてしまった猛者たちが続出。ワンキャリ編集部の調べでは、少なくともゴールドマン・サックスやアクセンチュアの内定者が通過できませんでした。自分は大丈夫だと思っている人こそ対策は不可欠です。以下、各面接の内容と選考突破のTipsをまとめてお伝えします。
三菱商事でケース面接? 就活オタクを落とす、2次面接で仕掛けられた罠
内容
【概要】
・ケーススタディ形式の面接(時間は30分)
・面接官は課長クラス2人
・ケース問題が2問出題される(学生の経験にちなんだ質問1つと別の質問1つの計2問)
【ケース面接のテーマ例】
・(留学経験のある学生に対して)米国と比べて、日本の教育の抱える課題を3つ挙げよ
・(アルバイトで評価2位だった学生に対して)評価1位になるためにはなにをすべきか3つ挙げよ
・(ゴルフ部に所属していた学生に対して)ゴルフ業界の問題点を3つ挙げた後に、ゴルフ人口をUPさせるための施策を3つ挙げよ
・オリンピックに向けて、経済を活性化させるために日本が取るべき施策を3つ挙げよ
・学生、企業双方にとってメリットのある就活にするためにはどうすればいいか3つ挙げよ
【ケース面接の流れ】
ペンと紙を渡され、それぞれ1分間の考える時間、そして3分間プレゼンをする時間が与えられる。プレゼンの後、なぜそのように考えたか、その案だとこのような問題が起こることが考えられるがどのように反論するかなど質疑応答が続く。
選考突破へ・Tips
外資系投資銀行、外資系コンサルの本選考を突破した学生が意外に落ちるのが、この2次試験です。このケース面接で重要視されているのは、「正確な答えを提示する力」ではなく、「面接官との対話の中で柔軟に論を構築していく力」です。パートナーとの対話の中でソリューションを構築していく商社らしいケース面接で、面接官に持論を押し付けて強行突破することは絶対に避け、面接官の指摘を謙虚に受け止めながら、その上で一緒に答えを探していきましょう。
【補足:場合によっては非論理的な理由を挙げても問題なし】
面接官は、学生がお客様(パートナー)に対してどのようにコミュニケーションをとるのかという目線で見ています。総合商社のビジネスでは、お客様は一緒にビジネスを作っていくパートナーであり、良好な関係構築が最重要です。そのため、総合商社のケース面接では、相手に嫌な思いをさせないことが大事であり、自論を強化するエビデンスとして感情や個人的な経験などの非論理的な理由を挙げることも問題ありません。
M&Aを提案!? 三井物産のグループディスカッション(GD/2次面接)
内容
【テーマの概要】
「ある企業(総合商社の子会社)の経営を立て直すため、A〜Dの企業のうちどれを買収すべきか」
【テーマの詳細】
総合商社の社員である◯◯さんは現在連結子会社にあるA社の管理を担当している。 B社はスーパーマーケット事業を主として、コンビニエンスストア事業を持っている。しかし、近年国内市場の飽和に伴い、業績が落ちているため、差別化を図ることでシェアを拡大したいと考えている。
そこで、シェア拡大のためにM&Aすることを考え、4社候補を出している。
・1社目:ネット通販を展開するベンチャー
・2社目:外食チェーン店
・3社目:老人ホーム
・4社目:富裕層向けスーパーマーケット
これらの中から、シェア拡大のために相応しい候補先を選べ。なお、M&A候補先の選定にあたっては、事業内容・組織風土を重視すること。
【GDの流れ】
1. 1人でテーマについて考えをまとめ、メンバーと共有
候補先企業4社の事業内容・組織風土について書かれた紙と共に、メモ用紙とペンを与えられる。8分間個人で考える時間があり、学生全員が1分間で自分の考えを発表する。
なお、与えられる資料には、定性的な記述がほとんどです。
・事業内容例:関西地方を中心に◯◯店舗を構え、年間△△万円売り上げる。
・組織風土例:カリスマ経営者によるワンマン経営
2. チームで議論 → 発表
その後、同じトピックについて20分間、グループで議論し、最後に代表者1人が面接官に発表。
3. 面接官との質疑応答
発表後、その場で個別に面接官が質問を投げかけてくるので、それに答えていくという形式。質問内容は、GD中の発言の意図や立ち回りに関するもの。(例:「~という発言の意図は何?」「反省点はある?」)
4. 条件を追加して同じテーマを議論
それが終わると、新たな条件を加えた上で、同じテーマについて5分間GDを行う。
選考突破へ・Tips
1番見られているのは、GDの立ち回り方よりもむしろ発言内容です。
議論に貢献する発言(新しい視点を提供している、議論全体の流れをいい意味で変えるなど)をどれだけできるかが、このGD選考の合否を分けます。話の中で柔軟に合意を形成していく「柔軟性」や周りと良好な関係を構築する「コミュニケーション力」も測られてはいるものの、自らの意見を論理的に主張し、相手を説得させることは評価されます。協調性を意識して自らの主張を曲げることはNGだと思ってください。
なお、面接官に合わせる力が求められる三菱商事の2次面接(ケース面接)とは、求められる立ち振る舞い方が違うことに注意してください。また、トピックが実際に本社勤務の社員が行っている業務にかなり近いので、「社員と同じ思考回路を持っているか」も1つの評価基準となり得ます。
【補足:事業会社の管理を担当する社員の思考回路とは?】
事業会社管理を担う社員は、その領域のプロである事業会社に対して、主人公は彼らで自分たちはサポーターという認識を持っています。 従って、事業会社の意向を軽視するような提案は好かれない可能性が高いです。また、現場主義を大切にする商社にとって、企業文化はM&A先を選択するにあたり一つの重要な指標となり得ます。そのため組織風土の相性を軽視するような発言は控えた方が無難です。
伊藤忠商事のGD(2次面接)は、ネガティブチェックの役割が強い
内容
【配布資料の例】
・五輪開催候補国の人口、成長率、賃金など
・各国のGDP、人口増加率、平均賃金など
【GDのテーマ例】
・「日本の首都を移転する候補地を決めてください(広島・福岡・北海道・大阪)」
・「SNSを広げるならば、以下の中からどの国を選択するか。また、どうやってSNSを広げていくか(アメリカ、日本、ブラジル、タイ、ドイツ、エジプト)」
・「2024年夏季オリンピックの開催地を次の内どこにするか決めよ」
・「国を選んで、伊藤忠を広めるためにPRしてください」
選考突破へのTips
同日に行われるグループ面接の方が重要度が高く、このGDは問題のある学生を落とすネガティブチェックの意味合いが強くなっています。そのため、一番見られているのは、立ち回り方や発言内容に問題がないかという点です。周りと協調しながら柔軟に合意を形成していく、頭ごなしの否定はしない、的外れな発言をしないなど、GDの常識に沿った行動をとっていれば問題ありません。三井物産のGDとは見られるポイントが大きく異なりますので注意しましょう。
おわりに
ここまで、総合商社の鬼門面接3つまとめてお伝えいたしました。この鬼門面接を突破するには、商社に求められる人材像を正しく把握した上で選考に挑むことが重要となります。
さらに詳しく知りたい方はこちらがオススメです。
・【5大商社特集】ボーダーは9割?総合商社の筆記試験対策まとめ【20卒向け】
・【ES対策】総合商社のエントリーシート通過例64選(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)【20卒向け】
・【就活面接過去問集】5大商社内定者が選ぶ、本当に役に立った面接質問例34選【20卒向け】
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・三菱商事(内定実績/OB訪問/ES/志望動機)
・三井物産(内定実績/OB訪問/ES/志望動機)
・住友商事(内定実績/OB訪問/ES/志望動機)
・丸紅 (内定実績/OB訪問/ES/志望動機)
・伊藤忠 (内定実績/OB訪問/ES/志望動機)
・全体の対策(筆記試験/ES過去問/面接過去問/鬼門面接)
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