就活では多くの場合、面接が課されます。一般的な面接では、質疑応答の形式が取られているため、質問に対していかに上手な答え方ができるかが、選考結果に大きく影響します。また、適切な受け答えをするだけではなく、面接でのマナーを押さえておくことも重要です。
Web面接での入退室のマナーはさほど気を配る必要はありませんが、対面面接では、マナーを押さえておかないと、どう行動したら良いのか迷うこともあるでしょう。
就活生が押さえておきたい対面面接のマナーを紹介します。基本の流れや話し方についても詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
就活の面接でのマナー! 基本の流れは?
就活の面接は、自分をアピールする大きなチャンスです。しかし、面接のマナーが守れていなければ、面接官にマイナスイメージを与えてしまいかねません。そのため、就活生は、面接の基本的な流れやマナーを押さえておく必要があります。ここでは、以下の5つのシーンに分けて、基本的な手順やマナーを解説していきます。
・受付
・待機
・入室
・面接
・退室
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
受付
面接を受ける就活生は面接開始予定時間の10分前に会場へ到着し、受付をします。受付が予定時間より早過ぎても失礼にあたります。なお、コートを着ている場合、会場に入るときはコートを脱ぎ、畳んで腕にかけて入ります。マフラーや手袋などの小物は、カバンの中にしまっておきましょう。
受付では、「学校名・氏名」と「要件・担当者の名前」を伝えてください。要件を伝える場合は、簡潔に分かりやすく伝えることを意識しましょう。
(例)こんにちは、◯◯大学の◯◯と申します。本日◯時から◯◯様と面接のお約束で伺いました。
待機
受付が済んだ後、面接室や控室に案内されます。面接室に案内された場合はすぐに面接が始まるため、気を引き締めて臨みましょう。
控室に案内された場合は、指示があるまで静かに待機します。
入室
担当者から名前を呼ばれたら、速やかに控室から移動し、面接室に入室します。入室するときは、以下に紹介する基本的な流れとマナーを忘れずに行いましょう。
1. 面接室のドアを3回ノックする
2. 面接官から反応があった場合は「失礼いたします」とあいさつをする
3. 静かにドアを開く
4. 入室したら、面接官に完全に背を向けないようにして、静かにドアを閉める
5. ドアの前に立ち、一礼をする
6. 用意されている椅子の横に立つ
7.「学校と名前をお願いします」と言われたら「◯◯大学の◯◯と申します。よろしくお願いします」とあいさつをする 8. 面接官の指示に従い、着席する
面接室に入室するまでは落ち着いた行動を心がけてください。途中、体調不良などの予期せぬ事態に陥った場合は、担当者にその旨を伝え、指示に従いましょう。名前を述べるとき、自己紹介をする必要はありません。簡潔に大学名と名前だけを伝えてください。
面接
面接中は背筋を伸ばし、正しい姿勢で座りましょう。また、面接官と話をするときは、笑顔を保ち、はっきりとした口調で伝えることが大切です。緊張すると早口になったり、声が小さくなったりしてしまいがちです。小さな声でモゴモゴとしゃべると、自信がない印象を与えてしまいます。
面接は第一印象を決める重要な場面です。悪い印象を与えないよう、座り方・話し方には注意しましょう。
まれなケースですが、名刺を渡してあいさつをする面接官もいます。名刺の受け取り方は、以下のポイントを押さえましょう。
1. 両手で受け取り「頂戴いたします」と伝える
2. 名刺をさっと確認する
3. 机上の左手側に名刺を置く(ない場合は、カバンにしまう)
退室
面接官から面接の終了の旨を伝えられたら、正しい姿勢で座ったまま「本日はありがとうございました」とお礼を伝え、お辞儀をします。退室時の流れは、以下のように進めましょう。
1. 椅子の横に立ち、再びお辞儀をする
2. ドアの前まで移動し、面接官の方を向く
3.「失礼します」と伝え、お辞儀をする
4. 静かにドアを開け、退室する
面接室から退室するときは、物音を立てないよう静かに移動します。退出後、速やかに建物の出口へと向かいましょう。
就活の面接での話し方のマナー
就活の面接は、合否を左右する重要な選考の1つです。面接のときはやみくもに話さず、以下のマナーを守ることを意識しましょう。
・具体的かつ簡潔に回答する
・発言するタイミングに気を付ける
・言葉遣いに気を配る
・相手の目を見て話す
項目ごとに紹介します。
具体的かつ簡潔に回答する
面接官から質問されたら、具体的かつ簡潔に回答することが大切です。相手が質問した理由を考慮したうえで、自分をアピールする必要があります。また、エントリーシート(ES)に記載していない情報を伝えることで、相手の興味を引き出しやすくなるでしょう。
例えば、学生時代に最も力を入れたことを聞かれた場合、自分がどのような立場で役割を担いながら遂行したのか、具体的な過程も加えて説明します。ただし、話が長くなり過ぎると逆効果です。質問の受け答えは、具体的かつ簡潔に行うことを意識しましょう。
発言するタイミングに気を付ける
面接官が話を続けているときは、最後まで聞きましょう。話に割り込んでしまうと相手の印象を悪くし、評価に悪影響を及ぼしてしまいます。
例えば、面接官が会社概要を説明している場合、疑問が生じたからといって話の途中で割り込んでしまってはいけません。「人の話をしっかり聞かない人」という印象を持たれてしまう可能性もあります。相手の話を最後まで聞いてから自分が答えるという、会話のキャッチボールを意識しましょう。
言葉遣いに気を配る
面接では、言葉遣いに気を配ることが大切です。間違った言葉遣いをすると、面接官に不快な思いをさせてしまいかねません。難しい言葉を使う必要はありませんが、丁寧な言葉遣いを心がけ、正しい敬語の基本を身に付けておきましょう。
以下に、面接で気を付けたい言葉遣いのポイントを紹介します。
・男女問わず、一人称は「わたし」「わたくし」
・「確かに」「なるほど」は、「おっしゃる通りです」
・企業の呼び方は「御社」、貴社は書き言葉にあたる
・語尾は「です・ます調(敬体)」
・「了解しました」は、「承知しました」
相手の目を見て話す
面接官の質問に答えるときは、相手の目を見ながら大きな声で話しましょう。対面で会話する場合は、話している人の目を見ることが大切です。目を逸らしたり、下を向いたりすると、相手に失礼な印象を与えてしまいます。また、暗い表情はしないように気をつけてください。
目線を合わせると緊張が高まってしまう人は、相手の口元やネクタイなどの位置を見て話しましょう。相手が違和感を覚えない範囲で、目線に近い位置を設定して話してください。
就活のWeb面接でのマナー
Web面接を導入している企業も多く見られます。Web面接は対面と異なるため、独自のマナーを押さえておく必要があります。
・事前に接続確認をする
・静かな場所で受ける
・ミュートを適切に使う
Web面接の、3つのマナーについて詳しく見ていきましょう。
事前に接続確認をする
Web面接を受ける場合は、事前にインターネット環境を確認し、音声・カメラなどが正しく動作するかを確かめておきましょう。通信機器が正常に起動しなければ、最悪の場合、Web面接を受けることができません。
また、予期せぬ回線トラブルが起こることも考えられます。接続確認を行ったときに不具合が見つかった場合は、速やかに担当者に連絡を入れましょう。Web面接が開始する10分から15分前に、接続状況を確認しておくことをおすすめします。
静かな場所で受ける
Web面接を受ける場合は、周囲の雑音が入らない静かな場所を選びましょう。にぎやかな場所を選ぶと雑音が入ってしまい、双方の会話が成り立たないケースがあります。また、面接官の集中力を欠き、円滑に面接を行えない恐れがあるでしょう。
周囲の騒音が入る環境の場合、双方の声が届きにくいなどのトラブルが生じます。周囲の音が入りにくく、余計な背景が映り込まないよう、適切な環境を整えることが重要です。自宅を使用する場合には、家族にWeb面接を受ける旨を伝えて、生活音や会話が入り込まないよう協力を求めましょう。できるだけ静かな場所を選び、自分自身も落ち着ける状況でWeb面接に臨むことをおすすめします。
ミュートを適切に使う
集団でWeb面接が実施されるときは、適切にミュート機能を使いましょう。複数人が面接に参加すると、声が重なり聞きづらくなってしまうトラブルを防ぐためです。
例えば、複数人に同じ質問を行った場合、数人が同時に答えてしまうことがあります。また、周囲の雑音が入り、面接を妨げる事態になりかねません。面接担当者から、ほかの人が発言するときにはミュートを利用する指示があったときは、必ず従いましょう。
面接ではここに気を付けよう! 就活のマナー
面接では、いくつかの気を付けるべきポイントがあります。就活生は以下の3つのポイントを押さえることで、後悔のない就活を進められるでしょう。
・10分前に到着する
・忘れ物をしない
・面接時の服装・身だしなみに気を配る
ここでは、3つのポイントを紹介します。
10分前に到着する
先ほども触れましたが、面接会場に到着する目安は、10分前くらいです。もちろん、遅刻は相手に迷惑をかけてしまうため、避けなければなりませんが、早すぎるのもNG。企業によっては、就活生が早く到着してしまうと、業務を中断せざるを得ない状況になることも考えられます。
面接日当日、就活生が予定時刻より1時間前に到着した場合、会場の準備が整っておらず、対応などで手間を増やしてしまうこともあります。会場に早く到着してしまった場合は、周囲を散歩したり公園のベンチで待機したりして、時間を調節しましょう。
忘れ物をしない
面接当日、持参するものを忘れないようにしましょう。忘れ物をすると、一般常識や仕事への熱意を疑われてしまうかもしれません。
また、持ち物として指定されていなくても最低限必要なものはそろえておきましょう。例えば、今後の選考に関する内容を書きとめるために、メモやペンを準備しておくと良いでしょう。面接会場に向かう途中で忘れものに気付いたときは、自宅に引き返さずにコンビニエンスストアなどで購入することをおすすめします。
購入できないものを忘れたときには、必ず担当者に伝えましょう。事情と謝罪の気持ちを丁寧に伝えることで相手にも理解してもらいやすくなります。
面接時の服装・身だしなみに気を配る
就活の面接では、服装や身だしなみに気を配ることもマナーの1つです。不潔な印象を与える髪形や、服装が社会人として不適切であった場合、面接官に良い印象を与えません。
面接を受ける業種にもよりますが、基本的にスーツは落ち着きのある色を選び、白いシャツをあわせると清潔感のある印象を与えます。
最低限の身だしなみを整えてから面接に臨むことが、面接官に対するマナーの1つだといえます。
まとめ
就活で面接を受けるときには必要なマナーを理解し、振る舞いには注意する必要があります。入室時や退室時のドアの開け方やあいさつの仕方に不安がある人は、本番前に家などで練習しておくとスムーズです。面接で好印象を与えることは、自分をアピールすることにもつながります。本記事で紹介した面接のマナーを身に付けて、自信を持って面接に臨みましょう。
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