こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。就活では、説明会で「何となくいいな」と思って応募したり、友人に釣られて一緒に応募したりすることもあるかと思いますが、そこでネックになるのが「志望動機」です。
今回はあまり志望度が高くない企業でも、深い志望動機を書く方法をお伝えいたします。
<目次>
●敵と己を知って志望動機を作り上げる
●会社が「お金儲けしている分野」を知る
●自分が「お金を稼げる分野」を知る
・企業の資料から求められるスキルを見つける
・当てはまりそうな自分のスキルを探す
●企業が仕事で求めるスキルと、自分が持つエピソードを合体させる
●「志望理由がない」をなくすために
敵と己を知って志望動機を作り上げる
「敵と味方を熟知していれば、百回戦っても負けることはない。味方のことだけを知っているのでは、一勝一敗。敵のことも味方のことも知らなければ必ず負ける」
これは孫子の言葉ですが、就活の志望動機を作成する際も同じです。まずは志望企業を知り、次に自分を知ることで百戦錬磨の志望動機ができます。しかし、企業と自分についてどこまで知れば、百戦錬磨の志望動機が出来上がるでしょうか?
実は、志望動機に限定していえば、「企業がお金儲(もう)けしている分野」と「自分がお金を稼げる分野」を知るだけで十分なのです。まずは下の図をご覧ください。
エントリーシート(ES)や面接での志望動機は、企業がお金を稼いでいる分野と、自分ができることを組み合わせて「私が入社すればもっと貴社は儲かりますよ」と伝えられる内容が作成できれば良いのです。この2点を組み合わせるだけで、応募した各企業に対応した志望動機が作れてしまうのです。
会社が「お金儲けしている分野」を知る
まずは、企業がどの分野・仕事で稼いでいるかを調べます。簡単なのは企業の投資家向け情報提供(IR)を読むことです。一般の個人投資家に向けた簡単な情報が掲載されていることが多く、「稼いでいる分野」をすぐに探すことができます。
例えば、住友商事の株主向け資料では、輸送機とメディア・生活関連品の仕事で収益を上げているのが分かります。ただし、資源や海外法人が苦戦しており、2014年度は全体的に資源でマイナスが大きく、赤字を計上しています。
ここから「貴社の強みである輸送機やメディア分野で、住友商事を復活させる礎になりたい」といった内容の志望理由が思い浮かびます。
※出典:住友商事「定時株主総会招集ご通知 第147期 P.8」
自分が「お金を稼げる分野」を知る
次に、「自分がお金を稼げる分野」を知るためには、以下の2つの要素が必要です。
自分がお金を稼げる分野であれば、何でもアピールや強みになるわけではありません。応募企業に、将来「お金を稼げる人」だと思わせるためには、(1)「企業がお金儲けしている分野で必要とされるスキル」を知り、(2)その中で「自分の持つスキル」を探すことが必要です。
企業の資料から求められるスキルを見つける
企業がお金儲けをしている分野において必要とされるスキルを、住友商事の強みである輸送機とメディアの作成資料から見つけてみましょう。
・インドネシアの高速鉄道を受注、「南北線」の列車を96両導入した
・ミャンマーでKDDIと協働し、ネットと携帯電話の普及に努めた
次に、こういった仕事で必要とされそうなスキルをメモしていきます。
画像のように書き出してみることで、「輸送機」「メディア」といった言葉から、志望動機へつながり得る具体的なスキルセットが見えてきました。
当てはまりそうな自分のスキルを探す
応募企業が「お金儲けしている部分」をリストアップできたら、次に企業が求めるスキルの中から、自分が当てはまりそうなスキル内容をエピソード付きで考えます。
エピソード自体は大きな成果や、グローバルさが分かるような内容でなくても構いません。志望動機では、そういったものより「企業が実際の業務で求めるスキルと合っているか」が求められます。
繰り返しになりますが、企業は就職した将来「お金を稼げる」人を求めているからです。どんなささいなことでも、上記の企業の特徴と合致しそうなエピソードがないか、趣味や留学経験など、過去の経験を思い出し自己分析してみましょう。
企業が仕事で求めるスキルと、自分が持つエピソードを合体させる
最後に、「企業が求めるスキル」と「それに合わせた自分のエピソード」を合体させます。これによって、「企業がお金儲けしている分野」で「自分がお金を稼げますよ」というニュアンスが含まれた志望動機が出来上がります。
今までの例を使って、ESと面接での例を2つ作ってみました。以下の文章構成を理解して参考にしてください。
・インドネシアの高速鉄道を導入するのに必要なスキル「応用力」+居酒屋バイトのエピソード
自分が持つ応用力という強みを生かし、貴社へ貢献したいと思います。アルバイト先の居酒屋で、4リットル焼酎のペットボトルが毎日10本以上廃棄となっていました。お客様から衣類に煙のニオイが付くので収納ケースが欲しいと要望があったこともあり、その空ボトルを再利用して衣類収納ボックスを作ったところ好評となり、他チェーンでも採用されました。このように、ある場所では蔑ろにされているものを他の場所や仕事で生かす応用力は、貴社が南北線の車両をインドネシアへ導入するような企画でお役に立てるものと思います。そのため、日本が持つ高い技術を海外へ応用する仕事を通じ貴社へ貢献したく応募しました。
・ミャンマーでKDDIと協働してネットと携帯電話を普及させるのに必要なスキル「協働力」+サークルで協働したイベント経験
私が住友商事を志望する理由は、協働を通じて大きな成果を出したいからです。大学時代のダンスサークルで私の団体はメンバー不足に苦しみ、ステージを借りるための予算的に必要な最低人数を満たすことができませんでした。そこで私は他大学も含め15サークルへ営業活動を行い、そのうち5団体と合同でステージイベントを開催することができました。上記のように第三者と連携することで目的を達成する協働力は、貴社がKDDIと協働し、ミャンマーへ携帯・インターネットを導入した事例に通ずるものがあると感じます。貴社の強みであるメディア事業をますます発展させるためにも、今までに培った協働力で力を尽くしたいと思います。
「志望理由がない」をなくすために
ここまで、志望度があまり高くない・興味の小さい企業の志望動機を作るコツをお伝えしてまいりました。しかし、この方法は絞り込みの役割であるエントリーシートや履歴書では有効でも、面接では通用しないことも心に留めておいてください。企業の採用面接ではさらに「社員に会って感じたこと、社風や人柄の良さ」といった感情的な志望動機が求められます。
深く掘り下げた志望動機を作るために、OB・OG訪問や企業研究を重ね、面接までにしっかり対策しておきましょう。
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※こちらは2017年12月に公開された記事の再掲です。
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