就活のエントリーシートや面接で聞かれる「自分の強みや長所、弱みや短所は何ですか?」という質問で戸惑ったことのある方は少なくないと思います。
そこで今回は、「自分の強みや長所、スキルなんてないし……」と思うあなたへ、就活の面接やエントリーシートで自信を持って自己PRができるようになるための「三種の神器」について解説します。
<目次>
●自己分析は何のため? 企業の尺度を意識せよ!
●「3つの神器」を使って、自分の長所や弱みを理解・自己分析をしてみよう
・1. 自分の長所や弱みを見つけることができるツール「ストレングス・ファインダー」
・2. 自分の本当の性格や長所が分かる「ビッグ・ファイブ尺度」
・3. 友達から見た本当の自分が理解できるアプリ「お願い! 他己分析」
●自己分析ができたら、エピソードで自己PRの内容を肉付けしよう(具体例つき)
●おわりに
自己分析は何のため? 企業の尺度を意識せよ!
毎年、自己分析でドツボに陥る就活生は後を絶ちません。その理由のトップ2は、自分の過去を棚卸しし過ぎて自分が何者かよく分からなくなってしまうこと、もしくは企業にとってどうでもいい部分を面接やエントリーシートでの自己PRネタに選び、アピールポイントにすることです。
この2つを避けるために、のちに紹介する自己分析ツール「三種の神器」を利用し、社会的に求められている自己PRのポイントを把握し、企業にアピールすることが重要です。
以下の調査結果によると、面接やエントリーシートで大学生が企業へアピールしがちなことと、企業の採用担当者が実際に求めている採用基準には大きなギャップがあることが分かります。
※出典:リクルートキャリア 就職みらい研究所「就職白書2017 -採用活動・就職活動編- P.20」
企業は「企業に対する熱意」「将来への可能性」、そして「人柄」を面接やエントリーシートなどを通して評価し、あなたを採用しています。対して大学生は、アルバイトやサークルといった「周りと比べて自分が秀でている長所や成果、能力」をアピールしようと躍起になっていることが分かります。
実際にあなたがどんなことを自分の人生で考え、決断してきたかが分かる資料を面接やエントリーシートで提示することが企業側の求めていることであり、内定獲得につながる正しい自己PRの伝え方なのです。
「3つの神器」を使って、自分の長所や弱みを理解・自己分析をしてみよう
先述の通り、面接やエントリーシートで自分の「長所や強み」をPRする場面があっても、誰かと比べて自分が特に秀でている必要はありません。大切なのは、面接やエントリーシートで、自分がどういう長所・特性を持った人間かさえ説明できればいいのです。
具体的な自己分析では、実際に企業が採用している心理テストを使うようにしましょう。
ここからは具体的に、企業でよく使われている3つのツールをご紹介します。
1. 自分の長所や弱みを見つけることができるツール「ストレングス・ファインダー」
「ストレングス・ファインダー」は、外資系企業を中心に広く採用されている自己分析ツールです。Webテストを受けることで34種類ある特徴の中から、自分に当てはまるトップ5の強み(長所)を教えてくれます。
ストレングス・ファインダーを使う最大のメリットは、自分が弱みと感じていることも、実は強み・長所であることを教えてくれる点です。
例えば、消極的でなかなか行動を起こせないことが弱みと考えている人は「慎重さ」や「規律性」が長所として提示されることで、実は伝統的な日系企業が最も欲しがる「ミスをしない人材」であることが分かります。逆にケアレスミスが多くて人に迷惑をかけてばかり……という弱みに悩む大学生は、「活発性」などの強みが出た場合、経営人材に欠かせない「迅速に決断し実行する行動力」を持っていると言えるのです。
【自己分析ツール「ストレングスファインダー」の受験方法】
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』を購入し、本のカバー裏側にあるIDを記入して受験します。中古本だとすでにIDが使われてしまっていることがあるため注意してください。
・さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0
2. 自分の本当の性格や長所が分かる「ビッグ・ファイブ尺度」
「ビッグ・ファイブ尺度」は、企業が行う筆記試験の一部として組み込まれている適性検査で、広く採用されている方法です。
設問に答えると、自分の性格が「外向性・好奇心の強さ・協調性・情緒安定性・勤勉性」の5要素でスコア化され、点数のバランスでタイプを判断します。下手な自己分析ツールより基準がシンプルで、自分の社会性が判断されるため、面接やエントリーシートでアピールすべき視点が明確になるはずです。
また、この尺度を知っておくと自己PRに使えるだけでなく、企業分析でも「この企業の面接では協調性を最優先にアピールすべきで、外向性はなくてもいいな」と簡単に合う企業をチェックできるようになります。
実際のテストツールを購入してもいいですが、無料で簡易版を受けることができます。無料版はこちらのWebサイトからログインしてください。
実際に企業研究を自己分析ツール「ビッグ・ファイブ尺度」で行った例はこちらをご覧ください。
・企業研究は10分で終わらせる!「欲しい人材を見抜く」裏ワザ3. 友達から見た本当の自分が理解できるアプリ「お願い! 他己分析」
自己分析はどうしても「自分自身が考えている自分」の像しかあぶりだせないというデメリットがあります。そこで、仲の良い友達に自分を分析してもらい、自己を理解できるのが、「お願い! 他己分析」というアプリです。
これは、LINEを経由して友達に自分を他己分析してもらえるツールですが、誰があなたをどう分析したかは、頼んだ側から見られないため友情にヒビが入ることもありません。企業側が求める人物像にマッチしていると思われた場合は、任意で企業からのスカウトも受け取れるシステムとなっています。
自己分析ができたら、エピソードで自己PRの内容を肉付けしよう(具体例つき)
ここまで、自分の長所や特徴理解の自己分析に使える「三種の神器」を紹介してきました。自己分析ツールは、自分の長所を企業が学生に求める目線で表現してくれます。
とはいえ、その診断結果はあくまで抽象的なフレーズだけ。長所を裏付けるエピソードを探して、PR内容の肉付けを行いましょう。例えばストレングス・ファインダーで「慎重さ」という結果が出たら「面接やエントリーシートで、自分が慎重だと信じてもらえる的確なエピソードってあるかな……」と思いを巡らせるのです。
逆に自己分析でドツボに陥る人ほど、自分の人生で頑張ったエピソードをメモ書きしたりと自力で奮闘したあげく、面接やエントリーシートで検討違いの自己PRをしてしまったり「自分とは何者なのか……」と哲学的な自己を見つける旅へ出てしまいます。
おわりに
正しい自己分析とは、自己の長所や弱み、自分が何者かを余すところなく探すものではありません。
あくまで企業へ「自分が社会人になったらどんな働き方をするか」を面接やエントリーシートで示す資料を提出すればいいのです。自分ひとりで思い悩むのはやめて、「三種の神器」を利用し、効率的に自己PRや自己分析を準備していってください。
※こちらは2016年12月に公開された記事の再掲です。
▼自己分析の他記事はこちら
・自己分析って何?学生が陥る3つの落とし穴と進め方
・強みと弱みがわかる自己分析の方法!得意×需要×好きから自分の強みを分析
・もう「自己分析」で悩まない。簡単なやり方から面接突破の裏ワザまで徹底解説
・「どこもいい会社に見えるから、決められない」。そんなあなたは「情報の海」でおぼれているのかもしれない。
・【就活の軸の決め方&例文】面接/ESでの答え方と本音を深掘るテンプレ
▼自己PRの他記事はこちら
・新卒採用のエントリーシート(ES)で頻出!自己PRの内容を決める方法と職種別の書き方例文6選
・【特技がないと悩む方へ】就活でアピールできる特技の見つけ方!7つの例文とNG例も解説
・【ES・面接対策】受かる自己PR例文集とNG例!作成方法から評価ポイントまで徹底解説!
・【自己PRの書き方&例文】新卒就活で履歴書/ESに書く強みと例文集
・自己アピールの例文集!面接官の考えるエピソード・強みの作り方
・「あなたを動物に例えると」「いくら金があれば満足か?」面接の奇問で満点を取る方法
・忍耐力とは何か?大切な理由や自己PRでのアピール方法を徹底解説!
▼選考対策総集編記事一覧
・【26卒向け】インターン/就活はいつから?スケジュールと準備の進め方
・OB・OG訪問とは?就活でOB・OG訪問が必要な人、しなくていい人
・志望動機の書き方と例文集|人気8業界のES通過例文 と王道の回答例
・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
・【面接対策】質問集&回答例|新卒就活でよく聞かれることと準備方法
・【自己分析のやり方】たった4通り!簡単にできる方法・ツール・シートを解説
・【業界研究:34業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
・【Webテストとは】主要9種類を網羅!適性検査の特徴、対策本、出題企業一覧
・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/コツや役割を網羅的に解説
・ケース面接対策&例題|コンサル・日系大手も出題!ゼロからの始め方
・ESの書き方&例文集|エントリーシートの基礎から質問別/業界別の回答例まで完全対策