トップ大学生の間ではすでに就活が本格化する一方、何から始めればいいのか焦る人も多いのではないでしょうか。そこで今回は秋から始めれば間に合う、これから始めるべきステップを「プレエントリー、筆記対策、OB・OG訪問」の3軸からお伝えします。
まずは就活の時期を押さえよう
まずは就活の全体像を知るために、スケジュールを見てみましょう。さまざまな大手就活サイトが就活スケジュールを掲載していますが、その多くは現実に即していません。というのも、外資系の就活や経団連の目をかいくぐって出される内々定を無視したものとなっているからです。
その就活スケジュールを信じてしまうと、対策を練る時間が少なくなってしまい内々定を取るのが難しくなる可能性があります。
トップ大学生が押さえておきたい現実的な就活スケジュール
(※)こちらは一般的な就活のスケジュールです。OB・OG訪問を経て1月に内定を出す大手広告代理店のような例外もあります。
上記の図から分かるように、9月現在すでに外資系企業で就活の選考が始まっているのです。外資系企業は優秀な学生へ早期内定を出す傾向にあり、最速で学部3年生・院1年生の夏休みには内々定を出しています。現在慌ただしく就活をしている同級生がいるとすれば、主に外資系企業で就活をしている方でしょう。
とはいえ、外資系企業の選考はまだ始まったばかりです。秋以降に選考を行う外資系企業もたくさんあるので、今からスタートダッシュをしても遅くはありません。
外資を受ける前提で動けば日系企業でも勝てる
トップ大学生のみなさんは、外資を受けることを前提に動き始めましょう。本命企業が最終的に日系企業になったとしても、外資を受けることでライバル就活生がどのくらいのレベルなのか理解できます。さらに外資系企業の内定を持つことが能力の証明となり、日系企業の選考で有利にもなります。
例年、複数内定を持つ学生は早くから動き始めて「まず外資」の内定を確保しています。内定が1社あるだけで心的余裕も変わってきますから、最低でも1社は外資系企業の内定を取るつもりで挑んでください。
ステップ1:プレエントリーをしてみよう
正しい就活の時期を押さえたら、次に何をすればいいのか。それは、めぼしい外資系企業へプレエントリーをすることです。特にオススメなのは、コンサルと金融業界です。理由としては、夏インターンを受けていた優秀な学生も参加するため、選考が難しく日系企業を受ける練習になること。また優秀な学生とのネットワーク作りができることです。
プレエントリーすると参加できる個別説明会では、じっくり企業や業界の説明を受けることができます。最初は受けることを考えていなかった企業でも、深く知れば意外に自分にあっているということもざらにあります。そのため、志望度が低くても「まずは参加する」姿勢をとりましょう。
外資系企業の本選考へのプレエントリーと同時期に、日系企業もインターンの募集を開始します。日系企業によっては、選考通過条件にOB・OG訪問や説明会の参加回数を組み込んでいるところもあります。この時期に気になる企業にはぜひ積極的に関わりを持っておくようにしましょう。例えば10月にインターン募集を行う業界には金融や商社などが挙げられます。
インターン募集に関してはワンキャリアのイベントスケジュールをご覧ください。
・説明会・セミナーを探す
・本選考を探す
・インターンを探す
ステップ2:焦らず筆記対策から始めるのが定石
就活対策というとついOB・OG訪問や大型説明会に参加するなどイベント型の対策をしたくなります。これらは「スケジュールを空けておけばいい」だけで簡単ではあるのですが、実は最も効果的な対策は筆記試験対策です。下記にメジャーな筆記対策のテキストをご紹介します。全問解くよりも設問のパターンを理解することに集中すること。私のヒアリング経験上、筆記試験受験前までに8割以上のスコアがあれば、大抵の企業で落ちなくなります。
以下、外資系と日系それぞれの筆記試験の特徴とその対策をお伝えします。
外資系・筆記試験
【CAB、GAB、GMAT】
外資系の筆記対策としては、主にCAB、GABと呼ばれる筆記試験のほか、外資系投資銀行を受ける方はGMATも必要です。GMATは特に難易度が高いため、じっくり対策する必要があります。
以下はオススメの対策本です。
・必勝・就職試験! 【Web-CAB・GAB Compact・IMAGES対応】CAB・GAB完全突破法! 【2021年度版】
日系・筆記試験
【SPI3】
日系企業では単純な問題をスピーディかつ正確に解く力を査定するSPIと呼ばれる試験が主となります。SPI3とはSPIの改定ver.3のようなもので、このSPI3対策だけを行えば問題ありません。
以下はオススメの対策本です。
・主要3方式<テストセンター・ペーパー・WEBテスティング>対応】これが本当のSPI3だ! 【2021年度版】
外資系・面接
【フェルミ推定、ケース面接】
加えて外資系コンサル企業の面接対策も行いましょう。外資系コンサル企業の面接ではフェルミ推定およびケース面接と呼ばれる特殊な試験が課されます。対策すればすぐできるようになりますので、数問解いておくだけでも変わるはずです。
以下はオススメの対策本です。
・戦略コンサルティング・ファームの面接試験―難関突破のための傾向と対策
ステップ3:企業の業績を理解した上で、OB・OGに会いに行こう
OB・OG訪問は説明会と違って能動的に動かなければ実現しません。とはいえ闇雲に訪問を重ねても「なんとなくいい人だった」という感想以上の学びを得られないもの。
そこでOB・OG訪問の前にウェブで閲覧できる投資家情報などを参考に、簡単な企業研究は必ず行うようにしましょう。
(※)業界分析に必要な情報を調べるには「志望動機がない?とりあえず応募してしまった企業の志望理由の書き方」をご覧ください。
OB・OG訪問は出身大学のデータベースを活用するのが一般的ですが、サークルやゼミの先輩、そしてその友人まで探っていけばほぼ網羅できます。たとえそこで見つからなくても諦めてはいけません。個別説明会で「あなたをOB・OG訪問させてください」と直接相談した事例も毎年報告されています。企業によってはOB・OGを紹介してくれるサービスを行っているところもありますので、諦めずに探していきましょう。具体的には、「ソーシャルランチ」というウェブ上からOB・OGの方に会うことができるシステムがあります。
おわりに:動きながら考えるスタイルを身につけろ
ここまで就活生が最速内定を掴むために取るべき最初のステップを3つの観点からお伝えしてまいりました。
ステップ1:プレエントリーして説明会に参加しよう
ステップ2:筆記試験の設問のパターンを理解する
ステップ3:企業研究をした上で能動的にOG訪問を
就活は毎年スケジュールが変わる上に、複数のタスクが同時に振ってくるため焦る学生も多いとは思います。しかしこれから社会人になればマルチタスクを器用にこなす力量が求められます。就活を社会人としての助走だと考え、山場を乗り切っていきましょう。
▼秋冬インターンに関するオススメ記事はこちら
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※こちらは2016年10月に公開された記事の再掲です。新型コロナウイルス感染拡大の影響などで、各社の選考状況が変更する可能性もございます。