就活に疲れた皆さんこんにちは。息抜きの時間です。先ほど就活生から「ESへの模範解答を教えて下さい」というお題を頂戴したので、今から眉間にシワを寄せつつ大真面目に正解を明示していきたいと思います。
なお、これから提示する回答例はあらゆるES作成に応用の効くエッセンスの宝庫、まさに「塊 of the Essence」となっていますので皆さまに置かれましては充分に熟読の上、鋭意参考にして頂きますよう宜しくお願い致します。大胆なコピーアンドペースト等も全力で推奨しており、著作権についてはガン無視して頂いて構いません。
【電通】
世の中にある「まだ名前のないもの」を見つけ、共感される呼び名をつけてください。そして、その内容を説明してください。(呼び名:30文字以下、内容:200文字以下)
呼び名:「若害」
説明:これは「老害」という概念に対抗する考え方です。「老害」というのは自分が老いたことに気付かず周りの若者の活躍を妨げる害悪のことであり、無意識に既得権益を守る愚かな姿勢等を指して用いられます。一方、都合の悪い事物を何でもかんでも「老害」呼ばわりし、自分の無知や無能を棚に上げて全ての困難の原因を年配者のエゴイズムに求めようとする一部の若者の短絡的な姿勢を「若害」と呼びます。読み方は「ギャランドゥ」です。(200文字)
【丸紅】
どのような人間になりたいと考えているか、教えてください。(300文字以下)
私は「人間」になりたいとは考えておりません。人類で初めて空を飛んだ、ライト兄弟の話をご存知ですか?彼らは人間ではなく「鳥」になりたいと真剣に考えたからこそ、「空を飛ぶことは出来ない」という当時の常識を打ち破ることに成功したのです。それを踏まえ設問を「どのような生き物になりたいか」と読み替えると、私の回答は「マントヒヒ」になります。「マントヒヒ」一択です。理由と致しましてはマントヒヒが、え〜っと、えっと、何でしょう、凄い感じが、する?から?ですかね。あ、いや、ちょ、回答変えて良いですか?回答は「アメリカアリゲーター」です。理由は、何て言うか、顎が、え〜っと、顎がですね、顎が、ヤバい、、、から?(299文字)
【博報堂】
あなたの身の回りにある「もったいない」と思うことを教えてください。
また、それを解決するためのアイデアを考えてください。(専用のA4用紙1枚)
タイトル:
電気代がもったいない
内容:
最近、家を出る際に暖房を消し忘れてしまい、そのまま夜に帰宅するまでの間暖房の電源が入りっぱなしだったことがあります。この時に、とても「もったいない」と思いました。外出している間にも電気代は発生し、そして不必要に稼働し続ける機械により、地球の限りある資源が無駄に消費されているのです。
私がこの「もったいない」状況を打破する為に考えたアイデアは、家を出る前に、暖房のスイッチを「切る」というものです。スイッチを「切る」というのはどういうことかと言うと、暖房機器の稼働を一時的に停止する為、リモートコントローラーと呼ばれる機材に設置されている所定のボタンを、「押す」ということです。「切る」というのは、「押す」ということなのです。
さて、この「ボタンを押す」というアイデアを達成する為の具体的な方法についてですが、私が考案したのは「右手の親指の屈伸運動を活用する」という手法です。まずはファーストステップとしてリモートコントローラーを右手の、手のひら・人差し指・中指・薬指・小指により包み込むように固定し、リモートコントローラーの自由を奪います。これは「持つ」と呼ばれる戦略です。そしてセカンドステップとして稼働域を充分に残している「親指」を巧みに操り、これによりリモートコントローラーの表面に存在する突起部分すなわち「ボタン」を、グイと押し込むのです。
なお、親指がボタンに触れそれがボタンをグイと押し込む間、ボタンが私の親指から力を受けていることは勿論のこと、同時に私の親指もボタン側から力を受けています。この「ボタンにかかっている力」と「親指にかかっている力」は、それぞれ同一線上の逆向きに存在しながら全く同じ大きさを有しており、これを「作用反作用の法則」と呼びます。
さて、突起部分がグイと押し込まれると、これによりリモートコントローラー(以下リモコン)の内部に設置されているシステムが反応し、コード化された赤外線が暖房本体へと送られることになります。すると直ちに電流の流れが止まり、本体の電源が切れるのです。この活動を外出前に達成することで、暖房の無駄な稼働を阻止し、「もったいない」状況を抜本的に克服することが出来ます。これこそ正に「もったいない」に対する明確なアンサー。Answer to the MOTTAINAIです。略してATTM、読み方はアトム。いやアットム。いや、アトットム?かな?あ、あれ?アトトトットム?え?あれ?何書いてるんですか僕?あわわわあっわあわっわわ
…というような、下らないESを作成する為に学生が使う時間も、そしてそれを読む為に企業の人事が使う時間も、正直、本当に「もったいない」と思います。学生が労力をかけてES対策を施し巧妙なエントリーシートを作れば作るほど、企業の人事側はそれを見破る為に労力をかけて熟読する必要があります。まさに「学生に掛かっている労力」と「人事に掛かっている労力」が、作用反作用。無駄の連鎖です。そう思いませんか?それを解決する為には、もう「やめる」しかないと思います。新卒一括採用を。
そして新卒一括採用をやめてどうするのかという具体的な代替案についてなんですが、こちらについても既に纏まった考えがあるのですが分量の関係上A4用紙には収まりきらず、一度、私を御社の人事部に採用して頂いた上で「社内報告」という形でこのエントリーシートの続きを完成させて頂いても宜しいでしょうか?私のエントリーシートが完成したその日は、御社がエントリーシートというシステムを卒業する記念すべき日となるでしょう。
私のような1,000年に一人の逸材を逃すことは、御社にとって非常に「もったいない」判断になると確信しております。(1,525文字)
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