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【関西版】関西就活 大学で違いくっきり

2020.03.01

  • 関西

ライター : 吉川翔大

編集者 : 田中裕子

調査協力 : 三輪克樹/黒田歩李/浜崎太郎/塩屋智子

[京大] 商社よりコンサル

地元に本社を置く大企業も多く、上京までを視野に入れると選択肢が豊富な関西の就活。ワンキャリアの21卒の学生を対象にした就職人気ランキングに目を向けると、大学によって上位の顔ぶれには違いがあり、各校の学生の就職観が浮き彫りになった。

関西2021卒学生の就職人気企業ランキング

京都大学のランキングでは上位4社をコンサルティングファームが独占。トップ10にも7社が入り、人気の高さがうかがえる。

内定を得たコンサルティングファームへの入社を決めた京都大学3年の葛西さん(仮名)は「コンサルはさまざまな案件に携われるので、社会人としての幅広いスキルが身に付く」と話す。ワンキャリアの2019年の調査では、東大・京大生の69・2%は入社先を決める要素として「スキル・経験」を重視しており、全体の58・6%を上回る。終身雇用が崩壊する時代を見据え、上位校の学生ほど転職しても通用するスキルを入社先に求めているようだ。

学生の中には、「本命の準備」や「力試し」のつもりでコンサルティングファームを志望する層も一定数は存在する。葛西さんはもともと総合商社を志望していたが、就活を経て考えを変えた。「商社の面接対策としてコンサルの本選考を受けたが、レベルの高い人が多く、感化された」と振り返る。

阪大・神大は商社人気が顕著

同じ国立大学でも、大阪大学と神戸大学で人気なのは総合商社。両校ともランキングの上位2社は三菱商事と伊藤忠商事で、5大商社は全社トップ10入り。トップ10入りが2社だった京都大学とは対照的な結果となった。

大阪大学4年の金子さん(仮名)は外資系コンサルティングファームからも内定を得たが、入社先に選んだのは総合商社。「商社に行っている大学の先輩が多く、たくさん話を聞けた。商社の方が働くイメージが持てた」と理由を挙げた。商社志望の神戸大学3年の鈴木さん(仮名)も「神戸大学の学生を10名程度採用している総合商社もあり、内定が取れる確率が高いように思えた」と話しており、商社の方が就職先としてより現実的な選択肢になっている。

大阪大学・神戸大学のランキングにもコンサルティングファームは上位に食い込んでいるが、京都大学ほどは集中していない。京阪神の国立大学の間では、「京大はコンサル、阪大・神大は商社」とすみ分けができているようだ。

関関同立ではトヨタが人気上昇。クボタも存在感

一方の私立大学。関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大の4校)では、総合商社以外の日系大手もランクインした。中でもトヨタ自動車は前年の38位から5位へと大きく順位を上げた。

トヨタ自動車は20卒採用から、希望の職種・コースを登録する方式を始め、職種別採用に近い動きをしている。同志社大学の寺田さん(仮名)は「トヨタは新卒から将来の幹部を育てようとしている印象だった」と志望動機を語る。他のトヨタ志望者からも「文系でも自分の担う役割が明確になるので、(研究開発を中心に理系人材が活躍する)製造業の中でも特に大きな企業だが、自分が会社を動かせる期待感が持てた」との声があった。新卒一括採用を脱却しようとする企業イメージが関西の学生に浸透し始め、支持につながったとみられる。

イメージアップに成功しているもう一つのメーカーが、クボタだ。大阪市に本社を置く農業機械メーカーは、関関同立のランキングでは136位から41位へ大躍進。大阪市立大学・大阪府立大学では3位にランクインした。

クボタは2017年から「ブランド強化プロジェクト」を始め、グローバルな事業で社会課題の解決に取り組んでいることを広告などで発信している。「グローバルに農業事業を展開する大企業のイメージ。日本の農業を盛り上げたい自分にとっては魅力的」と京都大学大学院の飯島さん(仮名)。「関西勤務であることと、クボタが目指すビジョンに共感し、インターンに応募した」との声もあり、地元で働きたい学生を中心に志望度が高まっているようだ。

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