「夢」はブレてはいけないという勘違い。
僕は、今まで『絶対内定』という書籍を通して、そしてキャリアデザインスクール我究館という場を通して3000人を超える方と「夢」を描き、その実現を手伝ってきた。
一度きりの人生を何のために使うのかを、真剣に考えようとする個人と向き合ってきた。
その中で、多くの方が誤解していることがあることに気づいた。
それは「夢」が見つかったら「そこからブレてはいけない」と思い込んでいることだ。
実はそんなことはない。
ほとんどの人が、夢の形を変えながら生きている。
人は成長とともに、目指すゴールを変更しながら生きているのだ。
夢は変わってもいい。
重要なのは
「今考えられるベストの夢」
を描けば良いということだ。
僕が我究館のコーチになってから9年が経つ。
かつて、僕と夢を描いた21、22歳の就活生だった大学生は30代になっている。
彼らは、いま、どこで、どんな夢を描いているのか。
就活生のきみたちに、彼らのエピソードを通して、将来のヒントを手にしてみてほしい。
夢は変わり続けるもの。
銀行に勤めたAくん、
メガバンクに務めたAくん。大学時代はダンスをしていて、世界に通用するダンサーになりたかった。しかし、夢半ばで敗れ、就活に専念。就職留年を経てメガバンクに進路を決めた。「日本の中小企業を世界に通用する会社にするサポートをしたい」という夢を描いたからだ。あれから9年。彼は行内のエースとして活躍を続けている。しかし、クライアントの成長に貢献するにつれて、自分もクライアントと同様に挑戦をしていきたい衝動にかられるようになる。「自分も、もう一度世界に挑戦したい」と。ダンスでは諦めたが、もう一度「別の分野でもよいから挑戦してみたい」と。結果、今の会社ではなくMBA留学をして、世界のエリートたちと戦うことを胸に抱いて日々、準備を進めている。
ITサービスの企業に進んだBくん、
就職活動中は、大手企業のテクノロジーの力を使って「世界をもっと効率化したい」と思っていた。そこでIT企業に務めたBくん。最初は通用せずに苦戦をしたが、2年目から頭角を表す。国内事業で圧倒的な成果を出し、海外事業部の立ち上げも経験。その後、独立をした。次々と生まれるテクノロジーの力を使って「自分で」新たなサービスを立ち上げようと考えたのだ。今は世界を飛び回りながら国境を越えてサービスを開発している。
このように、夢は形を変え続ける。
きみが成長し続ける限り。
夢に向かって全力疾走した人だけが、次の夢を持てる。
彼らの人生を通して、僕が就活生のきみに伝えたいことがある。
まず、AくんとBくんが「20代を全力で駆け抜けたこと」だ。
そのために、彼らは就活中に、その時に心から信じることができる夢を抱いたことだ。
夢を描き全力で就職活動をすること。
高い評価で内定をすること。
そして、希望の部署に配属され、全力で仕事をして、活躍すること。
その先にしか、次の夢は見えてこない。
そこで自信をつけた人にしか、次のオプションを選ぶ勇気がわいてこないのだ。
「夢なんてなくても、内定くらいとれる」という考えも理解はできる。しかし、強い思い入れもなく手に入れた進路で全力を尽くし、活躍できるほど人間は簡単にはできていないことを僕は知っている。
将来、夢は変わったって良い。
今、きみが信じられる夢を描こう。
30歳になったときに、まだ自分の可能性を信じることができる
アメリカの心理学者メグジェイがTEDトークで「人生の8割は20代で決まる」と語っていたが、僕もその通りだと思っている。
何歳になっても可能性は無限大だが、これは事実。
しかし、実際は多くの人がライフイベントなどのプライベートでの変化、社会が自分に期待することの変化、それらを前にして、リスクが取りづらくなっている。
リスクと隣り合わせの夢を描く前に、人は尻込みをしてしまう。
そこまでの人生に、納得と自信がなければ。
定期的に自分と向き合い直そう。
就職活動を終えた後。
どんなに忙しくても、定期的に自分と向き合い直そう。
目安としては、
・社会人経験3年目が終わるころ
・20代後半
・30歳になったころ
3年ごとがおすすめだ。
きみも、きみをとりまく周囲の環境も大きく変化をしているはずだ。
だからこそ、その時にもう一度、自分の心からの思いに耳を傾けてみよう。
その時まで、今日、胸に抱いた夢に向けて、まずは3年間駆け抜けてみよう。
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採用担当者も読んでいる。9年連続大学生協売り上げ第一位『絶対内定』シリーズ
▼特別連載『絶対内定』著者の本音コラム
第1回:「就職活動で語れる夢やヤリタイコト」探しに悩むきみへ
第2回:ES、面接で語る自己PRで学生がしている勘違い
第3回:30歳の社会人たちに聞く「かつての夢」と「いまの夢」