あなたは「圧迫面接」を受けたことがありますか?
圧迫面接を受けたことがある人の割合は、ダイヤモンド社が2014年に行った調査では12%、マイナビが2016年に行った調査では32.8%と、若手社会人の1~3割の人はどこかしらの企業の圧迫面接を経験しているようです。
圧迫面接で面接官は何を見ているのか
圧迫面接は、一体何のためにあるのでしょうか?
一般的には、学生の「ストレス耐性」や「臨機応変さ」、そして「本性」を見るために行われているようです。
例えば、仕事で顧客から想像を超えるようなクレームを出されたときに、感情を出すことなく適切な対応・態度ができるかを見るためにあるようです。
圧迫面接、一度受けたけど「死ね」に近い言葉を何回言われても「仰る通りで御座います」「ご鞭撻有り難く頂戴致します」「有能な方々がおられる御社の面談をお許し頂き光栄で御座います」みたいな相槌打ってたら「いいねこいつ」みたいな話してて後日合格の電話あったけど電話口で死ねって言って逃げた※引用:twitterより
これを呟いた方の臨機応変ぶりは神がかっていると思います。
ですが、たかが面接なのに、たとえ「死ね」と言われても「光栄で御座います」と答えなければならないほど、日本企業で働くためには自尊心を捨てることを求められるのかと思うと、暗鬱な気持ちになります。
私の圧迫面接体験:圧迫面接以上に傷ついたこと
上の例ほどではありませんが、私も圧迫面接を何回か受けたことがあります。
最も印象的だったのは、まだ正社員だった頃に転職で受けたA社での圧迫面接です。
3次面接で、私1人対面接官10人以上という面接がありました。
それだけでもかなり動揺しましたが、
「何で(今の会社を)辞めるの?」
「ウチに入ってもすぐ辞めちゃうんじゃないの?」
「本当は、ウチに入りたいから辞めるんじゃなくて、他に(今の会社を)辞めたい理由があるんじゃないの?」
「(今の会社で)上手くいってないんじゃないの?」
「この仕事に向いてないんじゃないの?」
「どうして新卒でウチを受けていないの? 新卒時に受けていないのに、今更入りたいなんておかしいよね?」
と、10人以上のエラい方々から次々と質問されました。
つまり、「なぜ、今の会社を辞めてまでA社に入りたいか」という、強い志望動機の説明が求められているのですが、このような形で何度も自分の志望動機を求められると、
「こんなに何回も『○○なので是非入社させてください』とアピールするほど、価値がある会社なのか?」
と思い始め、熱く語っているのに、心は冷え始めている自分がいました。
どんなに前向きな志望動機を語っても、必ず面接官に否定されるのです。
「もしかしたらこの場にいる10何人もの前にはいつくばって、
『何卒この会社に入社させてください、お願いします!』と土下座するのが正解なのか?」
とまで思わせる雰囲気がありました。
しかし、本当にショックだったのは、面接が終わった後でした。
2次面接が終わった時にすごくフレンドリーに接してくださり、「ぜひウチの会社に来てください」とまで言ってくださった人事の方に、廊下で会いました。
思わず「本日はありがとうございました」と話しかけたのですが、ふいっと無視されたのです。
その瞬間、落ちたことが分かりました(実際落ちました)。
人事の方にとっては、もう二度と会わない私と話すのはムダなことだったのでしょう。
圧迫面接よりも無視されたことの方が、ずっと傷つきました。
人事の方にとって、私は「こちらこそありがとうございました」とオウム返しするほどの価値もない存在だったからです。
私がもし人事だったら、応募者も自社サービスの顧客になる可能性があり、面接のことが(私がこの原稿を書いているように)口コミで伝わる可能性があるので、このような対応は決して取らないでしょう。
圧迫面接をする会社に入社してもいいのか?
圧迫面接で傷つかないためには、「面接をする企業側も、仕事でやっているのだ」と思うことが大切です。
そう思うだけで、面接官に否定的な質問をされても「私を動揺させるために、あえてこんな言い方をしているのだ」と思え、冷静に対応することができます。
また、面接で応募者のストレス耐性を見るために、例えばこのようなネガティブな質問をされることがあります。
「今までで辛かった出来事を教えてください」
こういった質問に対して、ストレートに回答してはいけません。
面接者に「私はストレス耐性が低くありません」とアピールするためには、「辛い出来事も多面的にとらえることができる」と示す必要があります。
そのためには、面接官に「○○という出来事があり、△△の面は辛かったですが、□□という面は自分にとってプラスになったと思います」等と、必ず前向きな面を最後に付け加えるようにしましょう。
面接官にネガティブな質問や否定的な言い方をされても、ポジティブに回答することが大切です。
圧迫面接をする会社は社風として「社員を試す」カルチャーがあるのかもしれない
最後に、「圧迫面接をする会社に、自分は入社してもいいのか?」という視点は、必ず持っておきましょう。
本来、ストレス耐性などは、圧迫面接以外の方法でも見ることができます。
面接官の技能が高ければ、学生に過去の経験を聞き出すことでストレス耐性を確かめることもできるはずです。
それでもあえて、応募者が嫌がる圧迫面接という形をとっている会社は、入社後にも社員を試すような何らかの体制や社風を抱えている可能性があります。
面接は、企業が学生や転職応募者を一方的に品定めする場ではなく、応募者側からも企業へ質問をするなど、双方向にコミュニケーションを取るべき場だと思います。
面接の場で、一方的な圧迫を受けるだけの会社よりも、入社前に不明な条件について確認することのできる会社の方が、入社してから働きやすいのは言うまでもありません。
「どうしてもこの会社に入りたいから圧迫面接も耐えよう」ではなく、応募者と会社ができるだけ対等に話し合えるような企業を選ぶようにしましょう。
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