※こちらは2016年10月に掲載された記事の再掲です。新型コロナウイルスの感染拡大などにより、働き方に関して変化している部分もあります
こんにちは、ワンキャリ編集部のトイアンナです。
【外資の本選考:直前対策シリーズ】の第7弾は新卒で外資へ入社し、3年以内に辞める人たちがどこへ行くのか実例をもとにご案内していきます。
「新卒で入った会社で3年はガマンしないと、職歴に傷がつく」と考えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
少なくとも外資系企業において、この神話は存在しません。外資で戦い続けて20年のベテラン先輩たちですら、合わない会社なら1年でさっさと辞めてしまうからです。では、そうして辞めた方はどこへ行くのか。40代以上のベテラン社員は同業他社を経由して出世コースをたどる方が多いことはすでにお伝えいたしました。
それでは見ていきましょう。
外資を辞める理由トップ2は「結婚」と「面白い仕事」
「3年で外資を辞める」という言葉には、就活生の目線だとリストラでクビになるイメージがあるかもしれません。しかしこれまでのヒアリングによると、実際の退職はざっと下記の比率で成り立っています。
※ライターがヒアリングに基づいてグラフを作成(2016年10月時点)
男女問わず一番多いのは「より面白い他の業界が見つかった」という理由で、特に新卒企業の社風が肌に合わないと感じている場合、最短半年での転職も見られます。同率で並ぶ「結婚したいから」という退職理由は女性に多く見られます。
しかし就活生から見れば、トップ2の理由はどちらも入社前に分かりそうなことなのに、どうして新卒で外資を選んだのか不思議に思えるのではないでしょうか。そこで今回、それぞれの理由で退職された方からお話を伺ってみました。
外資とはいえ大企業病から逃れられないと知る
新卒1年で外資系メーカーを退職したAさんは、こう語ります。
Aさん:もともと外資で一生働くつもりはなくて、いずれは転職をと思ってました。1年で辞めるとは思わなかったですけど(笑)。大学生のころベンチャーで働いていたんですけど、気分でプロジェクトを進める人で。その社長は学生時代に起業した人で就職経験がなかったんです。そのためか仕事を円滑に進める仕組みは足りていないなと思ったんで、それを新卒で入った外資で学んでから自分はやろうと。
で、外資に入って実際に効率的な業務の進め方は教えていただいたんですけど、外資とはいえ大企業病はあるんだなと思いました。偉い人に見せるためだけの資料に1カ月かけて、数値目標を作ることが目的になって肝心のプランを作る時間がない。事前の根回しだけで会議が10件とか。それで競合にバンバン抜かれて。
外資に入るまでは日系企業って社長の一声でテキトーに方向性決めてあんなんでよく業績が上がるなって思ってましたけど、外資のやり方を知ってから「あちらさんは社長の一声で決まるから動きが早いのか」と納得しましたね。(日系の競合他社は)社長1人を説得すればいいところを、こっちは10人のチーム全員に説得して回るわけで(笑)。
──ひどい(笑)。それを踏まえて大手日系企業へ転職しようとは思わなかったんでしょうか。
Aさん:いや、やっぱり「鶴の一声」で決まる会社さんへ行くのは嫌ですね。社長がアホだったら会社つぶれてしまいますもん。外資では使えるスキームも何とか使いこなせるようになって一段落したなという頃にお声がけいただいて、決定スピードが早い少人数のベンチャーへ転職しました。前職と違って何もかも理路整然とは進められないですけど、やっぱりうれしいですよ。競合より早く案件を押さえられるのは。
Aさんのように「外資系企業であれば」と期待した業務ができない場合は即座に見切りをつけて転職される方が多くいます。なお、筆者が知る限り最短半年で辞めた社員がいましたが、現在は別業界で大活躍中。どの部分で会社とミスマッチが起きたか冷静に分析できる社員であれば、「次こそは○○のある会社で働こう」と適格な条件を探せるため転職で失敗することも少ないようです。
結婚を現実的に考えたら、辞めるしかないと女性は考える
一方、女性に特有な結婚を理由にして辞めるパターン。実際に結婚するため、新卒入社3年後に転職したBさんからお話を伺いました。
Bさん:就活しているときからライフプランがありました。30歳までに役職つけて31歳までに結婚、35歳までに出産です。
院卒なので達成するまでの年数も短く、必死で仕事を覚えました。激務でしたねー。2日寝ていないまま帰ったら家のドアが開かなくて。なんでだろうと思ったらPASMOをガッ、ガッって鍵穴へ挿そうとしていたことがある(笑)。
──それは怖いですね。
で、夢中でそんな働き方をしていた27歳くらいの時に「あっ、これ結婚無理だ」って気づきまして。そもそも出会いがない。社内恋愛は何があるか分からないので嫌で。じゃあ、と婚活アプリを使ったって深夜1時に知らない女と結婚を踏まえてデートしてくれる男性なんているわけない。あと弊社は海外勤務も多くて、25~30歳でアジア各国に飛ばされるんですよ。結婚適齢期を台無しにされるってことです。
──外資系勤務の女性は結婚と仕事を両立させるイメージが一般的にありますよね。
Bさん:幻想ですね(笑)。結婚とキャリアの両立に関するイシュー(課題)は3点あって、まず夫の仕事を犠牲にしないと自分のキャリアは維持できないという課題があります。例え今はそうじゃなくても、絶対どこかで夫婦どちらのキャリアを優先するか決めなくちゃならない。でも子育てを自分の手でしたいなら、女性は譲らざるを得ない。これは総合職全般に当てはまりますね。
2点目に外資であっても育休を取ればキャリアはビハインド(遅れたもの)になる。社内に残っている子持ちの人って「破水するまで働いて2カ月で復帰」のようなスタイルでなるべく後れを取らないようにする。私はやりたくなかったですね、それ。
最後に、これは転職した今も該当しちゃうんであれですけど、外資にいる限りモテないです。私のような人間はロジカルに説得してプロジェクトを進めるクセがあるだけに共感ベースの話ができないんで。女は共感、男はロジックを求めるなんて言いますけどウソですね、あれは。男性だって共感してほしくて、合コンで上司の愚痴を言ったりしますから。
結婚するためにとホワイトな勤務体系で知られる別の外資系企業へ転職したBさんは、わずか1年後に男性と婚約。「31歳までに結婚」を達成するために着々と準備しているようです。
Bさんの例では結婚したいのに外資へ転職? と思った方もいるかと思います。実は外資系企業にも9時~6時勤務のホワイト企業は多くあり、結婚したい女性の転職先として人気があります。しかしその多くは新卒採用を行っていないため、転職で初めて門戸が開かれるのです。
3年以内に辞めても転職できることが新卒外資の魅力
ここまで外資系企業を3年以内に辞めている方がどういうキャリアを歩むか、最も多い2パターンに注力しつつお伝えしてまいりました。これまでヒアリングしてきた方に共通しているのは、新卒で外資を辞めても同等の規模の企業へ転職できていたり、ベンチャーで大きな役職を任されたりと人生のオプションが広いこと。3年以内に辞めた日系企業出身者の場合は人によって転職活動に苦戦するのと比べ大きな差が出ています。
外資系企業では入社後即座に大きな業務を任せることも多いことから、最初の数年を下積みとみなす日系企業出身者と比較して転職に有利と言われています。3年以内で辞める人が多いというネガティブな側面だけでなく、例え転職になってもキャリアが狭まらないため安心できるという見方もできるでしょう。いよいよ学部3年生、院1年生の皆さまにとって外資就活も本番シーズンとなりましたが、気を引き締めて内定を勝ち取ってください。
▼外資系企業の転職先はこちらから
『ONE CAREER PLUS』では、外資系企業で働いた人の転職先を数多く掲載しています。
外資系企業で働いた後のキャリアパスを知りたい方はぜひ『ONE CAREER PLUS』もご覧ください。
外資系企業で働く人の転職先を確認する(別サイトに遷移します)
▼参考
・ONE CAREER PLUS『マッキンゼー・アンド・カンパニー/転職体験談』(別サイトに遷移します)
・ONE CAREER PLUS『デロイトトーマツコンサルティング/転職体験談』(別サイトに遷移します)
他MBBやBig4、外資系金融などの転職先も掲載されているので、興味のある方はご覧ください。
【第1弾:マッキンゼー】マッキンゼーの筆記対策:英語が苦手な型向けに、練習問題の英語による解説をすべて和訳してみました(保存版)
【第2弾:外コン】外資系コンサル:年内内定ゲットの「完全ロードマップ」〜外コンの秋・冬インターンに行きたいならこう動け!〜
【第3弾:マッキンゼー】【3分対策:マッキンゼー】外資コンサル最難関の一つ!マッキンゼー・アンド・カンパニー内定に必須の選考対策ポイント7選(2019年卒向け)
【第4弾:アクセンチュア】【3分対策シリーズ:アクセンチュア】アクセンチュア/戦略コンサルタント職内定に向けた選考対策ポイント9選(2019年卒向け)
【第5弾:ベイン】【3分対策:ベイン】McK・BCGと並ぶ外資コンサルBIG3。ベイン・アンド・カンパニー内定に向けた筆記試験・面接・ジョブ突破ポイント5選(2019年卒向け)
【第6弾:外資✕40代】外資・40代のリアル:OUT(クビ)になって辞める人はほとんどいない
【第7弾:外資✕20代】「現実的だからこそ3年で辞めるんです」外資系企業を辞めた若者はどこへ行くのか?
【第8弾:外銀】外銀IBD:年明け内定ゲットの「完全ロードマップ」〜外資系投資銀行の本選考はこう動け!〜【19卒向け】
【第9弾:BCG】【3分対策:BCG】インターン参加必須?外資系コンサルの最高峰、ボストンコンサルティンググループ内定に向けたES・面接など選考対策ポイント7選(2019年卒向け)
【第10弾:DTC】【3分対策:デロイト】インターン選考突破が近道!デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)の選考対策ポイント
【第11弾:モルスタ】【3分対策:モルスタ】ストレス耐性が問われるスーパーデイ!モルガン・スタンレー(投資銀行部門/資本市場部門)内定に向けた本選考のポイント7選(2019年卒向け)
【第12弾:モルガン】【3分対策:J.P.モルガン】鬼門の英語ES。J.P.モルガン(投資銀行部門)内定に向けた本選考突破のポイント12選(2019卒向け)
【第13弾:外銀(ニッチ)】IBDだけじゃない!外銀の各部門「今さら聞けない」業務内容や合格の秘訣をおさらい:マーケット、リサーチ、アセットマネジメント、オペレーション、テクノロジー
【第14弾:外資企業一覧】独自調査:外資系企業71社ランキング!就活生が選ぶ、人気の有名外資系から穴場外資系まで一挙公開【20卒版】