こんにちは、ワンキャリ編集部です。
就活生の間で「人の幸せに寄り添う仕事」として安定した人気を誇る旅行業界。「旅が好き」「世界と関わりたい」という純粋な想いを持つ方が多い一方で、近年の業界はデジタル化や体験型コンテンツの開発、そして外部環境の変化への対応など、大きな変革期を迎えています。
この記事では、魅力的なプランを作り上げる「企画」から、お客様に旅を提案する「営業」、そして現場を支える「添乗」の仕事まで詳しく解説するほか、若手の1日の流れや向いている人の資質もあわせて紹介します。
「旅行会社はどのようなことをやっているの?」という疑問を解消し、ホスピタリティを届けるプロフェッショナルの道を検討してみましょう!
<目次> ●旅行会社の役割とビジネスモデル ・旅行会社の役割:非日常の感動体験を提供し、地域の活性化や異文化交流を促進する ・旅行会社で求められる人物像 ・旅行会社のビジネスモデル ・旅行会社の主な職種 ●旅行会社の仕事内容 ・旅行会社の主な仕事内容 ・旅行会社に新卒入社した後に任されること ●旅行会社で働く人の1日のスケジュール ●旅行会社で働く「やりがい」と「大変なこと」 ・旅行会社で働くやりがい ・旅行会社で働くと感じる大変なこと ●旅行会社で働くことに向いている人・向いていない人 ・旅行会社に向いている人の特徴 ・旅行会社に向いていない人の特徴 ●旅行会社で有利にはたらく資格やスキルとその理由 ・旅行会社で有利にはたらくスキル ・旅行会社で有利にはたらく資格 ●まとめ
旅行会社の役割とビジネスモデル
旅行会社は、旅行商品の企画・販売、宿泊や交通の手配、添乗員業務などを通じて、旅の体験を支える企業です。ここでは、旅行会社の役割やビジネスモデル、主な職種について解説します。
旅行会社の役割:非日常の感動体験を提供し、地域の活性化や異文化交流を促進する
旅行会社の役割は、観光や出張、留学、修学旅行など、人々が日常から離れて新しい体験を得る機会を提供することです。航空券や宿泊、移動手段の手配を通じて、安全で快適な旅を実現する旅のプロデューサーともいえる存在となっています。
また、地方への観光誘客や訪日インバウンドの受け入れ、地域資源を生かしたツアーの企画などを通じて、地域経済の活性化に貢献する役割も担っています。海外旅行や留学を通じた異文化交流の促進も、旅行会社が果たす重要な社会的価値のひとつです。
人々の人生の特別な瞬間や、リフレッシュの機会を支えながら、地域や世界をつなぐ存在として欠かせない業界となっています。
旅行会社で求められる人物像
旅行会社で求められるのは、お客様一人ひとりの希望に寄り添うホスピタリティと、突発的なトラブルにも冷静に対応する柔軟さを兼ね備えた人材です。旅行という人生のなかでも特別な時間を扱う以上、相手の期待を超える提案や対応が常に問われます。
国内外の地理や文化、観光資源、宿泊・交通インフラに関する知識を継続的に吸収する向学心も欠かせません。担当地域が広がるほど、専門性の積み上げが商品提案の質を左右します。
また、土日や大型連休に繁忙期を迎える業界特性のため、長期休暇の時期に集中して働ける体力や、シフト勤務に前向きに取り組める姿勢も重視されます。
旅行会社のビジネスモデル
旅行会社の基本的なビジネスモデルは、航空会社や宿泊施設、現地手配会社などから商品を仕入れ、ツアーとして組み合わせて販売することで、仕入れ価格と販売価格の差や手配手数料を収益として獲得する仕組みです。
大手の総合旅行会社は、店舗・電話・Webなど複数のチャネルを通じて個人客向けの旅行商品を販売します。あわせて、企業の出張手配や修学旅行・社員旅行などの法人向けビジネスも大きな柱となっています。
近年は、ダイナミックパッケージや地域コンテンツ造成、訪日インバウンド支援、ワーケーション関連サービスなど、従来型ツアー以外の新しい収益源の開発が積極的に進められています。
旅行会社の主な職種
旅行会社で働く職種は、大きく分けてツアープランナー、カウンターセールス、法人営業、オペレーター、添乗員、コーポレートなどに分類されます。ツアープランナーは、旅行商品を企画する仕事で、企業の顔となる役割を担います。
カウンターセールスは店舗で個人のお客様の旅行相談に対応し、最適な商品を提案します。法人営業は、企業や学校を訪問して出張・修学旅行などの提案を行います。
オペレーターは、空席照会や予約手配などの裏方業務を担い、添乗員は実際にツアーに同行してお客様をサポートします。バックオフィスを含めて多様な役割が連携することで、1つの旅行体験が成り立っています。
旅行会社の仕事内容
旅行会社の仕事内容は、商品企画から販売、手配、添乗業務、トラブル対応まで非常に幅広く展開しています。ここでは、代表的な仕事内容と新卒入社後に任される業務を解説します。
旅行会社の主な仕事内容
旅行会社の業務は、企画から販売、手配、添乗まで、さまざまな職種が連携して成り立っています。ここでは、代表的な5つの仕事内容を紹介します。
ツアープランナー
ツアープランナーは、新しい旅行商品を企画する仕事です。観光トレンドやお客様の興味関心を分析しながら、目的地、行程、価格、宿泊先、食事、現地体験などを組み合わせて魅力的なツアーを設計していきます。
航空会社や宿泊施設、現地手配会社との交渉、パンフレットやWebサイト用の素材選定、ターゲット顧客への訴求方法の検討まで担当します。旅好きの情熱と、ビジネスとして成立させる視点を両立させる仕事です。
カウンターセールス(個人営業)
カウンターセールスは、店舗を訪れたお客様の旅行相談に対応し、最適な商品を提案する仕事です。家族旅行、ハネムーン、卒業旅行、シニア層の海外旅行など、お客様の状況や希望をヒアリングしながらツアーを案内します。
商品知識だけでなく、お客様のライフスタイルや好みに寄り添う提案力が問われます。1度の相談から長くおつき合いするリピーターを生むことも多く、信頼関係づくりがやりがいに直結する仕事です。
法人営業
法人営業は、企業や官公庁、学校などの法人顧客に対して、出張、社員旅行、研修、修学旅行などのプランを提案する仕事です。担当先のニーズや予算をふまえて、適切なスケジュールや予算配分を企画していきます。
継続的な取引が中心になるため、担当者との信頼関係が成果を左右します。大型案件では数千人規模の修学旅行や、海外研修旅行などを取りまとめることもあり、責任とやりがいの大きい仕事といえます。
オペレーター
オペレーターは、ツアーや個別予約の手配を担う裏方の仕事です。社内システムを使って航空券の空席照会、宿泊施設の予約、レンタカーや現地ツアーの手配などを行い、お客様の旅程を組み立てていきます。
営業担当やお客様からの依頼を正確かつ迅速に処理する正確性が求められます。価格交渉や代替案の提案も重要な役割であり、表に出ない業務ながら、旅行商品の品質を支える要となるポジションです。
添乗員
添乗員は、ツアーに同行してお客様の旅程を円滑に進める仕事です。空港でのチェックインや観光地での案内、宿泊先のチェックイン、食事の手配、トラブル時の対応など、現場でのマネジメントを一手に担います。
お客様と長時間ともに過ごすため、コミュニケーション力やホスピタリティ精神が成果を左右します。海外ツアーの添乗では、語学力や現地スタッフとの調整力も求められ、専門性の高い仕事といえます。
旅行会社に新卒入社した後に任されること
新卒で入社した直後は、配属先の部門で基本業務を学びながら、徐々に責任ある業務を任されていきます。ここでは、入社後に多く任される具体的な業務を紹介します。
個人営業:窓口での接客
カウンターセールスに配属された若手は、まず店舗での接客業務を通じて、商品知識やお客様対応の基礎を身につけていきます。先輩スタッフのフォローを受けながら、来店したお客様への商品案内、見積もり作成、予約手続きなどを担当します。
初対面のお客様の希望を引き出すヒアリング力や、複数の商品案を比較して提案する力を実地で鍛える時期です。失敗から学びを積み重ねながら、独り立ちに向けて経験を重ねていきます。
法人営業:先輩の営業同行、見積書の作成
法人営業部門の若手は、先輩の営業活動に同行しながら、商談の進め方や提案資料の作り方を学んでいきます。あわせて、社内で見積書の作成や予算管理表の整理、行程表のドラフト作成などを担当します。
企業や学校の担当者と関係を築くには時間がかかるため、まずは丁寧で迅速なバックアップ業務に徹することで信頼を獲得していくフェーズです。徐々に自分の担当先を任され、独立した営業活動へと進みます。
オペレーター:システムを使った空席照会・予約手配業務
オペレーター部門の新人は、社内システムを使った空席照会や予約手配、料金確認といった基本業務を中心に経験を積みます。航空会社や宿泊施設、現地手配会社のシステム操作を覚え、ミスのない手配を効率よく行えるよう訓練していきます。
大量の依頼を同時に処理する場面も多いため、優先順位の判断力と正確性が問われます。表に出ない業務ながら、旅行商品の品質を直接支える重要な経験を積む時期です。
添乗員:修学旅行などの大型案件でのサブ添乗員としての同行・現場サポート
添乗員部門の若手は、修学旅行や団体ツアーの大型案件にサブ添乗員として同行し、メイン添乗員のサポート役を担います。集合点呼や荷物管理、現地での誘導、ホテルとの調整などを通じて、現場感覚を磨いていきます。
お客様や運転手、現地ガイドなど、多様な関係者と接する経験を通じて、トラブル対応の基礎や臨機応変な動き方を身につける時期です。経験を重ねるなかで、徐々に小規模ツアーの単独添乗を任されるようになります。
旅行会社で働く人の1日のスケジュール
旅行会社員の1日は、配属部門によって流れが大きく異なります。カウンターセールスは、午前中に店舗を開店してお客様の来店に備え、日中は接客や予約手配、見積もり作成にあたります。終業前には翌日の予約状況を確認します。
ツアープランナーは、午前中に企画書作成や仕入れ先との打ち合わせ、午後に新規企画のリサーチや既存商品の販促資料作成にあてるケースが一般的です。法人営業は外勤と内勤を組み合わせ、午前中は顧客訪問、午後に見積もり作成や社内調整を行います。
オペレーターはシステム操作中心の内勤、添乗員は出張やツアー同行で勤務地が日々変わる働き方となります。土日や繁忙期は特に動きが多く、シフト管理が重要な業界です。
旅行会社で働く「やりがい」と「大変なこと」
旅行会社で働くことには、お客様の特別な体験を支えるやりがいと、外部要因に左右されやすい厳しさが共存します。ここでは、現場で感じやすいやりがいと大変さの両面を紹介します。
旅行会社で働くやりがい
旅行会社員のやりがいは、お客様の人生に残る思い出づくりに直接関われる点にあります。以下では、現場で感じやすい代表的な3つのやりがいを紹介します。
お客様の人生の特別な思い出作りをサポートし、直接感謝される
旅行は、家族旅行や新婚旅行、卒業旅行、定年退職後の世界一周など、お客様の人生のなかでも特別な時間を彩るイベントです。自分の提案がそうした大切な思い出に直接関われる点は、旅行会社員ならではの大きな魅力といえます。
旅行後にお客様から「すばらしい旅でした」と感謝の言葉をもらえる瞬間は、何度経験しても胸が熱くなるものです。仕事の成果が誰かの幸せに直結している実感を得やすい業界となっています。
自分の企画したツアーがヒットし、多くの人に参加してもらえる達成感を得られる
ツアープランナーが企画した商品が、パンフレットやWebサイトに掲載され、多くのお客様から申し込みを集める瞬間は、企画の達成感を強く感じられる場面です。マーケティング、仕入れ、添乗手配など、多くの工程を経て生まれた商品が市場で評価されると、深い充実感が得られます。
ヒット商品はメディアでも取り上げられたり、リピート催行されたりするなど、長期的に成果を実感できます。自分のアイデアが形になる醍醐味は、旅行会社で働く大きな魅力です。
自身の旅行経験や、現地で得たマニアックな知識をそのまま仕事の提案に生かせる
旅好きであれば、自分自身の旅行経験や現地で得たマニアックな知識を、そのまま仕事の提案に生かせる点も大きな魅力です。実際に訪れた場所のリアルな魅力や、ガイドブックには載らないおすすめスポットを、お客様にいきいきと伝えることができます。
趣味と仕事の境界が曖昧になり、休日の旅行も翌週の提案ネタとして活用できるのは旅行会社員ならではの特徴です。情熱を持ち続けて働きやすい仕事といえます。
旅行会社で働くと感じる大変なこと
旅行会社の仕事には、人や自然、社会情勢に大きく左右される厳しさもあります。以下では、現場で感じやすい代表的な3つの大変さを紹介します。
天候不良、自然災害、交通機関の遅延など、予測不可能なトラブルへの緊急対応
旅行業界では、台風や豪雪、地震、テロ、感染症の流行、航空機の欠航・遅延など、予測不可能なトラブルが頻繁に発生します。お客様の安全を守りながら、ホテルや交通機関、現地手配会社との緊急調整を進める必要があります。
夜間や休日でも対応が必要になる場面が多く、瞬発力と冷静な判断力が問われます。トラブル時にお客様からのクレームや不安を受け止めるストレスも、業界特有の難しさといえます。
土日祝日や大型連休が繁忙期となる不規則な勤務体系
旅行会社のお客様は、土日祝日や大型連休、お盆・年末年始といった休暇シーズンに集中して動きます。そのため、これらの時期は店舗が繁忙期となり、社員も休日出勤や長時間勤務を強いられるケースが少なくありません。
反対に、平日や閑散期に交代で休みを取るシフト体制が一般的で、世間の連休とは異なる働き方となります。家族や友人とのスケジュール調整に苦労する場面も多く、不規則な勤務に慣れる必要があります。
外部環境に影響されやすい収益構造
旅行会社の収益は、景気や為替、感染症の流行、国際情勢など、外部環境の変化に大きく左右されます。新型コロナウイルスの流行時には、業界全体が深刻な打撃を受け、人員整理や事業縮小に踏み切る企業も少なくありませんでした。
外部要因による業績変動を完全には防げない構造のため、安定志向の方にとっては不安を感じやすい業界です。会社としてもリスク分散や新規事業開発に取り組み続ける必要があり、変化対応力が常に問われます。
旅行会社で働くことに向いている人・向いていない人
旅行会社で活躍できるかどうかは、性格や働き方の好みによって大きく変わります。ここでは、向いている人と向いていない人の特徴を整理します。
旅行会社に向いている人の特徴
旅行会社で長く活躍する人には、共通する性格的な特徴があります。以下では、向いていると考えられる3つの代表的なタイプを紹介します。
誰かに喜んでもらうことにやりがいを感じる、ホスピタリティ精神が旺盛な人
旅行会社の仕事は、お客様の旅を一緒に作り上げ、満足や感動を提供することが中心です。誰かに喜んでもらうこと自体が原動力となり、相手の立場に立って先回りした行動ができるホスピタリティ精神が求められます。
学生時代に接客アルバイトやボランティア、サークルでのおもてなし経験を積んできた人は、業務にもなじみやすい傾向があります。「ありがとう」と言われる瞬間に喜びを感じられる方は、旅行業界で長く活躍できる素養を持っています。
予期せぬアクシデントが起きても冷静かつ柔軟に対応できる人
旅行業界では、天候不良や交通機関の遅延、現地でのトラブルなど、想定外のアクシデントが日常的に発生します。マニュアルにない事態でも、冷静に状況を整理し、柔軟に代替案を考えて行動できる人が活躍しやすい傾向にあります。
突発的なトラブルに対して感情的にならず、まずは事実確認とお客様への配慮を優先できる落ち着きが必要です。問題解決のプロセスそのものを楽しめる方は、旅行会社で頼られる存在になりやすくなります。
地理、歴史、文化など、未知の場所について学ぶことが根本的に好きな人
旅行会社の仕事では、目的地ごとの観光資源や歴史、文化、料理、交通事情などを深く知っておくほど、提案や添乗の質が高まります。地理や歴史、海外の文化、世界遺産などを学ぶことが根本的に好きな人は、業務を通じて知識を伸ばし続けられます。
書籍やドキュメンタリー、旅行記、SNSの旅情報など、日常的にインプットを楽しめる方は、お客様への提案にも具体性と説得力が増していきます。旅好きで学び好きな人にとって理想的な仕事です。
旅行会社に向いていない人の特徴
旅行会社の働き方や仕事の特性に合わずに苦労する人にも、共通する傾向があります。以下では、向いていないとされる3つの特徴を紹介します。
マニュアル通りに物事が進まないと強いストレスを感じてしまう人
旅行業界は、天候や交通、現地のトラブルなど、想定外の事態が日常的に発生します。マニュアル通りに物事が進まないと強いストレスを感じてしまう人にとっては、対応がつらく感じる場面が多くなります。
常に同じ手順で安定して仕事を進めたい方や、突発的な変更に弱い方は、旅行会社よりも別の業界の方が合っているかもしれません。柔軟性に自信がない場合は、自分の特性をよく見つめ直してから業界選びをすることが大切です。
理不尽なクレームやトラブルに対して感情的になり、引きずってしまう人
お客様の期待値が高い旅行業界では、予期せぬトラブルや誤解からのクレームが発生する場面もあります。理不尽に思える内容を受けることもあるため、感情的にならずに事実を整理し、解決に向けて動ける気持ちの切り替えが欠かせません。
クレームを長く引きずってしまうタイプは、メンタルへの負担が大きくなりやすく、業務遂行にも影響しかねません。一定の距離感を保って受け止められる心の整え方が、業界で長く働くうえで重要となります。
カレンダー通りの休みや、高水準で絶対的な安定志向を求めている人
旅行会社では、土日や大型連休、年末年始が繁忙期となり、シフト制での勤務が中心となります。カレンダー通りに休めることや、毎月安定した業績で給与水準が変動しにくいことを最優先したい方には、合わない働き方となりやすくなります。
景気や外部環境の変動による業績への影響もあり、絶対的な安定志向を持つ方には不安要素が多い業界です。仕事のやりがいよりも安定を重視するタイプは、別業界の方が選択肢として合うかもしれません。
旅行会社で有利にはたらく資格やスキルとその理由
旅行会社の選考や入社後の業務で評価されやすいスキル・資格には共通の傾向があります。ここでは、代表的なスキルと資格を解説します。
旅行会社で有利にはたらくスキル
旅行会社員として活躍するうえで、業務全般に応用できるスキルがいくつかあります。特に評価されやすい3つのスキルを紹介します。
顧客のふわっとした要望から潜在的なニーズを引き出すヒアリングスキル
お客様の多くは「のんびりしたい」「家族で楽しめる場所がいい」など、漠然とした要望から相談を始めます。そのふわっとしたイメージから、滞在日数や予算、好みのスタイル、優先したい体験などを丁寧に引き出すヒアリングスキルが、提案の質を左右します。
相手の話を遮らずに最後まで聞き、要点を整理して質問を重ねられる人は、お客様の満足度の高い旅程を組み立てられます。学生時代の接客やインタビュー経験は、選考でのアピール材料になります。
旅程の魅力や現地の情景を臨場感たっぷりに伝えるプレゼンスキル
旅行商品は、お客様にとって「行く前から想像が膨らむかどうか」が購入の決め手となります。パンフレットや見積もりに沿って淡々と説明するだけでなく、現地の景色や食事、街並み、香りまでイメージできるように伝えるプレゼンスキルが必要です。
臨場感のある言葉選びや、写真・動画を効果的に使う説明力は、申込率やリピート率を大きく押し上げます。日頃から旅行や読書で語彙を蓄え、表現力を磨いている人ほど活躍しやすい仕事です。
トラブル時に素早く正確に代替手段を手配する問題解決・情報処理スキル
航空機の遅延や宿泊施設のオーバーブッキング、現地での体調不良など、トラブルが起きた際は素早く代替手段を手配する必要があります。複数のシステムを切り替えながら、最適な選択肢を瞬時に判断する問題解決スキルと情報処理スキルが求められます。
お客様への説明、社内外との連絡、伝票処理を同時並行で進めるマルチタスク力も必要です。冷静さと処理スピードの両立が、旅行会社員としての評価につながります。
旅行会社で有利にはたらく資格
旅行会社の選考や入社後の業務で役立つ資格にも、定番のものがいくつかあります。特に評価されやすい4つの資格を紹介します。
総合旅行業務取扱管理者・国内旅行業務取扱管理者(営業所ごとに必須の国家資格)
総合旅行業務取扱管理者と国内旅行業務取扱管理者は、旅行業法に基づき、各営業所に1名以上の配置が義務付けられている国家資格です。海外旅行も扱える「総合」と国内旅行のみを扱える「国内」の2種類があります。
学生のうちに国内旅行業務取扱管理者を取得していると、旅行業界への志望度の高さをアピールできます。総合の合格率は約20〜30%と低めですが、入社後のキャリア形成に大きく寄与する重要な資格となります。
TOEICなどの語学資格
海外旅行や訪日インバウンドを扱う部署では、英語をはじめとする語学力が大きな強みになります。TOEICなどの語学資格は、選考や配属で評価されやすく、特にビジネスレベル以上のスコアがあれば、海外取引先や訪日顧客対応の業務に挑戦しやすくなります。
グローバル展開する旅行会社では、英語に加えて中国語や韓国語のニーズも高まっています。学生のうちから留学や語学学習に取り組んでおくことで、入社後のキャリアの幅を広げられます。
総合旅程管理主任者・国内旅程管理主任者
総合旅程管理主任者・国内旅程管理主任者は、ツアーに添乗員として同行する際に必要となる資格です。指定の研修を修了し、実務経験を満たすことで取得できます。添乗業務に携わるキャリアを目指す場合、入社後の早い段階で取得を目指すことが多い資格です。
実務などが必要で学生時代に取得するのはかなり難しい資格ですが、業界研究の一環としても知っておくと、添乗員業務への理解が深まります。修学旅行や団体ツアーの添乗で活躍するための土台づくりになるでしょう。
世界遺産検定
世界遺産検定は、世界各地の歴史的・文化的遺産に関する知識を体系的に学べる民間資格です。海外旅行や世界遺産を巡るツアーの企画・販売を担う部署では、業務に直結する知識となります。
4級から始まり、徐々に難易度の高い級にステップアップしていく構成で、学生でも気軽に挑戦しやすい資格です。旅好きとしての教養を深めると同時に、選考でのアピール材料にもなる実用的な資格といえます。
まとめ
旅行会社は、膨大な知識とホスピタリティを武器に感動体験をプロデュースする、やりがいに満ちた職場です。
天候や社会情勢などの外部要因に左右されやすい厳しさや、繁忙期の不規則な勤務といったタフな側面もあります。しかし、自分が提案した旅から戻られたお客様の笑顔や、自分の企画が地域の活性化に繋がる手応えは、この業界ならではの格別な喜びです。
「旅を通じて誰かを幸せにしたい」「未知の文化や場所の魅力を世の中に広めたい」という強い思いがある方には、ピッタリな職業かもしれません。