「志望企業がどんな人を求めているのか、いまいちピンとこない……」
「自分のどの強みをアピールすれば、企業に響くのかわからない……」
そんな悩みを抱えていませんか?
自分に合ったアピールの方向性を見つけるためには、まず企業が「どのような人材を欲しているのか」を正しく調べることが大切です。本記事では、企業が描く理想の人物イメージの基本的な意味から、具体的なリサーチ方法、業界・職種別の実例、そして選考プロセス(ES・面接)での効果的なアピールへの活用法まで、分かりやすく解説します!
<目次> ●企業が定める「求める人物像」とは何か? ・企業が求める人物像を設定する目的 ・求める人物像を理解すると、就活が有利になる理由 ・似ているようで違う? 「求める人物像」と「採用基準」の違い ●志望企業の「求める人物像」を調べる3つの方法 ・公式サイト・公開資料から読み取る ・社員インタビュー・座談会記事を読む ・説明会・インターン・OB訪問で確認する ・ワンキャリアの『合格の秘訣』を読む ●企業が共通して求める「社会人基礎力」とは? ・1. 前に踏み出す力(アクション) ・2. 考え抜く力(シンキング) ・3. チームで働く力(チームワーク) ●業界・職種別「求める人物像」の読み解き方 ・業界別の実例 ・職種別の実例 ●「求める人物像」を選考対策に活用する方法 ・自分の強みと求める人物像の共通点を洗い出す ・求める人物像と結びつけた志望動機を作成する ・ワンキャリアの選考対策を活用して企業のリアルな評価基準をチェックする ・自分の強みと合致しない場合の対処法 ●よくある失敗とチェックリスト ・人物像の丸暗記で終わる ・抽象的な言葉だけで語る ・企業の言葉をそのまま借りる ・確認するべきチェック項目 ●まとめ
企業が定める「求める人物像」とは何か?
リサーチを始める前に、まずは「求める人物像」の正体を正しく理解しておきましょう。ここを曖昧にしたままだと選考でどう使うべきか迷ってしまいます。
企業が求める人物像を設定する目的
企業が求める人物像を設定する最大の目的は、「採用のミスマッチを防ぎ、自社で活躍できる人材を集めること」です。
あらかじめ「我が社ではこのような資質や価値観を持った人が活躍している」という指標を明示することで、学生側に自社との相性を考えてもらうきっかけを作っているのです。
求める人物像を理解すると、就活が有利になる理由
企業は単に「すごいガクチカや実績を持つ人」を探しているのではなく、あくまで「求める人物像にマッチする人」かどうかを何よりも重視しています。
求める人物像を正しく理解できていると、選考のあらゆる段階で一貫性のあるアピールが可能になります。
あらかじめ企業の「求める人物像」を理解して、アピール内容を考えておくことで、企業に「まさにうちが欲しかった人材だ!」と思わせることができ、あらゆる段階の選考を有利に進められるようになります。
似ているようで違う? 「求める人物像」と「採用基準」の違い
リサーチを進める上で、混同しやすい2つの言葉の違いを整理しておきましょう。
求める人物像
「主体的に行動できる人」「変化を楽しめる人」など、企業が目指す理想の人物像やスタンス・価値観を示すもの。
採用基準
「論理的思考力の有無」「最低限のPCスキル」など定量的・具体的なもの。選考を通過するための最低基準を指します。
志望企業の「求める人物像」を調べる3つの方法
では、実際にどうやってリサーチすれば良いのでしょうか。今回は、3つのリサーチ方法を紹介します。
公式サイト・公開資料から読み取る
まずは、最も基本となる企業が公式に公開している情報から「求める人物像」を集めていきましょう。
採用ホームページ
ホームページのトップメッセージや人事インタビューには、企業の未来のビジョンと「そのためにどんな人材が働いているのか」が分かりやすく言語化されています。
中期経営計画(IR資料)
中長期経営計画は、企業の現状と自分たちの入社後の計画について知ることができる資料です。企業のHPにある「IR情報」から、今後の事業計画を見てみましょう。「これからどの分野に注力していくのか」を知ることで、求める人物像の背景まで理解が深まります。
社員インタビュー・座談会記事を読む
文字としての「人物像」を、具体的なイメージに落とし込むために有効なのが社員インタビューや座談会の記事です。こういった記事は企業の採用ページやワンキャリアに掲載されています。企業によってはパンフレットや動画の形式の場合もあります。可能であれば、複数のコンテンツを確認し、活躍している社員の共通点を探すようにしましょう。
説明会・インターン・OB訪問で確認する
実際に「生の声」を聞くことも大切です。まずは説明会に参加し、Q&Aコーナーで質問してみるのがおすすめです。その他にもインターン中に社員の方々に積極的に質問したり、OB訪問を行ったりすることでより多くの情報を直接集めることができます。
ワンキャリアの『合格の秘訣』を読む
ワンキャリアの選考対策のコーナーに『合格の秘訣』というページがあります。そこには、各企業の選考の通過ポイントが詳細にまとめられています。そこには求める人物像が記載されていることがあります。ワンキャリアが持つ大量のデータを知ることで、公式サイトだけでは読み解けなかった、企業の「求める人物像」を、より深く、リアルに把握することができるでしょう。
企業が共通して求める「社会人基礎力」とは?
個別の企業についてリサーチする前に、すべての社会人に共通して求められる土台についても知っておきましょう。経済産業省が「社会人基礎力」として3つの能力を提唱しています。これらは多くの企業が求める人物像の土台になっています。
1. 前に踏み出す力(アクション)
一歩前に踏み出し、失敗を恐れず粘り強く取り組む力のこと。指示を待つだけでなく、自ら主体的に行動を起こすスタンスを指します(主体性、働きかけ力、実行力)。
2. 考え抜く力(シンキング)
疑問を持ち、考え抜く力のこと。物事の現状を分析し、目的や課題を明確にして解決策を導き出す思考力を指します(課題発見力、計画力、創造力)。
3. チームで働く力(チームワーク)
多様な人々とともに、目標に向けて協力する力のこと。自分の意見を伝えるだけでなく、他者の意見を尊重し、組織としての成果に貢献する力を指します(発信力、傾聴力、柔軟性など)。
これを踏まえた上で、企業の「求める人物像」が、この3つのうち特にどこを重視しているかを意識すると、各企業の違いが理解しやすくなります。
業界・職種別「求める人物像」の読み解き方
実際のデータをもとに、「求める人物像」の具体例を見ていきましょう。ワンキャリアの『合格の秘訣』と企業のホームページには、多くの実例が掲載されています。それでは、業界や職種ごとの実例を見ていきましょう。
業界別の実例
金融業界の実例
他者貢献意欲の高さをアピールしよう 東日本銀行は求める人物像として、以下の項目を挙げています。 ・顧客本位の営業力を持ち、未来を創造する人財 ┗ チャレンジ精神が旺盛で行動力があり、創造的な発想ができる人財 ┗ 地域社会の担い手として、銀行とお客さまを心と心でつなげることができるコミュニケーション能力を持った人財 ┗ お客さまのニーズや時代の変化に対応できる柔軟性を持ち、感性が豊かである人財 同社の選考では、求める人物像に合致する自己PRをすれば良いと思われますが、特に顧客一人一人に誠実に寄り添える人材であることをアピールすると良いでしょう。 ※出典:東日本銀行 26年卒|ワンキャリア 『合格の秘訣』
全社的な人財ポリシーを踏まえ、掲げたSMBCの採用スローガンは「挑戦者よ、世界を揺らせ」。 これまでの歴史の中でも、SMBCは常に「挑戦者」であり「先進性」を追求してきました。当行には、時代のイノベーターであり続けるために「失敗を歓迎する文化」があります。失敗を恐れて挑戦しないよりも、たとえ失敗したとしても挑戦した人が賞賛される、SMBCはそんな会社です。 ※出典:三井住友銀行|採用HP
コンサルティング業界の実例
求める人物像:論理的な思考を素早くできる人材 一般的に、顧客のデータやヒアリングから課題を発見し、納得感のある打ち手を探し出すコンサルタントには論理的思考力が必要であるといえます。 そんな同社のコンサルタント職は論理的な思考力が高いだけでなく、思考を素早く回す力が求められるでしょう。 ※出典:NTTデータ経営研究所 26年卒|ワンキャリア 『合格の秘訣』
ベイカレントは、リーディングカンパニーや政府機関が抱える課題を解決し、 持続的な発展に貢献していくことをミッションとしています。 次世代を築くリーダーとなり、時代の新しい潮流を生み出していく。 そんな高い志を持った方をお待ちしております。 ※出典:ベイカレント・コンサルティング|採用HP
IT業界の実例
求める人物像(技術職):現場主義を掲げる大塚商会。コミュニケーションを大切にしよう 上述のように、日本中の幅広い顧客を支える大塚商会。 そんな同社での技術職選考においては、誰とでも円滑にコミュニケーションを取れる人当たりの良さを示すと良いでしょう。 大塚商会は顧客との関係を重視しており、採用HPには「いずれの職種も現場主義で、お客様との直接的なコミュニケーションを大切にしている」と明言されています。 ※出典:大塚商会 26卒|ワンキャリア 『合格の秘訣』
NECが求める人材、それは注力分野における事業を支え、 新たな価値創出を可能とするために必要となる行動やマインドを有する方です。 NECでは、グループ社員が共通で持つべき価値観であり行動の原点として、 「NEC Way」というものを定めています。 この「NEC Way」に共感し、「NEC Way」にかなう行動原理やマインドを有する人材とともに、 社会全体にイノベーションを創出し続けていきます。 ※出典:NEC|採用HP
職種別の実例
営業職の実例
求める人物像:顧客の課題に徹底的に寄り添う、挑戦心 上述の通り、『STILL NOW』の精神を掲げる同社。 『STILL NOW』の精神は製品開発だけでなく、顧客に近い存在である営業職でも重要視されているようです。 そんな同社の選考では、『STILL NOW』の精神を基に、顧客の課題解決に尽力し、変革を起こしていける挑戦心をアピールすると良いでしょう。 ※出典:伊藤園 26年卒|ワンキャリア 『合格の秘訣』
単に商品を売るのではなく、お客様さえも気づいていない「潜在的な課題」を発掘し、その解決策を提案します。お客様と真摯に向き合い、論理的な思考力を生かしながらコミュニケーションをとることで課題の本質を見出し、最適な解決策を導き出します。 ※出典:キーエンス|採用HP
エンジニア職の実例
求める人物像:物事をコツコツと粘り強く進められる人物 上述のように、鉄道をはじめJR東日本グループ全体のシステムを支えるJR東日本情報システム。 そんな同社のSE職が取り組むのは、24時間365日、多くのお客さまに快適にご利用いただけるシステムを提案・開発し運用していくこと。社会インフラを支えるという責任の大きな仕事です。 同社が学生に求めることとしてまず第一に掲げている点は「確実に粘り強く」。 ※出典:JR東日本情報システム 26年卒|ワンキャリア 『合格の秘訣』
幅広く多くの物事に興味関心があり、変化に柔軟に対応できる方 新領域等にもチャレンジできるマインドと学習意欲のある方 相手に分かりやすく説明ができ、初対面の人にも臆せずコミュニケーションができる方 ※出典:ソフトバンク|採用HP 法人事業統括/ テクノロジーユニット ソリューションエンジニア
このようにワンキャリアや企業の採用ページを活用し、情報を集めていくと良いでしょう。
「求める人物像」を選考対策に活用する方法
リサーチによって志望企業の「求める人物像」が見えてきたら、それをESや面接のプロセスにどう落とし込んでいくべきかを解説します。
自分の強みと求める人物像の共通点を洗い出す
企業が求める人物像を調べたら、それをあなたの過去の経験や強みと結びつける作業が必要です。この作業を行うことで、企業へのアピールがより効果的なものになります。「自分の強み」と「求める人物像のキーワード」を結びつけながら、エピソードを整理しましょう。
求める人物像と結びつけた志望動機を作成する
皆さんが持つ魅力的な「ガクチカ」といったエピソードは、それ自体がゴールではありません。大切なのは、そのエピソードの「どこをアピールするか」です。企業が求めている人物像に、あなたのエピソードから抽出される特性・強みが重なることによって、あなたの経験は「採用したい」と感じさせる説得力のあるアピールへと変わります。
ワンキャリアの選考対策を活用して企業のリアルな評価基準をチェックする
「求める人物像」が、実際の選考プロセスでどのように評価されているかを確認するには、ワンキャリアの活用が効果的です。『選考体験記』のコーナーには、先輩たちが「ESでどのようなことを書いたか」「実際の面接でどのようなエピソードを話して評価されたか」が具体的に記載されています。体験記から「面接官がどのような質問を通じて、どの『求める人物像』の要素を確認しようとしていたか」という評価の背景を読み解いてみると良いでしょう。
自分の強みと合致しない場合の対処法
リサーチした結果、「志望企業の求める人物像が、自分の性格と少しずれているかもしれない」と感じても諦める必要はありません。以下のような方法で対処することができます。
言葉の「解釈」を広げてみる
例えば「リーダーシップ」が求められている場合、必ずしも「グループの先頭で引っ張るタイプ」である必要はありません。「周囲の意見を丁寧に聞き周りを支えるタイプ」として自分の強みを伝えることも十分可能です。
別の要素や職種特有の強みでアピールする
企業が掲げる人物像は1つだけとは限りません。複数あるキーワードの中から、自分の強みに最も近いものを選んで軸に据えましょう。
よくある失敗とチェックリスト
最後に、リサーチから選考対策への移行期に就活生が陥りがちな罠と、その対策をまとめました。
人物像の丸暗記で終わる
求める人物像をただ記憶するだけでなく、なぜその企業がその人物像を必要としているのか、背景や事業内容とひも付けて理解することが重要です。
抽象的な言葉だけで語る
抽象的な言葉だけで終わらせてしまうと、他の学生と差別化ができません。例えば、「チャレンジ精神」や「リーダーシップ」といった言葉は、多くの就活生が使うため、それだけではあなたは埋もれてしまいます。また、具体的なエピソードが伴わないと、「本当にその強みを持っているのだろうか」という疑念や、準備不足な印象を与えかねません。あなたの強みを本当に伝えるために、それを裏付ける具体的な行動をセットで提示するようにしましょう。
企業の言葉をそのまま借りる
企業のホームページに書いてある言葉をそのまま暗記して使うだけでは、不自然な印象を与えてしまいます。採用のプロである人事は「学生は求める人物像に無理に自分を寄せてアピールしてきがちだ」ということをよく知っており、表面的な言葉遣いには警戒しています。だからこそ、自分の言葉に置き換えて、自然な文脈の中でスタンスが伝わるように工夫しましょう。
確認するべきチェック項目
ESの提出前や面接の前に、このプロセスが踏めているかチェックしてみてください。
・志望企業の「求める人物像」を自分の言葉で説明できるか?
・その人物像が、企業のどんな事業や仕事内容につながっているかイメージできているか?
・自分の自己PRやエピソードは、求める人物像の要素と重なっているか?
・ワンキャリアの選考対策ページを読み、実際の選考での活用イメージを持てたか?
まとめ
企業の「求める人物像」は、「選考というコミュニケーションを円滑に進めるための共通言語」です。公式情報を調べ、社員インタビューやワンキャリアで具体的なイメージを膨らませ、それを自分の経験と結びつけていくというステップを一つずつ踏めば、誰でも説得力のあるESや面接の受け答えが作れるようになります。
まずは行きたい企業の採用ページを開き、どんなキーワードが並んでいるかリサーチすることから始めてみましょう!