こんにちは、ワンキャリ編集部です。
AI(人工知能)技術の発展により、「自分の就きたい仕事はなくならないだろうか?」と不安を抱く就活生も多いでしょう。
この記事では、AIによってなくなる職業やその理由、今後も必要とされる仕事の特徴について詳しく解説します。変化する時代に対応するためには、どんなスキルが求められるのかを知ることが重要です。
この記事を読むことで、AI時代に備えたキャリア戦略を立てるヒントを得ることができます。今後の働き方を考えるうえで、ぜひ参考にしてください。
<目次>
●AIによってなくなる仕事はある?
・AIの進化によって確実になくなる仕事はある
・すでに取って代わられている職業も
●AI技術の進化によって仕事が奪われる理由
・効率が非常に高い
・人を雇うよりコストがかからない
・24時間稼働してくれる
●AIによってなくなる職業9選
・Webライター
・事務員
・警備員
・薬剤師
・コンビニ店員
・ドライバー
・受付係
・カスタマーサービス
・工場作業員
●なくなる仕事の特徴
・繰り返しや単純作業が多い仕事
・人間特有の創造性や感情があまり必要とされない仕事
・24時間稼働が求められる仕事
●AIによってなくならない職業7選
・ITエンジニア
・クリエイター
・営業職
・研究者
・教師
・医師
・介護職
●なくならない仕事の特徴
・高度な資格が必要な職業
・創造性の要求が高い職業
・人間関係を重視する職業
・AIでは代替不可能なスキルが必要な職業
●AI時代に求められる新たなスキル
・データサイエンス能力
・クリティカルシンキングの能力
・柔軟な適応力と学習意欲
・創造的に問題を解決する能力
・コミュニケーションスキル
●なくならない仕事に就くためには
・資格を取得する
・未来を見据えたキャリア選択をする
・AIの知識をつけておく
・常に学び直しの姿勢をとる
・コミュニケーション能力を身につける
●まとめ
AIによってなくなる仕事はある?
初めに、AIによってなくなる仕事があるのか、また、なくなる仕事はどのような仕事なのかを解説します。
AIの進化によって確実になくなる仕事はある
AI技術の進化により、一部の職業は自動化され、減少する傾向にあります。特に、単純作業や定型業務を中心とした職業は、AIによる効率化の影響を受けやすく、今後も変化が加速すると考えられています。
例えば、データ入力や事務作業のような単純な業務は、AIによって処理されることが一般的になりつつあります。また、コンビニエンスストアやスーパーのレジ業務もセルフレジや自動決済技術の発展により、人の手を介さずに運営できる店舗が増えています。
このように、ルーチンワークが中心の職種ほど、AIによる代替が進み、今後なくなる可能性が高いと考えられます。
すでに取って代わられている職業も
既にAIやロボットが活躍している職業も少なくありません。
例えば、カスタマーサービスの分野では、チャットボットが顧客対応を担うケースが増えており、人間のオペレーターの数が減少しています。また、工場の製造ラインではロボットによる自動化が進んでおり、従来は人間が行っていた組み立てや検品業務がAIに置き換えられています。さらに、金融や会計の分野でも、AIがデータ分析や書類の処理を行うことで、人が手作業で行う機会が減少しています。
このように、すでにAIが人間の業務を補い、場合によっては完全に代替している職種は増えており、今後もその流れは続くでしょう。
AI技術の進化によって仕事が奪われる理由
AIは近年、驚異的なスピードで進化しており、特に「効率性」「コスト削減」「稼働性」において人間を大きく上回る場面が増えています。
ここでは、AI技術の進化によって仕事が奪われる理由を解説します。

効率が非常に高い
AIは膨大な情報を一瞬で処理し、人間では到底追いつけないスピードで正確に作業をこなせるため、業務の効率化に大きく貢献します。ミスなくタスクを遂行できる点も強みであり、ルール化された業務であれば、人の判断を挟まずに自動的に処理が進みます。
例えば、膨大なデータ分析や文書のチェックなどでは、AIは一貫した品質を保ちつつ短時間で結果を出します。このように、精度とスピードの両面で優れているAIは、企業にとって生産性向上の切り札となる存在です。
結果として、人間よりも圧倒的に高い業務効率を実現できることから、多くの職業が代替されつつあります。
人を雇うよりコストがかからない
AIは一度導入すれば長期間にわたって稼働し続けるため、長期的な視点で見れば人件費よりもコストが抑えられるという利点があります。人間を雇うには給与だけでなく、社会保険、福利厚生、教育費などが必要ですが、AIにはそうした負担がありません。
また、病欠や離職といったリスクもないため、業務の安定性にもつながります。さらに、AIは複数のタスクを同時に処理できるため、同じ業務を担う従業員を複数人雇うよりも効率的です。
このように、企業側にとってAIは投資対効果が高く、人間に頼るよりも合理的といえる存在になっており、導入が加速する要因となっています。
24時間稼働してくれる
AIは人間と違って睡眠や休憩を必要とせず、365日24時間ノンストップで稼働できる点が大きな魅力です。特に夜間や休日の対応が求められる業務において、AIは非常に高いパフォーマンスを発揮します。
例えば、AIチャットボットはユーザーからの問い合わせに深夜でも即座に応答し、顧客満足度の向上にも貢献しています。また、製造や物流の現場でも、AIによって機械やロボットが絶えず稼働することで、生産ラインの稼働率を最大限に引き上げられるでしょう。
このように、時間の制約を受けずに働けるAIの特性は、企業にとって大きな利点となり、人手による業務の必要性を大きく減らしています。
AIによってなくなる職業9選
AIの導入が進むことで、すでに一部の業界では人間の仕事が代替されています。ここからは今後、特に影響を受けやすい職業を紹介します。

Webライター
Webライターは、AIによって代替されやすい職業のひとつといわれています。実際、ChatGPTをはじめとした生成AIは、記事作成・要約・リライト・SEO対応まで幅広く対応できるようになっています。
日経新聞では、決算データをもとにAIが自動で記事を生成する「決算サマリー」を導入しており、人が一切関わらないケースも見られます(※1)。また、「Articoolo」のように、キーワードを入力するだけで自動的に文章を作成するツールも登場しています(※2)。
こうした技術の進化により、ルーチン的な記事作成はAIに取って代わられる可能性があります。ただし、取材や感情を伝える文章など、人間ならではの領域はまだ残されています。
(※1)参考:日本経済新聞社「決算サマリー」
(※2)参考:Ledge.ai「AIによる記事自動生成ツール『Articoolo』がついに日本語対応」
事務員
事務員の仕事は、AIに代替される可能性が非常に高いとされています。なぜなら、事務作業の多くはルーチンワークで構成されており、突発的な対応や複雑な判断を求められる場面が少ないからです。
実際に、データ入力や書類の転記などは、「AI-OCR」の導入によってすでに自動化が進んでいます(※3)。AIは高い処理能力と正確性を持ち、ヒューマンエラーの心配がないため、業務の効率化にも大きく貢献します。
さらに、人を雇わなくて済むことでコスト削減にもつながり、企業にとっては導入メリットが大きいといえるでしょう。このように、定型的な事務業務は今後AIに任せられるケースが増え、人が担う仕事はますます限定されていくと考えられます。
(※3)参考:NTTデータ「NTTデータのAI-OCRソリューション」
警備員
警備員は、施設の巡回や監視、イベント警備、貴重品輸送などを担う職種ですが、近年はAIの進化により代替が進むと見られています。高性能な監視カメラやセンサーの普及により、24時間体制で異常を検知できる環境が整いつつあります。
さらに、アルソックやセコムなどが開発した警備ロボットは、施設内を自律的に巡回し、不審者や異常を感知することが可能です(※4)(※5)。羽田空港では案内機能を備えたロボットも試験運用されており、人手に頼らない警備の実現が進んでいます(※6)。
ただし、緊急時の柔軟な対応や予測不能な事態にはまだ課題があり、完全な代替には時間がかかるでしょう。それでも警備員の仕事は、今後大きく変化する職種のひとつといえます。
(※4)参考:ALSOK「警備・案内ロボット『REBORG-Z』」
(※5)参考:SECOM「セキュリティロボット『cocobo』」
(※6)参考:NVIDIA「羽田空港で活躍中の遠隔接客ロボットがNVIDIA Jetsonを搭載してリニューアル」
薬剤師
薬剤師は専門職としてのイメージが強い一方で、近年の技術進展や制度改革の影響により、将来的に仕事が減る可能性が指摘されています。
2014年には一般用医薬品のネット販売が解禁され、消費者は薬局に行かずとも薬を入手できるようになりました(※7)。さらに2023年からは電子処方箋の運用が始まり、オンラインでの服薬指導や調剤の効率化が進んでいます(※8)。今後はAIによる調剤ロボットの活用も広がると予想されており、ルーチン業務は代替されやすくなるでしょう。
加えて、米Amazonが日本への薬局事業進出を模索していることもあり、業界構造そのものが変化する可能性があります(※9)。こうした背景から、薬剤師も将来的に安泰とはいえない職種のひとつとされています。
(※7)参考:保健指導リソースガイド「医薬品がネットで買える 利便とリスクを抱える『薬のネット販売解禁』」
(※8)参考:厚生労働省「電子処方箋」
(※9)参考:みずほ銀行 産業調査部「Amazon ファーマシー参入のインプリケーション」
コンビニ店員
コンビニ店員の仕事は、レジ打ちや品出し、接客などが中心ですが、その多くはAIで代替可能な業務とされています。特にレジ業務や商品補充は、ヒューマンエラーが起きやすく、AIやロボットを活用した方が正確かつ効率的です。
実際に都市部では、無人レジや無人店舗の実証実験が進んでおり、2020年にはJRの高輪ゲートウェイ駅に無人決済店舗「TOUCH TO GO」が開業し注目を集めました(※10)。今後は無人レジの普及により、レジ業務をAIに任せ、店員は接客など人間にしかできない役割にシフトしていくと考えられます。
完全な無人化は難しいものの、従来の業務は減少するため、コンビニ店員の仕事は今後縮小する可能性が高いといえるでしょう。
(※10)参考:日経クロステック「高輪ゲートウェイ駅の無人店舗『TOUCH TO GO』、AIカメラ100台が担う使命とは」
ドライバー
ドライバーの仕事は、自動運転技術の進化によって将来的に縮小する可能性が高い職種です。タクシー業界では、すでに中国で完全自動運転のタクシーが営業しており(※11)、日本でも2023年に特定条件下での自動運転が解禁されました(※12)。
東京都は「自動運転レーン」の整備も検討しており(※13)、今後は定められたルートの移動がAIによって代替されると考えられます。また、電車分野でも山手線などで自動運転の実証実験が進み、無人運転化の実現が現実味を帯びています(※14)。
一方で、緊急時の対応や高齢者への介助など人間にしかできない業務も残っており、すべての運転業務が即座に消えるわけではありませんが、将来的にドライバーの役割は限定されていくでしょう。
(※11)参考:NHK「先を越されたか?中国で自動運転による無人タクシー営業中」
(※12)参考:docomo business Watch「自動運転の『レベル4』が解禁へ。何がどう変わるのか?」
(※13)参考:自動運転LAB「東京都、『自動運転レーン』の先行整備を検討」
(※14)参考:JR東日本(東日本旅客鉄道)「山手線の営業列車で自動運転を目指した実証運転を行います」
受付係
受付係は、AIの進化によって業務の多くが自動化されつつある職種です。近年では、音声認識やタッチパネルを備えたAIロボットが来客対応を担うシーンが増えており、質問への自動応答や多言語での案内も可能になっています。
特にホテル業界では、セルフチェックイン・チェックアウトの導入が進み、フロント係の存在が不要な時間帯も増加しています(※15)。無人ホテルの展開も加速しており、福岡の「mizuka」などは既に10店舗以上を展開中です(※16)。
AI受付システムは365日24時間稼働できるため、人件費を抑えつつ安定したサービスを提供できる点も企業にとって大きな魅力です。今後は接客以外の業務がAIに置き換わり、受付係の役割は縮小していくと考えられます。
(※15)参考:AI Front Trend「ホテルでのAI導入事例5選!30%予約率が向上の理由は?」
(※16)参考:日経ビジネス「無人ホテルmizukaの効率運営 全部屋を遠隔対応、時間貸しも」
カスタマーサービス
カスタマーサービスは、AI技術の進化により今後大きく変化すると予想される職種のひとつです。特に注目されているのがチャットボットの導入で、よくある問い合わせ対応などはすでにAIに任せられるようになっています。
チャットボットには、決まったシナリオに沿って回答する「シナリオ型」と、AIが学習して最適な返答を導く「AI型」があり、後者は人間に近い対応が可能です(※17)。実際にコールセンターでは、AI型チャットボットや音声対応のボイスボットが導入され、業務効率化に貢献しています(※18)。
今後は一般的な対応をAIが担い、複雑なクレームや交渉などは人間が対応する分業スタイルが主流になると見られます。結果として、カスタマーサービスの仕事も徐々に減少していくでしょう
(※17)参考:AIsmiley「チャットボットの『シナリオ』とは?AI型の違いや設計方法を紹介」
(※18)参考:IVRy「コールセンターのAI導入事例18選!効果的な導入方法、注意点も解説」
工場作業員
工場作業員の仕事は、AIやロボットによって代替されやすい職種のひとつです。生産ラインでは、繰り返しの単純作業が多く、人間よりも正確かつ一定の品質で作業をこなせるAIの方が適しています。
実際、自動車工場などでは、すでに多くの工程で自動化が進んでおり、人間の介在が減ってきています(※19)。AIは疲れを知らず、集中力の低下によるミスもありません。また、危険を伴う作業や精密さが求められる作業でも、安全かつ効率的に対応できる点が強みです。
さらに、生産データを分析して製造工程を最適化する機能も備えており、品質向上にもつながっています。このように、生産性と安全性の両面から見て、工場作業員の業務は今後ますますAIに置き換えられていくと考えられます。
(※19)参考:産総研「ものづくりは次のステージへ 人と機械が協働する次世代の製造現場を目指して」
なくなる仕事の特徴
AIに置き換わりやすい仕事には共通の特徴があります。どのような仕事がリスクにさらされやすいのかを具体的に見ていきましょう。

繰り返しや単純作業が多い仕事
繰り返しや単純作業が中心の仕事は、AIによる自動化が最も進みやすい分野です。AIはルールや手順が明確な作業を正確かつ高速でこなすことができ、しかも疲労や集中力の低下によるミスがありません。
大量のデータを瞬時に処理できるため、データ入力や検品、集計作業などはAIの得意分野です。人間にとっては退屈な作業でも、AIは淡々と同じ動作を繰り返せるため、業務効率の向上にも大きく貢献します。
このように、パターン化された業務を多く含む職種は、将来的にAIに取って代わられる可能性が非常に高いと考えられます。今後は人間の役割を見直す必要があるでしょう。
人間特有の創造性や感情があまり必要とされない仕事
人間の創造性や感情が求められない仕事は、AIによる代替が進むと予測されています。例えば、定型的な書類作成や単純な応対業務は、AIがデータベースとロジックに基づいて自動的にこなすことが可能です。
感情を交えずに情報処理をする分野では、むしろ人間よりもAIの方が安定した対応ができるという利点もあります。また、創造的な判断や共感を必要としない仕事は、AIにとって扱いやすい領域です。
その結果、これまで人間が担っていた職務の一部が、効率や正確性の観点からAIに置き換えられていくでしょう。創造力や感性が問われない仕事こそ、今後はリスクが高いといえます。
24時間稼働が求められる仕事
24時間稼働が求められる仕事も、AIによる代替が進みやすい分野です。人間は休憩や睡眠が必要ですが、AIは一切の休息を必要とせず、常に一定のパフォーマンスを維持して業務をこなせます。
例えば、夜間の監視業務やカスタマーサポートなどでは、AIチャットボットやセンサー技術を活用することで、深夜や休日でも安定したサービス提供が可能です。また、AIは時間帯に関係なく即時対応できるため、顧客満足度の向上にもつながります。
こうした背景から、今後24時間体制が求められる業務では、人手よりもAIの方が重宝される時代が来るでしょう。働き方そのものが大きく変わる可能性があります。
AIによってなくならない職業7選
すべての仕事がAIに取って代わられるわけではありません。今後も求められ続けるであろう仕事を具体的に紹介します。

ITエンジニア
ITエンジニアは、AI時代においてもむしろ需要が高まる職種のひとつです。ソフトウェアやアプリケーション、AI・ロボットなどの設計や開発、運用に携わるこの仕事は、単純作業ではなく創造性や技術力が求められます。
AIは定型業務の処理に長(た)けていますが、AIそのものを設計・改善・運用するためには、人間による高度な知識と判断が欠かせません。例えば、AIを活用したサービスの構築や自動化ツールの開発、故障時のメンテナンスやセキュリティ対応などは、すべて人間の役割です。
今後もIT分野の進化とともに新しい課題が生まれるため、ITエンジニアは継続的に必要とされる存在であり、将来性のある職業といえるでしょう。
クリエイター
クリエイターも、AIによって代替されにくい職業の代表例です。デザイナーやカウンセラー、コンサルタントなど、創造的かつ対人対応力が求められる仕事は、AIの苦手分野とされています。
顧客のニーズを丁寧にくみ取り、状況に応じて柔軟に提案や判断を行うには、人間特有の感性や経験が欠かせません。さらに、新しいアイデアを生み出す創造力や、その場その場で最適な判断を下す対応力も、現時点ではAIには再現できない領域です。
クリエイティブ職は技術進化の影響を受けつつも、人間ならではの価値が発揮される場面が多く、今後も人手が必要とされるでしょう。そのため、AI時代においても安定性が高い職種といえます。
営業職
営業職も、AIによる代替が難しい職業のひとつです。なぜなら、顧客の課題やニーズを丁寧に引き出し、信頼関係を築きながら提案・交渉を進めるには、高度なコミュニケーション能力と柔軟な対応力が求められるからです。
特に高額な商品やカスタマイズが必要なサービスでは、人間ならではのヒアリング力や提案力が不可欠です。一方で、データ分析やリード管理など一部の業務はAIがサポートするようになり、営業活動の効率化は進んでいます。
しかし、御用聞き営業や飛び込み営業などはAIに取って代わられる可能性もあるため、今後は人にしかできない価値提供ができる営業スタイルが重要となるでしょう。AIと共存しながら活躍できる営業力が求められます。
研究者
研究者はAI時代においても、引き続き重要な役割を担う職種のひとつです。AIが分析や論文作成などを支援できるようになったとはいえ、「どんなデータをとるか」「何を問いとして立てるか」といった研究の根幹部分には、人間ならではの着想力と観察力が求められます。
特に行動科学や脳科学などの領域では、まだAIでは取得できない生身のデータが多く、人間の手による観察・記録が欠かせません。
また、他者が思いつかないテーマを発見し、挑戦する独創性も不可欠です。もちろん将来的にAIが代替できる領域は広がるかもしれませんが、尖(とが)った発想で問いを立て続ける研究者の価値は、今後も高く評価されるでしょう。
教師
教師は、AI時代においても代替されにくい職業のひとつです。教育は単なる知識の伝達ではなく、個々の生徒に合わせた指導や、心の成長を支えるコミュニケーションが求められます。
学力や性格、理解度は一人一人異なるため、画一的な対応しかできないAIでは柔軟に対応できません。また、学校は勉強だけでなく、社会性や協調性を育む場所でもあり、人間同士の関わりが重要です。
教師は生徒の悩みに寄り添ったり、励ましたりすることで信頼関係を築きます。こうした感情のやり取りや、人間関係を前提とした指導は、AIには再現できない領域です。今後も教師の役割はなくならず、むしろ人間にしかできない仕事として重視されていくでしょう。
医師
医師は、AI時代においても代替されにくい職業の代表格です。たしかに、画像診断やカルテ解析といった一部の業務はAIによって効率化が進んでいますが、すべての医療行為をAIが担うことはできません。
患者ごとに異なる症状や感情に対して、的確に寄り添いながら判断を下すには、人間ならではの経験や柔軟性が必要です。また、未知の病気への対応や、医療ミスが起きた際の責任を明確に負うといった役割も、AIには担えません。
医師は単に診断や治療を行うだけでなく、患者との信頼関係を築き、感情面のケアも含めて包括的なサポートを提供する存在です。今後もAIは医師の補助役として活用され、医師とAIがチームとして連携する形が主流となるでしょう。
介護職
介護職も、AI時代においてもなくなりにくい職業のひとつです。高齢者や要介護者の生活を支えるには、体の状態を細かく観察し、その変化に応じた柔軟な対応が求められます。
また、介護は単なる作業ではなく、利用者の心に寄り添い、安心感を与える対人支援の側面が強く、人間らしいぬくもりのあるコミュニケーションが不可欠です。AIやロボットが事務処理や一部の介助を担うことはあっても、精神的ケアや繊細な判断を完全に代替することは困難です。
さらに日本では高齢化が進んでおり、介護のニーズは今後も増加が予想されます。そのため、介護職は今後も安定した需要が見込まれる社会的にも重要な職業といえるでしょう。
なくならない仕事の特徴
AIに代替されにくい仕事には、一定の共通点があります。これからの時代に強い仕事の特徴を押さえておきましょう。

高度な資格が必要な職業
医師や弁護士、看護師など、高度な資格が求められる職業は、AIに代替されにくいとされています。これらの仕事は、人の命や人生に直接関わる場面が多く、万が一の失敗が許されないため、判断の正確さと責任の所在が重要です。
AIは情報の分析や提案は得意ですが、結果に対して責任を負うことはできません。また、実務では対面でのコミュニケーションや臨機応変な対応も求められます。
人間の感情を理解し、納得のいく説明をする力は、人ならではの役割です。そのため、資格を必要とし高度な倫理観や判断力が伴う職業は、今後も人の手による業務が中心となり、AIには完全に置き換わらないと考えられます。
創造性の要求が高い職業
新しいアイデアを生み出すことが求められる職業は、AIに代替されにくいとされています。例えば、デザイナーやアーティスト、建築家などの仕事は、自由な発想と独自の視点を生かして作品や企画を生み出すことが求められます。
AIは過去のデータをもとに最適解を提示することは得意ですが、「前例のないもの」や「感動を与える表現」を創り出す力には限界があります。さらに、クライアントの好みやその場の空気感に応じて柔軟に調整する力も人間特有のものです。
創造性が問われる職業では、人の感性や経験が価値として求められるため、今後もAIに仕事を奪われにくい領域といえるでしょう。
人間関係を重視する職業
人間関係を重視する職業は、AIが苦手とする領域の代表格です。カウンセラーや介護士、教師などの職業では、相手の感情や状況を察しながら適切に対応することが重要です。
AIは情報を処理して反応はできますが、複雑な人間の感情に寄り添ったり、表情や声色から心の動きを読み取ったりすることは苦手とされています。また、信頼関係を築くための継続的なやりとりや、相手の反応に応じた柔軟な対応も、人間だからこそできることです。
こうした職業は、業務の効率化にAIを活用する場面はあっても、核心的な部分は人間にしか担えないため、将来的にも必要とされ続ける仕事といえるでしょう。
AIでは代替不可能なスキルが必要な職業
AIでは代替が難しいスキルを要する職業も、今後も残り続ける可能性が高いです。
例えば、プロスポーツ選手やミュージシャン、俳優などは、生身の人間が行うからこそ感動を呼び、人々の心を動かします。同じ技術をAIが再現できたとしても、その背景にある努力や人間らしさがあるからこそ価値が生まれるといえるでしょう。
また、10本の指を駆使する理美容師やネイリストなどの職業も、複雑な手作業とセンスが求められ、AIには模倣できません。このように、職人技や感動を生み出す能力、人間らしい身体的・精神的特性を前提としたスキルが必要な仕事は、今後も人間が主役であり続けるといえるでしょう。
AI時代に求められる新たなスキル
AI時代を生き抜くためには、新たなスキルの習得が不可欠です。これからの時代に必要とされる能力について解説します。

データサイエンス能力
AI時代を生き抜くうえで、データサイエンスの知識は極めて重要です。膨大なデータから必要な情報を抽出し、ビジネスや社会課題の解決に役立てるスキルは、多くの業界で求められています。
AIは分析作業自体は得意ですが、どのようなデータを収集し、どのように活用すべきかを設計するのは人間の役割です。データサイエンスには統計学やプログラミング、課題解決力が必要とされ、習得には一定の努力が必要ですが、今後ますます価値の高いスキルになるでしょう。
AIを「使う側」になれる人材になるためにも、基礎からしっかり学んでおくことが大切です。
クリティカルシンキングの能力
AIが提示した情報をうのみにせず、根拠をもとに判断し、物事の本質を見極める力がクリティカルシンキングです。
AIは膨大なデータを処理することは得意ですが、それが本当に妥当か、現場の文脈に即して正しいのかを判断する力は持っていません。誤った情報をそのまま活用してしまえば、大きなリスクにつながることもあります。
だからこそ、複雑な課題に対して「なぜそうなるのか」「本当に正しいのか」を深く考える力が求められます。AIをただ使うのではなく、活用するうえでの判断力を持つ人材が、今後ますます重宝される時代になるでしょう。
柔軟な適応力と学習意欲
変化の激しいAI時代においては、ひとつのスキルや知識だけで生き残るのは難しくなります。そのため、新しい技術や働き方に柔軟に適応する力と、自ら学び続ける意欲が必要不可欠です。
AIに代替されない仕事に就いていたとしても、その領域にもAI技術が進出してくる可能性は十分にあります。変化を恐れず、必要に応じて知識やスキルをアップデートしていく姿勢が、キャリアの安定や成長に直結します。
時代の流れに乗りながら、自分の強みを生かして進化できる人材こそが、AI社会においても長く必要とされるでしょう。
創造的に問題を解決する能力
AIには難しいとされる領域のひとつが、創造性を生かした問題解決です。決まったルールの中での判断は得意でも、前例のない課題や複雑な状況に柔軟な発想で対応することはAIには困難です。
だからこそ、AIの出した答えを基に「より良い案」を生み出したり、課題そのものを再定義したりして新たなアプローチを見いだす能力が求められます。特に現代は正解がひとつではない問題が多いため、自由な発想と柔軟な思考力が強みになります。
AIと共存しながら、付加価値を生み出せる人材になるためには、創造的な問題解決力を鍛えておくことが重要です。
コミュニケーションスキル
AIが苦手とする代表的な分野が、感情や状況に応じた人とのやり取りです。特にビジネスや福祉、教育など人と関わる仕事では、相手の気持ちをくみ取り、適切に対応するコミュニケーション力が欠かせません。
信頼関係の構築やチームでの連携も、人間同士だからこそ成立するものであり、AIでは代替できない価値あるスキルといえます。また、的確に自分の意見を伝える力や相手の理解度に応じて説明を変える柔軟性も重要です。
どんな仕事においても必要とされる基礎スキルであり、AI時代だからこそ磨いておくべき能力といえるでしょう。
なくならない仕事に就くためには
将来も安定した職業に就くには、今のうちから具体的な準備が重要です。どのような行動をとるべきかを紹介します。

資格を取得する
AI時代に安定した仕事に就くためには、AIに代替されにくい分野の資格を取得しておくことが効果的です。
例えば、保育士や社会福祉士、メンタルヘルス・マネジメント検定などは、人間との信頼関係や感情のやり取りが求められる仕事であり、AIでは対応が難しいとされています。
資格は専門性の証明だけでなく、自分のスキルやキャリアの方向性を示す武器にもなります。また、国家資格や民間資格など種類も多く、働きながらでも取得を目指せる制度も整っているため、今から準備を始めることが将来の安心につながるでしょう。
未来を見据えたキャリア選択をする
将来も安定した仕事に就くためには、今の時代だけでなく未来を見据えたキャリア選択が欠かせません。興味や得意なことだけで職業を選ぶのではなく、その仕事がAIや自動化によって今後どう変化していくかも考慮する必要があります。
例えば、ルーチン業務が中心の仕事はAIに代替される可能性が高いため、創造性や人間関係構築が求められる職種を選ぶと安定しやすくなります。また、ITエンジニアや福祉・教育系の仕事などは需要が高く、今後も成長が見込まれる分野です。
時代の流れを把握し、長期的に価値が高まり続ける分野に目を向けた選択をすることが、将来の職業的安定につながるでしょう。
AIの知識をつけておく
AIに負けない人材になるためには、AIの知識を最低限でも身につけておくことが大切です。AIがどんな仕組みで動いているのか、どのような場面で活用されているのかを理解しておくことで、技術の進化に翻弄(ほんろう)される側から、活用する側へと立場を変えることができます。
特に、ITやビジネスの現場ではAI活用の機会が年々増えており、業務改善や新規事業にも関わる可能性があります。また、プログラミングやデータ分析の基本を学ぶことで、AIとの協働がしやすくなり、より市場価値の高い人材を目指せます。
今後のキャリアを左右する力を身につけるためにも、AIの知識はしっかり押さえておきましょう。
常に学び直しの姿勢をとる
AIや技術の進化が著しい現代では、一度身につけたスキルが数年で通用しなくなることも珍しくありません。そのため、社会に出たあとも継続して学び続ける「リスキリング(学び直し)」の姿勢が、将来の安定につながります。
新しい資格を取得する、オンライン講座で最新のトレンドを学ぶなど、手段は多様化しています。変化の激しい時代に柔軟に対応できる人材は、どの業界でも重宝される存在です。
学び直しによって自分の市場価値を高め、キャリアの選択肢を広げることが、AI時代を生き抜くための土台となります。年齢やタイミングに関係なく、常に成長を意識した行動が重要です。
コミュニケーション能力を身につける
AIにできない代表的なスキルのひとつが、感情や空気を読みながら行うコミュニケーションです。ビジネスにおいては、相手の立場や状況を理解し、適切な言葉を選んで伝える力が信頼構築や成果につながります。
また、チームでの連携や顧客対応など、人と関わる業務は今後も残り続ける分野であり、その中核を担うのがコミュニケーション能力です。AI時代においても、対話を通じて問題を解決したり、提案を通して共感を得たりする力は代替できません。
仕事の成果を高めるだけでなく、自身のキャリア形成にも直結する力として、今のうちから意識して磨いておくことが重要です。
まとめ
AIの進化によって、単純作業や定型業務を中心とした職業は今後ますます自動化され、減少していくことが予想されます。しかし、その一方で、創造性や高度な専門知識を必要とする職業、人間関係を重視する仕事は、引き続き求められるでしょう。
技術の発展による変化に適応するためには、新たなスキルを身につけることが重要であり、特にデータ活用や問題解決能力、柔軟な思考を養うことが求められます。今後のキャリア選択では、AIに代替されにくい職業を意識し、学び続ける姿勢を持つことが大切です。
未来に向けて、どのようなスキルを磨くべきかを考え、自分の強みを生かしながら変化に対応する力を身につけていきましょう。
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