ワンキャリ編集部が、総力をあげてお届けする【最新版:業界研究】。
今回はテレビ業界について、「フジテレビ・日本テレビ・TBSテレビ・テレビ朝日・テレビ東京・NHK」についてご紹介します。
<目次>
●テレビ業界の知っておきたい基本
・テレビ業界の分類
・テレビ業界のビジネスモデル
・民放キー局とは?
・命運を分ける「3つの時間帯」の視聴率
●テレビ局の種類について
・キー局
・準キー局
・地方局
・公共放送(NHK)
●テレビ局業界の動向
・「テレビ離れ」対策:ネット配信の強化
・ネット広告の発達に伴うテレビ広告費削減
・テレビ放映以外への事業展開
・4K・8K配信放送の発達
・労働環境の見直し
●テレビ局業界の仕事内容・主な職種
・プロデューサー
・ディレクター
・AD
・タイムキーパー
・カメラマン
・照明・音響
・アナウンサー
・営業・事務
●テレビ業界(キー局)大手6社の業績比較・順位(売上高/営業利益)
●テレビ業界(キー局)大手6社の特徴・強み
・フジテレビ:映画・配信で成長する一方、収益改善が課題に
・日本テレビ:12年連続の三冠王! あらゆる部門で人気番組を保持
・TBS:不動のドラマ王! 国内外の配信事業も好調
・テレビ朝日:テレビコンテンツとネット放送で幅広い年齢層を掴(つか)む
・テレビ東京:アニメや経済ニュースなどの得意ジャンルを中心に事業拡大
・NHK:"いつでも どこでも 誰にでも"必要な情報を届ける公共メディア
●テレビ業界(キー局)大手6社の社風の違い
・フジテレビ:「楽しさ」を生み出す、明るく闊達な社風
・日本テレビ:部門に縛られず、社員全体にあふれる仲の良さ
・TBS:堅実で個性が大事にされる社風
・テレビ朝日:協議主義、「全員で考えて勝つ」番組制作
・テレビ東京:明るく穏やかな人が多く、個性を大切にする社風
・NHK:真面目な社風だが、一人一人が番組制作に熱意や誇りを持っている
●テレビ業界(キー局)各社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
●テレビ業界で働く魅力・やりがい
・企画力や発想力を生かせる
・作成したものが多くの人の目に届く
・収入が高い
●テレビ業界大手6社の選び方
・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
・情報収集ではワンキャリアの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリア / ワンキャリア就活チャンネル』を活用しよう!
・手間がかかる「業界研究」はワンキャリアにおまかせ!
・企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ!
・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう
●テレビ業界大手6社の求める人物像・選考対策
・テレビ局が求める人物像
・テレビ局の選考対策
▼業界理解が深まったら企業分析をしよう▼
テレビ業界の知っておきたい基本
テレビ局に関する基本的な知識を見ていきましょう。
テレビ業界の分類
テレビ局
テレビ局は番組を制作・編成して自局の電波で放送する会社です。ニュースやバラエティ、ドラマなど幅広いジャンルの番組を企画し、出演者や制作スタッフを手配して放送を管理します。放送が滞りなく行われるよう進行を統括することも重要な役割です。
また、系列ネットワークを形成し、全国の地方局と連携して同じ番組を同時放送する機能も持っています。公共放送のNHKは民放と異なり、スポンサーを持たず、受信料を財源として運営されています。
番組制作会社
番組制作会社はテレビ局から制作を受託し、企画立案から撮影・編集まで番組づくりを担う会社です。テレビ局の番組枠に合わせてコンテンツを提供するほか、独自に開発した企画を局に売り込むこともあります。制作の現場を支えるディレクターやカメラマン、編集スタッフなどが所属しており、高い専門性で番組の質を支えています。
近年は地上波だけでなく、ネット配信向けコンテンツやSNS向け動画の制作も増えており、活躍の場が広がっています。
テレビ業界のビジネスモデル
次にテレビ業界のビジネスモデルについて説明します。どのようにしてテレビ局が収益を上げているのかを理解しておきましょう。 主にテレビ局の収益として、「広告収益」と「視聴料金」が挙げられます。それぞれについて詳しく解説します。
広告収益
民放テレビ局の主な収入源は「広告収益」です。スポンサー企業が番組の合間に流すCM枠を購入し、その対価がテレビ局の収入となります。広告代理店が間に入ることが多く、スポンサーは代理店に費用を支払い、代理店がテレビ局に広告料を支払う仕組みです。
最近は地上波だけでなく、TVerなどの見逃し配信や局独自の配信サービスにも広告が付くようになり、デジタル広告の拡大が新たな収益源となっています。
視聴料金
広告に頼らず、視聴者から直接料金を得るモデルもあります。代表例がNHK(日本放送協会)で、受信契約に基づく受信料が主な収入です。2024年度のNHKの受信料収入は約5,901億円であり、財源として大きな比率を占めています。
また、全国どこでも受信できる独自の放送網を整備していることが特徴です。加えて、民放でもスカパー!やWOWOWのような有料チャンネルでは月額料金が収益になります。近年はネット配信型の有料チャンネルも増えています。
民放キー局とは?
民放キー局とは、全国ネットでの放送権利を有する企業を指します。その広告収入(CM放映権など)が収益の半分以上を占めます。そのため、視聴率に関わるコンテンツ(番組)の質は収益の増減に多大に影響を与えます。
しかし、近年ではスマートフォンやタブレットなどの台頭でインターネットを利用する時間が増加したことにより、相対的にテレビを見る時間が減少しています(※1)。つまり、テレビ局は今までどおりのクオリティのコンテンツでは収入が減少する可能性が高いということです。
キー局全体として、視聴率が低下している現状を打破するために、今まで以上に質の高いコンテンツを作ることへの課題があるといえます。
(※1)参考:総務省「利用時間から見るメディア利用の変化」
命運を分ける「3つの時間帯」の視聴率
テレビ番組の視聴率は時間帯ごとに、こちらの3つの時間帯に分かれています。
・全日帯(6時〜24時)
・G帯(ゴールデンタイム)(19時〜22時)
・P帯(プライムタイム)(17時〜23時)
└NP帯(ノンプライムタイム)(全日帯からP帯を除外した時間帯)
視聴率は、CM枠の販売価格(=広告収入)を決定する上での重要な要素です。すなわち、視聴率はテレビ局の経営にそのまま直結するといっても過言ではありません(※2)。
また、テレビ業界ではこの3つの時間帯すべてで視聴率1位になることを「視聴率三冠王」と呼びます(※3)。月間・年間と区分され、2023年はテレビ朝日が現在、年間視聴率三冠を獲得しました(※4)。
(※2)参考:フジテレビ「2018年度有価証券報告書 P.12」
(※3)……「NP帯」を入れると四冠という表現もあり
(※4)参考:ORICON NEWS「テレビ朝日、2023年年間視聴率で開局以来初の世帯3冠 個人全体は全日・プライムの2冠」
