こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。今回は、私たちの生活に必要不可欠な「通信」を支える携帯大手キャリア4社「NTTドコモ・ソフトバンク・KDDI・楽天グループ(以下、楽天)」をご紹介します。
<目次> ●通信業界とは? 事業内容/提供サービスを解説 ・ビジネスモデル ・事業内容 ・企業形態 ・「IT業界」との違い ●通信業界の動向 ・5Gの普及と高度化 ・6Gの実現 ・ICT・IoT市場の拡大 ・セキュリティ対策 ・携帯料金の値下げ ●通信業界の仕事内容・主な職種 ・事務系総合職 ・技術系総合職 ●通信業界大手4社の業績比較・ランキング(シェア率、売上高/営業利益) ・シェア率 ・売上高/営業利益 ●通信業界大手4社の特徴・強み ・NTTドコモ:シェア第1位! 金融・決済事業などに注力 ・ソフトバンク:通信事業だけじゃない。最新のICTビジネスを多様に展開する ・KDDI:5Gを中核に据えた事業変革を推進 ・楽天:さまざまなサービスを提供する1兆円ベンチャー ●通信業界大手4社の社風の違い・制度 ・NTTドコモ:協調性を重視している ・ソフトバンク:「1カ月の仕事を1週間で」スピード感と裁量に満ちた社風 ・KDDI:堅実さと積極性を併せ持つ、落ち着いた風土 ・楽天:安定志向とベンチャーマインドを心に宿す社員たち ●通信業界大手4社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数 ●通信業界で働く魅力・やりがい ・最新のサービスに携われる ・社会貢献性が高い ・大規模のプロジェクトに携われる ・やりたい職種に就ける ・BtoCのやりがいに加え、BtoBの面白さを味わえる ●通信業界大手4社の選び方 ・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出す ・情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用する ・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用する ・手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ ・企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ ・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理する ●通信業界大手4社が求める人物像・選考対策 ・通信業界が求める人物像 ・通信業界の選考対策 ●通信業界以外の業界研究記事
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通信業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
通信業界は、インターネットや電話、モバイル通信など、人々の生活に欠かせないインフラを提供する重要な業界です。この業界のビジネスモデルは、通信ネットワークの構築と運用を中心に、幅広いサービスを提供することにあります。
通信業界の企業は、大規模なネットワークインフラを持つ大手企業から、特定のニッチ市場に特化した企業までさまざまです。また、IT業界との違いとして、通信業界は物理的なインフラとサービス提供を重視している点が挙げられます。ここでは、通信業界のビジネスモデルや事業内容、企業形態、そしてIT業界との違いについて詳しく解説します。
ビジネスモデル
通信業界のビジネスモデルは、さまざまな形態で展開されており、顧客や企業のニーズに応じて異なるサービスを提供しています。BtoC事業では、個人向けに携帯電話やインターネットサービスを提供し、BtoB事業では、企業向けにネットワークインフラやクラウドサービスを提供します。
また、BtoBtoX事業では、通信インフラを通じて、さらに多様なサービスを提供する新たなビジネスモデルが展開されています。これらの事業形態は、通信業界全体の成長を支える重要な要素となっています。
BtoC事業
通信業界におけるBtoC事業は、主に個人ユーザーを対象にしたサービスを提供するビジネスモデルです。
例えば、ドコモやソフトバンク、KDDIといった通信キャリアは、自社で構築した通信インフラを利用し、ユーザーからの利用料を収益として得ています。これは、毎月のスマホ料金が典型的な例で、継続的に一定の収益を生む「ストックビジネス」として安定した収入源となっています。
また、自社で通信回線を持たない企業は、NTT東日本・西日本の光回線や大手キャリアの4G(LTE)回線を借りてサービスを提供して収益を得ています。このように、BtoC事業は、通信インフラを活用して安定した収益を確保するビジネスモデルが特徴です。
BtoB事業
BtoB事業においては、通信会社が法人向けに提供するネットワークサービスや固定電話の提供が主なビジネスです。しかし、近年ではそれだけに留まらず、通信デバイス、クラウドサービス、AI(人工知能)技術などを活用したトータルソリューションの提供が増えています。これにより、企業の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援することが目的です。
また、自社で通信回線を持たない企業に対しては、通信インフラを提供して収益を得るビジネスもあります。例えば、ソフトバンクやKDDIが提供する光回線の一部は、NTT東日本やNTT西日本がインフラを提供しているケースが多く、これもBtoB事業の一環といえます。
BtoBtoX事業
BtoBtoX事業とは、通信会社が自治体やイベント企業、スポンサーなどの異業種と協力し、「ビッグデータを活用した顧客分析」や「IoTやAIを活用した業務の効率化」、「顧客への遠隔サポート」など、高い付加価値を提供する事業モデルです。
このモデルでは、エンドユーザーである個人や法人に対して、これまでにない新しい価値を提供することを目指しています。
特に、第5世代(5G)通信規格の導入により、BtoBtoX事業は今後主流になると予想されています。5Gを活用することで、通信会社は他業種とともに新しいサービスを「共創」できるようになり、その可能性は広がっています。
たとえば、「通信×自動車業界」では自動運転、「通信×医療業界」では遠隔医療といった具合に、通信技術と他業種の技術が融合することで、新たなサービスが続々と登場することが期待されています(※1)(※2)。
(※1)参考:愛知県ITS推進協議会「自動運転(自動走行)システム」
(※2)参考:厚生労働省「オンライン診療その他の遠隔医療の推進に向けた基本方針について」
事業内容
通信業界の事業内容は非常に多岐にわたり、さまざまな分野でサービスを提供しています。
通信業は、電話やインターネット接続などの基盤となるサービスを提供し、個人や企業の通信を支えています。放送業は、テレビやラジオなどのメディアを通じて情報を発信し、広範な視聴者にコンテンツを届けます。
さらに、デジタルプラットフォーム業では、インターネットを介したデジタルサービスの提供や、クラウドコンピューティング、データ分析などを行い、現代社会のデジタル化を推進しています。
通信業
通信業は、現代社会のインフラを支える重要な分野であり、固定通信・移動通信・インターネットサービスプロバイダー(ISP)など、多岐にわたるサービスを提供しています。これらのサービスは、個人や企業のコミュニケーション手段として欠かせないものであり、日々の生活やビジネスを支えています。
固定通信
固定通信とは、固定電話やパソコンなど、特定の場所から通信を行うためのサービスを提供する事業です。一般的には、電線や電信柱を通じて通信が行われ、自宅や会社などの一定の場所での通信環境を整える役割を担っています。
このサービスは、安定した通信品質が求められる場面で広く利用されており、通信業界の基盤となる重要な事業領域です。
移動通信
移動通信とは、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末など、移動しながら利用できるモバイル通信サービスを指します。代表的な移動通信サービスには、最新の「5G」が含まれており、高速で安定した通信が可能です。
移動通信の大きな特徴は、固定された場所に限定されず、どこにいても通信が可能な点です。この特徴によって、現代社会では、より多くの場面で接続性と利便性を提供しています。
インターネットサービスプロバイダー(ISP)
インターネットサービスプロバイダー(ISP)とは、インターネット接続事業者のことを指します。ユーザーがインターネットを利用する際に、インターネット回線への接続を提供する役割を担っています。
ISPは、通信の拠点施設から接続サービスを提供し、契約している個人や企業が快適にインターネットを利用できる環境を整えます。インターネットの普及とともに、ISPの役割はますます重要になっており、さまざまなプランやオプションが提供されています。
放送業
放送業とは、テレビやラジオの放送事業を指し、通信電波を利用して視聴者に番組を提供します。収益の主な源泉は、スポンサーからの広告料であり、この収益が番組制作費として使われます。さらに、人気アニメやドラマのグッズ化、CD・DVDの販売による収益も重要です。
近年では、テレビ局が提供する「TVer」や「Hulu」といったビデオオンデマンド(VOD)サービスが注目を集め、インターネットを通じて映像を閲覧できるサービスが新たな収益源となっています。
放送業には、公共放送の日本放送協会(NHK)や民放キー局と呼ばれる日本テレビ・TBSテレビなどのテレビ局、さらにはエフエム東京やJ-WAVE、文化放送などのラジオ局が含まれています。
デジタルプラットフォーム業
デジタルプラットフォーム業とは、インターネット上で「人と人」や「人とモノ」をつなげる場所を提供する事業です。この事業では、提供するサービス内容に応じて収益源が異なりますが、共通して広告料が主要な収益源となっています。
例えば、SNS(LINE・Xなど)やECサイト(Amazon・楽天市場など)がこのカテゴリーに含まれます。近年では、携帯電話の普及とともにウェブ広告の効果が高まり、人気を集めています。また、LINEヤフーではスタンプの売上やゲーム内での課金、楽天グループでは楽天市場への出店料なども重要な収益源となっています。
企業形態
通信業界の企業形態は、「一種指定事業」と「二種指定事業」の2つに分類されます。それぞれの違いは以下のとおりです(※3)。
一種指定事業:固定回線の契約割合が50%を超える電気通信事業者を指します。主に大規模なインフラを持つ企業が該当します。 二種指定事業:移動通信市場での端末シェアが10%を超える電気通信事業者を指します。こちらは、移動通信に強みを持つ企業が該当します。
以前は、電気通信事業を行うために総理大臣の認可が必要でしたが、現在では認可制が廃止され、登録・届出制となっています。通信業界を目指す際には、これらの企業形態を理解し、業界研究を進めることが重要です。
(※3)出典:総務省「電気通信事業法についてp.13」
「IT業界」との違い
IT業界と通信業界は、業種の範囲に違いがあります。
通信業界は主にインターネットや電話などの通信インフラ基盤を提供する業界を指します。具体的には、通信環境に必要なインフラを整備し、ユーザーが快適に通信を利用できるようにすることが主な役割です。
一方、IT業界は、情報技術全般にかかわる業種を指し、通信インフラを含む広範な分野をカバーしています。IT業界は通信業界を含む広い概念であり、通信業界はIT業界の一部といえるでしょう。
