<東京大学 Aさん(理系/男性)>
内定先
三井不動産、三菱地所、伊藤忠商事、電通、日系投資銀行、メガベンチャー
就活サマリー
【就活の進め方・軸は?】
夏はさまざまな業界を見つつも、テスト対策は怠らない
【内定獲得の秘訣は?】
30回のOB/OG訪問&圧倒的なインプット量で面接は怖いものなし!
#どんな就活?
#東大 #理系 #日系 #不動産 #総合商社 #広告 #金融 #IT
日系企業を志望している2021年卒の皆さん。
「日系企業は3月に就活解禁だから……」と、本選考はまだまだ先の話だと思っていませんか?
ワンキャリ編集部では、2020年卒の日系大手企業内定者に、インタビューを行い、彼らの就活スタイルを徹底調査しました。
業界別に、内定獲得の秘訣(ひけつ)や就活スケジュールを余すことなくお届けします!
この記事を読んで、一足早く日系企業対策を始めてみませんか?
【目次】
・就活の進め方・軸は?
・受けた企業一覧
・内定獲得の秘訣は?
・就活スケジュール
就活の進め方・軸は?
大手デベロッパー2社の内定を獲得したAさんですが、就活を始めた時は、さまざまな業界を見ていたそうです。
そんなAさんの就活スタイルを、就活全体とデベロッパー、それぞれ分けてご紹介します!
・【就活全体】軸にこだわりすぎず、さまざまな業界を受ける
・【デベロッパー】早めのインターン対策が内定獲得のカギ!
【就活全体】軸にこだわりすぎず、さまざまな業界を受ける
Aさんは大学院へ進学し、大学院1年の5月から夏インターンの選考への申し込みを始め、本格的に就活を始めたそうです。
志望業界が定まっていなかったため、夏インターンは日系、外資系、ベンチャーを問わず、さまざまな業界のインターンに参加したAさん。
「インターンは軸にこだわることなく、いろいろな業界を見てみたかった。夏インターンを実施していない企業は秋インターンに参加した」といいます。
10社以上の夏インターン、5社以上の秋インターンに参加したAさんでしたが、それぞれの業界や企業に魅力を感じたため、最後まで志望業界を一つに絞れなかったそう。
しかし、最終的に以下の2つの観点で本選考を受ける業界を決めたと語ります。
・自分の思考や戦略が、そのままプロダクトになる仕事をしたい
・海外を転々としながら、現地で仕事をしてみたい
自分の思考や戦略が商品になるという点では、クライアントが抱える問題の解決策をアドバイスする、コンサルタントも当てはまる部分があるでしょう。
しかし、「アドバイスをするまでが仕事」ではなく、「自分が考えたことや戦略が目に見えるモノになる仕事」がしたいというAさん。「考えることは好きだが、それだけでなく、実際に現地に足を運び続けたい」というニーズにも合わなかったそうです。そのため、本選考で総合商社、デベロッパー、広告業界の3つを受けました。
先ほどのAさんの話を3つの業界に当てはめてみると、以下のようになります。
・総合商社=商流
・デベロッパー=街づくり
・広告=PRや広報活動
例えば、メーカー業界でも海外で勤務することは可能ですが、「1割が商品企画を担当、残りの9割が営業の仕事をする」という構造の企業が多いため、メーカー業界は受けなかったとAさんはいいます。
就活を進めていく上で、「志望業界を絞らなくては」と思う人も多いでしょう。
しかし、早い段階から無理に絞りすぎてしまうと、後から受けたい業界が増えた場合に本選考で苦労してしまうこともあります。
彼のように、夏インターンはさまざま業界に参加し、「志望業界」ではなく「ざっくりとした軸」を形成していくことも、就活の進め方の一つです。
【デベロッパー】早めのテスト対策が内定獲得のカギ!
デベロッパー業界の中でも、Aさんが内定を獲得した三菱地所と三井不動産は採用人数が少なく、本選考ではエントリーシート(ES)とWebテスト選考で多くの学生が落とされます(特にWebテスト選考が厳しい)。
また、採用人数が少ないことから、「インターン参加者は本選考で優遇されることが多い」とAさんは話します。
実際にAさんもインターンに参加したことで、本選考は、グループディスカッション(GD)と一次面接の両方をパスする短縮ルートで受けることができたと言います。
そして、6月1日に2回の面接を受け、即日で内定を獲得できたそうです。
デベロッパーが第一志望の業界ではないけれど、本選考で受ける可能性がある場合、秋・冬インターンに参加することがカギだと言えるでしょう。
そのためには、入念なテスト対策が必要です。
企業によっては、本選考よりインターンの方がWebテストのボーダーが高い場合があります。しかし、本選考での他企業の対策も考えると、比較的時間に余裕がある今の時期からテスト対策をすることで、内定への近道になることは確かです。
Aさんは、夏から本選考の間に、Webテスト(SPI、玉手箱など)を50回以上は受けたそうです。その半数近くを練習として受けたとAさんは話します。
参考書でのインプットだけでなく、実践的な練習を積み重ねたことで、本選考ではWebテストで落ちることはなかったそうです。
どんなにOB/OG訪問や企業研究をしても、テストで選考に落ち、面接に参加できなくなってしまっては意味がありません。
参考書だけでなく、Aさんのように、同じ形式のテストを実施している企業の選考を練習として受けることがおすすめです。
受けた企業一覧
受けた企業 | 内定した企業 | |
3年夏 (M1) |
【インターン】 サイバーエージェント、リクルート、 野村證券、Speee、P&G Japan、 SMBC日興証券、シティグループ、 UBSグループ、農林中央金庫、 ビズリーチ、レバレジーズ、 モルガン・スタンレー、 ディー・エヌ・エー(DeNA)、 三菱UFJモルガン・スタンレー証券、 バンクオブアメリカ・メリルリンチ |
ー |
3年秋 (M1) |
【インターン】 三菱地所、三井不動産、 PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー |
ー |
3年冬 (M1) |
【インターン】 三井物産、伊藤忠商事、住友商事 【本選考】 メガベンチャー、日系投資銀行 |
日系投資銀行、 メガベンチャー |
4年春 (M2) |
【本選考】 三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、丸紅、 住友商事、三菱地所、三井不動産、電通、 博報堂DYグループ |
伊藤忠商事、 三菱地所、 電通、 三井不動産 |
内定獲得の秘訣は?
Aさんの内定獲得の秘訣は以下の2点です。
・OB/OG訪問は30回!? 高評価獲得&面接につなげる
・圧倒的なインプット&選考経験で面接は怖いもの知らず!
OB/OG訪問は30回!? 高評価獲得&面接につなげる
Aさんは、大学院1年3月からほぼ毎日OB/OG訪問を行い、2カ月で、約30人に会ったとのこと。
その結果、本選考の面接での立ち振る舞いが確立できたと話しています。
彼は単に会社や業務内容について聞くためだけでなく、あることを目的にして訪問を重ねていました。
それは「日系大手企業の社員(社会人)と話すことに慣れる」ことです。
Aさんは多くの夏インターン選考を受けていました。しかし、本選考では、人事ではなく現場社員や年次の高い役員が面接官を務めるケースが圧倒的に増えます。
面接で確認されるポイントも、インターン選考と本選考で異なるかもしれません。
彼は、面接について以下のように考えていました。
・面接=会話である
→楽しくスムーズに会話するためには、1. 緊張しないようにすること 2. 冗談や面白い話が必要になる
→本選考の面接前に社会人と話す機会を増やす(場数を踏む)ことで、ボーダーを見極める
実際に、ある企業の圧迫面接で、所属する部活や研究に関する面白い話を盛り込んだ結果、面接官が笑ってくれて、和やかな雰囲気になったそうです。
もちろん、Aさんのように、冗談や面白い話をしなければ受からないということではありませんが、多くの学生が受ける企業であればあるほど、「自分のキャラ」を確立することが、他の学生との差別化につながるはずです。
多数のOB/OG訪問を行ったAさんですが、たくさん訪問しなければ不利になるわけではないと言います。
訪問した人数を聞かれることはほとんどなく、どの企業でも毎回、聞かれたのは「社員訪問を通して、どういう話が印象に残ったか?」という質問だったそうです。
このことから、社員に会って話を聞いたという事実ではなく、社員から聞いた話を自分で整理して相手に伝える力が大切だと言えるでしょう。
また、会社が公式でOB/OG訪問を行っている場合、訪問中に社員から選考のように評価されていることもあるそうです。
そのため、業界・企業研究をしていない、質問内容を固めていない人が「とりあえず話を聞いてみよう」と軽い気持ちで訪問すると、マイナス評価につながるかもしれません。
逆に言えば、しっかり準備をした上で訪問を重ねると、プラスの評価をされるチャンスも増えていきます。
実際に、AさんもOB/OG訪問で高評価を得たことがあるそうです。
OB/OG訪問は、本選考が始まってから一気に応募が押し寄せます。
「本選考が始まってからでいいや」と後回しにして、直前になって焦り出す人も少なくありません。
今から始めなければいけない! というわけではありませんが、多忙の中、社員の方々から貴重な時間を頂いているということを忘れず、入念に準備してから挑みましょう!
圧倒的なインプット&選考経験で面接は怖いもの知らず!
Aさんは、毎年多くの就活生から人気を集める数々の企業から内定を獲得しています。
その秘訣は2つあることが分かりました。
・圧倒的なインプット量で差別化を図る
・夏インターン選考で学んだ教訓をしっかり生かす!
・圧倒的なインプット量で差別化を図る
Aさんは、本選考が始まる前から、以下の3つを通して、業界・企業研究を行っていました。
1. 業界地図
2. 社員訪問
3. IR情報(投資家向け情報)
まず、Aさんは業界地図を本選考が始まるまでに、全ページを3周以上読み込んでいたそうです。
自分が志望する業界のページだけ読む人も多い中、全てのページを読み込むことで社員訪問にもメリットがありました。
彼は、OB/OG訪問をする時に、必ず「会社全体のことではなく、訪問する社員の仕事を深掘りして詳しく聞く」ことを徹底していました。
会社についての質問は座談会や説明会で聞けるため、訪問した社員だからこそ聞ける情報を聞くようにしていたのです。
そのためには、その業界や企業に関連する、他の業界の知識(インプット)もある程度必要になります。
Aさんは何周も業界地図を読み込んだことで、企業名や概要が自然と頭に入り、社員の話す業務内容の理解がしやすくなったと言います。
社員から「よくその企業を知っているね」と褒められたこともあったそうです。入社したら、仕事をする上でいくつもの業界・企業と深い関係を持ちます。
Aさんは、志望する企業だけでなく幅広い視野で業界を見ている点をアピールできたと言えるでしょう。
最後はIR情報(投資家向け情報)について。
IR情報と言うと、決算報告書や有価証券報告書などの、大量の数字がまとめられた資料をイメージする人も多いと思います。
しかし、Aさんが見ていたのはそれらの報告書ではなく、投資家向けの説明資料でした。背景情報も含めて分かりやすく説明されているので、就活生でも事業内容や決算概要、そして今後の戦略が理解できるようになっています。
Aさんは、説明資料に載っていた今後の戦略に着目し、面接でその戦略について言及したところ、面接官から良い印象を持ってもらえたそうです。
しかし、IR情報の活用について、Aさんは「IR情報を見た、とは絶対言わなかった」と言います。あえて言わずとも、面接官は「IR情報を見たのだろう」と察するでしょう。
IR情報の内容を活用する際は、さりげないアピールが無難です。
・夏インターン選考で学んだ教訓をしっかり生かす!
本選考では、まさに「怖いもの知らず」のAさんでしたが、それは夏インターン選考での反省が生かされていたためでもあります。
Aさんは夏インターンで以下のような経験をし、次に生かす学びを得ました。
・外コン:面接で、志望度の低さを見透かされてしまった
→面接では「ここが第一志望だ」と思い込んで行く、志望動機の準備を徹底する
・外銀:社風をきちんと理解していなかったため、「合わない」と思われてしまった
→事前に社風をリサーチし、演じられるように意識する
・ベンチャー企業:あまり詳しくない研究内容について深掘りされ、詰められてしまった
→詳しく話せないことは、自分から話題に出さないようにする
このように、Aさんは選考に落ちた企業について「なぜ落ちたのか?」を必ず考え、次に生かすというPDCAサイクルを回していました。
皆さんもこれからいろんな企業のインターン選考を受けると思います。
全ての選考に受かることはまずありません。落ちたことには何かしらの理由があります。自分なりに落ちた理由を考え、次にどう生かすか? を考え、行動に移し続けることによって、面接スキルはアップデートされていきます。
また、受かった面接についても「どうして受かったのか?」と思いながら何もしないのではなく、自分なりに分析してみることが大切です。
就活スケジュール
大学3年(6〜12月)
月 | 選考 | 対策/活動 |
6 | ー |
・WEBテスト/筆記試験 ・面接対策 |
7 | ー |
・面接対策 |
8 |
【インターン】 サイバーエージェント、リクルート、 野村證券、Speee、P&G Japan、 SMBC日興証券、シティグループ、 UBSグループ、農林中央金庫、 ビズリーチ、レバレジーズ、 モルガン・スタンレー、 ディー・エヌ・エー(DeNA)、 三菱UFJモルガン・スタンレー証券、 バンクオブアメリカ・メリルリンチ |
・面接対策 |
9 |
【インターン】 三菱地所、三井不動産、 PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー |
ー |
10 | ー |
ー |
11 | ー |
ー |
12 |
【インターン】 三井物産、伊藤忠商事、住友商事 【本選考】 メガベンチャー |
ー |
※インターン:実施した月/本選考:選考が行われた月
大学3年(1〜3月)/大学4年
月 | 選考 | 対策/活動 |
1 | ー |
ー |
2 |
【本選考】 日系投資銀行 |
ー |
3 | ー |
・OB/OG訪問 |
4 | ー |
・OB/OG訪問 |
5 | ー |
ー |
6 |
【本選考】 三菱商事、 三井物産、丸紅、 住友商事、電通、 三菱地所、 伊藤忠商事、 三井不動産、 博報堂DYグループ |
ー |
7 | ー |
ー |
※インターン:実施した月/本選考:選考が行われた月
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