こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回取り上げる森ビルは、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズなど、一等地のハイブランドなビルを展開している総合デベロッパー。
世界に誇る「東京ブランド」の価値を高めたいと考える学生に向けて、内定者インタビューで分かった森ビルの選考のポイントをお伝えします。
<目次>
●デベロッパーに求められる能力──やり抜く力・巻き込む力
●森ビルの本選考のポイント
●森ビルの本選考のフロー
・エントリーシート(ES)(1)
・Webテスト
・グループディスカッション(GD)
・エントリーシート(ES)(2)
・1次面接
・2次面接
・最終面接
●おわりに
デベロッパーに求められる能力──やり抜く力・巻き込む力
総合デベロッパーでは「物事をやり抜く能力」「他人を巻き込む能力」が求められます。
(1)物事をやり抜く能力
都市開発の用地取得のためには、数多くの地権者に粘り強く交渉する必要があります(選考対策ページより)。
学生時代の経験をアピールする際は「困難な状況下でも地道にコミットし続けたこと」に焦点を当てるといいでしょう。
(2)他人を巻き込む能力
デベロッパーの社員は、ゼネコンや地権者など、利害関係の異なる複数の関係者を巻き込んで業務を遂行することが求められます。
したがって、面接では「異なる価値観を持つ人たちを巻き込み、目標に向かって取り組んだ経験」を話すといいでしょう。
また、「面接官の目を見て笑顔で話す」「1人で話しすぎず会話の往復を増やすことを意識する」「面接官の話に耳を傾けうなずくことを心がける」などの態度を通じて、他者と信頼関係を築く素養があることをアピールしましょう。
森ビルの本選考のポイント:街づくりへの強い思いと森ビルへの愛を示せるか
森ビルでは、「記念応募」の学生を早期に振るい落とすために、選考を通じて街づくりへの強い思いやデベロッパーへの関心を見極めていると考えられます。
そのため、面接においても「なぜデベロッパーなのか」は繰り返し問われるポイントです。
「街づくりに興味がある」という、他の業界でも替えのきく志望理由ではなく、「自分の○○という目標・夢を達成する上ではデベロッパーしかない」と断言できるように準備しましょう。
(1)森ビルの事業への「愛」
森ビルが持つ商業施設はそれぞれ異なるコンセプトを持っています。
例えば、文化の発信をコンセプトに作られた表参道ヒルズは商業テナントが中心であるのに対し、新たな都市型ライフスタイルの提案をコンセプトに据えた虎ノ門ヒルズにはオフィスビル・商業施設・住宅の全てが入っています。
こうした違いが人の流れや建物の雰囲気づくりにどのような影響をもたらしているか注視すると、面接で深い洞察を持った回答ができます。実際に森ビルの建物を見学し、自分の意見を醸成しておきましょう。
(2)森ビルの組織(=人)への「愛」
建物がもたらすソフト面のインパクトを重視する森ビルは、建物のみならず建物によって生み出される人の流れやつながりに重きを置きます。
従って、「何階に何が入っているか」ではなく、「その階にそのテナントが入ることでどういう人の流れが生み出されているか」のように人に結びつけて建物を見学するように注意しましょう。
森ビルの本選考のフロー
森ビルの本選考のフローは以下の通りです。
1. エントリーシート(ES)(1)
2. Webテスト
3. グループディスカッション(GD)
4. エントリーシート(ES)(2)
5. 1次面接
6. 2次面接
7. 最終面接
それでは選考ごとにポイントを見ていきましょう。
1. エントリーシート(ES)(1):具体性が高く、結論がわかるタイトルを心がけよう
2021年卒の森ビルの1つ目のESの内容は以下の通りです。
(1)森ビルは、あなたのことについて知りたいと思っています。あなたを知る上で欠かせない、これまでの経験や具体的なエピソードを教えてください。タイトル(30字以内)、具体的なエピソード(800字以内)
(2)その他のあなたがわかるエピソード。タイトル(30文字以内)、具体的なエピソード(300字以内)
(3)学業について経験を教えてください。タイトル(30文字以内)、具体的な内容(300字以内)
(4)志望理由(400字以内)、タイトル(30字以内) ※出典:森ビル|総合職2021年卒本選考のES
森ビルのESは自分らしさを表すエピソード2つと、学業についてと志望動機というシンプルな構成です。
通過率は高めですが、後の面接では読み込まれるESですので、森ビルが求めている人物像と一致するように書くことが大切です。
また、本文の文字数制限とは別に30文字でタイトルを書く仕組みになっていることから、忙しい面接官などは事前にタイトルのみを読み、その他の部分については面接で口頭にて聞かれる場合もあると考えられます。
従って、タイトルだけで「本文を読みたい」「面接で聞いてみたい」と思わせるようなものをつけるようにしましょう。
2. Webテスト:形式は玉手箱。慣れていない人は対策を
2021年卒の森ビルのWebテストはオンラインで受験する「玉手箱」で、所要時間は1時間程度です(選考対策ページより)。
玉手箱をWebテストとして採用する企業は外資系コンサルティングファームや日系大手企業など少なくありません。そのため、参考書での対策はもちろんのこと、実戦で形式に慣れておくといいでしょう。
・【玉手箱・C-GAB編】 これが本当のWebテストだ! (1) 2022年度版
3. グループディスカッション(GD):周囲を巻き込んで議論を前進させられるかがカギ
2021年卒の森ビルのGD選考はオンライン上で行われました。テーマは以下の通りです。
【テーマ】
「リアルな環境とオンライン環境が融合したこれからの大学の理想像」 ※出典:森ビル|総合職2021年卒本選考のGD
例年は虎ノ門ヒルズで開催されますが、新型コロナウイルスの影響で2021年卒はオンラインでの実施となりました。
内定者によると、8人中2人程度のみ通過する倍率4倍くらいの高倍率のGDです。
参加人数が8名程度と多く、また、グループには社員も1名評価者として入っています。この人数を1名で評価する必要があるため、一回一回の発言の「質」に注意するといいでしょう。
議論の停滞を解消する役割を。求心力が突破のカギ
ディベロッパーは、ゼネコンやその土地の地権者など、価値観や利害関係の異なる複数の関係者を巻き込み遂行することが求められます。そのため、価値観が異なる人が集まるグループディスカッションでは、いかに周囲を巻き込んで議論を前進させられるかがカギといえます。
実際に内定者は「今年のグループディスカッションは事前にテーマが与えられていた。そのため、全員がしっかりと自分の意見を持っており、議論の方向性が逸れることを予見していた。私は方向性をうまく修正することに徹した」と戦略を語ります。
従って、議論が停滞・紛糾した際の原因を分析した上で、解決の道筋を示すことを意識しましょう。
4. エントリーシート(ES)(2):ヒルズの特徴をつかみ、事業への理解度の高さを示そう
2021年卒の森ビルでは、GD通過後に2回目のESが課されます。内容は以下の通りです。
(1)虎ノ門ヒルズやアークヒルズ、六本木ヒルズなど、あなたが感じる森ビルの都市づくりに関するもの(400~500字) ※出典:森ビル|総合職2021年卒本選考のES
この質問だけで落とされることはないものの、森ビルの事業への考えも問われます。
事実、この質問に関しても1次面接で深掘りがなされたそうです。
対策としては、実際に自分の足でアークヒルズ、六本木ヒルズ、虎ノ門ヒルズに赴き、それぞれの特徴を把握するといいでしょう。その際は、「周りにある高層ビルなどの建物との比較」「森ビルが大事にしている立体緑園都市などの考えがどのように反映されているか」に注意しましょう。
5. 1次面接:デベロッパーに必要な2つの能力を中心にアピールしよう
2021年卒の森ビルの1次面接は、社員1人に対し学生1人で行う30分程度の個人面接で、以下のような質問が課されました。
・ESに沿った深掘り
└なぜこのように考えたか
└なぜこういう選択をしなかったのか
・なぜ森ビルか
└ 具体的に志望している事業部はあるか
└どのように働いているイメージを持っているか
・追加で出されたエントリーシートについて
└コロナウイルス蔓延(まんえん)下において、不動産業界はどのような課題に直面していると考えるか
└どのように対処していけば良いと思うか
・逆質問
など ※出典:森ビル|総合職2021年卒本選考の1次面接
この面接では、ESに執筆したエピソードに関して深掘りをするオーソドックスな質問が中心です。
和やかな雰囲気で、面接官が興味を持った内容について聞かれるため、ESを見返しておきましょう。
ESに書いたエピソードを軸に、以下のような素養をアピールするのがおすすめです。
・異なる価値観を持つ他人を巻き込む素養
・物事をやり抜く素養
・他人と信頼関係を築く素養
6. 2次面接:街に対する考え方を見られる
2021年卒の森ビルの1次面接は、社員3人に対し学生1人で行う30分程度の個人面接で、以下のような質問が課されました。
・自己紹介
・学生時代に頑張ったことについて
└そのサークルは何をやっているのか
└ 具体的にどのような組織図だったのか
└ 大変だったことはあるか
・ディベロッパーを志望する理由はあるか
└ 森ビルのどんなところに惹(ひ)かれたか
└ 端的にどんな街を創りたいか
└それはなぜか
・追加で出されたエントリーシートについて
└コロナウイルス蔓延下において、不動産業界はどのような課題に直面していると考えるか
└どのように対処していけば良いと思うか
・逆質問
など ※出典:森ビル|総合職2021年卒本選考の2次面接
2次面接でも1次面接と同様オーソドックスな質問内容ですが、課長や部長クラスの社員が面接を担当します。
1次面接との違いは、より「能力(適性)」の確認に重きを置いている点です。
実際に、1次面接官は人柄に関する言及が多かったのに対し、2次面接を担当した面接官たちは内定者に対して、「人を巻き込める人間性が素晴らしく、用地取得や土地交渉系の業務で活躍するだろう」など、適性に言及した上でフィードバックしていたそうです(選考対策ページより)。
街づくりや森ビルで働くことへの情熱はもちろんのこと、「街」や「建物」をどのような目で見ているか、すなわち街に対する考え方を見られるため、森ビルの建物に実際に足を運ぶことをおすすめします。
7. 最終面接:意思確認では終わらない、「役員陣との対話力」が見られる面接
2021年卒の森ビルの最終面接は、社員3人に対し学生1人で行う個人面接で、以下のような質問が課されました。
・自己紹介
・志望動機
└ なぜ森ビルを志望するか
・学生時代に頑張ったこと
└ サークルは何をやっているのか
└そのサークルだったら広告を志望しないのか
・出身地について
・役員陣の雑談
など ※出典:森ビル|総合職2021年卒本選考の最終面接
この最終面接では、3〜4人の役員との面接となり、当然緊張感が伴う場面です。
森ビルでは地権者が理解・納得するまで交渉することに重きを置くため、形式ばった質問以外を通したコミュニケーションを通して、そのような「対話力」を見極めているとも考えられます。
内定者が「面接のような受け答えをしていた友人は落ちた。一方で親と話すように素を出していた自分は通った」と話していることからも、決して意思確認程度で終わる面接ではないと考えられます。
最後まで気を緩めることなく選考に臨みましょう。
▼森ビルの選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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おわりに
いかがでしたか? ここまで、森ビルの本選考を突破するポイントをお届けしました。みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
森ビルの選考についてさらに詳しく知りたい方は、内定者インタビューから作成した選考対策ページやクチコミをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
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