こんにちは、ワンキャリ編集部です。
メールや電話で面接を辞退する際の基本マナーや伝え方について悩む方も多いでしょう。
本記事では、就活において求められる円滑な面接辞退の方法を、メールや電話での伝え方を含めて解説します。面接辞退メールのフォーマットや理由別の例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
<目次> ●面接を辞退する際の基本的なマナー ・面接辞退を決めた時点ですぐに企業に連絡する ・無断キャンセルは絶対にNG ・前日/当日の場合はメールと電話の両方で伝える ・電話の場合は静かな場所を確保する ・企業の営業時間内に連絡する ●面接の辞退理由はなんと伝える? ●面接辞退メールのフォーマット ・件名 ・宛名 ・本文 ・署名 ●前日・当日に送る面接辞退メールの書き方のポイント ・件名で辞退の意思がわかるように記載する ・最初に要件から述べる ・謝罪や感謝の気持ちを伝える ・簡潔な文章にまとめる ・最初のあいさつや最後の署名を忘れずに記載する ・正しく敬語を使う ・就活メールの文体を統一する ●電話で面接辞退を伝える方法 ・あいさつ ・担当者につないでもらう ・面接辞退の理由を伝える ・おわびをして終話 ・電話がつながらない場合は? ●【理由別】面接辞退メールの例文 ・他社から内定をもらったため ・他社の面接日程と被ったため ・家庭の事情があるため ・企業とのミスマッチを感じたため ・体調不良のため ・言いづらいことがあるため ●面接を辞退する前にもう一度考えるべきこと ・その企業や仕事への興味が本当に0か考える ・面接の経験として今後のキャリアの糧になる可能性を考える ●面接辞退メールに関するよくある質問 ・面接辞退後にやっぱり選考を受けたい場合はどうする? ・企業からの返信がこない場合はどう対処すべき? ・企業から引き留められた場合はどうする? ・面接辞退をする人はどのぐらいいる? ・寝坊やスケジュールミスなどで無断キャンセルした場合はどうする? ●おわりに
面接を辞退する際の基本的なマナー

面接の辞退は、どのような理由であれ、企業の採用プロセスに影響を与えるため、迅速かつ適切な方法で連絡をすることが求められます。ここでは、面接を辞退する際の基本的なマナーについて解説します。
面接辞退を決めた時点ですぐに企業に連絡する
面接辞退を決めたら、可能な限り迅速に、企業の採用担当者に連絡を取りましょう。企業がほかの候補者のスケジュール調整や面接官の手配など、次の手順をスムーズに進めるために、迅速な対応は非常に重要です。
遅れてしまうと、企業側の調整に混乱を招き、場合によってはほかの応募者にも影響を与えかねません。特に当日に辞退を決めた場合は、できるだけ電話で直接伝え、メールも併用して確実に伝えるように努めましょう。
無断キャンセルは絶対にNG
面接を無断でキャンセルすることは、企業にとって非常に迷惑な行為であり、あなたの信頼性にも悪影響を与えます。
面接の準備として、企業は備品や場所の手配、関係者のスケジュール調整を行っています。そのため、無断で面接を欠席すると、企業側の努力と時間が無駄になってしまいます。
もし面接を辞退する必要がある場合は、少なくとも前日までに、電話またはメールでその旨を伝えることが社会人としての最低限のマナーです。
無断キャンセルは、将来的にその企業との関係性を損なうだけでなく、自身の職業的評価にも影響を及ぼす可能性があります。常に誠実な対応を心がけましょう。
前日/当日の場合はメールと電話の両方で伝える
面接を前日や当日に辞退せざるを得ない場合は、緊急の連絡となるため、メールと電話の両方で伝えるのがマナーです。採用担当者は他の業務で多忙なことも多く、メールをすぐに確認できるとは限らないため、まずは電話で直接辞退の旨を伝えましょう。
もし電話をした際に担当者が不在だった場合は、伝言を依頼します。ご自身の氏名、応募職種、面接の日時を正確に伝えたうえで、面接辞退のお詫びを担当者へ伝えてもらうよう丁寧にお願いしてください。さらに、行き違いや伝え漏れを防ぐため、電話での連絡後に補足として辞退メールも送っておくと確実です。
電話の場合は静かな場所を確保する
面接を辞退する旨を電話で伝える際は、必ず静かな環境で行うことが重要です。
騒がしい場所では、重要な会話に悪影響を及ぼし、信頼を損なう可能性があります。また、通信状況が悪い場所では、大切な情報が正確に伝わらないリスクもあります。
そのため、通話を始める前に静かで電波のよい場所を確保し、双方が聞き取りやすい環境で電話をしましょう。
企業の営業時間内に連絡する
面接を辞退する際の連絡は、企業の営業時間内に行うことがマナーとされています。これは採用担当者が業務に対応可能な時間帯であり、迅速かつ適切に対応を受けられるためです。
特に電話での連絡は、採用担当者がデスクにいる確率が高い時間帯、例えば午前10時から12時、午後2時から4時の間に行うとよいでしょう。夜間や早朝の連絡は避け、もし緊急で連絡する必要があったら、メールで事情を説明し、後日改めて電話をすることを伝えるとよいでしょう。
面接の辞退理由はなんと伝える?
面接を辞退する際、その理由を詳しく伝える必要は基本的にありません。メールや電話で連絡する際には、「一身上の都合により」や「諸般の事情により」といった形式的な表現を用いれば十分です。
ただし、採用担当者によっては理由を尋ねてくる場合もあります。その際に慌てないよう、簡潔で納得感のある回答を事前に準備しておくと安心です。もし理由を聞かれた場合は、以下のような回答が考えられます。
【面接辞退理由の回答例】
- 他社から内定をいただき、慎重に検討した結果、そちらの企業への入社を決意したため。
- 選考を通して貴社への理解を深める中で、自身のキャリアプランとの間に方向性の違いを感じたため。
- 家庭の事情により、現時点での就業が困難になったため。
- 現職の事情が変わり、就職活動を中止することにしたため。
どのような理由であっても、企業への感謝と敬意を忘れず、失礼のないよう丁寧に伝えることを心がけましょう。
面接辞退メールのフォーマット

面接辞退をメールで伝える際は、簡潔で明確な表現を心がけることが重要です。ここでは、件名や宛名など、メール構成ごとのフォーマットを紹介します。実際に面接辞退メールを送るときの参考にしてみてください。
▼フォーマット例
| 項目 | 例文 |
| 件名 | 「面接辞退のご連絡/[あなたの名前]」 |
| 宛名 |
株式会社◯◯
人事部 採用担当者 様
|
| 本文 |
お世話になっております。
この度は貴重な面接の機会をいただき、心より感謝申し上げます。
私、[あなたの名前]は、[面接予定日時]に予定しておりました面接について、[辞退理由]のため、残念ながら辞退させていただくことを決断いたしました。
このような結果となりましたことを深くおわび申し上げます。
なにとぞ、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
|
| 署名 |
氏名
◯◯大学 ◯◯学部 ◯◯学科 4年
携帯電話:xxx-xxxx-xxxx
メールアドレス:xxxxx@xxxx.com
〒000-0000
◯◯県◯◯区◯◯xx丁目x番x号xxx号室
|
件名
採用担当者は日々多くのメールを受け取ります。そのため、件名は「面接辞退のご連絡/[あなたの名前]」のように、メールの目的と差出人が一目で分かるように記載しましょう。これにより、担当者が見落とすことなく、迅速な対応が期待できます。
宛名
宛名には、企業名、部署名、担当者の役職と氏名を正確に記載します。すべて正式名称を用いることが、敬意を示すビジネスマナーの基本です。担当者名が不明な場合は「採用ご担当者様」と記載します。
本文
本文では、まず面接の機会を設けてもらったことへの感謝を伝えます。そのうえで、ご自身の氏名と面接予定日時を明記し、辞退する旨を簡潔に述べます。辞退理由は「一身上の都合により」といった形式的な表現で問題ありません。最後に、日程調整いただいたことへのお詫びの言葉を添えることで、誠実な姿勢を示しましょう。
署名
署名には、氏名、所属(大学名など)、連絡先(電話番号・メールアドレス)、住所を明記します。誰からのメールであるかを明確にし、採用担当者が必要な場合に返信や確認をしやすくするための重要なビジネスマナーです。
前日/当日に送る面接辞退メールの書き方のポイント

面接の辞退を前日や当日に伝える際は、状況の緊急性を考慮して、メールの書き方には特に注意が必要です。ここでは、急な変更を伝える際に心がけるべき重要なポイントを詳しく解説します。
件名で辞退の意思がわかるように記載する
面接辞退を伝えるメールの件名は、受け取り側が一目で内容を理解できるように明確にすることが大切です。
特に前日や当日の辞退は緊急性が高いため、「【緊急】面接辞退のご連絡/[あなたの名前]」や「面接日程の辞退について」など、具体的かつ緊急性を感じさせる表現を用いることで、メールがすぐに開かれ、適切に処理を進めてもらえる可能性が高まります。
最初に要件から述べる
メールの文章は、読み手に内容が伝わりやすいよう、最初に要件から述べることが大切です。最初のあいさつが長い、直接要件とは関係ないことを長々と書くなど、本来の要件を後回しにすると、何が言いたいのかわからなくなります。不要なことを書いてまとまりのない文章は、読む側に負担を与えてしまいます。
一文を短くして適切に改行や段落分けを行い、句読点や接続詞を正しく使いながら、読みやすい文章にすることを心がけてください。
謝罪や感謝の気持ちを伝える
面接の辞退を伝える際は、謝罪と感謝の気持ちを明確に表現することが非常に重要です。
本文にはまず、「この度は貴重な面接の機会をいただき、心より感謝申し上げます」と感謝の意を示し、続いて「しかしながら、[具体的な理由]により、誠に遺憾ながら面接を辞退させていただくことを決断しました」と辞退の理由と謝罪を述べます。
これにより、今後も良好な関係を維持するための礼儀を尽くすことができます。
簡潔な文章にまとめる
面接辞退のメールでは、内容を簡潔かつ明確にすることが重要です。
本文には、「残念ながら[面接予定日時]に予定されていた面接を辞退せざるを得ない状況となりました」と短く事実を述べます。
次に、「[具体的な理由]によりこのような決断をさせていただきました」と理由を一文で加え、最後に「このたびはご迷惑をおかけして申し訳ありません」と謝罪します。長々と書かず要点を絞り込むことで、相手に伝えたい情報が明確に伝わります。
最初のあいさつや最後の署名を忘れずに記載する
面接辞退のメールを書く際、最後の署名は絶対に欠かせません。署名には自分のフルネーム・連絡先・メールアドレス・住所を明記します。
署名があることで、担当者が返信しやすくなり、コミュニケーションがスムーズに進む手助けになるでしょう。
正しく敬語を使う
間違った敬語や誤字には十分気をつけましょう。「注意力が足りない」「丁寧な対応ができない」という印象を与え、マイナスなイメージを持たれてしまいます。メール作成後は内容を見返し、誤字・脱字や敬語の誤りがないか、日本語としておかしくないかをチェックしてください。
メールでよく使う敬語や間違いやすい日本語をみてみましょう。
敬語一覧
敬語には尊敬語と謙譲語があり、この違いがわからないと間違いやすくなります。
尊敬語とは相手を高めるときに使うもので、相手の動作について言葉を変えるのが特徴です。
尊敬語の一覧は、次のとおりです。
| 通常の言葉 | 尊敬語 | 例文 |
| 言う | おっしゃる | 〜様がおっしゃるとおり |
| 見る | ご覧になる | 〜をご覧ください |
| する | される・なさる | 〜されるように |
| 知る | ご存じ | ご存じのとおり |
| 思う | お考えになる | 〜とお考えのように |
一方、謙譲語は自分を下げることで相手を立てる敬語です。相手の位置は変わらず、自分の動作について言葉が変わります。
| 通常の言葉 | 謙譲語 | 例文 |
| 言う | 申し上げる | 申し上げましたように |
| 見る | 拝見する | 〜を拝見しました |
| する | いたす | そのようにいたします |
| 知る | 存じ上げる | 存じ上げません |
| 思う | 存じる | 〜と存じます |
二重敬語にも注意しましょう。二重敬語とは、ひとつのフレーズに同じ種類の敬語を二重に使うことです。
- お読みになられる→「読む」の尊敬語である「お読みになる」と尊敬語の「〜られる」の二重敬語
- おっしゃられる→「言う」の尊敬語である「おっしゃる」と尊敬語の「〜られる」の二重敬語
ただし、二重敬語でも次の言葉は慣習として定着しており、使用しても間違いとはみなされません。
- 尊敬語の「お召し上がりになる」「お見えになる」
- 謙譲語の「お伺いする」
また、役職名に「様」をつけることも二重敬語になるため注意してください。役職名自体が敬語になっているため、「社長様」「部長様」とするのは間違いです。
間違いやすい日本語
就活メールで間違いやすい日本語は、次のとおりです。
御社・貴社 「御社」は話し言葉で、面接の際や担当者と直接話すときに使います。エントリーシートや就活メールなどの文書では、書き言葉である「貴社」を使いましょう。
了解しました 「了解しました」の「了解」は対等な立場や目下の人に対して使う言葉であり、就活の場面にはふさわしくありません。「承知いたしました」もしくは「かしこまりました」を使いましょう。
大変参考になりました 「大変参考になりました」の「参考」とは「自分の考えを決める際の足しにする」という意味で、「足しにしかならない」と捉えられかねません。目上の人に対して使う言葉として適切ではないため、「大変勉強になりました」といった表現を使いましょう。
就活メールの文体を統一する
就活メールは「です・ます調」の文体で書くのが基本です。「だ・である調」や、敬語ではない部分が混在しないよう注意しましょう。不統一な文章は、相手に対して失礼となり、印象がよくありません。
文体の不統一は、主にエントリーシートでありがちですが、就活メールは相手と直接話す場面を想像して、失礼のない文章を心がけましょう。
文字サイズやフォントをそろえることも大切です。ほかのツールで下書きした文面をコピーした場合、元のツールの書式が残っていることもあります。メールの作成後はすべての書式をクリアにすることも忘れないでください。
▼就活メールについて詳しく知りたい方はこちら ・就活メール【例文6選】基本マナーや署名の仕方、返信、日程調整のテンプレを紹介
電話で面接辞退を伝える方法

面接を電話で辞退する際は、適切なマナーと手順を守ることが大切です。ここでは、電話での面接辞退をスムーズに行うための基本的な流れを説明します。
あいさつ
電話で面接辞退を伝える際は、まずは丁寧なあいさつから始めましょう。「こんにちは、お世話になっております。[面接日]に面接のご予定をいただいております、[あなたの名前]と申します」と伝えることで、スムーズに会話を始めることができます。
担当者につないでもらう
電話で面接辞退を伝える際、適切な担当者に直接話をすることが重要です。最初のあいさつ後、「人事部の[担当者名]様とお話しさせていただきたいのですが、ご対応いただけますか?」と丁寧に依頼しましょう。
担当者が不在の場合は、可能な限り折り返しの電話をお願いすることが効果的です。これにより、必要な情報が確実に伝わります。
面接辞退の理由を伝える
担当者と電話でつながったら、面接辞退の理由を簡潔に説明します。ここでは、事情を率直に伝えることが大切です。
ここでは、家庭の事情・企業とのミスマッチ・体調不良という3つの一般的な理由に基づいた会話例を紹介します。
家庭の事があるため
家庭の事情による面接辞退を伝える際は、プライバシーを尊重し、具体的な詳細は伝えなくても問題ありません。以下の例のように簡潔に伝えることが望ましいです。
▼例文 誠に申し訳ありませんが、家庭の事情により、予定しておりました面接を辞退させていただくことになりました。詳細は個人的なものでございますのでご容赦ください。
このように伝えることで、相手に不必要な詳細を求められることなく、自己の状況を尊重してもらえる可能性が高まります。また、説明は短く丁寧にすることで、相手に対する敬意を保ちつつ、状況を理解してもらうことができます。
企業とのミスマッチを感じたため
企業とのミスマッチが理由で面接辞退を行う場合、その伝え方には注意が必要です。企業への非難や批判のように受け取られないよう、自己の能力や期待とのギャップを尊重した表現を選ぶことが大切です。
▼例文 面接の過程で、私のスキルセットやキャリア目標が貴社の現在のニーズと合致しないことを実感しました。大変申し訳ないのですが、お互いの利益のために面接を辞退させていただきます。
この場合、自分の能力や目指すキャリアパスが企業の方針や職務内容と合わないという客観的な理由を挙げることで、両者の時間とリソースを尊重する意思を示すことができます。
体調不良のため
体調不良による面接辞退を伝える際は、状況を適切に伝えることが重要です。面接日程に影響を与えるため、速やかに連絡を入れ、正直かつ適切な表現で事情を説明する必要があります。
▼例文 大変恐縮ですが、体調を崩してしまい、予定しておりました◯月◯日の面接に参加が難しい状況です。この度は面接の機会を設けていただきながら、ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。
このとき、体調不良が面接参加を不可能にしたことを誠実に伝えることで、相手の理解を得やすくなります。また、症状の詳細は必要以上に語らず、シンプルに事実を伝えることが望ましいでしょう。
おわびをして終話
面接辞退を伝えたあとは、相手に感謝の意を表し、丁寧に謝罪をして電話を終えることが重要です。
具体的には、「このような結果となり、大変申し訳ありません。貴社のこれからのさらなる発展を心よりお祈り申し上げます。本日はお時間を割いていただき、ありがとうございました」と伝えることで、敬意を示しつつ適切に会話を終了できます。
電話がつながらない場合は?
担当者に電話がつながらない場合は、伝言を残すことが望ましいです。「◯◯(名前)からの電話でした。面接の辞退の件でお話がありますので、お手数ですが折り返しのご連絡をお願いします」と伝言しましょう。
また、同時にメールで「本日は電話にて連絡を試みましたが、つながりませんでしたので、メールにて面接の辞退をお知らせします」とフォローアップするとよいでしょう。これにより、担当者がメッセージを確実に受け取り、適切に対応できるようになります。
【理由別】面接辞退メールの例文

ここでは、理由別の面接辞退メールの例文をご紹介します。
他社から内定をもらったため
他社からの内定を理由に面接を辞退する場合、誠実さと感謝の気持ちを表現することが重要です。以下のように、直接的な表現を避けつつ、自己のキャリアに対する深い考慮を伝えるとよいでしょう。
▼例文 お世話になっております。 ◯◯(氏名)と申します。誠に勝手ながら、他社から内定をいただき、長期的なキャリアプランを考慮した結果、そちらのオファーを受けることを決めました。 これまでの貴重な選考の機会に感謝いたします。お忙しい中、私の面接を予定していただきありがとうございました。 貴社のさらなる発展を心からお祈りしております。
この例文では、他社からの内定を受けたことを礼儀正しく伝えることで、可能な限り良好な関係を維持することを目指しています。
他社の面接日程と被ったため
他社の面接日程との重複は避けられない事情として理解されやすいですが、この状況を伝える際は、選考過程への敬意と感謝を記載することが重要です。また、可能であれば日程調整を申し出ることで、柔軟性と対話を求める姿勢を示すとよいでしょう。
▼例文 お世話になっております。 ◯◯(氏名)と申します。この度は面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。 大変恐縮ですが、私の面接予定日に他社の面接と日程が重なってしまいました。可能であれば、他の日に面接を設定していただけないでしょうか? 調整が難しい場合は、残念ながら辞退させていただく必要があります。このような状況をお伝えすることを深くおわび申し上げます。 なにとぞ、ご理解いただけますと幸いです。
このメールでは、まずは状況を誠実に説明し、可能な解決策を提案しています。また、最終的に辞退する可能性があることを前もって伝えることで、相手に対する配慮を示しています。
家庭の事情があるため
家庭の事情による面接辞退を伝える場合、プライバシーを尊重する範囲で状況を説明することが適切です。具体的な詳細を記載する必要はないため、一般的な表現を使用して対応するのが望ましいです。
▼例文 お世話になっております。 ◯◯(氏名)と申します。この度は面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。 誠に残念ながら、家庭の事情により、予定しておりました面接を辞退させていただく必要が生じました。具体的な事情につきましてはプライベートな内容のため詳細は控えさせていただきます。 なにとぞ、ご理解いただけますと幸いです。
このメールでは、理由を簡潔に伝えつつ、具体的な詳細には触れずに敬意を表しています。
企業とのミスマッチを感じたため
企業とのミスマッチを理由に面接を辞退する際は、理由を正直かつ尊重を持って伝えることが重要です。この際、ネガティブな表現は避け、自分のキャリア目標と企業の方向性が合わないことを説明することが望ましいでしょう。
▼例文 お世話になっております。 ◯◯(氏名)と申します。この度は面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。 熟考の末、私の専門分野とキャリア目標が貴社の現在の事業内容や将来的な展望とは異なる方向であると感じました。 このような判断をすることは非常に困難でしたが、双方の時間と努力を尊重する意味でも、誠実な判断として面接を辞退させていただきます。この度は貴重な機会を与えていただき、誠にありがとうございました。 なにとぞ、ご理解いただけますと幸いです。
このメールでは、理由を具体的に述べつつ、感謝の気持ちを忘れずに伝えています。これにより、将来的にも良好な関係を保つことができるよう努めています。
体調不良のため
体調不良を理由に面接を辞退する場合は、状況を率直に伝えつつ配慮を持って伝えることが重要です。直接的な表現を避け、自己の健康状態を考慮したうえでの決断であることを明確にするとよいでしょう。
▼例文 お世話になっております。 ◯◯(氏名)と申します。この度は面接の機会をいただき、深く感謝しております。しかしながら、誠に不本意ながら体調を崩してしまい、医師からも安静を要するとの指示を受けました。 そのため、心苦しいですが面接を辞退させていただくことにいたしました。このような形でご連絡することを深くおわび申し上げます。 なにとぞ、ご理解いただけますと幸いです。
このメールでは、自己の健康状態を理由に辞退を申し出ているため、相手に適切な理解を求めつつ、感謝の意を忘れていません。また、医師の指示を引用することで、その必要性に納得感を与えています。
言いづらいことがあるため
言いづらい事情が面接辞退の理由である場合、その旨を敬意を持って適切に伝える必要があります。具体的な詳細を避けつつ、誠意を持って状況を説明することで、相手に不快感を与えずに状況を理解してもらうことができます。
▼例文 お世話になっております。 ◯◯(氏名)と申します。 この度は面接の機会をいただき、大変感謝しております。しかしながら、私事で申し上げにくい事情が生じ、誠に遺憾ながら面接の辞退を決断いたしました。 具体的な内容につきましては個人的な事項のため詳細を控えさせていただきますが、このような形でご連絡することを深くおわび申し上げます。貴社の今後のご成功をお祈りしております。 なにとぞ、ご理解いただけますと幸いです。
このメールでは、個人的な理由があることをほのめかしつつ、具体的な内容を伏せることでプライバシーを守りながらも、相手に敬意を示しています。
面接を辞退する前にもう一度考えるべきこと
面接の辞退を考えているとき、その決断は本当に後悔のないものでしょうか。応募した時点では少なからず興味があったはずです。一度立ち止まり、多角的な視点から再考することで、将来の可能性を広げるきっかけになるかもしれません。ここでは、辞退の連絡を入れる前にもう一度考えてみたい2つのポイントをご紹介します。
その企業や仕事への興味が本当に0か考える
面接辞退の理由が、一時的な感情や情報不足から来ていませんか? 「他に第一志望の企業が見つかった」「今の会社に残ることにした」といった明確な理由があれば別ですが、「なんとなく気が乗らない」「ネットの評判が気になる」といった曖昧な理由であれば、再考の価値は十分にあります。
求人票や企業のウェブサイトをもう一度じっくりと読み返してみてください。応募した当時に、あなたが何に魅力を感じたのかを思い出してみましょう。面接は、企業があなたを評価する場であると同時に、あなたが企業を「見極める」絶好の機会でもあります。実際に採用担当者や現場の社員と話してみることで、ウェブサイトだけでは分からなかった社風や仕事の具体的な面白さに気づき、印象が大きく変わる可能性も少なくありません。
面接の経験として今後のキャリアの糧になる可能性を考える
たとえその企業に入社しないとしても、面接を受けること自体が、今後のキャリアにとって大きなプラスに働きます。これは、本番の場でしか得られない貴重な「経験値」を獲得できるからです。
面接の場数を踏むことで独特の緊張感に慣れ、落ち着いて自分を表現するスキルが向上します。これは、論理的な応答能力やプレゼンテーション能力を磨く絶好のトレーニングです。また、面接官からの質問に答える過程は、自身の強みやキャリアの軸を再確認する客観的な自己分析の機会となります。
面接辞退メールに関するよくある質問

ここでは面接辞退メールに関するよくある質問とその回答をご紹介します。面接辞退のメールを送る際の参考にご覧ください。
面接辞退後にやっぱり選考を受けたい場合はどうする?
一度辞退した面接を再度受けたい場合は、まず担当者に連絡し、事情を説明して再度選考に参加したい旨を伝えましょう。
このとき、辞退した理由と再度受けたい理由を明確にし、誠意を持って対応することが重要です。ただし、企業が再度選考を受け入れるかどうかは企業によって異なる点に留意しましょう。
企業からの返信がこない場合はどう対処すべき?
面接辞退メールを送ったあとに企業から返信がない場合、まずはメールを再送して確認することが重要です。
件名に「再送」を付け、「先日送信しましたメールが届いているか確認のため再送いたしました」と記載しましょう。
もし、それでも返信がない場合は、電話で直接確認することを検討してください。相手が忙しい可能性もあるため、礼儀正しく対応しましょう。
企業から引き留められた場合はどうする?
企業から引き留められた場合は、まずその提案内容を慎重に検討しましょう。条件が改善される場合や自身のキャリアにとってよい機会となる場合は再考する価値があります。
しかし、既に他社での内定が決まっている場合や、自身の希望と大きく異なる場合は、丁寧に辞退の意向を伝えましょう。正直に理由を述べることで、誠意を示すことができます。
面接辞退をする人はどのぐらいいる?
面接辞退は決して珍しいことではありません。
特に就活中は複数の企業と並行して進めることが多いため、他社の内定や選考状況により辞退するケースが頻繁に発生します。企業側もこの状況を理解しているため、誠実に辞退の連絡をすることが重要です。迅速かつ丁寧な対応が求められます。
寝坊やスケジュールミスなどで無断キャンセルした場合はどうする?
面接を寝坊やスケジュールミスで無断キャンセルした場合、すぐに企業に連絡して謝罪することが最優先です。
電話で直接謝罪し、理由を正直に伝えましょう。そのうえで、可能であれば再度面接の機会をいただけないかお願いしてみることも検討してください。誠実な対応が信頼回復の第一歩です。
おわりに
就活では、面接を辞退せざるを得ない状況も十分に起こり得ます。その際、基本マナーに沿って失礼のないメールや電話で連絡することが大切です。
まずは、誤字・脱字をなくし、敬語を使うなど、基本的なマナーを守りましょう。メールの送信タイミングにも注意が必要です。また、電話での辞退連絡も同様に丁寧な言葉遣いを心掛け、具体的な辞退理由を簡潔に伝えましょう。
記事で紹介したフォーマットや理由別の例文を参考に、正しい面接辞退メールや電話連絡を行ってください。
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