誰もがこういった言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
「就活で見られているのは『コミュニケーション能力』」
「面接突破の上で『コミュニケーション能力』は大事」
この言葉を耳にする度に、こう思いませんか?「『コミュニケーション能力』ってそもそも何なんだ⁉︎」と。
今回は、就活においてマジックワードとなっている「『コミュニケーション能力』とは何か?」を解説していきたいと思います。
また、「面接で『コミュニケーション能力』を示す方法」「『コミュニケーション能力』の身につけ方」も併せてご紹介していくので、ぜひご一読ください。
<目次>
●面接で求められるコミュニケーション能力は2種類ある
●面接やグループディスカッション(GD)でコミュニケーション能力を示すためには
・(1)ケースバイケースで対応する
・(2)とにかく構造的に話す
●面接で使えるコミュニケーション能力を身につけるには
・インターンシップへの参加:(1)と(2)を得たい人へ
・OB・OG訪問:(2)を得たい人へ
面接で求められるコミュニケーション能力は2種類ある
一般的に「コミュニケーション能力」というと、「誰とでも分け隔てなくコミュニケーションを取ることができる(距離を縮めることができる)力」と解釈されがちです。
しかし、面接官は学生に求める「コミュニケーション能力」を以下のように定義しています。
(1)相手の言うことを正しく理解する能力
(2)伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらう能力
ひとたび社会に出ると、同僚や上司、取引先などありとあらゆる人とコミュニケーションを取る必要が生まれます。
どんな相手でも納得させながら異なる意見を擦り合わせ、かつその中で自分の意見を発信することが社会人には求められます。社会に出てから必要なこれらの能力を学生が持ち合わせているかを見極めるのが面接の役割なのです。
実際の面接では、上記の能力を、
「面接官がする質問の意図をくみ取れているか」
「構造的に物事を話せているか(分かりやすいか)」
というポイントで見られます。
面接やグループディスカッション(GD)でコミュニケーション能力を示すためには
先述したように学生と社会人の考える「コミュニケーション能力」には差異があります。
そのため、普段は「コミュニケーション能力」に自信があると感じている学生も意外と面接でつまずくことがあるのです。ここからは、面接やGDで「コミュニケーション能力」を示すにはどうすればいいか、2つの能力に分けて解説していきたいと思います。
(1)ケースバイケースで対応する
相手の言うことを正しく理解する能力は、「質問の意図をくみ取れているかどうか」で見極められます。
質問の意図というのは志望企業や業界、選考の段階によって変わってくる可能性があるので、常に感覚を研ぎ澄まして質問の意図を考える必要があります。
また同じ質問でも、答え方は「それが何次面接でされたのかにより、その意図・目的が異なるので、それを意識して」答えましょう。
例えば「あなたをモノに例えると何ですか?」と質問された時に、1次面接・最終面接の場合での回答の違いをそれぞれ見てみましょう。
【質問:「あなたをモノに例えると何ですか?」】
→【1次面接】の場合
推測:まだ1次面接のため「自己PR」に関する質問と捉える
意図:「能力の見極め」
回答:「自分の強み」を織り交ぜてしっかりとアピールする
→【最終面接】の場合
推測:もう最終最終面接のため「意思確認の意味合い」が強いと捉える
意図:「どんな人柄なのか」
回答:「自分の人柄や性格をモノで表す」と何になるかを説明する
このように「相手の質問の意図を把握する力」とは、「自分と相手の置かれた状況を判断し、一つ一つに対する相手の質問の意図を丁寧に考える」ことで導き出されます。この思考のプロセスをへて、初めて相手の意図を正しく理解できるといえるでしょう。
では、相手の質問が「抽象的で一回では理解できない場合」どうすればいいのでしょうか? 一見ピンチに見えるこの状況ですが、実はチャンスにもなりえます。
これを解決する手段が、思い切って分からない点を「質問をする」ことです。
例えば、「自分を成長させてくれた経験は何ですか?」と質問された場合。
「成長させてくれた経験は大学時代の経験ですか? それとも人生を通じての経験ですか?」と尋ねれば、自分が質問の意図を正しく理解しようとする姿勢を示すことができます。
このように質問が抽象的な場合は、「質問をする」ことで誤った理解を防ぐだけでなく、「正しく理解しようとする姿勢をアピールする」こともできるのです。
(2)とにかく構造的に話す
面接で伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらうというのは、つまり「構造的に話す」ということです。
「構造的」というと難しく感じるかもしれませんが、至ってシンプルで「結論→理由」の流れで簡潔に話せばいいのです。
例えば「あなたをモノに例えると何ですか」と質問され、自分が伝えたい強みが「粘り強さ」であるとします。その時は、以下のように回答すると内容がすんなり頭に入ってきます。
「私はモノで例えると剥(は)がし忘れたガムテープです。どんなに剥がそうとしても剥がれないような粘り強さがあります。【結論】なぜなら◯◯だからです。【理由】したがって、私は剥がし忘れたガムテープだと思います」
ここで注意すべきは理由を答えるときに「冗長にならないこと」です。
「結論→理由」の流れで話すことができる学生は多いのですが、理由を長々と話してしまうがために、分かりやすく伝えられないケースが散見されます。
まとめると、以下の2点を意識することで、グッと分かりやすい文章になるでしょう。
・「結論→理由」の流れで話す
・端的に答える
以上のポイントは、GDでも重要です。他の学生が話した内容をキチンと理解した上で、自分の意見を分かりやすく述べて議論を積み上げていくことができる学生は、「コミュニケーション能力」を高く評価されます。
GDについてさらに詳しく学びたい方は以下の記事をご覧ください。
・グループディスカッション対策完全版!テーマごとの例と議論の進め方・役割の選び方
・【GD コツ】グループディスカッションも怖くない!連戦連勝するたった1つの簡単なコツ
・グループディスカッション(GD):人事視点の評価基準3点!鍵は「コミュ力」「協調性」「リーダーシップ」
面接で使えるコミュニケーション能力を身につけるには
続いて、企業が求める2つの「コミュニケーション能力」を身につけるためのオススメの方法をご紹介します。
それぞれ、以下のように表記し、分けています。
(1)=「相手の言うことを正しく理解する力」
(2)=「伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらう力」
インターンシップへの参加:(1)と(2)を得たい人へ
グループワーク型のインターンシップではチームのメンバーと共同で1つのアウトプットを出すことが求められるため、「コミュニケーション能力」を訓練する絶好の機会です。インターンシップによっては、社員からのフィードバックをもらうことができるので、自分の「コミュニケーション能力」はどこができていて、どこができていないかを客観的に知ることができます。
最新のインターンシップの情報はこちらをチェックしてみてください。
OB・OG訪問:(2)を得たい人へ
OB・OG訪問では「自分のやりたいこと」「頑張ったこと」などをOB・OGの方にぜひ聞いてもらいましょう。初めはなかなか思ったように伝えることができないかもしれませんが、OB・OGの方からのフィードバックを通じて、徐々に自分の「伝えたいことを適切に表現し、相手に理解してもらう力」を伸ばすことができるでしょう。
OB・OG訪問についてさらに詳しく学びたい方は以下の記事をご覧ください。
・OB・OG訪問や面接対策に!!会話を育てる「結論ファースト」
・OB訪問の質問・メールのコツを「元人事」が解説!高評価を得る事前準備のやり方と企業別の事例まとめ
・OB・OG訪問は企業研究において必須?就活でOB・OG訪問をすべき人、しなくていい人
おわりに
このように就活の面接で見られている「コミュニケーション能力」は「相手の話していることをキチンと理解し、それに対し分かりやすく回答する力」を指します。インターンシップやOB・OG訪問を通じて、「コミュニケーション能力」をいち早く身につけることで、面接での印象がグッと良くなることでしょう。
※こちらは2021年4月に公開された記事の再掲です。