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財務戦略からM&Aまでワンチームで担うEYSCのM&A・ファイナンシャルアドバイザリー職の魅力

企業インタビュー 企業理解 インタビュー コンサル 外資系
2022年8月4日(木) | 12,191 views
sponsored by EYストラテジー・アンド・コンサルティング

FAS(ファイナンシャル アドバイザリーサービス)と聞くと、高い専門知識が必要で、自分には縁遠いキャリアだ──。特に新卒の就職活動ではそのように考える学生は少なくないでしょう。

しかし、EYストラテジー・アンド・コンサルティング(以下、EYSC)には、ジョブ・ローテーションを通して、高度な専門性を身に付けながら、M&A・ファイナンシャルアドバイザリー領域における将来のリーダー候補を育成する制度があります。

戦略的トランザクション支援サービスを展開するEYSCのFASチームは、意思決定やモニタリング活動、財務・非財務情報の開示拡充などさまざまな場面でEYの知見を提供することにより、クライアントをサポートしています。

高い専門性が求められているために、これまで中途採用を中心に募集を行っていましたが、M&A・ファイナンシャルアドバイザリー領域における将来のリーダーを輩出したいという思いから、新卒採用を強化するといいます。


今回は、FASのマネージャーとして活躍する長岩優さんと、シニアコンサルタントである赤石秀太郎さんに話を伺います。お二人はそれぞれJICA(独立行政法人 国際協力機構)、総合商社の出身。グローバルな事業を手掛ける別の企業で働いたからこそわかる、EYSCで働く魅力や若手社員に求める要素について聞きました。 

<目次>
●分析や案件獲得だけじゃない、M&Aに関わる全てを支えるFAS
●M&Aを通して興味がある領域・業界の知見を広げられる
●リモートワークで横のつながりはむしろ強化? いつでも世界中のEYと協業できる体制がある
●国を超えた研修を行い、学習機会も豊富
●手を挙げればグローバルに挑戦できる。EYSCでのキャリアの築き方
●M&A・ファイナンシャルのプロになるために、「資格」は不要。「貪欲に学び続ける姿勢」と「チームワーク」が大切

分析や案件獲得だけじゃない、M&Aに関わる全てを支えるFAS

──そもそもBIG4(※)は組織図が分かりづらいとよく耳にします。EYSCの組織図の全体から、教えていただけますか?
(※)……世界4大監査法人である、デロイト トウシュ トーマツ 、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)、KPMG、EY(アーンスト・アンド・ヤング)の総称。


赤石:まず全体像はこちらの図の通りです。その中でもEYSCのFASはファイナンシャルアドバイザリーサービスの略で、財務会計アドバイザリーサービスを提供する組織です。EYSCにおいては、「トランザクション・アンド・コーポレート・ファイナンス(以下、TCF)」と呼んでいます。

2024年入社の新卒は、「トランザクション・アンド・コーポレート・ファイナンス」部門における「Transaction Diligence(トランザクション・デリジェンス)」「Valuation, Modeling Economics (バリュエーション、モデリング&エコノミクス)」「Lead Advisory(リードアドバイザリー)」の3つのチームを約1年半ずつかけてジョブ・ローテーションをする予定です。

財務会計は専門性の高い業務ですが、ローテーションや一定期間のプロジェクトへのアサインを通して、その専門性をより高く磨けると思っています。

私が所属するトランザクション・デリジェンス(TD)チームは、主に財務デューデリジェンス(財務DD)を担当しています。主に日本企業や日本企業を買収する外国企業がクライアントでして、M&Aを検討する際、買収候補の会社の財務状況や実績を分析することが業務です。

TCFは全体で約220人の組織ですが、財務分析のTDチームには約70人が在籍しています。現在のチームは、監査法人を経て入社したメンバーが多いですね。一部、私のように商社や事業会社の経理部出身で会計のバックグラウンドを持つメンバーもいます。

赤石 秀太郎(あかいし しゅうたろう):大学卒業後、大手総合商社に新卒で入社(大学在学時にUSCPA全科目合格)シンガポール勤務を経て、日本に帰任。その後、2018年2月にEYに入社し、現在はTransaction DiligenceチームのSenior Consultantとして活躍。


──学生の中には監査法人や投資銀行、他のコンサルティングファームと併願する人もいます。EYSCのFASは何が違うのでしょうか?


赤石:監査業務とFASの違いを大まかに挙げるとすれば、クライアントである企業のM&Aなど、「重要な経営判断にどの程度関与できるか」だと思います。監査業務は会計基準に沿って財務諸表の内容を確認する業務です。また、その過程で見つかった問題点や改善点をクライアントにフィードバックすることもあります。

投資銀行は大型案件をまとめていきますが、FASは比較的小型・中型の案件も取り扱っています。さらに、M&A後のPMI(Post Merger Integration)など、会社の経営を長くサポートできる強みもあります。


長岩:EYにはグループ内に「セクターチーム(特定の業界に特化したチーム)」「戦略コンサルティングチーム」「財務分析チーム」「税理士法人」「監査法人」も存在しています。

つまり、M&Aを行う際に必要なサービスが全てEYの中にあり、ワンチームで対応できるのがEYSCの強みなのです。

例えば投資銀行でM&Aを行う際には、財務分析の業務などを外部にアウトソーシングしているのが通例だと思います。EYは全て同じ会社なので、グローバルで一体感をもって業務に取り組むことができます。

長岩 優(ながいわ ゆう):大学卒業後、大手証券会社に新卒で入社し、Sales and Financial Consultantとして活躍。イギリスで修士号を取得後、JICAのラオス事務所に勤務。その後、2017年11月にEYに入社し、現在は、Lead AdvisoryチームのInfrastructure Advisory担当のManagerとして活躍。


赤石:長岩が言った通り、EYには、監査法人もあります。監査法人のつながりから豊富な案件が供給されます。その意味では、投資銀行よりもさまざまな案件や、多様な業界に触れられる機会が多いのではと感じます。


──経験の幅がとても広そうですね……。長岩さんのチームはどのような業務を行っていますか?


長岩:IA(インフラストラクチャー・アドバイザリー)はLead Advisoryの中にあります。40人程度が在籍する、電力や空港などインフラ業界に特化したチームです。電力、ガス、上下水道などのユーティリティ、空港などのインフラにおけるM&Aおよびトランザクション案件などを担当しています。

M&Aやトランザクション案件では、バリュエーション、モデリング&エコノミクスチームなどの各チームと連携し、現在と将来の企業価値を算出しています。そこでは、案件の状況や関連契約の確認をし、さまざまなリスクを把握した上で、価格影響の分析や、契約書への落とし込みを行い、案件成熟に向けていろいろなアドバイス提供を行っています。

その他、新規参入のための市場調査などを、海外のEY事務所やストラテジーチームなどと共同で行うこともあります。


──長岩さんは前職でもインフラ案件に携わっていたのですよね。お二人はどのような経緯でEYSCにジョインしたのでしょうか。


赤石:前職は総合商社で経理を担当していました。営業部を会計面からサポートする営業経理業務からスタートして、グループ会社の連結決算、有価証券報告書の作成などを行っていました。

前職の仕事も好きでしたが、この分野で専門性を高めていきたいと考えたときに、一つの会社にいたらどうしても自社の財務情報しか見られないことに成長の踊り場を感じました。

財務分析のスキルをもっと高めるべく、短期間でさまざまな業界を垣間見られることからFASに興味を持ちました。また、アメリカの公認会計士資格の勉強をした経験もあり、グローバルな事業投資などの案件に会計面から深く携わりたかったので、EYSCに入社しました。 


──多角的な視点を持つことで専門性を高めていけると。長岩さんはいかがでしょうか。


長岩:大学卒業後、証券会社を経て、開発学を学ぶためにイギリスの大学院へ進学しました。その後、JICAのラオス事務所で3年間、技術協力案件や資金協力案件に従事しました。

水力発電所や送電線などのインフラ案件を担当していました。相手国の政府、国際機関および各国のドナーと協力をしながら、その国の経済の基盤をつくる過程に関わることができ、インフラ事業のダイナミックさに魅力を感じました。

私はJICAでの3年間の任期を終了し、日本に帰国後、「引き続きインフラ事業に関わりたい」「インフラに関する知見をさらに高めたい」という思いから、インフラセクターに特化したチームのあるEYに入社しました。

M&Aを通して興味がある領域・業界の知見を広げられる

──お二人それぞれの思いがあり、EYへ入社されたようですが、FASでのやりがいや楽しさについて教えてください。


赤石:さまざまな業界や会社のM&Aに関する案件に携われることです。どの案件も1〜2カ月程度の期間で終わりますが、チームで協力し、お互いの会計の知識も生かしながら業務に取り組めることに、非常にやりがいを感じます。

また、横のつながりが多く、案件を多く経験することで上司や同僚のさまざまな知識、経験に触れられるのもありがたいですね。


長岩:私も「インフラの知見をさらに得たい」と思って入社しましたが、国内の電力回りの案件がEYには豊富にあります。M&Aやトランザクションのプロセスを通してインフラの知見を深められる現在の環境は、私にとって最適だと思っています。

また、M&Aやトランザクションを進める上で、他のチームと連携もします。財務会計知識、契約書の書き方、トランザクションのプロセス管理など、学びになる部分は多いです。

その他、IAチームでは、世界的な動向としてカーボンニュートラル実現に向けて活性化している風力、太陽光発電などの再生可能エネルギー案件も多く、さまざまな範囲を手掛けています。


赤石:特に、私の出身業界でもある商社や、その子会社がクライアントの案件を「やりたい」と上司には希望を伝え、希望通りそのような案件にアサインされることが多々あります。例えば、直近でも、同業界のクライアントが、海外の特定エリアで事業展開をしている会社の買収を検討した際の、財務デューデリジェンスに携わることができました。

また、特にその案件ではEYインドにある、データアナリティクスチームと協業しています。地図上に事業を展開している場所をプロットしていき、買収対象がどのようなエリアで事業を展開しているか、また、どのような条件のエリアにおける事業の利益率が高いかを分析しました。

通常の財務情報に加え、細かな地理的な観点も加えた分析を行うことができ、後日、「『分析の評価が良かった』とクライアントが評価してくれた」とパートナーから伝えられ、達成感がありました。

リモートワークで横のつながりはむしろ強化? いつでも世界中のEYと協業できる体制がある

──これまでは事業や業務について聞きましたが、働く環境としてのEYSCやFASの魅力について教えてください。


長岩:EYSCでは基本的にリモートワークを推奨しています。ですから、フレックスで自身の働き方や業務デザインを自由にできるのが特徴です。実は以前からリモートワークを実施していたので、コロナ禍になっても業務に支障はありませんでした。現在でも、多くの社員がリモート主体で働いています。


──リモートワークが主体になると効率よく働けますが、一方でコミュニケーションが希薄になる印象を受けます。


長岩:リモートワーク主体といっても横のつながりが弱いわけではありません。案件によりますが、週に1回はオンラインでのチームミーティングを行うことが多く、困ったことや相談したいことがあれば、世界中のEY社員のメンバーとチャットや電話で、すぐにコミュニケーションが取れます。

インフラは世界共通でニーズがある分野なので、国内のみならずグローバルでの事例が役に立ちます。私もJICA時代の経験が日本でも生きていると感じますね。

EYではむしろ物理的な距離も関係ありません。クロスボーダー案件の場合、関係国のEY事務所とも適宜オンラインミーティングでコミュニケーションを取り、世界中の各所へアクセスができるため、オンボーディングで困った経験は皆無です。

M&Aで売り手側または買い手側アドバイザリーとして大きな案件に取り組む際は、FASの各チームが一体となって業務提携をし、クライアントに業務提供を行っています。

案件を受注してパッケージ化できたら、各チームと日々コミュニケーションを取りながら連携するため、包括的なサービス提供を「EYの一体感」を持って進めることができます。


赤石:私も、チームの連携で支障を感じたことはありませんね。EYSCは、上下関係に縛られないフラットな組織であることも大きな特徴でしょうか。自由に意見を言える風土なので、無駄なストレスを抱えた経験はありません。

国を超えた研修を行い、学習機会も豊富

──EYに入社する前と入社後で、何かギャップはありましたか?


赤石:コンサル業界は、いまだに終電で帰れない激務の業界という印象を持っている人もいるかもしれませんが、EYに入社後、理不尽な残業は一切ありませんでした。

そして、仕事を押し付けられるのでもなく、上司も同僚も「困ったことがあればいつでも相談して」と気軽に声をかけてくれます。

さらに、中途入社としてはオンラインでの研修機会が充実しており、業務内容を体系的に学ぶ機会が多いのもありがたいですね。

EYでは、年間200個以上の研修が用意されており、誰でもすぐに疑問を解消できる環境になっているといえるでしょう。


──参考になった研修はありますか?


赤石:私がTDチームに入った際は、財務DDの新人向け研修は非常に参考になりました。財務DDを行う上での一般的な財務諸表の見方や分析の観点を、実際のケースも交えながら、マネージャーやディレクターが説明してくれます。

研修では、企業価値算定において財務DDとして提供する正常収益力分析、ネットデット分析、運転資本分析、資金繰り分析などの目的や方法を細かく学びます。財務DDの目的や手法を改めて確認できる時間です。毎年開催されており、今まではTDの新人を対象としていましたが、今後FASのメンバーは垣根なく参加できるようになると聞いています。


長岩:私が所属するIAチームも研修によく参加します。実務面でのスキルは覚えておいて損はないので。

業務に関する以外の研修もEYは充実していますね。例えば、ダイバーシティ関連の研修では、個人が無意識に抱いてしまう「アンコンシャス・バイアス」についての研修なども参考になりました。

学歴や年齢、性別、役職などから類推し、自分の価値観で「この人は『こう』であるはず」と無意識に思いこんでしまうのがアンコンシャス・バイアスですが、意外と面接時など、「この発言をするならば……こう考えているはず」と判断してしまいがちな場面があることに気付きました。

例えば、日常の業務のなかでも上司に対して「コンサル業界での長年の経験、知見から……こう考えているはず」と思い込んでしまうこともあります。世界中の異なるバックグラウンドを持つ社員と働く環境だからこそ、今まで見過ごしていた部分に気付ける研修があるのは良いと思っています。


──これらの研修は希望制ですか?


長岩:コンプライアンス系の研修は全員が必須で受けるものです。オンラインで動画を見て、最後にテストを受けることが多いですね。


赤石:グローバルなEYのチームが実施する研修は時差があり、リアルタイムで全員が受けるのは難しく、録画されたものを視聴しています。あと、EYが契約している外部の研修サービス「Udemy(ユーデミー)」もあります。

業務に関係のある範囲で、ビジネススキルやアサインされた案件に関する業界の概要などを、自分のペースで学ぶことができます。

手を挙げればグローバルに挑戦できる。EYSCでのキャリアの築き方

──こうした専門性を磨いた後には、どのようなキャリアが待っていますか? お二人の今後の目標を教えてください。


赤石:シニアコンサルタントという立場ですが、レポート作成やクライアントへの報告に際して、より存在感を発揮し、チームをリードできるようになりたいです。また、将来は海外事務所でも、日本企業のM&Aなどに携わっていきたいです。

現在の仕事で成果を挙げていることが前提ではありますが、EYでは自身で希望を出しつつ、現地のニーズと空きポジションがあれば異動ができます。

デューデリジェンスは、クライアントが日本企業であっても、海外企業であっても目的は一緒です。しかし、日本企業が海外企業を買収する場合や、海外企業が日本企業を買収する場合、日本の商習慣を理解した人物が担当することに意義があると感じています。


長岩:そうですね。海外の異動希望は、各国支社のニーズとタイミングが合えば可能です。実は、コロナ禍前の、2020年1月末から3カ月間、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイオフィスに海外研修プログラムで滞在予定でした。

コロナ禍が続き、飛行機の就航数も減ったり、入国禁止の措置が取られたりするなど「日本に帰国できなくなるかもしれない」という事情があったので、2020年3月に切り上げて帰国しました。

ドバイはUAEだけでなく、サウジアラビアやバーレーンなど、中東全体を統括するポジションにあります。

各国政府とも近い距離で仕事ができ、大きな案件が多いので、魅力だと思います。研修期間が終わっても、双方の希望がかなえば、契約を切り替えて、海外ローカルの駐在職員になるケースもあります。

ゆくゆくは海外駐在の機会を求めたいと思いますが……。私は半年前にマネージャーになったばかりです。お客さまと相対する機会が増えましたが、ディレクターやパートナーと一緒にプロジェクトを推進しており、まだまだ未熟だと感じています。もう少し、マネージャーとしての経験を積みたいと考えています。

また、今後はグローバル市場の考え方を身に付けて、トランザクション、会計財務、税務の知識をより深め、クライアントと一緒に精進し、海外の案件に挑戦したいです。

M&A・ファイナンシャルのプロになるために、「資格」は不要。「貪欲に学び続ける姿勢」と「チームワーク」が大切

 ──最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。


赤石:「自分で学びにいく姿勢」はベースラインとして持っていると活躍できるでしょう。わからないことは積極的に質問する姿勢が大切です。

加えて、私の部署では財務分析がメインの仕事なので、強いていえば会計の知識が必要でしょうか。知識が全くない状態より、大学の商学部や資格勉強を通じ個人で会計を学んでおいた方が、FASの業務内容になじめると思います。

とはいえ、目に見える「資格」だけが重要ではありません。EYSCはチームでコラボレーションをし、かつクライアントと仕事をしますから、ヒューマンスキルの方が長期的には重要だと思います。


長岩:IAチームには、さまざまなバックグラウンドをもった人が集まっており、多様な知見を持っています。若い人の知見が生かせる分野もありますから、案件を一緒に進めながら成長していければと思います。

スキルより、チームメンバー、クライアントとのコミュニケーション、新しいことに臆せずいろんなことにチャレンジできる姿勢が大事ではないでしょうか。


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EYストラテジー・アンド・コンサルティング

【ライター:上野智/撮影:中澤真央】

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