こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、製薬・医療業界に強みをもつ外資系戦略コンサルティングファームである、ZSアソシエイツ(以下、ZS)の本選考のポイントをお伝えします。
選考前の最終確認にご一読ください。
<目次> ●ZSアソシエイツの特徴
●ZSアソシエイツの本選考のポイント
●ZSアソシエイツの本選考のフロー
・1. エントリーシート(ES)
・2. Webテスト
・3. ケース面接
・4. 最終面接
・5. 社長面談 ●おわりに
ZSアソシエイツの特徴:製薬・医療業界において営業・マーケティング分野に強みを持つ外資ファーム
ZSは、1983年に設立された米イリノイ州に本拠を置く戦略コンサルティングファームです(※1)。
特徴は、製薬・医療業界の営業・マーケティング分野に強いこと。実際に、国内抗がん剤市場への参入戦略の立案を行い、早期の投資回収を可能とした臨床開発計画を作るなど、医療分野での実績を誇っています(※2)。
また、大手製薬会社のアステラス製薬に対して、顧客データの最適な抽出方法を提供し、情報の優先順位付けとアクセス性において高評価を得ています(※3)。
実際にある社員によると、「薬価制度改革やジェネリック医薬品の台頭などにより、医療業界は営業方式やマーケ戦略の変化が求められている。その中でZSへの期待は大きく、ほとんどの案件が製薬・医療関連だ」と話しているなど(選考対策ページより)、同社の業界内でのプレゼンスの高さが伺えます。
(※1)参考:ZSアソシエイツ「Our Story」
(※2)参考:ZSアソシエイツ「国内抗がん剤市場への参入戦略」
(※3)参考:ZSアソシエイツ「AIを用いて収集した知見をユーザーフレンドリーなパッケージで提供 P.3」
全く未知の領域にも、積極的に挑戦できる姿勢を見せよう
ZSはグローバルで12,000人以上の社員が在籍し(※4)、その規模感はベイン・アンド・カンパニーの約14,000人(※5)に並ぶほどです。
しかし日本では社員が約100名とまだ少数であるため、他社に比べて以下のような成長環境があります。
(1)案件数(※4)参考:ZSアソシエイツ「OUR OFFICES」
複数の入社1年目の社員が、1年間で5つの案件を担当しています。他ファームでは多くても4つしか担当できないことから、同社で積める経験が豊富であることが分かります。
(2)少人数で取り組むため、案件に深く携われる
ZSでは、1案件はほとんど3人チームで担当し、最小でマネジャーと2人で担当することもあるそうです。担当領域が広く、案件に深く関わりやすい環境と言えそうです。
(3)キャリア形成
同社は、1週間の研修期間を終えた後すぐ案件に配属されるとのこと。実際にある社員は、1年目で常駐型の案件に携わり、翌年にはその案件のリーダーに就任、3年目で既に2~3個のプロジェクトを並行して進めるほどになったそうです(※6)。
(※5)参考:ベイン・アンド・カンパニー「ベインの社員紹介」
(※6)参考:ONE CAREER 『【23卒/22卒向け】ZSアソシエイツ × 日本マイクロソフト × 三井不動産リアルティ|WEB会社説明会 (2021年3月SUPER LIVE ZERO出演)』
【合格の秘訣】企業概要・選考での評価ポイント
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ZSアソシエイツの本選考のポイント:家族のような温かさがあるカルチャーにフィットすることをアピールしよう
少人数のファームで社員同士の仲がよく、家族のような温かい雰囲気を持つZSでは、社風とのマッチングも重視されていると考えられます。
そのため、選考では周りの意見を尊重し、協力する姿勢が求められます。実際に、サマーインターンのジョブ選考で1人が先頭に立って進めていたグループは、全員が通過できていなかったそうです。
また、最終面接では「チームで目標に向かって頑張った経験」という質問がされており、チームの中でどう動く人間なのかをよく見られると考えられます。
選考では以下の点に気をつけて、人に寄り添える力をアピールすると良いでしょう(選考対策ページより)。
・エピソードの中に「人に寄り添った要素」を入れる
・笑顔でハキハキと話す
・相手の発言を聞き終わってから話す
ZSアソシエイツの選考フロー
ZSアソシエイツの選考フローは以下の通りです。1. エントリーシート(ES)
2. Webテスト
3. ケース面接
4. 最終面接
5. 社長面談
ここからは選考突破に必要なポイントをお伝えします。
1. エントリーシート(ES):設問は200文字の1問のみ。面接の材料になるため、できるだけ要点をまとめておこう
ZSのESでは、過去に以下のような設問が出題されました。
これまでに直面した最大の困難とそれをどのように解決したか教えてください。(200文字程度)
※出典:ZSアソシエイツ|総合職2023年卒本選考のES
200文字の設問が1問のみ。ある内定者によると、ESの時点で落ちる学生はほとんどいなかったそうで、通過率は高いと考えられます。
後の面接の材料にもなるため、以下の点に注意して記述をしてください。
論理的に分かりやすく要点をまとめるためにエピソードを整理する
同社のESは200字以内と比較的短く、端的かつ分かりやすく書くことが求められます。以下のようにエピソードを整理してください。
【エピソードを整理する】
・困難だったこと
・その原因
・解決策
・なぜその解決策を取ったのか
・結果
2. Webテスト:一般的なTG-WEB。他企業の選考で慣れておこう
ZSのWebテストは、自宅受験で行われます。形式はTG-WEBです。内容は言語、非言語、性格で、所要時間は1時間30分程度です。
ある内定者によると、「6〜7割程度の出来で通過できた」とのことで、ボーダーは比較的低いと考えられます。とはいえ、確実に通過するためにも、しっかりと対策するのがおすすめです。
以下に、内定者が行っていた対策方法を記載します。ぜひ参考にしてみてください(選考対策ページより)。
【内定者が行っていた対策】
・TG-WEB用の参考書を用いる
・SPI用の参考書の中でも推論の問題を重点的に解く
・他社選考を通じてTG-WEBの形式に慣れる
└2021年において同時期にTG-WEBを採用していた企業:デロイト・トーマツ・コンサルティング、三菱UFJ銀行、Strategy& など
3. ケース面接:英語が用いられるケース面接。MBBレベルの対策をしておくと安心か
ZSのケース面接は、社員1人と学生1人で行われる、所要時間30分程度の面接です。
・スライドの要約
└図表から何が読み取れるか
└数値は何を表しているか
・選択すべき商品はどれか
・ターゲットとすべきセグメント
└セグメントの優先順位をつけるなら何か
・クライアントへの提案(1分程度)
など
※出典:ZSアソシエイツ|総合職2023年卒本選考のケース面接
2023年卒の本選考では、「ある企業が、パンデミックの中で短期的に経営を改善するための施策を考える」というお題が出されたそうです。
学生がスライドに記載された質問に回答することで、最終的に結論を導く形式です。
約10枚のスライドが共有され、英語で書かれたスライドを1枚1枚見ながら進めます。
各スライドには、ケースの導入、企業の現状や市場の動向などが記述されています。内容を読み取った後、スライドの要約をし、各スライドで1、2問の質問をされます。
最後に、面接官に向けて、1分程度、英語で提案します。
類題を解き、難度の高いケース問題に備えるべし
こうした難しいケース問題や、ケース問題の解き方の1つである、ロジックツリーの作成を練習するための問題集はたくさんあります。
情報サイトや参考書籍をいくつか紹介するので、参考にしてみてください。
・大石 哲之『過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題』(東洋経済新報社、2009年)
・ロジカルシンキング研修.com「ロジカルシンキングのロジックツリー例題でトレーニング!MECEでもNGな訳とは?」
・照屋 華子『ロジカル・シンキング練習帳』(東洋経済新報社、2018年)
英語でのケース面接に慣れておこう
同社のケース面接では、英語の資料が用いられ、英語で1問程度質問されることもあります。そのため、英語のケース問題に慣れておくと安心です。
なお英語の資料は、高校の教科書レベルの読み取りやすいものだといいます。
以下に、英語でのケース面接の模範動画を紹介しますので、参考にしてみてください。
・ベイン・アンド・カンパニー「ケース面接1」
・ベイン・アンド・カンパニー「ケース面接2」
実際の業務でも英語を使って資料作成をすることもあるそうなので、最低限の英語力が必要だと考えられます。
4. 最終面接:ケースと人物面接の両方が行われる。鋭い質問に注意
ZSの最終面接は、社員2人と学生1人で行われる、所要時間1時間30分程度の個人面接です。
前半でケース面接(1時間程度)、後半で人物面接(30分程度)が行われます。
前半のケース面接では、4つの設問に答えます。後半は人物面接で、チームワークがうまくいかなかった経験などが問われます。
【ケース面接】
・収益推定
・アプローチすべきセグメント
・商品の最適な提供方法(3つの中から選択)
・価格
【人柄などを見られる人物面接】
・期待値を超えた経験
・チームワークがうまくいかなかった経験を英語で
・文房具屋を出すならばどこか
└顧客セグメントはどのように分けるか
└他の切り口はないか
└顧客セグメントの優先順位立て
・日本と大阪オフィスどちらを希望するか
・逆質問(2問程度)
など
※出典:ZSアソシエイツ|総合職2023年卒本選考の最終面接
前半のケース面接(1時間程度)で評価されると、後半の人柄などを見られる人物面接(30分程度)に進むことができます。
ケース
ケース面接では、1次のケース面接と同様に英語の資料(10枚程度)が配布されます。
1次のケース面接と似ていますが、異なる点が2つあります。1つは考える時間を与えられた後、すべての問題に解答する形式であること。もう1つはケースのお題が製薬に関する内容であることです。
ケース面接の流れは以下の通りです。
【ケース面接の流れ】
・前提共有(5分程度)
・思考時間(40分程度)
・回答時間(5分程度)
・質疑応答(5分程度)
回答は英語と日本語どちらで答えるか選ぶことができます。ある内定者は日本語で回答しても選考を通過できたため、英語で回答する必要はないといえます。
日本語で質問に回答する場合は、質疑応答(1問程度)は英語で行われます。その際、英語での質問は、基本的なもので特別難しくはないため、焦らず回答しましょう。
人柄などを見られる人物面接
人柄などを見られる人物面接は、30分程度で行われます。
1つ注意しておきたいのは、この面接でも顧客セグメントの分け方といった、ケースのような鋭い質問がされるということです。
またチームで何かを成し遂げた経験も問われるため、事前に複数人で取り組んだエピソードと、当時の自分の行動を振り返っておくといいでしょう。
5. 社長面談:内定が通知される社長面談。選考要素はない
ZSの社長面談は、社長と学生1人で行われる、所要時間30分程度の面談です。
内容は、結果通知と逆質問などです。
社長とのセッションであり、面談が始まるとすぐに内定が通知されます。そのため、選考要素はないといわれています。
ほとんどが雑談であり、「入社先を決めるにあたって、ZSについて知りたいことを聞いてほしい」といわれるそうです。そのため、事前に知りたいことをまとめて面談に臨むといいでしょう(選考対策ページより)。
おわりに
ここまで、ZSアソシエイツの本選考を突破するポイントをお届けしました。
みなさんの選考対策のお役に立てたら幸いです。
ZSアソシエイツの選考やイベント情報についてさらに詳しく知りたい方は、選考対策ページをご覧ください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています▼ZSアソシエイツの選考ステップをさらに詳しく知りたい方はこちら!
【選考ステップ一覧】各選考の詳細と解説
【クチコミ】説明会/インターン/選考の評判
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(Photo:everything possible/Shutterstock.com)