就活の証明写真は、候補者の第一印象を左右する重要なものです。映り方からサイズ、枚数、準備時期に至る細部まで注意し、好印象を与えるような工夫が求められます。今回は、多くの就活生が気になる証明写真の正しい知識を解説します。
<目次>
●就活の証明写真の準備と基本ルールについて
・準備時期について
・必要枚数
・サイズ
・有効期限
・その他
●就活の証明写真はどこで撮れば良い?
・写真館
・スピード写真
・自宅
●証明写真スタジオ・写真館を利用する方法
・証明写真の撮影料金比較
・就活生に人気の高い証明写真スタジオ
・証明写真スタジオでの予約方法と注意事項
●就活の証明写真としてスピード写真を利用する際のコツ
・姿勢に合わせて位置を調節する
・足元にも気を使う
・色のコントラストを意識する
・補正機能を使う
●自宅での就活用の証明写真の撮り方について
・自宅撮影に適したカメラや機材
・自宅撮影での照明と背景について
・スマホアプリの利用
・撮影後の証明写真の加工と保存方法
・印刷方法
●就活において好印象の証明写真を撮るための身だしなみ
・服装について
・髪形について
・メイクについて
・姿勢について
・表情について ●就活の証明写真についてのよくある質問(FAQ)
・就活用の証明写真はどこで撮ればいい?
・証明写真を撮る際の服装はどうすればいい?
・証明写真は何枚くらい用意すればいいの?
・夏でもジャケットは着用すべき?
・ネクタイの結び目がずれたら撮り直すべき?
●この記事のまとめ
就活の証明写真の準備と基本ルールについて
就活の証明写真には、ビジネスマナーの観点からいくつか守るべき基本事項があります。
証明写真に問題があるからという一点だけで不採用になる可能性は極めて低いですが、正しい撮り方を守って、余計な減点を避けましょう。証明写真で、就活生が注意したい基本的なルールを解説します。

準備時期について
証明写真を準備する時期の目安は、エントリーシート(ES)提出の1カ月前〜1週間前です。写真館やスタジオの活用を考える場合、事前の予約が必要となるため、提出日の直前に連絡しても間に合いません。
就活が本格化する3年次の冬場に差し掛かると、証明写真サービスは込み合うことが予想されます。余裕を持って、準備をしてください。
履歴書やESに証明写真を貼る意味は本人確認をするためですので、本人であることの証明力が高い状態が必要です。そのため、証明写真は直近3カ月以内に撮影したものを使うことが推奨されています。
必要枚数
就活の証明写真を準備すべき枚数の目安は、20枚~30枚だといわれています。就活生のエントリー数の平均と、およそ同じ数字です。写真を切り離す際にカットをミスしたり、折れ曲がったりする事態を想定して、必要な枚数+2〜3枚を準備しておくと安心です。
写真館やスタジオで撮影すれば、CD-ROMの画像データを受け取れるため、新たに撮り直す手間がなく、臨機応変に対応できます。さらに焼き増しの依頼もでき、自宅にプリンターがなくても問題ありません。
写真の枚数が多すぎると余って処分に困るため、必要な分だけそろえることをおすすめします。
サイズ
証明写真のサイズは企業側から指定がない限り、縦40mm×横30mmが基本です。一目で大きすぎる、または小さすぎる場合を除き、ミリ単位の誤差であればそのまま使用して問題ありません。
運転免許証に貼る写真のサイズは、普通免許の場合、縦30mm×横24mmです。大きいサイズならば切り取って調整できますが、小さいサイズでは撮り直す必要があります。
自分でうまくカットできるか不安なときは写真館やスタジオに持参すれば、代わりに対応してくれる場合もあります。
有効期限
就活の証明写真の有効期限は、撮影から3カ月以内が推奨されています。しかし、髪形を変えた、体形が変わったなど見た目の印象が大きく変化した場合、3カ月以内でも撮り直すことをおすすめします。
採用担当者が問題なく、本人確認できるかを基準に考えましょう。
その他
紙の履歴書における就活の証明写真で守るべきその他の基本ルールは、「写真の裏側にはフルネームを記載する」ことです。
万が一写真がはがれ落ちた状況を想定して、裏側ののり面には氏名を記載するよう推奨されています。誰の証明写真か判別がつかなくなっては、採用担当者が対応に困るためです。
フルネームの記載は就活の一般的なルールに定着しているため、書き忘れると評価が落ちる可能性があります。事前に記載の仕方を指定する企業もあるため、応募時の案内に見落としがないように注意してください。
就活の証明写真はどこで撮れば良い?
就活の証明写真を撮る場所は大きく分けて、「写真館(スタジオ)」「スピード写真(撮影機)」「自宅(アプリでの自撮り)」の三つです。
それぞれの方法には、メリットやデメリットがあります。

写真館
プロや熟練のスタッフが撮影を担当する写真館はクオリティが高く、きれいな写真を撮影できる場所です。表情の作り方や身だしなみの整え方に関するアドバイスも受けられるため、就活の初心者にも適した方法です。
写真は複数枚撮影して、撮影後には実際の出来栄えを確認しつつ、自分で印刷する写真を選べます。
ESや履歴書に貼る証明写真は、応募時点における唯一のビジュアル情報です。人となりや個性をはじめ、文面では伝えきれない個人の魅力をアピールできるため、クオリティにはこだわりたいところです。
質の面でいえば、写真館はプロのカメラマンが撮影してくれるため、優れた質の写真を撮れます。
ウェブのデータを受け取れる他、オプションでツヤ・ハリ出し加工もつけられ、就活で必要な写真が手に入ります。
スピード写真
スピード写真は、どこでも撮影できることや値段の安さが魅力です。写真機は全国に点在していて、文字通りすぐに撮り終えるため、利便性の面では優れています。
しかし、クオリティが高い写真を撮るのは難しく、背景色の指定やウェブデータのオプションをつけると料金が高くなることもあります。
基本的に撮り直しは1回までしか認められていないため、一度の機会で満足がいく写真を撮るのは難しいです。「クオリティは重視しないから安く、かつ今すぐ写真がほしい」という場合にはおすすめです。
自宅
最後に紹介するのが、スマホアプリを使用して自宅で撮る方法です。アプリを使う最大の利点は料金の安さで、照明器具や無地の背景を自分で準備する必要がありますが、アプリ自体は無料で利用可能です。自宅内のプリンターで印刷する方法ならば、無料で必要な写真を準備できます。
撮り直しの回数制限もなく、納得いくまで角度や光の当たり方、映り方を調整して問題ありません。同居人や友人に撮影を依頼する以外に、自撮りで行う場合は、注意したい撮影のポイントが二点あります。
・明るさ ・無地背景
費用を抑えたい、今すぐ写真を準備したい場合にはおすすめですが、写真館での撮影が一番安心できる方法です。
証明写真スタジオ・写真館を利用する方法
就活生の中には、「写真館なんて使ったことがない」という人もいるでしょう。利用が初めてだと、利用料金の相場や予約の必要性がわからずに困ることが推測されます。ここでは、証明写真スタジオの使い方や依頼する写真館の選び方について解説します。
証明写真の撮影料金比較
証明写真の撮影料金を、写真館のグレードごとに比較する表を作成しました(※1)。
| 大手チェーン店のスタジオ | 証明写真に特化した民間のスタジオ | 大手百貨店や高級ホテル内のスタジオ | |
| グレード | 低 | 中 | 高 |
| 基本料金の相場 | ~5,000円 | 7,000円~12,000円 | 20,000円~30,000円 |
| 具体例 | ・パレットプラザ ・カメラのキタムラ ・スタジオ728 |
・スタジオインディ ・スタジオフォプロ ・スタジオセルフィット |
・伊勢丹 ・高島屋 ・そごう |
| オプション | ・ウェブデータ ・レタッチ(修正) |
・ウェブデータ | ・ヘアメイク |
| メリット | ・比較的料金がリーズナブル | ・撮影を担当するのはプロの写真家やスタイリスト ・就活生の隣に座り、映り方のアドバイスをするスタッフがつく |
・ブランド力を実感しやすい |
| 注意点 | ・ヘアメイクつきのプランがない場合がある ・写真の枚数が足りない場合がある ・撮影者はプロの写真家ではない |
・レタッチの内容が店舗側の判断に委ねられる場合がある | ・レタッチに数日かかる場合がある |
※表内の料金は目安
※オプションの内容は店舗による違いあり
どのグレードを選ぶかは人それぞれです。また、就活では証明写真以外にもお金がかかります。スーツやカバン代、面接の交通費、座談会の参加費などが代表的です。
(※1)参考:証明写真INDEX「就活証明写真の相場はいくらなのか?スタジオの種類ごとに料金を徹底比較」
就活生に人気の高い証明写真スタジオ
数ある写真館の中で、就活生に選ばれ続けている証明写真スタジオには共通項があります。
・プロのスタッフによる撮影で品質が高い ・ネット予約やスーツのレンタルにも対応 ・全額返金保証つき ・当日のうちにデータと写真を受け取れる ・修正対応が無制限 ・撮影データの提供や焼き増しが無料
大手チェーン店のようなリーズナブルな写真館は、一般のスタッフが撮影を担当します。プロの写真家ではないため、想定していた仕上がりにならないことがあります。
仕上がりに納得がいかない場合は、全額返金保証があるお店を利用するのがおすすめです。
証明写真スタジオでの予約方法と注意事項
カメラのキタムラやパレットプラザなどの大手チェーン店の場合、予約がなくても撮影ができる場合がありますが、混雑している可能性がありますので基本的には予約をすることをお勧めします。予約の方法は電話やメールの他、ネット予約にも対応するケースが一般的です。
まずは検討する証明写真スタジオの名称で検索して、予約方法を確認してみてください。来店した後は、基本的に以下の流れで撮影が行われます。
1. 受付で用途や希望のサイズを伝える 2. 撮影前に身だしなみをチェックする 3. 撮影する 4. 映りが良い写真を一枚決める 5. 背景色やレタッチ、オプションを決める 6. 写真と引き換えに会計を済ませる
髪形や服装、表情、視線などのアドバイスはスタッフの指示通りにすれば、事前準備は必要ありません。
スピード写真の活用や、スマホアプリを使って自宅で証明写真を撮影する場合は、本記事の「好印象の証明写真を撮るための身だしなみ」を読んで正しい撮り方をチェックしてみましょう。
撮影館やスタジオで証明写真を撮影する際の注意点は、次の通りです。
・現物の写真に加えて撮影データを入手する ・データのファイル形式は「jpg(ジェイペグ)」「png(ピング)」 ・レタッチ(修正)は適度で自然なレベルにとどめる
就活ではエントリーの際に、マイページに顔写真の撮影データをアップロードするよう指示がなされます。応募書類を郵送でやり取りする企業でもない限り、証明写真のデータが必要です。
スタジオによって有料・無料の違いはありますが、写真データの提供には応じているところがほとんどです。受け渡しの形式には注意が必要で、CD-ROMやUSBは紛失や自分のパソコンで読み取りができない場合があります。二次元バーコードを使用してスマホやパソコンに直接データを送信できる写真館を選ぶと、トラブルが生じる可能性を低くできます。マイページにアップロードする際は、「jpg(ジェイペグ)」「png(ピング)」のいずれかが指定されるケースが一般的です。
受付ではスタッフからファイル形式の質問を受けるため、事前に志望先のサイトで指定の有無や内容を確認しておきましょう。
レタッチは、美肌効果や小顔補正、ほくろやシミとりなど多種多様なオプションがあります。証明写真としての利用のため、適度に利用しましょう。
就活の証明写真としてスピード写真を利用する際のコツ
証明写真が足りなくなってしまい、撮り直す時間もないときはスピード写真が一つの救済手段です。
スーパーやショッピングモールに近接する、電話ボックスの形をしたカーテンがかかった箱物を見かけたことはないでしょうか。スピード写真はこのボックスで撮影でき、利用中ではない限り、誰でも自由に使えます。
屋外とはいえカーテンで隠れるため、人目を避けたい人や自分のペースで写真を撮影したい人にも適した方法です。スピード写真で、クオリティが高い写真を撮るためのポイントを解説します。
姿勢に合わせて位置を調節する
証明写真の質を左右する要素は撮影対象者の姿勢にあり、背筋が曲がっているだけで映りが悪くなります。スピード写真を撮影するときは、背筋をピンと伸ばすようにしてください。
座高の高さによっては、カメラに顔が入りきらないケースもあります。椅子の高さを変えられるため、自然な姿勢をキープできる状態になるまで調整しましょう。
足元にも気を使う
ボックスの中に入ったら、いきなり写真を撮り始めるのではなく、足元に目を向けてください。なぜなら被写体に光を当てる装置であるストロボは、通常、足元付近に設置されているためです。
位置を確認しないと、知らず知らずのうちに、カバンや開いた足で光源をふさいでしまう場合があります。そのまま撮影したときは、写真に不自然な黒い影ができて、撮り直しを迫られるかもしれません。
ストロボの位置が判別できないときは、両足を閉じて、荷物を足と足の間に挟み込むと撮影に支障が出ることを防げます。
色のコントラストを意識する
スピード写真は薄暗く、色調が曖昧になりやすいという特徴があります。鮮やかで映える写真を撮るためには、スーツやネクタイの色を工夫して、コントラストの意識を保つことが重要です。
男女ともに上着を着用すると、白背景に黒や紺が目立ち、自然な印影がつくことが期待できます。背景が青(寒色)ならば、暖色の赤やオレンジのネクタイを着用すれば、くっきりとしたコントラストが生まれます。
補正機能を使う
撮影機には、肌色や肌質の補正機能がついている種類があります。スピード写真の難点であるクオリティを上げやすいため、追加費用がかかりますがおすすめです。
肌質補正では肌のキメを整えられる他、シミやクマ、男性のヒゲを目立たせなくすることも可能です。
肌質も美白から濃い目までバリエーション豊かで、好みの仕上がりに加工できます。背景色は複数のパターンがあり、一般的なホワイトやブルー以外にも、グレーやピンクなどを採用して変化を出すのも個性の演出に効果的です。
自宅での就活用の証明写真の撮り方について
時間もお金もないときに有効な手段が、アプリによる撮影です。近年はスマホのカメラとはいえ、証明写真に使用しても差し支えないほどのクオリティが高い写真を撮影できる機種も登場しています。
自宅で証明写真を撮る際の、必要なツールや撮り方の注意点について解説します。
自宅撮影に適したカメラや機材
自宅での撮影とはいえ、証明写真のためにカメラを準備する必要はなく、スマホでも撮影が可能です。
あるとよりうまく撮れる道具は、自撮り棒やレフ板です。自分一人で写真を撮る場合、うまく写真を撮影するにはスマホと距離を保つ必要があります。
手に持った状態での撮影では首が見えなくなるほど角度がつきやすく、何とか調整できてもスーツのしわが目立つケースがあるためです。
自撮り棒が手元にない場合、スタンドを使ってスマホの位置を固定して、タイマーで撮影するのも一つの方法です。他にもあると良いのがレフ板で、光を反射させ、逆光により影が入る現象を防いでくれます。
膝の上に白い紙を置いて撮影するだけでも、レフ板と同様の効果が期待できるのでおすすめの方法です。
自宅撮影での照明と背景について
自宅での撮影は、十分な光量を確保できる明るい場所で行う必要があります。背景は清潔感があって、好印象の白地が適切です。自宅の中に白い壁がある場所がないときは、白いシーツや模造紙を用意して、上から覆いかぶせましょう。
証明写真の壁紙用として使用できる大判紙も販売されているため、百貨店やホームセンターなどで探すのも一つの手です。窓ガラスに貼ると天気によっては白がぼやけてしまい、証明写真の撮影には好ましくありません。
また、背景に折り目や汚れがついていると、写真の質が落ち、企業側に悪い印象を与える可能性があります。模造紙やシーツは何もない壁面にかけ、クリーンな背景を作りましょう。
スマホアプリの利用
証明写真アプリと呼ばれる、スマホで撮影した写真を証明写真用に加工できるアプリがあります。背景の変更や肌色・肌質の調整、シミやニキビの除去機能が備わっていることが特徴です。
おすすめの証明写真アプリは次の三つです。
・PhotoDirector(フォトディレクター) ・履歴書カメラ ・Bizi ID - コンビニエンスストア証明写真
PhotoDirectorは写真や画像の編集や美顔加工、AI(人工知能)によるアニメーション機能を備えたオールインワンの証明写真アプリです。アプリからの撮影以外にも、過去に保存した既存の写真を加工することも可能です。
履歴書カメラは履歴書の証明写真に特化した画像加工アプリで、30mm×40mmサイズの写真を簡単に作成できます。撮影した写真を数タップの操作で手軽に加工でき、肌補正やクマ消し機能も備わっています。
Bizi ID - コンビニエンスストア証明写真は、コンビニエンスストアに備え付けられているマルチコピー機と連携しているアプリです。自宅にプリンターがなくても簡単に印刷できる他、複数のサイズに対応しています。
撮影後の証明写真の加工と保存方法
アプリで撮影した証明写真は、見栄えを良くするために加工したほうが良いとされています。主に使用する機能は、美肌補正およびカット機能です。クマやシミは消したほうが好ましく、明るい印象を抱かせるためにも、美白加工をおすすめします。
履歴書に貼付するサイズに合わせて、切り取ることも忘れずに行いましょう。注意点は、自撮りアプリのようにパーツのサイズや位置を変えるなど、本来の顔つきがわかりにくくなるほど、過度な加工はビジネスマナーを疑われてしまう懸念があり、逆効果です。
印刷方法
証明写真アプリで撮影した写真は、コンビニエンスストアのマルチコピー機や街の印刷屋さん、自宅のプリンターから印刷できます。
手軽にコンビニエンスストアで印刷する手順を、履歴書アプリを例に紹介します。
1. アプリを開いて写真を選択 2. 肌のイメージ(清潔感/健康的/華やかの3種類)やクマ消しの有無を選択 3. 印刷サイズを選択 4. 調整後の写真がスマホ内のカメラロールに保存 5. ネットプリントのブラウザーやアプリで「写真プリント」を選択 6. カメラロールで証明写真を選択 7. 店頭でマルチコピー機を操作
店内のWi-Fiに接続して画像を転送後、機械の指示に従えば印刷できます。
就活において好印象の証明写真を撮るための身だしなみ
就活の証明写真は、自然な表情でリラックスして撮ると好印象です。服装や髪形やメイクもビジネスシーンにふさわしい清潔感を念頭に置いて、姿勢を正しくして印象が良いスタイルを作り上げる必要があります。
就活の証明写真は緊張が原因で硬い印象になってしまいがちですが、事前の準備でやわらかく仕上げることが可能です。スピード写真やアプリの使用が初めてでも、好印象の写真を撮影できるポイントを紹介します。

服装について
服装のポイントは次の通りです。

基本的にアクセサリー類はつけない
就活用の証明写真では、ピアスやイヤリング、ネックレスなどのアクセサリーは外すのが基本です。企業によっては服装や髪形の自由を認めるケースもありますが、証明写真は複数枚を印刷してさまざまな企業に提出するため、シンプルでどこでも使えるスタイルが便利です。 また、アクセサリーは光の反射や影の原因になり、清潔感や誠実さを損なう恐れがあります。余計な要素を省き、自然で落ち着いた印象を意識しましょう。
スーツはブラックやネイビーなどの落ち着いた色を選ぶ
就活用の証明写真では、ブラックやネイビーといった落ち着いた色の無地スーツが基本です。証明写真は複数の企業で同じものを使うため、フォーマルで清潔感のある印象を与える服装が安心です。無地でシンプルな色味のスーツを選ぶことで、業界や企業を問わず幅広く使うことができます。
ワイシャツは清潔感がある無地のものがおすすめ
スーツの中に合わせるワイシャツは、清潔感を与えるホワイトの無地がおすすめです。顔色を明るく見せてくれる上、誠実で爽やかな印象を与えられるので、どの企業にも安心して使えます。薄いストライプなど柄入りのシャツを認める企業もありますが、基本的には無地を選んでおく方が無難です。 また、襟の形も印象に影響します。男性は「レギュラーカラー」や「ワイドカラー」がきちんと感を出しやすく、女性は「レギュラーカラー」やシンプルな「スキッパーカラー」がおすすめです。加えて、男性の場合や、襟元にボタンがあるシャツを着用する場合は、撮影時に第一ボタンまでしっかり留めておくことも大切です。
ジャケットは体形に合うサイズを選択する
ジャケットは、体形に合ったサイズを選ぶことが何より大切です。大きすぎるとだらしない印象になり、小さすぎると窮屈そうに見えてしまいます。肩幅や袖丈が体に合っているかを確認し、自然に動けるサイズを選びましょう。 就活用の証明写真では「清潔感」が伝わることがポイントです。自分に合ったサイズのジャケットを着ることで、姿勢もすっきり見え、誠実さや信頼感をアピールしやすくなります。迷ったときは試着して鏡の前で全体のバランスを確認し、さらに店員にサイズ感を相談すると安心です。プロの目でチェックしてもらうことで、より自分に合った一着を選べます。
ネクタイは落ち着いた色を選択する
ネクタイは就活用の証明写真で第一印象を左右する大切なアイテムです。基本はブルーやグレー、エンジなどの落ち着いた色合いを選ぶと安心です。柄は無地や細めのストライプなど控えめなものがおすすめで、写真に映ったときも清潔感を損ないません。 一方で、黒や白のネクタイは冠婚葬祭で使われるものなので、就活では避けるのが無難です。シンプルで落ち着いた色を選ぶことで、業界を問わず好印象を与えられるでしょう。 また、ネクタイを結ぶ際はシャツの中央にきちんと合わせることが大切です。結び目が整っているだけで、誠実さや信頼感が一層引き立ちます。
衣服のシワ・ホコリに注意する
証明写真では、スーツにシワやホコリが残っていると清潔感が損なわれてしまいます。特に写真は細かい部分まで写りやすいため、撮影前に必ず身だしなみを整えておきましょう。以下の点を参考にしてみてください。
チェックしておきたいポイント ・スーツにはアイロンをかけて、シワをきれいに伸ばしておく ・付着したホコリやゴミはブラシや粘着テープでしっかり取り除く ・ボタン周りやネクタイの周辺にシワが寄らないように整える ・ネクタイが曲がっていないかを、鏡で最終確認する
ほんの少しのシワやホコリでも、写真になるとよく目立つ場合があります。撮影前に鏡で全身をチェックする習慣をつけると安心です。
▼就活における身だしなみについて詳しく知りたい方はこちら ・就活に使うリクルートスーツは何を着れば正解⁉無難でいい印象を与える着こなし術 ・【身だしなみ:男性編】就活で好印象な髪形・スーツなどのチェックリスト ・【身だしなみ:女性編】就活で好印象の髪形・スーツなどのチェックリスト
髪形について
髪形のポイントは次の通りです。

撮影前に散髪して清潔感のある髪形にする
証明写真では、髪形が整っているかどうかで印象が大きく変わります。前日に整えるだけでは対応できないこともあるため、撮影の1〜2週間前に散髪をして、清潔感のある髪形にしておくのがおすすめです。 しばらく散髪をしない状態で写真撮影に臨むと、だらしなく見えてしまう場合があります。短めに整えておくと顔まわりもすっきりし、写真全体が明るい印象になります。 また、長さを調整するだけでなく、毛量を適度にすいておくと、ボリュームが出すぎず自然な仕上がりになります。定期的に整えることで、当日のセットも簡単になり、自信を持って撮影に臨めるでしょう。
直前に鏡を見て、寝ぐせやハネがないかチェックする
髪形を整えていても、移動中や待ち時間に寝ぐせやハネが出てしまうことがあります。証明写真はわずかな乱れでも目立ちやすいため、撮影直前に鏡で最終チェックをする習慣をつけましょう。 特に後頭部や横の毛先は自分では気づきにくい部分です。気になるカ所は手ぐしで整えたり、携帯用のブラシや少量のスタイリング剤を持参したりしておくとすぐに直せます。
顔回りがしっかりと見える髪形を意識する
就活用の証明写真では、顔がしっかりと見える髪形に整えることが大切です。前髪が目にかかっていたり、耳まわりの髪が顔にかかっていたりすると、表情が隠れて暗い印象を与える恐れがあります。 撮影前には前髪や顔回りをきちんとセットし、必要に応じてピンやヘアスプレーを使って調整しましょう。特に額や目元がすっきり見えるようにすると、明るく誠実な印象を与えることができます。 前髪のあるスタイルの場合は、目にかからない長さに整えるのがおすすめです。清潔感を意識して髪を整えることで、写真全体の印象が大きく変わります。
メイクについて
就活の証明写真では、スーツの落ち着いた色にマッチする控えめなメイクが適しています。ナチュラルメイクを念頭に、自然なリップカラーや肌に合うファンデーションを選択しましょう。化粧が派手すぎる、または全くしないのは不適切だとされています。
姿勢について
姿勢のポイントは次の通りです。
・背筋をまっすぐ伸ばす ・座ったときにお尻を後ろに引く ・胸を張りすぎないよう意識する ・手のひらを太ももの上に置く ・正面のアングルで撮影する
頭のてっぺんが上方に引っ張られるイメージで背筋をピンと伸ばすと、美しい姿勢になります。猫背や首が前に出ているとへりくだるような印象を与え、ビジネスシーンでは好ましくありません。
証明写真に写るのは肩までですが、胸より下にも意識を向けることが大切です。写真に映らない部分にまで気を配ると、全身に適度に力が入り、凛(りん)とした表情になるといわれています。
就活の証明写真はまっすぐ前を見据えた、正面からのアングルでの撮影が基本です。顔の位置に問題がなくても、目線が上下を向いていると印象が悪化します。上目遣いや見下ろす角度にならないよう、十分注意してください。
表情について
表情のポイントは次の通りです。
・あごを軽く引いて、まっすぐカメラのレンズを見る ・口角を上げ、歯が見えない程度にほほ笑む ・普段より少しだけまぶたを持ち上げる
表情に影響を与える装飾品については、本人と判別できるかが一つの基準です。メガネは普段からつけているならば撮影時も着用すべきですが、帽子は顔が見えにくくなるため外してください。
就活の証明写真についてのよくある質問(FAQ)
就活用の証明写真はどこで撮ればいい?
就活用の証明写真は、可能であれば写真館やスタジオでプロに撮影してもらうのがおすすめです。姿勢や表情の作り方をアドバイスしてもらえるだけでなく、服装や髪形の乱れもその場で整えてくれるため、仕上がりの安心感が違います。
一方で、証明写真機やスピード写真を利用する方法もあります。手軽に撮れるのがメリットですが、プロ撮影と比べるとクオリティが下がってしまいます。服装や髪形の乱れをチェックしないまま撮影してしまうケースもあるので、利用する場合は事前の準備を念入りにしましょう。
証明写真を撮る際の服装はどうすればいい?
就活用の証明写真では、清潔感とフォーマルさを意識した服装が基本です。おすすめは以下の組み合わせです。
-
スーツ:ブラックやネイビーなど、落ち着いた色合いのシンプルなもの
-
シャツ:顔色が明るく映えるホワイトの無地のシャツ
- ネクタイ:ブルーやグレーなど落ち着いた色味で、無地や細いストライプなどの控えめなデザイン
このようにシンプルな服装を選ぶことで、どの業界にも対応でき、安心して提出できる証明写真になります。派手な色や柄は避け、清潔感を第一に考えることが大切です。
証明写真は何枚くらい用意すればいいの?
応募先の数によって必要枚数は変わりますが、カットの失敗や写真が折れてしまうことを考えると、必要枚数に加えて2〜3枚余分に用意しておくと安心です。特に説明会やインターンを含めると、思った以上に写真が必要になることもあります。
一方で、就活で使う証明写真には「撮影から3カ月以内」などの有効期限が決められている場合があります。大量に印刷しても使い切れずに余ってしまう可能性があるので、必要数と予備を見極めて準備することが大切です。
さらに最近は、エントリーシートをウェブ上で提出する際に、証明写真のデータを求める企業も増えています。撮影時にデータを受け取っておけばオンライン応募に対応できるほか、必要に応じて自宅やコンビニエンスストアでプリントし、紙の写真を追加できます。写真館やスタジオによって料金プランが異なるため、プリントとデータの両方を比較検討すると効果的です。
夏でもジャケットは着用すべき?
撮影する時期が夏であっても、証明写真はジャケットを着用して撮るのがおすすめです。ジャケットを羽織ることで全体のシルエットが整い、フォーマルさや信頼感を演出できます。
特に暑い季節は、ジャケットは持ち運んで、撮影直前に羽織るのが安心です。移動中に着てしまうと汗ジミやシワの原因になりやすいため、撮影の直前にきれいな状態で着用することで、清潔感のある写真が撮れるでしょう。
ネクタイの結び目がずれたら撮り直すべき?
ネクタイの結び目が緩んでいたり、シャツの中央からずれていたりすると、どうしてもだらしない印象を与えてしまいます。写真を見て気になるほどのずれがある場合は、思い切って撮り直すのがおすすめです。
採用担当者の目にも不自然さは伝わりやすいため、細かい部分まで整った写真を提出する方が安心です。納得のいく仕上がりにしておけば、不安なく自信を持って就活に臨めるでしょう。
この記事のまとめ
就活の証明写真は好印象を与えるための注意点が多く、準備の手間がかかります。コスト面では負担が大きくなるとはいえ、写真のクオリティを考えると、写真館やスタジオの利用がおすすめです。
街の写真機やスマホでの撮影は極力避けて、急きょ写真が必要なケースに限定したほうが良いでしょう。
こちら記事の情報を参考にしていただき、余裕を持って証明写真を準備しましょう。
(Photo:ProStockStudio/Shutterstock.com)