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「新卒一人一人の人生を預かる」。充実した成長環境で、社会を見る目を育むオースビーの魅力

企業インタビュー 企業理解 インタビュー コンサル 日系
2022年10月28日(金) | 9,440 views
sponsored by オースビー

世の中に大きな影響を与える仕事がしたい──。

企業の中心的存在になって、現場から経営にいたるまで全てに関わり、組織を動かしていきたい。新卒の学生ならば、そんなキャリアを歩みたいと考えたことがあるのではないでしょうか。

オースビーは、総合商社、金融、インフラ、メーカー、物流などのリーディングカンパニーを顧客企業に持ち、あらゆる課題を解決に導く企業変革を行っています。その大きな特徴は採用活動を100%新卒採用のみで行っていることです。

オースビーの魅力に迫るインタビューも今回で3回目。なぜ、新卒採用しか実施しないのか。そして同社でどのような成長を遂げられるのか。オースビーで活躍する3人に伺いました。彼らが語る、新人教育にかける思いとは?

<目次>
●社会に広く影響を与える仕事をしたい人がオースビーに向いている
●「新卒一人一人の人生を預かる」。100%新卒採用の理由とは?
●一人前のビジネスパーソンとして自立し、物事を深く追究することが大切
●変革を進めるためには、「自分を変える」
●将来の可能性を信じ、「なりたい自分」に向かって社会を見る目を育んでほしい

社会に広く影響を与える仕事をしたい人がオースビーに向いている

──皆さんのこれまでのキャリアと業務内容を教えてください。


竹下:2014年に新卒として入社し、新人研修後すぐ、アパレルメーカーの全社改革プロジェクトに携わりました。そのプロジェクトを終え、管理部門である統合・推進本部に異動になると、新人研修を担当し、企画から研修の実施まで全体を通じて新人教育に関わってきました。2022年2月にビジネスエンジニアリング本部へ再び異動し、電力会社でのプロジェクトを経て、現在は大手総合商社の改革に携わっています。


森宗:私は新人研修後、統合・推進本部に配属になり、採用担当をしていました。当時、学生だった竹下を面接したのは私です。採用チームには5年ほどいて、チームリーダーも務めました。その後、ビジネスエンジニアリング本部では電力会社の電力自由化プロジェクトの推進や、精密機器メーカーでの経営管理プロジェクトを経験しました。

現在は新卒採用チームと社内の人事チームの2チームの管理職として、人を見る、人を育てるということに向き合っています。 

 

武井:私は2019年に新卒入社しました。新人研修の後、新卒採用チームに配属され、それ以来、上司は森宗です。統合・推進本部では本部内にある複数チームを兼務するのですが、直近は採用チームに加え、全社会議の企画運営・推進も行っています。


──皆さん、さまざまな部門やプロジェクトを経験してきているのですね。次にオースビーに入ったきっかけと、入社の決め手を聞かせてください。


竹下:就職活動をしていた頃、私は銀行、信託、損保などの業界を見ていました。学生時代は「思いやり精神」を大切にしていたので、特に保険の「相互扶助」の考え方に興味を持ったのです。合同説明会で、たまたまオースビーの説明を聞いたのですが、当初はあまり興味がありませんでした(笑)。

ただ、個別の企業説明会で詳しく知っていくと、組織の風土や、仕事に対する人の意思・こだわりといった、会社の中にある「目に見えない資源」を全て扱い、企業を真っ当な方向に変える、オースビーの事業に衝撃を受けました。「思いやり精神」によって人を大事にしたいという考えを覆された感覚になりました。オースビーのような姿勢で仕事に向かうことが、自分の力を発揮したい、社会に貢献したいという人の思いを受け止め、人を大事にすることだと思って入社しました。

竹下 孝二郎(たけした こうじろう):ビジネスエンジニアリング本部
2014年入社。一年目からアパレルメーカーの全社業務改革を経験、その後、統合・推進本部にて主に新人教育を担当。直近ではエネルギーインフラ企業にてITインフラ改革プロジェクトを務めた。


──森宗さんはいかがでしょうか?


森宗:私がオースビーの話を聞いて抱いた印象は「本質的なことを言っている」というものでした。学生時代の私はやりたいことがなく、反対にやりたくないことはたくさんありました。「何でもできるようになりたい」と考えていたので、関わる業界が狭い企業を避け、金融、IT、コンサルティングファームなど複数の業界に関わることができる企業を中心に就職活動をしていました。

その中で、「この会社なら何でもできる」と最も感じたのがオースビーでした。また、オースビーの社員には、どの企業よりも自社に対する愛があると感じました。オースビーという会社を大事にし、仕事に対して制約を持たず自由に行動するところに、「何でもできる人になる」ことにつながるものを感じていたと思います。


──武井さんにもオースビーへ入社した理由をお伺いしたいです。


武井:竹下と同じく、オースビーとの出会いは合同説明会ですね。そして、インターンシップに参加する中で「この会社ならば、社会を根幹的なところから変えられそう」と思って入社を決めました。私も小さな範囲でしか世の中に影響を与えられない仕事をするのは、どこか嫌だと感じていました。

国家公務員ならば国全体に影響が及ぼせると思って、志した時期もありました。しかし、次第に国が担うのは、企業が生産を通じて経済を発展させるための支援や仕組みづくりなのだと感じました。それならば、もっと主体的に社会をつくる「企業での生産」を仕事にしていきたいと考えたのです。

第三者の目線でアドバイスをするのではなく、当事者として顧客企業の中に深く入り込んで変革を起こしていく。オースビーの事業の姿勢を知り、社会を実質的に変えられるのはここだと強く感じました。


──皆さん「仕事の領域を絞らず、幅広い業界に携わりたい」「社会を根本的に良くしたい」という思いがあったのですね。それが実現できるのがオースビーであると。入社の決め手について、もう少し教えていただけますか?


武井:決め手は「人」です。オースビーの社員からは、仕事に対する悩みや、悩みながら行動し変化が生まれた実感、目指す理想、そこに向かう意思など、どの会社よりも多くのことを話してもらいました。また、現場で頭を動かしながら企業全体を実質的に変えていこうとする、人間味あるところに惹(ひ)かれました。

ほかの企業の社員から仕事の話を聞いた際、「これをやればいい」という方法論が多いように感じ、あまり自分がやることとして想像できませんでした。対して、オースビーからは「現場から実質的に社会に影響を与えていける」と感じたのは大きかったですね。


竹下:武井に付け加えるならば、オースビーの社員は一人一人が現場で「なぜ?」を問うています。顧客現場の現実に対して、なぜこの業務の手順か、なぜこのシステムか、なぜ今この問題が起きているか、と常に問います。そのとき、単に現場で個別の問題に対応するときの目線ではなく、そもそも今の資本主義社会とはどんな社会か、その社会に属する企業は、企業で働く人は、どんな原理によって動くか、と根本的に現実を捉えます。原理にのっとった現実の捉え方に基づいて顧客に対し行動するということは、オースビーの根底にあるものです。

「新卒一人一人の人生を預かる」。100%新卒採用の理由とは?

──オースビーは新卒採用のみを行っていると聞きます。新卒で入った社員をどのように社会人として育てるのでしょうか。


森宗:前提として、人の教育は大変難しいものです。人格は、人が生きていく中で、明示的に教育を受けたもの、教育と明示されず自分が触れてきたもの全てに影響を受けて形成されていきます。特に、一度社会に出て身に付いたものはそう簡単に変わるものではありません。だから、中途採用で人を教育するのは非常に難しい。事業の性質上、顧客企業を改革するわれわれの視点や考え方がクライアントと同じでは意味がありませんから。

ある意味で、社会人のスタートは第二の人生のスタートともいえます。学生から新社会人へと心が切り替わる時期に合わせて、物事の見方、考え方を一層上に引き上げる教育をすることが非常に大切だと思っています。

森宗 佳己(もりむね よしみ):統合・推進本部 Bridging Leader
2006年入社。メーカーやインフラ企業などの組織・業務改革を経験。精密機器メーカーの経営管理システム導入・活用プロジェクトのマネジメントを終え、現在は人事・採用の管理職と自社改革チームのリーダーを務める。


──まっさらな状態でインプットする必要があると。学生から社会人への切り替えとはどのようなものなのでしょうか?


竹下:消費者から生産者へ、という切り替えです。学生時代は生産をしていません。社会人になって初めて生産をする側に回ります。そのときに誰かが作ったものを利用するという消費者の思考から、現実の捉え方、意思、行動など全て自分で創り出す生産者の思考へと頭の動かし方を変えることが必要なのです。

消費者の思考から変わらず、誰かが作ったやり方や既存の知識を当てはめることで、初めのうちは仕事を進められていると感じるかもしれません。しかし、より難しい仕事を担う年代になったとき、必ず行き詰まります。ただ、そのときになってこれまでの「仕事ができた」という成功体験を捨てることは難しく、頭の働き方を変えていくこともどんどん困難になります。


──オースビーに入った新卒を具体的にどう育てていくのか教えてください。


竹下:大きく生産者としての社会の見方と、その社会の見方に基づく行動により、現場で力を発揮できるような社会人としてのあり方を、研修では教えます。

社会の見方は、オースビーの経営トップからの講義で教えていきます。講義では歴史、経済、政治、哲学、生物、化学、数学、文学……さまざまなことを取り上げます。社会の見方は、教わったものを暗記して身に付く知識的なものではありません。分野を限定せず、さまざまなテーマについて「そもそも」や「なぜ」を新人に問わせます。問うことを通じて、今までは歴史は歴史、化学は化学と、分野で分断されてきた頭の動きを、統合されたものに変えていきます。そうして原理に迫り、普遍に通じる社会の見方を持てるよう鍛えていくのです。


──まるで改めて学問を学ぶような……あまり他社では見ないアプローチだと感じます。


竹下:さらに、組織を動かすには、社会の見方に基づく行動を鍛えるだけでなく、組織的に実践することが必要です。私のような研修担当が、日常の中で新人に手本を見せながら、社会人としての組織的なあり方を教えていきます。

組織は情報によって動き、組織の質は情報の質によって変わります。例えば書いた文字、返事の声、立ち姿勢などは、分かりやすく組織に発される情報です。あるべき文字、声、姿勢の基準を伝え、高めていきます。ほかにも、組織に情報を行き渡らせるにはどのように報告すべきかなど、さまざまな行動における組織性を伝え、行動を積み重ねてもらいます。また、コンピュータを使ったプログラミング研修も行います。


──プログラミング研修はどのように行うのでしょうか?


竹下:まず、プログラム課題に取り組む前に、そもそもコンピュータとは何かというところから問い、原理を学んでいきます。コンピュータは人間と違い、一つ一つ全てを指示しなければ動きません。人がある行動をするときには、意識的に行っている思考・動作と、無意識に行っている思考・動作があります。プログラム課題を通じて、人が無意識に行っていることの多さに気付くことがまず大事です。

また、無意識に行っている思考・動作まで精緻に言語化し、つながりを明らかにすることで、コンピュータを動かすことができ、現実にも迫ることができます。現実に迫る力を鍛えるため、情報を一つずつ丁寧に扱い、正確に捉え、意味を問い、考えるという、大変基本的な頭の動かし方を経験してもらっています。


──IT企業のプログラミング研修では、1人でシステムを作るのを目的とすることが多いです。オースビーではプログラムで何を作るのでしょうか? また、研修で大切にしていることは何ですか?


森宗:一つのプログラムを作り込むというよりは、作る過程で必要な要素をいかに経験してもらうかを大事にしています。例えば、2つの値を比較し、同じ値か異なる値かによって次の行動を判断し、実行することは、人は難なく情報処理をして実行できます。しかし、コンピュータで実行されるためにどうするか考えていくには、情報を緻密に飛躍することなくたどることが必要になります。

情報を緻密にたどり、現実を捉えると、一つ一つの事象が明らかになり、全体像やある程度の意味的まとまり、根本的に共通する問題が見えてきます。これが顧客現場で業務の実態や、仕事を進めるお客さまの思考に迫り、組織の問題にアプローチする力になるのです。


──オースビーが新人教育にかける「思い」はどこからくるものなのでしょうか。


森宗:「人の未来を預かっている」という責任からくるものですね。物事の見方や、洞察の深さ、人としての器の成長は一朝一夕で身に付きません。また、人の成長はいつなんどき起こるか分からないものです。 

研修で教えていることは顧客企業の現場で現実に直面し、仕事をする中でいつか花開くための種となるものです。私も先輩からそういった種をたくさん教えてもらいましたし、教えられたことが業務を通じて自分の中でつながり、深まると、仕事の楽しさや人生の喜びを感じます。

教える内容と現場で発揮する力は一対一で対応せず、その力がいつ伸びるかもわかりません。新人社員の長い社会人人生の基盤になるものを作っていく教育ですから、「新人の未来を預かっている」という感覚を持っています。


──竹下さんはオースビーの新人教育についてどのように考えますか。


竹下:私も「一人一人の人生を預かっている」という感覚は持っています。物事を根本から捉え、生産者として自ら行動する、一人前の社会人としてオースビーで育ち、社会に通用する人になってほしい。この社会人としてのあり方を本気で求め、教育する会社はオースビーしかないと思います。それに応えてオースビーという会社に愛を持ち、会社をけん引する人に育ってくれるように願っています。


──非常に熱い思いを持った先輩社員が研修を担当しているのですね。武井さんは新人研修を受けて、どのような印象を持ちましたか?


武井:今まで受けた教育とは全く違うと感じました。例えば、講義で約1万年前の、地球が比較的温暖な間氷期に、農耕・牧畜を始めたという話が出てきます。そのことを単なる歴史の一事象の知識として受け取るのではなく、「あなたがその時代にいたら、どうやって農耕・牧畜を発見したのか?」を数時間にわたって深掘りしました。このように自分の頭で想像し、自分のこととして考えることを大事にしているのです。

また、社会について、自分と繋がるリアルな人類の営みなのだと実感できたときの感動を覚えています。今の資本主義社会がどのように発展したか、人類の歴史をたどり、そこに織り込まれた人の欲望や、時代を転換させた人の意思に目を向けて考えました。それを通じて、社会とは、すでに出来上がった当然存在するものではなく、人の営みによってようやく成り立ったものである、そして次は自分が発展させるための営みを担うものだと捉えられるようになりました。


──歴史を学ぶことで、仕事のあり方が見えてくるということでしょうか。プログラミング研修の方はいかがですか?


武井:プログラミング研修を通じては、コンピュータと人間の性質の違いに気付いたことが、自分の現実の捉え方の変化にもつながりました。コンピュータでエラーが出た場合、自分が作ったプログラムに必ず誤りがあります。こういったとき、「自分は正しいはずだ、コンピュータの方に何か問題があるのでは」と思ってしまいがちですが、自分が必ずどこか間違えているものです。仕組みや環境に漠然とした問題があるのではなく、必ず人が作った問題がある。それをはっきりさせ、自分の行動で良くしていこうと思えました。

武井 壮太郎(たけい そうたろう):統合・推進本部
2019年新卒入社。入社後は、統合・推進本部にて主に新卒採用を担当。並行して全社会議企画・運営のリーダー、社員の商品性向上企画担当などで複数の社内プロジェクトにも携わる。

一人前のビジネスパーソンとして自立し、物事を深く追究することが大切

──オースビーでしか得られない経験についても聞きたいです。自分が最も成長を感じたプロジェクトについて教えてください。


竹下:ある電力会社の通信事業の業務を、グループの通信会社に移管するプロジェクトに参画したときのことが印象深いです。移管が難航しているのですが、お客さま自身ではその原因が分からず困っていました。業務の実態把握を行い、問題を明らかにし、電力会社、通信会社ともに組織としての対応を明確にする。まさに情報を緻密にたどる力が問われるプロジェクトでした。 

実態把握のため、業務担当者にヒアリングを実施していったのですが、始めは業務が全くつかめませんでした。自分がしている行動や判断は、普段言葉にせずにしているものです。そのため私がリードをして少しの情報を頼りに、たどりながらヒアリングをしました。「こんなのワンパターンだよ」と言われていた業務をたどっていくと、結局8時間もかかりました。それを事業に携わる約20名の担当者全員に行っていったわけです。


──1人のヒアリングに8時間!? それだけ業務を把握するのは難しいということですか……。


竹下:そうですね。ヒアリングの結果、個別の業務の実態が分かり、全体の流れが明確になりました。しかし、明らかになった実態を見て、何を問題と捉え、次にどんな行動を取るかは、オースビーがお客さまの「今後の事業はどうあるべきか」を打ち出さねば決定できないと分かりました。

自社で研修担当をしていたこともあり、私はお客さまの現実に迫ることができる、プロジェクトを遂行できる、と思っていましたが、まだまだ至らない点がたくさんありました。謙虚になることで、まだ分からないことがあるはずだと粘って想像力を働かせるようになりました。企業の現実も、今後の方向性も、少し見えてくるようになったと感じた案件です。

──森宗さんはいかがでしょうか?

 

森宗:印象に残っているのは、新人研修中に「君は人の心が分からない」と自分の課題を指摘されたことです。言われた当初はあまり実感がありませんでした。

自分の中で何かがつながったのは入社3年目の頃です。「一緒に仕事をしていきましょう」と意気投合した学生が最終的に他社を選ぶことや、逆に、ある学生がなぜオースビーに入社を決めたのか分からないことがあり、採用活動は思った通りにならないなと感じていました。

同じ時期、ある採用イベントの企画立案を行い、全社に会議で報告する機会がありました。そこで報告する企画内容に当時の上司からなかなかOKが出ず、ついに会議の時間になっても上司からOKが出なかったのです。


──危機的な状況ですね……どうなったのでしょうか?


森宗:会議では、出席していた経営幹部から「企画の報告ができないわけはないだろう、途中でもいいから進捗(しんちょく)を報告して仕事を進めてはどうか?」と言われ、私は「それなら報告させてください」と報告を始めようとしました。対して上司は「ダメです。今後も資料が完成していない中途半端な状態でも報告できると、森宗に思わせたくありません」と言ったのです。

「仕事を進めねばならない」ということは確かです。ただ、私が自分から「資料の承認を得られなかったが、途中でも会議で報告したい」と言うならまだしも、人に言われて進めようとしたことに対して、上司は絶対に良くないと考え、止めたのだと思います。

私を「真っ当なビジネスパーソン」にする姿勢で対応する上司のあり方と機微に触れ、私は衝撃を受けました。それ以来、学生を見るときに短絡的に判断することはなくなりました。言葉でこう言ったからこういう気持ちだろうと決めつけるのではなく、それだけではない事情が当然あり、時に判断が変わることもあると受け止めて、人と対話することができるようになりました。

変革を進めるためには、「自分を変える」

──武井さんにも聞きたいです。自身が一番成長した瞬間について教えてください。

 

武井:学生時代から大きく変わったのは、物事を深く考えるようになったことです。学生時代はとにかく「良いことを言う」や「かっこよく見えるようにふるまう」という、浅いレベルでの人からの見え方を気にしていました。

採用担当として学生にオースビーのことや、自分の仕事のことを語る場面は多くありますが、「自分の言っていることが学生に伝わっているのか分からない」と課題を感じることがありました。その課題を先輩に話したら、「武井は客観的に正解と思われそうなことしか言っていない。自分のこととして本音で話していない」と言われたのです。行いを正さなければいけないと思った瞬間でした。

伝わらない要因が学生にもあると考えていたら何も進みません。原因は自分にしかないと定めれば、行動を変えていけると感じました。そこで自分が日々仕事の中でこだわっていることや、悩んでいることを思い起こしながら、言葉の中身を詰め、本当に自分が感じていることを泥臭く言うようにしていきました。すると、学生に自分の言葉が伝わっている実感が湧いてきました。このような捉え方ができるようになったのは、オースビーの研修のおかげだと思っています。


──自分を変えることで、現実を変えていけると気付けたんですね。


武井:はい。学生時代はそもそも自分を変えようとは思っていませんでしたし、基本的に自分はできるタイプだと思っていました。しかし、自分を変えて、物事への向き合い方を変えることが、どんなビジネス現場でも通じる、現実を動かす基本姿勢なのだと思います。


森宗:「自分が変わること」。それこそが外から見れば成長なのだと感じます。研修で歴史や生物や化学、文学などさまざまな話をするのは、変化の種をまいている感覚です。いつかどこかでつながって花開くこととして、社員の中にたまっていきます。自分を変えようと思いを巡らせるとき、種として教わったことを思い出したり、考えたりし、意味が分かったと思えば、また分からなくなる。その繰り返しが成長のためには大事なのだと思います。

「現実の中で唯一、自分の意思で変えられるのは自分だ」と、これは新人研修ではっきりと教わったのですが、腹に落ちた感覚を持ったのは、採用チームを経て、精密機器メーカーのプロジェクトに関わっているときでした。

経営管理システムの保守、刷新を推進するプロジェクトでしたが、なかなか進まないのは、お客さまの組織風土に問題があるからだと思っていました。ただ、「ここが良くない」と伝えても、なかなか伝わらない。どうしたら伝わるかと悩んでいたときに、改めて「自分の意思で変えられるのは自分のみ」という言葉を思い出したのです。お客さまへの自分の接し方を変えることによって、こちらの問題認識がお客さまに少しずつ伝わっていったのを感じました。


──自分の行動を変えることで組織を変えることができ、プロジェクトを推進できたということですね。


森宗:はい。お客さまに行動を求めるとき、正しいことには当然従うべきだという態度を取っていました。正しさだけでは簡単に動かない人や組織というものに向き合っていなかったと思います。やろうとしてもためらって動かない人の心や、組織風土の問題とは何かを改めて問い、お客さまに伝えました。その上で、仕事としてやるべきことはやるべきだと、自分自身が最も行動しながら、お客さまにも行動を求め続けたことで、やっとお客さまが動き始めました。


──まさに現場から顧客企業を変革するエピソードですね。そして、森宗さんはオースビーを選んだ理由の1つに「この会社なら何でもできる」という部分を挙げています。なぜオースビーならば「何でもできるようになれる」と思えたのでしょうか。


森宗:「何でもできる人」というのは、言い換えれば「どんな局面でも必要とされる人」です。または「どんな事柄でも中心的に活躍する人」ということ。

学生の「できる人」というのは、専門性を極めた人というより、オールラウンドに何でもできる人だという感覚があるのではないでしょうか。私は総合人間学部という理系も文系も問わずに入学できる学部の出身でしたから、「この科目が分からない」という状況が嫌でした。

企業でもある部署に入ったら、その部署のことしか分からなくなります。そうではなくて私は全体について必ずつかみたい。社会についても、政治、経済、教育、それらを包括してつなげて理解したい思いがあるのです。オースビーでは、説明会や面談で何を質問しても分からないと言われることはなく、必ず自分の考えを答えてくれ、よく聞く耳触りの良い言葉を用いられることもありませんでした。そんなところに、「オースビーは別格の存在である」という感覚を持ちました。

自分としても挑む形で議論を持ちかけることもありました。例えば、「世界はなぜ平和にならないのですか?」と聞いてみたり(笑)。そんな正解のない質問を投げかけても、オースビーの社員は真摯(しんし)に答えてくれたのです。

将来の可能性を信じ、「なりたい自分」に向かって社会を見る目を育んでほしい

──新卒を「組織を改革する人」として育てるオースビーですが、どんな学生に入ってもらいたいですか?


竹下:ある意味、生意気でも良いので「自分がやってやる」と、社会や組織に貢献したいという純粋さを持った人が良いです。そんな人に同志として、オースビーに入ってほしいです。


森宗:本質を追究したい人と働きたいですね。「人は何のために生きるのか?」という問いは誰もが一度は思い浮かべることでしょう。人間のことを、社会のことを知りたいと、探究心を持っている方はオースビーが合っていると思います。そういう方と一緒に働く中で、人や社会の真理に迫れるのではないかと楽しみに思っています。


武井:私は「エネルギーが溢(あふ)れる人」と働きたいです。自分がやりたいことを諦めずにエネルギーを出し続ける人と一緒に働きたいですね。


──学生が市場価値を高めるにはどうしたらよいのでしょうか?


竹下:そもそも、「市場価値」というもの自体、存在しないと思います。一般的にはスキルや能力があり、企業に求められる人を「市場価値の高い人」といいます。しかし、企業が求めているのは、自社に所属意識をもって働いてくれる人です。人は所属する会社の商品を通じてしか、社会に働きかけられません。会社の商品の価値や、商品を生み出す理念を大事にして、その会社で一生懸命働くことで人は仕事の力をつけ、成長していけるもの。そういう姿勢で働く人を企業は求めているのです。


森宗:「市場価値」という言葉が、なぜ叫ばれるようになったのかを問わないといけません。「自身の市場価値を高める」という言葉の根底には、就職市場で自分が企業に買われる商品になるという問題があります。企業が短期的に自社の不足を補うための「商品」として自分を打ち出せば、企業には結果を残すかどうかだけで判断されてしまいます。そうではなくて、組織に対する帰属意識を持って、自分を成長させ、貢献する存在として会社を捉えることが必要です。


──本当に仕事の力をつけるには、組織に対する帰属意識が大切なんですね。最後に、就活生に向けてメッセージをお願いします。


竹下:社会を見る目を育みながら、自分の心も育み、就職活動を行ってほしいですね。誰しも純粋さを持っていますから。そのくもりのない部分で社会を見て、素直に自分と向き合い、自分の道を選んでください。


森宗:「直面せよ」と言いたいですね。就職活動をどう進めるのか、これからのキャリアをどう考えるのか、本当はよく分からないこともあるはずです。一般的にいわれるやり方や攻略方法を聞き、分かったつもりになることもあるでしょう。しかし、それらが正解ということはありません。自分が違和感を覚えたことや、これで良いのかと悩んだことを流さず直面する方が、意義のある就職活動ができると思います。

一度踏みとどまって、分からない現実を受け止めること。苦しい状況を直視したら、その先にこそ羽ばたく未来があると思います。


武井:「自分の将来の可能性を信じよう」でしょうか。社会人は学生時代の頃には経験したことがない分野、苦手な分野のこともやる必要があります。仕事なのでやる、というのは当然のことです。しかし実は、未知の分野に自分の可能性があることも多いのです。仕事をすればするほど、自分の可能性が開けてきます。自分の可能性を今の範疇に限定せず、純粋に将来どんな人物になりたいかという「自分の理想像」を持ってほしいですね。


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・真っ当に仕事に向かう中で自分を高め、顧客企業の組織や働く人々を変革する。「ビジネスエンジニアリング」のやりがいとは?

【ライター:上野智/撮影:齋藤大輔】

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