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クライアントに真の価値を提供する「True North」 ベイン・アンド・カンパニーの仕事を支える信条に迫る

企業インタビュー 企業理解 インタビュー コンサル 外資系
2019年5月10日(金) | 19,555 views
sponsored by ベイン・アンド・カンパニー

経営戦略、実行支援、ITなど複数の業界領域が存在するコンサル。多種多様なコンサルティングファームが存在する中で「より経営に近いところで働きたい」という人が、最初の選択肢の1つとして希望するのが「経営戦略ファーム」です。

今回は就活生から「ピュアな経営戦略ファーム」というイメージを持たれている、ベイン・アンド・カンパニー(以下、ベイン)のコンサルタントとして活躍する新卒入社5年目の深川さんと、総合商社から転職して1年半がたったという島田さんにお話を伺いました。これまでの経歴もキャリアも異なる2人から、戦略コンサルのあり方からベインの強みまでを幅広く語っていただきます。

「上の決定なので……」それでも食らいつく「True North」の精神

──深川さん、島田さん、今日はよろしくお願いいたします。早速ですが、戦略コンサルタントが言う「企業戦略」とは一体何なのでしょうか。コンサル業界を視野に入れ始めた学生に向けて解説していただければと思います。


島田:教科書的に言えば、企業が掲げる長期的な理念や目標を達成するために進むべき方向と方法を考えることです。学生の皆さんだと、「受験勉強や部活動で、結果を出すためにはどうするか?」と置き換えると分かりやすいかもしれません。

私たちは、企業が目的にアプローチするための考え方を引き出したり、判断材料を用意したりします。さらに「そもそも、その目標は妥当なのか」を検討するのも私たちの仕事です。これは、ベインが創業当初から信条として掲げる「True North(※1)」の精神にも関係してきます。

(※1)True North……企業と社会の最大価値追求のために真に進むべき方向を追求するための行動指針。同社の企業ロゴにも、このコンセプトの方位磁石モチーフが使われている


──なるほど。この「True North」を現場で体感したことはありますか?


島田:私はNPS®(※2)を導入するプロジェクトを進めた際に、最初、クライアントと意見が割れてしまった案件が印象に残っています。NPSという顧客ロイヤルティを新たな評価指標として取り入れるときは、定量的な目標ありきではなく、まずは社員の意識を顧客起点に変えていく意識改革を行うことが重要です。しかし、そのプロジェクトでは、クライアントの経営層が「早く結果を出したい」という意図で、具体的な数値目標を設定する方針を打ち出しました。

早く結果を出したいという思いは共通していたものの、過去の経験から、目標値を設定することが必ずしも長期的には思った通りの結果につながらないことは分かっていました。そこで、「持続的に成果を出していく観点で、時間短縮だけを優先した定量目標の設定は見送った方がいいのではないか」とクライアントに進言しました。しかし、クライアントからは「上の決定なので……」と当初は進言を受け入れていただけませんでした。それでも、何度も何度も話し合いを重ね、最終的には、役員の方々と話す機会をもらって状況を変えることができました。

(※2)NPS®(ネット・プロモーター・スコア)……ベイン・アンド・カンパニーのフレッド・ライクヘルドを中心とするチームが開発した、製品やサービスに対する顧客ロイヤルティ(忠誠度)を測る指標であり、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標

島田 淳司(しまだ あつし):2017年中途入社。新卒で三井物産に入社し、主に鉄鋼部門の戦略企画業務に従事。同社退職後、オックスフォード大学へのMBA留学を経て現職。飲料メーカーや証券会社など、さまざまなプロジェクトに携わる。


──クライアントとぶつかってでも、島田さんが最後まで「True North」を貫き通せたのはなぜでしょう。


島田:クライアントに最大の結果を提供するために、真に目指すべき道を提言することが使命だと考えているからです。たとえ煙たがられても、正しいと思うことは曲げない。これは私だけではなく、ベインのコンサルタントであれば皆同じ判断をすると思います。


深川:島田がお話ししたことは、まさにベインの「結果主義」を反映した行動です。この思想が組織に根付いていると感じる例として、パートナーやマネージャーとクライアントへの提案について議論している際に、「この期間とフィーでは、ベインとしてクライアントへの価値を提供することが難しいので提案を辞めましょう」、あるいはクライアントが○○というプロジェクトスコープを希望している場合でも「クライアントの状況を踏まえると、ベインとして最大限の価値が出ると信じる領域は△△なので、そちらをプロジェクトスコープとして提案しましょう」というような議論が頻繁に行われるということがあります。

ベインは、フィーを大幅に上回る結果を出すことを信条にしています。それができないようなプロジェクトは売らない──というよりも売れません。結果を出し続けてこそ、コンサルタントは継続的にクライアントから依頼を頂戴することができ、結果として社会への価値創出に貢献できます。だから私たちは、クライアントにとっての価値を最大限に引き出す方法を考え、提供し続ける必要があるのです。

若いうちから企業トップと関わり、「覚悟」を持った仕事ができる

──新卒の戦略コンサルタントが、経営にどれだけ近いところで活躍できるかを気にしている学生は多いです。新卒でベインに入った深川さんから見て、その点はいかがでしょう。


深川:ベインの場合、企業の根幹である「戦略」を扱うプロジェクトが多いこともあり、新卒から実際に社会や組織に影響力を持つ役員クラスの方々の意思決定を支援するための仕事や、会議に同席する機会がすぐに与えられます。自分自身が直接、クライアント組織の意思決定に関わるという責任と覚悟を持って仕事に臨むのと、単にチームのパートナーやマネージャーがミーティングで使う資料作りとして仕事に取り組むのとでは、成長のスピードが全く異なることを実感しています。入社1年目からさまざまな業界や領域の課題について、経営者の視座で考え抜く経験を通し、どこでも通用する力が身に付いていくのではないかと思います。

また、経営の話からは離れますが、社内でも1年目からチーム、そしてベインに対して、自分が正しいと信じることを主張することは当たり前であり、それこそが各自の貢献であるという考えが根付いています。実際に主張できる環境と責任が与えられているからこそプレッシャーはありますが、着実に日々成長しているという強い実感を持っています。

深川 康介(ふかがわ こうすけ):2014年新卒入社。エレクトロニクスから通信・テクノロジー、小売り、食品、プライベート・エクイティなど、さまざまな案件に携わる。学生時代に、JICA(独立行政法人 国際協力機構)と東京大学の協働プロジェクトの一員としてネパール派遣を経験。


──総合商社に新卒で入社した島田さんですが、若手が経営と関わることはありましたか?


島田:商社とコンサル、それぞれ事業内容および組織規模、構造が大きく異なるため、単純に比較すべきではないと思いますが、私の経験からお話しすると総合商社の場合、若手が経営陣の意思決定の場にいることはあまりないと言っていいでしょう。私自身も、役員クラスの方々と、車座などのカジュアルな場でお話しすることはあっても、業務上話す機会はほぼありませんでした。また商社を含め、多くの日本企業は長い期間勤めることを前提にキャリアの設計や社員教育が組まれていることが多いため、戦略コンサルのような、早い速度での成長は感じにくいかもしれません。

もちろん、総合商社には優秀な方がたくさんいますし、自らに高い課題を課しその課題を達成するために自ら成長戦略を描き、実行することで会社の設定した速度より早く成長することも可能だと思います。一方で戦略コンサル、というよりもベインでは、会社が設定している成長基準が極めて高く、全員がその基準を突破するために研さんを積んでいますし、それをサポートするための仕組みも充実しています。


──学生はベインに対して「ピュアな経営戦略ファーム」というイメージを持っているようです。この印象についてはどう思われますか?


島田:私はクライアントの価値最大化にこだわった結果、「経営戦略のお題を多く頂戴するファーム」という表現の方がベインに合っていると感じます。経営戦略はコンサルティングの中でも難度が高い領域で、クライアントごとの対応が必要になるため、型に当てはめたようなソリューションもありません。


深川:クライアントからいただいているフィーを踏まえ、限られた時間内で最大の価値を提供しようと考えると、必然的に「経営戦略」に特化することが多くなるのだと思います。もちろん、われわれが「クライアントの価値最大化の源泉が経営戦略領域以外にある」と信じる場合は、非経営戦略領域のプロジェクトを行うこともありますが、東京オフィスでは、そのようなプロジェクトは数が多くありません。

同じ「価値観」や「思考法」でグローバルの仲間とつながる

──ベインには、海外オフィスで働く「トランスファー制度」があるとのことですが、海外での勤務は、どのような雰囲気なのでしょうか。


深川:私は入社4年目に社内のトランスファー制度を利用し、南アフリカとベルギーのオフィスで合わせて半年間勤務しました。ベインには、冒頭で島田が述べた「True North」のように、グローバルで統一された価値観や思考法があるため、初対面のメンバーともスムーズに業務を進められたことを覚えています。当時のメンバーとは、休暇中に観光地を巡るなど、業務以外でも親交を深めることができ、プロフェッショナルとしてのみならず、友人としても深い関係性を築くことができました。

象徴的な例としては、当時の南アフリカでのチームメンバーの1人が、現在私が利用したものと同じ社内トランスファー制度を利用して東京オフィスで勤務をしており、今も家族ぐるみで仲良くしています。


──海外のクライアントと仕事をする中で、抱いた印象や実感したことを伺えますか。


深川:印象的だったことは、当たり前ではあるのですが、ベインの同僚もクライアントも、私を「日本から来た駐在員の1人」としてお客さまのように扱うのではなく、「プロフェッショナルコンサルタントの1人」として扱ってくれたことです。当然、それは責任の重さと表裏一体で、しっかりと価値を出さなければ、すぐに「違うメンバーに変えてほしい」と言われてしまう可能性もあります。

このように自分の所属オフィスから離れたオフィスに勤務している間でも自分の貢献度について、しっかりと評価してもらえるため、実際に南アフリカ滞在中に昇進しています。この経験は今後グローバルな舞台で、プロフェッショナルなビジネスパーソンとして仕事を通じ、社会への価値創出に貢献していく自信につながりました。

──トランスファー制度以外にも、海外のメンバーと出会えるような社内研修はあるのでしょうか?


深川:ベインでは役職が上がるたびにグローバル研修が行われ、その際には世界中から同じ役職の従業員が集められるなど、海外とのつながりが非常に強いと感じます。また、社費留学も可能で、私自身もこの夏からMBA取得のために留学する予定です。この他にも、先ほどお話しした社内トランスファーや、ベイン外の組織で一定期間働くことができるエクスターンシップなどさまざまな制度があり、多くの社員が海外で活躍しています。


島田:こうした制度は自身の意思が尊重されます。私は家族がいますし、一昨年留学を終えたばかりですので、海外勤務の希望は出していませんが、自分が行きたいと手を挙げれば、挑戦できる環境にいることには間違いありません。

常に自らの働き方を振り返る。ベインが「働きやすい企業」のトップに立つ理由

──学生たちは「コンサル業界の中でも、ベインはホワイト」という印象を持っています。確かに米国の求人情報検索サイト「Glassdoor」でも「Best Places to Work(働きやすい企業)」の1位を獲得していますが、実際、労働環境についてはどう思いますか?


島田:ホワイトという言葉と直接つながるかは分かりませんが、私がベインを働きやすい企業だと思っている理由の1つに「職位に対する要求スキルが明確で、公平性が高い」という点があります。何を達成すれば評価されるかがはっきりと分かるため、努力の方向性がブレにくく、自分の成長も実感しやすいと思います。


深川:そうですね。各職位に求められるスキルが明確だからこそ、自分より上の職位の社員は、全てのスキルにおいて一定の基準を満たした上で、何らかの尖(とが)りを持っていると感じます。自分より上の職位の社員全員を純粋に尊敬できるというのは、本当に貴重な環境だと思っています。


島田:また、常にチームの働き方を振り返り、議論し改善する習慣があるのも良いポイントだと思います。毎週実施するチームの定例ミーティングでは「クライアントに価値を出せたか?」「労働時間はどれだけか?」「ムダだと感じる業務はないか」などについて議論し、評価する仕組みがあります。そのスコアは上司のKPIにもなっており、部下の労働環境やその改善が評価に直結するのです。もちろん、それだけが理由ではありませんが、生産性に対する意識が自然と高まる環境が作られているのは事実でしょう。


──ちなみに、自身で働き方が調整できるような業務制度はありますか?


島田:例えば、私のチームでは「バーチャルベイビー」というルールを運用しています。プロジェクトチームが発足した際、プライベートな要望も含めて、「これだけは譲れない」という点をメンバー間で共有するようにしています。バーチャルベイビーというのは、「赤ちゃんのように大事にしているもの」という意味ですが、互いのライフスタイルを尊重し、融通を利かせやすくするのがその目的です。

私自身は「基本的に金曜の夜は残業しない」という希望をチームメンバーに伝えています。これをチームメンバーもマネージャーも尊重してくれるため、金曜日の夜はプライベートな時間のコントロールがしやすくなりました。友人からも「外資コンサルなのに19時から飲み会に来られるの!?」と驚かれるほどです。「上司はまだ残っているけど、帰ってもいいかな……」と周囲の様子を見ながらこっそり退社する、ということはなく、自分の業務を終えたらすぐに退社できます。

深川:バーチャルベイビーとは異なりますが、私は、「われわれの仕事は働く時間ではなく結果で評価される」という考え方に従い、仕事が終わったら、時間に関わらず帰るようにしています。こうした考え方が年次に関係なく浸透し、実現できている背景には、入社以来、一人ひとりの社員が労働時間と創出価値のセルフマネジメントを各自の責任として行うことが求められているからだと思います。ベインには「クライアントのためにならないことはやらない」という価値観が強く根付いており、入社時から振り返っても、ムダだと思うことや不必要なことをさせられたという記憶は一切ありません。


──単純に労働環境が緩やかというわけではなく、明確な判断基準やセルフマネジメントの土壌がベインに整っているからこそ、忙しさをコントロールする環境を作り出せるということですね。

人生100年時代、企業選びはランキングではなく自らの「モチベーション」に従え

──最後にこれから就活に取り組もうとする学生たちにメッセージをお願いします。


深川:「人生100年時代」と言われるようになってから久しく、おそらくわれわれの世代が職業人生の全てを同じ組織で過ごすというのは、かなり希少なケースとなるでしょう。むしろ、日本や世界の社会、経済情勢を踏まえると、同一組織での生涯雇用というのは、望んでもかなえることが難しくなってくると思います。

だからこそ、ポジションや待遇、企業ランキングのみを見るのではなく、職業外の、自分の家族や趣味といった要素も含めて「自分は何に生きがいを感じるか」「それを踏まえてどのような職業人生を送りたいか」ということに向き合い、本当に働きたい環境や企業はどこか、と考えることが大切だと思います。「就活」という視点では一見遠回りのように感じるかもしれませんが、「職業人生のスタート地点を選ぶ」という視点では近道だと思います。


島田:私も同意見です。確かにベインは企業ランキングの上位にいますが、それだけを理由にベインという企業を志望するより、ベインの信条や仕事内容と自分の価値観を照らし合わせて考え、その上で志望してもらえるとうれしいです。


──島田さん自身が学生時代に就活で迷われたとき、何を考えて判断をしましたか?


島田:これまでのキャリアを振り返ると、私自身は迷った時に、より難易度が高い方に進むように行動してきたように思います。また、常に「この仕事を楽しいと思えるかどうか」という点は考えるようにしていました。言い換えると難しさは「自分が成長できるかどうか」、楽しさは「この仕事を続けることができるかどうか」だと思います。深川の話とも重なりますが、自分のモチベーションの源泉「Source of motivation」に従ってきたわけです。皆さんも、もし困ったときは、自身の心に従ってチャレンジングな選択をしていけると、より充実した社会人生活を過ごせるのではないでしょうか。


▼ベイン・アンド・カンパニーの企業サイトはこちら

▼過去のインタビュー記事
・結果主義のベイン・アンド・カンパニー、成果の根源は尊重し助け合う精神にあり


【インタビュアー・ライター:スギモトアイ/撮影:友寄英樹】

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