「最終面接は他の面接とどう違うの?」「なにを聞かれてどう答えればよいの?」
いくつかの面接を受けて最終面接にたどり着いたものの、不安やプレッシャーを感じてしまう就活生は少なくありません。
就職活動の最終面接では、面接官がどこに着目しているかを知って質問に備えておくことで、落ち着いて最終面接に挑むことができます。これまでの努力が実るよう、面接対策をしっかりと行って内定につなげましょう。
今回は、最終面接の特徴と、最終面接でよく聞かれる質問と回答例を紹介します。逆質問の例も併せて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
<目次>
●最終面接の特徴は?
・面接官は?
・所要時間は?
●最終面接の評価基準は?
・企業との相性はよいか
・志望度が高いか
●最終面接でよく聞かれる質問と回答例
・志望動機を聞かせてください
・自己PRをお願いします
・なぜ他社ではなく弊社を志望されているのですか
・強みを生かしてどのような仕事がしたいですか
・入社後のキャリアプランを聞かせてください
・もし弊社から内定が出たら入社しますか
・他社の選考状況を聞かせてください
●社員や役員に刺さる逆質問は? 最終面接での逆質問の例
・事業や経営に関すること
・社員の働き方や考え方に関すること
●最終面接に臨むための質問対策と心構え
・履歴書やエントリーシート(ES)を見直す
・自己分析と志望動機を深掘りする
・経営者や企業の最新情報を調べておく
●まとめ
最終面接の特徴は?
最終面接に備えるために、まずはその特徴を押さえましょう。ここでは、最終面接の面接官・所要時間・評価基準について、詳しく解説します。
面接官は?
企業の就職活動で最終面接の面接官を務めるのは、社長・役員などの経営層が中心です。
最終面接は、その名の通り、採否を決めるための最後の選考であるからこそ、代表者や代表に近い人物が選考にあたる傾向にあります。
1次面接や2次面接などは、人事部の採用担当や現場で働く社員が務めるケースが一般的です。最終面接はそれまでとは違い、いわゆる役員面接であることから、緊張感を持つ就活生もいるかもしれません。しかし、企業の経営層と直接言葉を交わして、自分自身をアピールする絶好の機会と捉え、前向きな気持ちで臨みましょう。
所要時間は?
最終面接の時間は、一般的には30分〜40分程度ですが、企業によっては10分程度で終わることも珍しくありません。軽い顔合わせのような雰囲気の最終面接であれば、10分程度で終わる場合が多々あります。
最終面接の時間が短いと「落ちたかもしれない」と心配することもありますが、短時間で終わったからといって、必ずしも不合格になるとは限りません。
最終面接の評価基準は?
最終面接では、面接官はどこを見ているのでしょうか。最終面接の評価基準を知っておくことで、予想していなかった質問にも慌てずに対応できます。ここでは、最終面接の評価基準について、詳しく解説していきます。
企業との相性はよいか
多くの面接官は、最終面接では「応募者と自社の相性はよいか」という点に着目しています。自社の求める人材像にマッチし、社風と相性のよい人材であれば、企業への貢献度も高いと考えられ、採用後に活躍する可能性が高まるためです。この評価基準は、1次面接や2次面接と大幅に異なるわけではありません。
志望度が高いか
最終面接では、応募者の志望度の高さも評価基準になります。高い意欲を持ち、活躍したいと望んでいる人材を、企業は逃したくないと考えます。そのため、最終面接では、企業理念をよく理解した上で、自身の入社意欲の高さが伝わるようにアピールすることが重要です。
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最終面接でよく聞かれる質問と回答例
最終面接まで来たからには、内定をしっかりと獲得したいところです。最終面接に臨むときには、よく聞かれる質問を事前に押さえておきましょう。ここでは、最終面接の質問例と答え方のポイント、回答例を紹介していきます。
志望動機を聞かせてください
志望動機の質問に対しては、ただ「◯◯に興味がある」という理由を述べるだけでなく、企業の理念や社風を理解したうえで、根拠を示しながら分かりやすく伝えることが大切です。また、曖昧な伝え方はせず、具体性を持たせることがポイントです。
【例文】
私は御社の「今と未来をつなぐ」という理念に感銘を受け、今回、営業職を志望いたしました。今と未来をつなぐためにはどれだけ技術が発達したとしても人と人のつながりも必要不可欠だと考えるからです。業界のなかでもいち早くIT技術を生かして業務を進める御社の環境にも、強い魅力を感じています。私は学生時代、飲食店のアルバイトをしていました。来店者の多い店舗でお客さまに喜んでもらうためには、短時間で質の高い食事を提供する必要がありました。立て続けに来店するお客さまに対応するために、状況判断力と臨機応変な対応力を身に付けました。
状況判断力と対応力は、斬新な技術を取り入れ業界の革新を図るために、必要な能力だと考えております。また、アルバイトでは仕事を円滑に進めるためにチームワークを良くすることの大切さも学んだため、事業の発展に向けて仲間と協力しながらお力添えができるのではないかと存じます。
自己PRをお願いします
最終面接では熱意や入社意欲を評価される傾向にあるため、自己PRを求められることもあります。それまでの面接でも自己PRで意欲を伝えてきていると思いますが、最終面接の相手は社長をはじめとした経営層で、初対面の相手です。
改めて、自分自身の思いを率直に伝えることを意識して自己PRをしましょう。また、端的に分かりやすく伝えること、具体的なエピソードに触れて説得力を持たせることも重要です。
【例文】
私のアピールポイントは、まず「なんでもやってみよう」と考えるチャレンジ精神です。3年生のときに国際交流のボランティアに初めて参加したのですが、せっかくの機会だと思い、リーダーの役割に挑戦しました。交流の場にはいろいろな国籍の人がいたため、英語も通じないことが多く、はじめのうちは非常に難しいと感じました。
しかし、周囲の雰囲気をいち早く察して行動したり、非言語的コミュニケーションのコツをつかんで交流を深めたりするうちに、仲間からもリーダーとして信頼されるようになりました。以来、自分自身の能力を高めるためにも、経験したことがないことには積極的にチャレンジしています。
御社でも開発業務や顧客対応など、多くの場面でチャレンジ精神が役立つと考えていますので、積極的に挑戦し、スキルを充実させてまいります。
なぜ他社ではなく弊社を志望されているのですか
最終面接では、他社ではなく自社を希望する理由を聞かれることもあります。この質問に、しっかりと説得力をもって回答するには、企業研究を欠かさないことが大切です。
どれだけその企業について理解を深め、他社にはないポイントに共感しているのかが問われます。具体的な理念や社内体制、社風などに触れた上で、高い理解度をアピールしましょう。
【例文】
お客さまとの交流を最も重視するという、御社の理念に非常に共感しており、志望いたしました。◯◯の開発ストーリーを拝見し、お客さまの意見を広く取り入れて開発されたという背景に感激いたしました。私は学生時代に◯◯部で活動をしたのですが、個人競技ゆえに、つい自分自身の考えに固執してしまう部分があり、そこが成長の課題となっていました。
そのような折に御社の開発ストーリーに触れ、どのようなことも、多方面から意見をヒアリングすることが成長につながると知りました。そのため、キャリアを問わず参加できる、御社の週1回の意見交換会にも非常に魅力を感じています。
強みを生かしてどのような仕事がしたいですか
最終面接では、アピールしてきた強みや長所をもって、具体的にどのような仕事に従事したいのかという質問をされることがあります。
企業は、しっかりと強みを生かして自社に貢献してくれる人材を求めています。答えるときには、自分の強みと志望する仕事内容が一致していることが重要です。単に自己PRや長所・短所を伝えるだけにならないように注意しましょう。
【例文】
私の強みは、サッカー部での経験を通じて鍛えられたメンタルの強さです。実力が足らず試合メンバーに入れない時期が続きました。けれど悔しさをバネに、現状の自分に足りないスキルを分析し、自主練で技術の向上を図りました。最後までレギュラーにはなれませんでしたが、一流選手たちと肩を並べてプレーできるまで技術面では追いついたと自負しております。この経験から、少しのことではへこたれない精神力が身に付きました。
困難な状況でも諦めないメンタルの強さを生かして、御社では営業職に就きたいと考えております。営業職は努力をしてもお客さまに断られることがあり、強い精神力が求められるとかねて聞いております。サッカー部で鍛えられたメンタルの強さを生かし、粘り強く行動できる営業担当として御社に貢献してまいります。
入社後のキャリアプランを聞かせてください
最終面接では、入社後に具体的にどのようにキャリアを形成していきたいのか、プランを聞かれる場合もあります。
ビジョンの持ち方や目標設定についての考え方、それに対する現在の向き合い方などを測るための質問だといえるでしょう。ただ「◯◯したい」と答えるのではなく、なぜその目標を設定したのか、そして具体的にどう向き合っていくつもりなのかを明確に答えることが大切です。
【例文】
御社に入社した際には、企画に積極的に携わりたいと考えております。自分自身のアイデアが商品やサービスとなって具現化されていくことは、喜びとやりがいがある仕事だと魅力を感じています。
大学のサークルでは多くの仲間とコミュニケーションをとってきたため、意見を交わしながら制作していくことの難しさや重要性も実感しています。アイデア力とコミュニケーションスキルを生かし、商品の企画に携わったのちには、チームのリーダーとしても積極的に活躍していきたいと考えています。
もし弊社から内定が出たら入社しますか
最終面接の質問で、「内定が出たらどうするか」と聞かれたときには、明確な意思をもって就職活動に臨んでいることをしっかりとアピールしましょう。
企業側にも、入社への熱意と意欲を持つ学生を採用したいという目的があります。単純に「入社します」の意思表示だけでは深掘りされる場合もあるため、入社の意思とともに、意欲の高さや、企業選びの軸があることを伝えられるとよいでしょう。
【例文】
御社から内定をいただければ、喜んで入社させていただきます。私は、研究分野が生かせるという点を重視して就職活動を進めています。御社には◯◯の事業があり、現在私が選考に参加している企業の中で、研究分野に最も合致する企業は御社であると考えております。
内定をいただきましたら、少しでも早く仕事に貢献できるよう、さらに◯◯業界について知識を増やしてまいります。
他社の選考状況を聞かせてください
最終面接では、別の企業の選考状況について質問されることも少なくありません。他社の状況については伝えたくないという心理もあるかもしれませんが、面接中に不必要な嘘(うそ)をつくのは避けましょう。
高い入社意欲を持っていることをアピールしつつ、志望企業の選考状況についても素直に回答することが大切です。
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・「他社さん、どこ受けてるの?」に正直に答えてはいけません
【例文】(他社も選考が進んでいる場合)
現在、◯◯社、◯◯社が最終面接まで進んでいます。また、◯◯社、◯◯社が結果待ちです。中でも御社の手掛ける◯◯事業は、私の持つ力を発揮できると感じているため、採用していただいた際には、御社に入社すると心に決めております。
【例文】(他の企業を受けてすでに落ちている場合)
他社も志望していますが、御社が第一志望です。
※落ちたことまで言及する必要はありません。
社員や役員に刺さる逆質問は? 最終面接での逆質問の例
最終面接の質問について準備するときは、質問を求められたときになにを聞くかも迷うところです。ここでは、逆質問の例を挙げていきます。
事業や経営に関すること
最終面接での逆質問は、経営層にする質問として適切なものを選びましょう。例えば、事業や経営について深掘りするような内容や、経営層が考える戦略についてなどです。
【例文】
・御社の事業は、競合他社と比べて◯◯の点で強みがあると考えるのですが、ほかにはどのような優位性があるのか教えていただきたいです。
・御社の◯◯の理念は、他社ではなかなか耳にしない新しい価値観だと感じました。このような理念が生まれた背景やエピソードを教えていただけますか。
・御社は今後◯◯事業を拡大させていくとのことですが、成果次第では、その事業チームに加わることはできるのでしょうか。
社員の働き方や考え方に関すること
逆質問は、入社する前提で聞くことが重要です。実際にその企業で働くことを想定して、社員の働き方や考え方に関して具体的な質問をするのもよいでしょう。
【例文】
・入社するまでに身につけておくべき知識やスキルがあれば教えてください。
・御社で仕事をするにあたって、社員に最も大切にしてほしいと考えていることはありますか。
・◯◯社長をはじめとした経営層の方や、社内で成果を出されている方に、共通している点はなんでしょうか。
・仕事の成果は、どのような観点をもとに評価されますか。
最終面接に臨むための質問対策と心構え
「最終面接までいけばほぼ受かる」といわれることもありますが、油断してはいけません。最終面接に臨む前に、以下の3点をチェックしておきましょう。
・履歴書やエントリーシート(ES)を見直す
・自己分析と志望動機を深掘りする
・企業の最新情報を確認しておく
履歴書やエントリーシート(ES)を見直す
最終面接の質問に備えるために、まず履歴書やESを見直すことが大事です。最終面接の頃には、ESを提出してから時間がたち、内容を忘れてしまっていることも少なくありません。
見返しておくことで、最終面接の面接官から履歴書やESの内容をもとに質問されたときに、矛盾のない返答ができます。特に、志望動機などはあらためて読み返し、一貫性のある返答ができるように心掛けましょう。
自己分析と志望動機を深掘りする
最終面接の質問で失敗しないためには、自己分析と志望動機を深掘りしておくことが重要です。自己分析を重ねて自分自身を見つめ直すことは、より具体的な自己PRにつながります。
自己PRや長所・短所、そして志望動機に深みと説得力が加わるため、より自分自身の魅力が伝わるはずです。最終面接でアピールすべき要素もつかめるでしょう。
経営者や企業の最新情報を調べておく
最終面接の前には、経営者や企業の最新情報をしっかりとチェックしておきましょう。応募した時期から最終面接までに長い時間が経過していると、ホームページなどの情報に変更がある場合もあります。
最新の企業の取り組みをチェックし、あらためて役員や社長、創業者の名前なども確認しておきましょう。社長や役員、創業者の名前を覚えていないと、面接官に悪い印象を与えてしまいかねません。すべての企業で基本的な情報を質問されるとは限りませんが、内定が決まれば就職する可能性もあるため、頭に入れておくとよいでしょう。
まとめ
最終面接は、内定につながる最後のステップです。重要なチャンスを逃さないためにも、質問・逆質問にはしっかりと備えておきましょう。
よくある質問については知識を充実させ、例文をもとに事前にシミュレーションすることが重要です。また最終面接は社長や役員などの経営層と話せる貴重な機会でもあるため、その機会を前向きに捉えることも大切です。
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