就活における1次面接は、書類選考を通過した後の重要な選考です。しかし、初めて訪れる面接を前に「1次面接ではどのようなことを聞かれるの?」「二次・最終の面接とはどう違うの?」など、気になる点が出てくる就活生も多いでしょう。
そこで今回は、1次面接の特徴と、よく聞かれる質問と回答の例文を詳しく解説します。1次面接で落ちてしまう人の特徴や準備しておきたいことも紹介するので、参考にしてみてください。知識をしっかりとつけて、面接突破を目指しましょう。
<目次>
●1次面接の特徴は?
●1次面接と2次面接・最終面接との違い
●1次面接でよく聞かれる質問と回答例
●1次面接で落ちる人の特徴
●1次面接に向けて準備しておきたいこと
●まとめ
1次面接の特徴は?
1次面接の特徴をつかむために、就職活動の選考で行われる基本的な情報を整理しましょう。目的や面接形式、面接官について詳しく見ていきます。
目的
1次面接は書類選考を通過した応募者を絞り込み、2次面接へとつなげるための面接です。書類選考を行った後に1次面接へと進み、その後、二次、三次……と面接が実施されます。1次面接は最初の段階の絞り込みであるため、いきなり厳しい評価基準でふるいにかけられるとは考えにくいものです。選考基準は企業により異なるため一概には言えませんが、1次面接の参加者数は多く、企業側が一人一人をよく確認することは難しいといえるでしょう。
そのため、「基本的なマナーや立ち振る舞い、コミュニケーション能力、身だしなみなどがきちんとできているか」という点が1次面接の評価基準となることが考えられます。
面接官
多くの場合、就活における1次面接では人事部の採用担当や、現場でマネジメントを担うリーダーポジションの社員が面接官を務めます。よほど少人数の企業でない限りは、1次面接からいきなり役員や社長クラスと対面することはまずありません。
1次面接はまだ候補者を絞り込むという段階です。採用担当者は、自社が社員を採用する上で重視することや企業理念を基に、マッチ度が高いと思われる応募者を絞り込んでいきます。
1次面接を経て2次面接、最終面接へと段階が進むと、最終的には社長や役員を含めた経営陣と対面するケースが多くみられます。
形式
1次面接の形式は企業によって異なるため、必ずしも「◯◯形式で行われる」とはいえませんが、応募人数が多いため、集団面接やWeb面接の形式が取られることも少なくありません。特に、近年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、非対面でスムーズに行えるWeb面接を取り入れる企業が増えています。
しかし、これはあくまでも傾向であり、ベンチャー企業や中小企業などは最初から個人面接が行われるケースもあります。1次面接ではどのような形式にも対応できるよう、いくつかの形式があることを覚えておきましょう。
1次面接の通過率
1次面接の通過率が高いか低いかは、企業によって大きなばらつきがあります。専門性を求めない企業で人手不足の企業は、1次面接の通過率が高いという特徴があります。一方で、1次面接通過率が20%と低い企業もあるため、決して気を抜ける面接ではありません。通過率が低い企業は、少数精鋭で一人一人に高いスキルを求めているという特徴があります。
1次面接と2次面接・最終面接との違い
1次面接と、2次面接・最終面接の違いはどこにあるのでしょうか。企業は、2次面接、最終面接と段階が進むにつれて、より自社にあった人材を絞り込んでいくのは間違いありません。
華々しい経歴や学歴、優秀なスキルを持っていても、社風に合う人材でなければ内定獲得は難しいといえます。企業はそれぞれのアピールポイントや入社意欲をチェックしつつ、最終的には企業理念や社風にマッチするかどうかを見ています。
1次面接では、基本的なマナーや身だしなみ、コミュニケーション能力などが主な評価基準ですが、2次面接以降は、社風とのマッチ度や本人の志望度がより重要なポイントです。
1次面接でよく聞かれる質問と回答例
1次面接は、その企業で初めて受ける面接で、人によっては就活の面接そのものが初めてというケースもあるかもしれません。想定外の質問でさらに緊張してしまうことがないように準備しておきたいものです。
ここからは、1次面接を突破するためにチェックしておきたい質問例と回答例を見ていきます。参考にして、しっかりとした受け答えができるよう心掛けましょう。
自己紹介をしてください
面接官から自己紹介を求められた場合、意識すべきポイントは次の2つです。
・学校名/学部/名前などの基本的な情報をはっきりと伝える
・簡単な自己PRを加えて締める
自己PRは、自己紹介とは別で質問される可能性も高いため、軽く触れる程度にしておきましょう。学生生活で力を入れてきたことや自負している長所、趣味などを基にアピールをするのが効果的です。
【例文】
◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。大学ではIT活用と経営をテーマに研究をしています。イベントスタッフとして4年間アルバイトを続けているため、コミュニケーションスキルには自信があります。アルバイトで培った経験を生かせるのではないかと考え、今回は御社の販売職を志望いたしました。本日はよろしくお願いいたします。
1分で自己PRをしてください
1次面接では、簡単に自己紹介を行った後に、自己PRを求められる場合もあります。回答するときは、最初に伝えた自己紹介の内容と丸被りにならないように注意しましょう。
また、1次面接は2次面接や最終面接と違って、アピールの内容を深掘りすることはあまりありません。そのため、長くなりすぎないように注意しましょう。
「1分で」と言われた場合、1分きっかりで終わらないといけないわけではありませんが、あまりにも長かったり、短かったりすると評価が低くなる可能性があるため、時間を調整しましょう。
【例文】
私は考え方が柔軟であることを、自分自身の強みと考えています。大学生活の中では、国際交流のボランティアを通じてさまざまな国の留学生と接してきたため、異なる文化に触れる機会も多く、非常に刺激を受けました。私自身、最初は「常識ではこうあるべきだ」といった考え方が強く、どちらかといえば偏見も強い方でした。
しかし、留学生と接する中で、いろいろな考え方や価値観があることを知り、自分自身の考えのみに固執していることはもったいないと考えるようになりました。以降は、異なる価値観に触れて、自分の考えに取り入れることに喜びを感じています。そのような柔軟性と好奇心を、社会人になってからも大切にしていきたいと思っています。
学生時代に力を入れたことは何ですか
就活の1次面接では、学生時代に頑張ったことを聞く企業も多くみられます。回答のポイントは、「いろいろなことを頑張りました」「何事にも力を入れて取り組みました」といったような曖昧な伝え方を避けることです。
伝えるときには、具体的なエピソードを盛り込みます。エピソードが志望動機や自己PRにつながるものであればより良いでしょう。
【例文】
私は、学生時代にアウトドアサークルに所属しておりました。アウトドアサークルは、私と友人の2人で1から立ち上げたサークルであったため、メンバーを増やしてサークルを盛り上げることに、学生時代はとにかく尽力してきました。登山やキャンプが趣味なのですが、入学時に登山やキャンプができるようなサークルがなかったため、思い切ってサークルの立ち上げを決意した経緯があります。
メンバーを集めて1つの団体を作り上げることは、最初の想定よりも非常に難しかったのですが、同時に達成感のあるものでした。自分たちで1から企画したサークルの計画やイベントが成功に終わったときは、大きなやりがいを感じたことを覚えています。そのため、御社が理念として掲げている「ワンチームを作る」という価値観に大変共感しており、そのチームの一員になれたときには、積極的にチーム作りに貢献していきたいと考えています。
志望動機を聞かせてください
就活の1次面接で志望動機を伝えるときは、より多くのことをアピールする必要はありません。しかし、他社ではないその企業を選んだ明確な理由を伝えることが重要です。
志望動機が定まっていなかったり一貫性がなかったりすると、1次面接の段階で落ちてしまう恐れがあります。自己紹介や自己PRの内容と絡ませながら伝えることも、積極的に意識したい大事なポイントの1つです。
【例文】
私はアルバイトで培ったコミュニケーション能力に自信があるため、社会人になってからは、人と積極的にかかわる仕事がしたいと考えていました。御社はお客様・従業員問わず、関わる全ての人とコミュニケーションを取りながら、商品・サービスの向上につなげていくことを理念としていると伺いました。
私自身も、人の交流のないところにはよいアイデアは生まれないと考えているため、御社の価値観には非常に共感しております。アルバイトを通じて鍛えたコミュニケーション能力を生かして、積極的に業務に従事したいと思っています。
最後に質問はありますか
就職活動の面接では、1次面接から「逆質問」を求められることもあります。逆質問でNGなのは、「質問はありますか」と聞かれて「特にありません」「大丈夫です」と答えて話を終えてしまうことです。
せっかくの質問の機会であるにもかかわらず、「ありません」と答えると、「そこまで当社に興味があるわけではないのかな」と判断されてしまう可能性があります。また、企業研究や業界への理解が足りないとして、マイナス評価につながる恐れもあります。1次面接における逆質問では、入社意欲・熱意を同時に伝えられる質問が好ましいでしょう。
【例文】
・若手社員には、どのようなスキルを求めていますか
・入社までに勉強しておくと良いことを教えてください
・入社後に活躍している先輩方の共通点を聞かせていただけますか
・御社の立ち上げた新プロジェクトに興味を持っているのですが、どのような経緯で立ち上がったプロジェクトなのでしょうか
1次面接で落ちる人の特徴
就活の1次面接で落ちてしまう人には、一体どのような共通点があるのでしょうか。事前に避けるべき特徴を把握しておくことは、面接対策に役立ちます。ここでは、1次面接で落ちてしまう人の特徴や傾向、共通点などを解説します。
マナーや身だしなみができていない
就活の1次面接では、マナーや身だしなみなどの基本的な部分を見られる傾向にあります。最初だからこそ、基本的な部分ができていない人は不合格になりやすいといえます。分かりやすくいえば、本人のアピールポイントなどを掘り下げる以前の問題ということです。
具体的には、言葉遣いや敬語の使い方、あいさつ、清潔感のある身だしなみに気を付けましょう。敬語が正しく使えていない、時折、ため口になってしまうなどの癖があると、落ちる要因になります。特に、敬語は二重敬語を使う・尊敬語と謙譲語を混同するなどの間違いをしがちであるため、就活のときには改めて敬語の使い方の見直しが必要です。
また、身だしなみが整っていないと、思っている以上に目立つことがあります。身につけているスーツやシャツにはシワや汚れがないように、こまめな手入れを心がけましょう。
コミュニケーションの基礎力がない
コミュニケーションの基礎がなっていない人も注意が必要です。会話のキャッチボールができず、自分の言いたいことを一方的にしゃべるなどの行動を取ると、マイナス評価につながってしまいます。
発言するときには、相手の目をしっかりと見て話すことも大切です。緊張すると下を向いたり目線が泳いだりしがちですが、癖にならないように注意しましょう。また、あらかじめ準備してきたとはいえ、面接官との会話の中では、丸暗記した原稿をそのまま話さないよう気を付けましょう。
企業研究や自己分析をしていない
企業研究や自己分析が不足していることが原因で、1次面接で落ちてしまうケースも少なくありません。単純に準備不足であることが見て取れるため、面接官からの印象はよくありません。
反対に、企業研究や自己分析がしっかりできており、より具体的なことに触れて話す学生には、多くの面接官がよい印象を持つものです。入社したいという強い熱意が伝わるため、高い評価につながる可能性があります。
1次面接に向けて準備しておきたいこと
ここからは、1次面接突破に向けて準備しておきたいことを解説していきます。1次面接をクリアするには、ある程度準備を重ねておくことが大切です。
3つのポイントを押さえて、自信と余裕をもって1次面接に臨みましょう。
(1)自己分析をする
1次面接の中で自己紹介や自己PRをするにあたって、より具体的に話せるようにするには、自己分析が欠かせません。自分はどのようなビジョンを持っていて、これまで何を頑張ってきたのか、自分自身と向き合って分析する時間を十分に取るようにしましょう。自分の作成した履歴書やエントリーシート(ES)を読み返してみるのもおすすめです。
なお、1次面接は形式的に進むことが多いため、答えたことに対して質問されることは少ない傾向にあります。だからこそ、深みのある自己PRができれば、他の応募者との差を付けやすいといえるでしょう。面接官に、あなたの人柄や仕事で発揮できるアピールポイントを理解してもらうためには、どう伝えればよいのか考えながら、しっかりと自己分析を行うことが大切です。
(2)企業研究を怠らない
1次面接突破を目指すなら、企業研究も怠らないようにしましょう。企業研究とはそのままの意味で、応募する企業について勉強し、その企業のことをよく知ることを指します。企業研究を重ねれば、企業理念やコンセプト、事業内容がよく見えてくるため、自分自身となぜマッチするのかという点においてアピールしやすくなります。
また、「他社ではなく、なぜその企業なのか」を明確に伝えるためにも企業研究は欠かせません。他社と差別化できるポイントを見極めた上で、どのような点に魅力を感じているのかをアピールしましょう。
(3)簡潔に話す練習をする
面接では、緊張からつい、だらだらとしゃべってしまうことがあります。それにより、まとまりがなくなり、結局何が言いたいのか分からなくなることも少なくありません。1次面接に臨むときは、言いたいことを簡潔に伝える練習を重ねて、面接力を高めていきましょう。
今後、2次面接、最終面接と段階が進めば、さらに具体的なことを伝えていかなければなりません。簡潔にまとめて話す力は、ますます求められます。結論からぶれないこと、余計な話をしないことを意識しましょう。
まとめ
1次面接突破を目指すには、まず1次面接について理解を深めることが重要です。どのような形式で行われるのか、どのような立場の人が面接官になるのかなど、基本的なことを理解した上で質問に備えていきましょう。
質問の回答を用意するときは、簡潔にまとめて話すことを意識することが大切です。1次面接を無事に突破するためにも、就活生のための情報サイト、ワンキャリアに登録してみませんか。ワンキャリアに登録すると、企業の過去の選考情報などを無料でチェックできます。あなたが志望する企業の情報を収集して、就職活動に役立てましょう。
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