こんにちは、2020年卒のドンドコマン(@dondocoman)です。
世渡り上手な学生の既得権益である「上っ面の就活ライフハック」を市場に流出させるため、ワンキャリアで記事を書かせていただいています。
▼前回記事はこちら
・ガクチカが「低分子化アルギン酸ナトリウムの研究」なんですが、総合商社に受かりますか?
今回紹介するのは、他社の選考状況の伝え方に関するライフハックです。
「他社さん、どこ受けてるの?」「今、内定出したらどうする?」
最終面接に近づくにつれて、このような質問をされる機会が増えてくると思います。
「内定辞退率」をKPIにしているような企業もあり、人事は内定承諾者数を確保するのに必死。あなたが確実に入社するかどうかを見極めようとしています。
ミーハーな学生は、「入社したいと思う有名企業を片っ端から受け、内定の出た一番良いところに行く」という心づもりであることも多いでしょう。安心してください、私もそうでした。
そんな学生は、人事から志望度を探る質問をされたとき、どうすれば良いのでしょうか。今回は、人事に他社の選考状況を伝える方法を考察していきたいと思います。
<目次>
●業種をまたいだ他社の情報は隠せ
●早期に獲得したベンチャー・外資系の内定は「押さえだった」ことにせよ
●最もアピールすべきは競合他社の内定
●就活は正直者がバカを見る世界?
業種をまたいだ他社の情報は隠せ
ミーハーはさまざまな業界を渡り歩きますよね。総合商社、金融、デベロッパー、広告代理店、コンサルティング。
社会人経験のない学生が志望業界を1つに絞るのは難しいですし、全く問題のない考えです。ただ、「なぜそこ受けているの? うちと全然違うけど」というパンチを上手にかわすのはとても難しいというのも事実。
「自分は業界に縛られない就活の軸を持っている」という学生もいるかもしれません。
ですが、全ての会社を内包するような抽象的な就活の軸は、説得力に欠けることは否めません。
「社会貢献がしたい」「人から感謝されるような仕事を」「多くの関係者を巻き込みたい」
どれもなんとなく薄っぺらい感じがしますよねw
これはあくまでも1つの戦略として聞いてほしいのですが、私は、業種をまたいだ他社の選考情報は隠すことをおすすめします。
面接官にとって、「ミーハーの本音」よりも「シャープな建前」の方に説得力を感じるのは当然です。
前述のとおり、興味があって多くの業界を見て回ることは何ら悪いことではありません。まずは視野を広げ、最終的に企業を絞っていけば良い。ただ、その過程を全て人事に見せてしまう必要はないのです。
早期に獲得したベンチャー・外資系の内定は「押さえだった」ことにせよ
多くの日系大企業の面接は6月から始まりますが、そこにベンチャーや外資系企業の内定を持って臨む学生も多いでしょう。
他社の内定を持っていることは、少なからず客観的な評価を得ている証左でもあるので、アピールにつながる場合もあります。
ただし、そのアピールは同時に「内定を出したところで、蹴られてしまうのではないか」という考えを喚起することはほぼ間違いありません。このような懸念は払拭(ふっしょく)しておくのが得策です。
「今内定を持っている企業は、第一志望である御社の選考の準備で受けていた」と説明するのが良いでしょう。
企業側もコントロールしにくい「6月に面接解禁」というルールについて皮肉を交えて話しつつ、「練習のつもりが、図らずも内定を取ってしまった感」を醸し出せれば、あなたの有能さと御社への忠誠を感じさせられるのではないでしょうか。
しかし、当然ながら、どんな企業の内定でもアピールにつながるわけではありません。
私が得た情報では、1st tierの総合商社の選考で、1st tierの戦略コンサルの内定が有利にはたらいたとのこと。トップ企業の選考で優遇されるためには、他業界のトップ企業の内定を持っている必要があるかもしれません。
最もアピールすべきは競合他社の内定
6月から面接がスタートして、短期間での選考レースは熾烈(しれつ)を極めます。早いところでは1日や2日で内定が出るでしょう。
6月初旬は戦略的なスケジューリングが求められるというは、こちらの記事に書きました。
選考の際、学生側が志望度の高さを示すための最も強い武器が、「競合他社の内定」です。
「三菱商事の内定を持っているのに、三井物産の最終面接に来た」
この事実が、あらゆる志望動機を凌駕(りょうが)して、御社への忠誠心の高さを想起させます。
早めに内定が出て、かつその競合の内定が欲しい場合は、迷わずこのカードを切りましょう。私の独自の調査だと、3大総合商社、2大デベロッパー、電博、3大酒類メーカー、2大印刷、5大ゼネコンなどで、この傾向がみられました。
たとえ内定がなくとも、選考が進んでいることを伝えるだけでも意味があります。
そして、もし「今内定出したらどうする?」と言われれば、迷わずこう答えましょう。
「他社は辞退して内定承諾させていただきます」
就活は正直者がバカを見る世界?
就活は、建前と本音をうまく使い分けられる学生の方が、結果が出やすいという節があります。
「私の取りえは正直さ。面接でも全ての質問に嘘(うそ)偽りなく答えたい」
このような方も多くいらっしゃると思います。すてきな心構えですし、その誠実な姿勢にリスペクトを送ります。
ただ、あなたの誠実さが、人事にとって必ずしも評価できるポイントではないことに留意してください。内定辞退率を気にする人事からすれば、あなたの正直な言葉が印象を下げてしまう可能性は大いにあるのです。
「常に正直でいる」というご自身のモットーをこの期間だけ譲り、建前を少しだけうまく伝えることはできないか、自分の胸に手を当てて考えていただきたいと思います。
以上、ドンドコマンでした。
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(Photo:Prostock-studio , Edward Fielding /Shutterstock.com)
※こちらは2019年12月に公開された記事の再掲です。