こんにちは、ワンキャリ編集部です。
今回は、就活生が抱く漠然とした不安を解決すべく、「グループディスカッションの基本的な進め方・タイプ別対策法」などをまとめました。
就活の選考では定番のグループディスカッション(GD)ですが、企業の面接官が注意している評価ポイントはグループディスカッション(GD)の種類によって異なります。
それぞれに合わせたグループディスカッション(GD)対策法や、知っておきたいグループ内での役割などを解説します。
<目次>
●グループディスカッション(GD)とは? 時間や共通の流れ
●企業がグループディスカッション(GD)を行う理由と評価基準
●グループディスカッション(GD)の大まかな進め方
●グループディスカッション(GD)の役割4種類
●グループディスカッション(GD)のテーマは5種類、個別の対策が不可欠
・1. 抽象的テーマ型グループディスカッション(GD)対策のコツ
・2. 課題解決型グループディスカッション(GD)対策のコツ
・3. 資料分析型グループディスカッション(GD)対策のコツ
・4. ディベート型グループディスカッション(GD)対策のコツ
・5. その他(フェルミ推定型/ケーススタディ型)の対策法
●まとめ:グループディスカッション(GD)はテーマ別対策が最大のコツ
●グループディスカッション(GD)対策におすすめの記事
グループディスカッション(GD)とは? 時間や共通の流れ
グループディスカッション(GD)とは、就職活動で一般的に行われている選考です。もちろん、新卒採用の選考の1つとして行っている企業も少なくありません。人数が少ない場合は3人、多い場合は10名程度の学生が1つのテーマについて集団でディスカッションを行い、30分〜1時間程度で結論を導き出します。さらに場合によっては、その結論の発表を行います。
最後にグループで導き出した結論を発表する時間がある場合もあり、その際はグループ内の発表者が発表内容をまとめ、発表します。
企業がグループディスカッション(GD)を行う理由と評価基準
グループディスカッション(GD)はなぜ一般的に選考で行われるのでしょうか。これは企業側から考えると2つのメリットがあるからだといえます。
その1:短時間で大量の学生を選考できる
グループディスカッション(GD)は時間あたりに選考できる学生の人数が多いため、短時間で多くの学生を選考できるメリットがあります。このためグループディスカッション(GD)は選考の序盤で採用されることが多いのです。
その2:協調性など、チームでのやりとりや役割が見られる
選考は基本的に1対1の面接が主であり、協調性をはじめとするチームワークに関わる要素は測りにくいものです。こうした面接の欠点を補い、学生のチームワークをチェックできるのがグループディスカッション(GD)なのです。
このような理由から多くの企業の選考でグループディスカッション(GD)が採用されています。よってグループディスカッション(GD)を行う際にはただ記憶に残ることや面白いことを発言するだけでなく、上記の2点を評価されていることを意識して選考に挑むべきでしょう。
グループディスカッション(GD)の大まかな進め方
大まかにグループディスカッション(GD)には次の4つのフローが存在します。
課題・目的の設定
グループワークの目的を設定し、話すべきテーマを決めます。課題に対して適切な目的を決めて行いましょう。
問題の解決策の検証
設定した目的を達成するためにはどうすればいいか検討、議論します。アイデアについて発言した後は、アイデアが正しい理由を説明しましょう。なるべく数字や事実を並べ、一人よがりな意見ではないことを伝えましょう。
結論を出す
自分の意見や他の人の意見をまとめ、最終的にグループとしての結論を出します。
発表
最後にグループで導き出した結論を発表する時間がある場合もあり、その際はグループ内の発表者が発表内容をまとめ、発表します。
次に、知っておきたい役割をご紹介いたします。
グループディスカッション(GD)の役割4種類
印象に残りやすい役割であるリーダー
チームをまとめ、時間が決められている中で、チーム一人ひとりの意見を聞きながら、みんなが納得できる答えを導く役割です。チームをまとめ、議論を前へと進めていくリーダーシップと同時に、発言の少ない人に意見を求めるなどといった、協調性やコミュニケーション能力がアピールできます。
ただし、印象に残りやすい役割であるため、独り善がりな態度を取ると、評価が下げられやすくなるデメリットもあります。
時間内に結論を出すために必要なタイムキーパー
グループワークを進める前提には「時間内に何かしらの結論を出す」という不文律があります。実際のビジネスの現場でも、限られた時間内で結論を出すことが求められる場面が多々あります。このような場面でも成果を出す必要があるため、グループワークも必然的に時間内に成果を出す必要があります。
そのためグループワークでは、時間が経過しないように管理する「タイムキーパー」が必要です。グループ全体の進捗(しんちょく)状況を確認しながら、議論の進め方や時間配分を考え、時間を無駄に使うことのないよう導いていきましょう。
実は評価されにくい司会(ファシリテーター)・書記
インターンや早期選考、セミナーなどでグループワークを何度か行った人は司会・書記といった役割について聞いた経験があると思います。
しかし、グループディスカッション(GD)の選考を突破することを考えると、これらの役割は不利になりがちです。なぜならグループディスカッション(GD)の目的は「協調性」「リーダーシップ」などのチームへの貢献であり、これらの役職は本番ではチームへの貢献に必要ではないからです。
例えば、書記の人しかメモを取ることが許されない状況はGDにあるでしょうか? また、司会が指名した人しか発言できないGDがあるでしょうか?
本質的に選考に無意味な部分で時間を使うよりも、建設的な意見を述べることに全力を注ぎましょう。
絶対になりたくないのはクラッシャー
選考のグループワークには時々クラッシャーと呼ばれる人がいます。自分の議論を押し通す、人の意見を聞かない、テーマ自体を否定するなどの行動によって、グループディスカッション(GD)を文字通り壊す学生です。このような学生と選考で出会った際の対処法はどうすればいいのでしょうか。具体的には次のような対策を意識しましょう。【クラッシャー対策:議論の目的を整理した上で、話を変える】
明確にチームに悪影響を与えている人だとしても、頭ごなしに否定しては自分の評価も下げてしまいます。評価を下げずにクラッシャーに対処するためには、一度相手の話を聞き、目的と異なる話になっていることを説明しましょう。その後に議論のテーマをもとに戻すことで、被害を最小限に抑えることができます。
ポイントは「自分の話は議論の目的にかなっている」ことを説明することです。クラッシャーがグループディスカッション(GD)にいたとしても落ち着いて対処することをおすすめします。
役割がない人だってメンバーの一人
リーダーやタイムキーパーといった役割がない人も、議論に積極的に参加する姿勢を見せることはもちろん、頭ごなしに人の意見を否定しない、意見を述べている人への相づちなど、全員が意見を言いやすい環境や雰囲気作りに協力することが大切です。なぜなら、グループディスカッションでは面接官が学生の対人コミュニケーション能力を容易に評価しやすく、周りへの振る舞いはもちろんのこと、話し合いに積極的に参加しているかを見ている可能性も高いからです。
自由な話し合いができることも多いですが、チームのメンバーである意識を持ち、活発な議論をし、全員が一緒にゴールへと向かって進んでいきましょう。
それでは次から、具体的にグループディスカッション(GD)のタイプを分類し、その対策方法や具体例などを見ていきます。
グループディスカッション(GD)のテーマは5種類、個別の対策が不可欠
グループディスカッション(GD)は大きく分けて、以下の5タイプに分けられ、進め方も変わってきます。
1. 抽象的テーマ型グループディスカッション(GD)
2. 課題解決型グループディスカッション(GD)
3. 資料分析型グループディスカッション(GD)
4. ディベート型グループディスカッション(GD)
5. その他(フェルミ推定型/ケーススタディ型)
これらは全て面接官が注意する箇所、評価するポイントが異なるため、それぞれの種類に合わせた対策を行うことが重要です。複数のグループディスカッション(GD)に参加し、場数を踏むことも必要ですが、一知識としてグループディスカッション(GD)を把握し、苦手意識をなくしましょう。
本記事は、主に2016年卒〜2023年卒の受験者からの情報を元に、大手人気企業のグループディスカッション(GD)のテーマを参考にして解説します(※1)。
(※1)……企業によりインターンシップ選考の内容も含みます。今年度も同様の形式で出題されることを保証するものではありません。ご注意ください。
1. 抽象的テーマ型グループディスカッション(GD)対策のコツ
抽象的なテーマを議題に学生が1つの答えを出すタイプのグループディスカッション(GD)です。テーマが抽象的で誰しもが自分の意見を持ちやすいからか、それぞれの意見が交錯し答えが出ずに終わる、なんてことが頻発しがちなのがこのタイプです。
医療機器メーカー世界最大手のジョンソン・エンド・ジョンソンの例を挙げて解説します。
【テーマ:「オリンピックで4個目のメダルがあるとしたら何色か?】
このグループディスカッション(GD)の対策:意見からではなく、条件から議論する
このグループディスカッション(GD)におけるポイントは、「定義付け→1つの結論を出す」という流れを意識することです。
誰でもすぐに意見が言えるテーマなので、「一人一人が意見を言って、議論していこう」という進め方になってしまいがちですが、これは絶対にNGです。なぜなら個人の価値観はそれぞれ違うため、一定の基準を設けない限り、一致することはないからです。まず、相手を理解することも必要とされます。
この場合は、「4個目のメダルは誰に? なんのために?」というように条件付けることから始めましょう。単純に「順位が4番目だった選手にあげるメダル」にすることの他に、スポーツマンシップをたたえる「敢闘賞の意味を持ったメダル」にすることも考えられます。そのため、まず「定義付け」を行いましょう。
定義となりうる基準が決まった後は、その中から1つを基準として選び、色を決めるプロセスに移りましょう。時間が迫っていたとしても、絶対に基準に沿った結論は出してください。グループディスカッション(GD)において、「結論がない」ことは議論できていない証拠です。必ず結論は出しましょう。
抽象的なテーマであることからも分かるように、この手のグループディスカッション(GD)で見られているのは「結果」ではなく「過程」です。「定義付け → 1つの結論」のように構造化して伝え、この流れを常に意識し優秀さや思考力をアピールしましょう。
考察:人柄重視のグループディスカッション(GD)
選考突破のカギは「円滑なコミュニケーション」。このような抽象的テーマ型のグループディスカッション(GD)は、20〜30分という短時間で多くの人を評価する場合に使われることが多いです。資料読取型のグループディスカッション(GD)よりも短時間で多くの人を見極められるからです。人柄を評価ポイントとして重視する企業が、「学生を見た上で決めたい。多くの学生と会いたいけれども、時間はない」という場合によく用いられます。能力面よりも、人柄面をみているケースが多く、「円滑なコミュニケーションが取れているか」が他のグループディスカッション(GD)よりも見られている傾向にあるといえます(※2)。
(※2)……グループディスカッション(GD)で見られているポイントは企業によって異なります。個別の企業で探したい方は、選考対策ページを参照してください。
このグループディスカッション(GD)から読み取れる意図:ジョンソン・エンド・ジョンソンの場合
ジョンソン・エンド・ジョンソンのGDでは「東京オリンピックの開会式を盛り上げるためにすべきことは」「インクの切れたボールペンの有効活用」など、漠然としたお題が課されることがあります。
同じ時間帯でもグループによってお題が異なるため、どう振る舞えばよいか悩んでしまう人もいるかと思いますが、参加学生が人事から聞いた話によると「初めに議論の枠組みを作れているか」「時間管理ができているか」が特に見られているようです。
実際、時間が限られる医者への営業が業務のメインとなるので、時間管理の優先順位を高くする意識が重要です。
また、Our Credo(※3)の1つである「一人ひとりの尊重と配慮」も評価されています。自分の意見に固執せず、自分と異なる意見のメンバーの発言にも配慮するよう意識しましょう。
(※3)参考:ジョンソン・エンド・ジョンソン「『我が信条(Our Credo)』 にまつわるエピソード」
ジョンソン・エンド・ジョンソンに関する詳しい選考対策は下記の選考対策ページを参照してください。(閲覧には無料の会員登録が必要です)
ジョンソン・エンド・ジョンソン
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抽象的テーマ型グループディスカッション(GD)の具体的なテーマ例
実際に「抽象的テーマ型グループディスカッション(GD)」で出題されたテーマは以下の通りです。
・2枚の写真から1枚選び、ジョンソン・エンド・ジョンソンの営業としてできることを提案せよ
・「リーダーシップ像」について
・東京オリンピックに向けてあるメーカーの取れる戦略を挙げよ
・TBSの強みは何か
・日本の抱える社会問題を解決せよ
・AI(人工知能)によってわれわれの生活はどう変わるか
・日本はカジノを導入するべきか
・日本人をもっと投資させるにはどのような施策が必要か
・SMBC日興証券の企業説明会にて、いかに学生に魅力的に企業を伝えればいいか
・20年後消える職業の中で最もインパクトの大きなものは何か
・何度も日本を訪れたことがある外国人の友達がいたとして、日本の新たな魅力を紹介するためには何を紹介しますか
・10年後の不動産について
抽象的テーマ型グループディスカッション(GD)を採用している企業例
以下のリンクから各社のグループディスカッション(GD)のテーマや選考突破の秘訣(ひけつ)を見ることができます。
※選考対策ページは会員限定メニューです:新規会員登録(無料)はこちら
・ジョンソン・エンド・ジョンソン|Manufacture職2022年卒本選考のGD
・TBSテレビ|一般職2021年卒本選考のGD
・フリークアウト・ホールディングス|ビジネス職2022年卒本選考のGD
2. 課題解決型グループディスカッション(GD)対策のコツ
与えられた課題について、解決策を提示することを目的としたタイプのグループディスカッション(GD)です。簡単な資料がある場合とない場合があります。よく出題されるテーマは、以下の3種類です。
「企業に関連するテーマ」
「時事に関するテーマ(ex:老人用SNSを普及させるには?)」
「なじみのないテーマ」
今回は、広告業界最大手の電通を例に「なじみのないテーマ」について解説します。
【テーマ:ルーミート(カンガルーの肉)を話題にする方法を考えてください】
このグループディスカッション(GD)の対策:必要とされているのは、実現可能なアイデア
このグループディスカッション(GD)で大切なのは「定義付け→現状分析」という流れを意識して進めることです。最初に「話題になる」とはなんなのかを定義付けてから現状分析に移りましょう。いきなりビジネスプランを考えたところで、それが本当に妥当なのかどうか根拠がなければ意味がありません。「そもそも話題になるってなんなの?」を定義しないと、議論が交錯することは必至です。漠然とでもいいので、「話題になる」を定義して現状を分析し、その現状を生じさせている原因を考え、議論しましょう。
ここでは、「話題になる」を「流行に敏感な20代女子の10分の1がルーミートとは何かを答えられる状況になる」と定義付けしたとし、現状の洗い出しを行いましょう。
現状:
・ルーミートを置いている店が少ない
・ルーミートとは健康食品として海外で注目されている
・ルーミートは値段が高い
このように現状を洗い出したらその原因を考えましょう。原因を突き止めた後に必要なのが、最終的に「あるべき姿」を思い描くことです。
課題が見つかったからと、そのままそれを解決する施策を考える段階に入ってはいけません。最終地点を思い描いて、そのために必要な施策を考えましょう。課題が判明したら、この現状が最終的に「どうあるべきなのか?」を考えましょう。
一番大切なのは、実現の可能性は考えずに発言し、アイデアを出せるだけ出すこと。アイデア出しの段階で、かなり具体的な部分にまで踏みこみ、発言が減ったり周囲の発言を否定したりする学生がよく見られますが、この段階で詳細や、実現不可能かどうかを考えていると議論が広がりません。一通りアイデアを出した上で「それはどうすれば実現できるのか?」を考え、実現が難しそうなアイデアを切り捨てるという進め方を意識しましょう。そうして、実現の可能性が一番高い1つのアイデアに絞り、詳細を議論しましょう。
別途注意すべき対策ポイント
資料が与えられないタイプの課題解決型グループディスカッション(GD)では、「納得感のあるアイデア」が採用されやすい傾向にあります。
上記のケースは、事前に1週間のリサーチ期間が与えられているのですが、その間にルーミートを食べに行った上で、「ジビエのような味がしたので、ジビエブームに乗っかれるのではないか」という意見は、納得感があるとみなされたようです。
考察:評価基準は、企業によるが、面接官に納得感を与えられるかが重要
就活で課されやすいグループディスカッション(GD)です。日系のメーカーや、広告といったさまざまな企業がこのグループディスカッション(GD)を採用しています。
時間は、30分未満のものから1時間を超える長丁場のものまでさまざまです。見ているポイントも、企業によってさまざまなので、個別に選考対策ページを参照した方がよいでしょう。
このグループディスカッション(GD)から読み取れる意図:電通の場合
広告代理店という「クリエイティブ」のイメージが強い職業であっても、物事を構造立てて考える力が求められていることが推察できます。
とはいえ、さすが広告代理店というべきか、聞いただけでは何なのかも分からない「ルーミート」がテーマです。既に触れましたが、このグループディスカッション(GD)は、1週間前に学生にテーマが知らされます。つまり、リサーチをする時間が与えられるのです。上述の通り、選考ではこの間に「実際にルーミートを事前に食べにいった学生」が高評価を受けたそうです。営業を強みとしている電通において、行動力を示した学生が評価されたということでしょう。
また、解決策自体は普通のものだったグループでも、最後まで諦めずに考えた学生は評価されていました。電通の激務かつ、長時間労働の必要とされる環境に適性があるかということを見極めたのでしょう。1時間という長いグループディスカッション(GD)の中で、「最後まで粘ることができるか、考え続ける力があるか」という点が評価されたのだと思います。
電通に関する詳しい選考対策は下記の選考対策ページを参照してください。(閲覧には無料の会員登録が必要です)
電通
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課題解決型グループディスカッション(GD)の具体的なテーマ例
実際に「課題解決型グループディスカッション(GD)」で出題されたテーマは以下の通りです。
・iPhoneの売り上げを伸ばすには?
・都心のクリーニングチェーンの売上を向上させるには?
・百貨店の売り上げを伸ばすには?
・マクドナルド1店舗当たりの1年間の売上を推定し、20%の売上増加のための施策を考えよ
・ITを使って架空の塾の生徒数を増やすための提案をしてください
・日本でキャッシュレス決済を普及させるには
・お気に入りの雨傘を使いたくなる施策を考える
・東京のビジネスホテルの売り上げを伸ばすには
・サブウェイの売上を3年で1.3倍にする施策を考えよ
課題解決型のグループディスカッション(GD)を採用している企業例
以下のリンクから各社のグループディスカッション(GD)テーマや選考突破の秘訣を見ることができます。
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・日本IBM|戦略コンサルタント職2024年卒本選考のGD
・アクセンチュア|戦略コンサルタント職2024年卒インターンのGD
・電通|総合職2023年卒本選考のGD
・ドリームインキュベータ|ビジネスプロデューサー2024年卒インターンのGD
・ローランド・ベルガー|経営コンサルタント2024年卒インターンシップ
3. 資料分析型グループディスカッション(GD)対策のコツ
与えられた資料を読み解き、最善と思われる解決策を提示するグループディスカッション(GD)です。
課題の解決という点で、課題解決型グループディスカッション(GD)と似ていますが、意見の根拠が資料、または資料から類推された事実に限るという点がポイントです。事実ベースで議論を進めなければならず、グループディスカッション(GD)を始める前に、個人ワークの時間が設けられる場合もあります。
以下の例を参考に解説します。
【テーマ:歯磨き粉の新商品投入戦略(資料あり)】
このグループディスカッション(GD)の対策:人柄以上に、能力が見られている
このタイプのグループディスカッション(GD)は長丁場の勝負となることが多いです。「前提確認→現状分析→原因特定→アイデア出し→アイデア吟味→結論」という進め方を進めましょう。この6つのプロセスのうち、どれか1つでも抜けているとマイナス評価につながる可能性があります。
このグループディスカッション(GD)のポイントは、資料、または資料から類推されうることをベースとした意見が求められることです。
課題解決型グループディスカッション(GD)の場合は、現状を見渡して、「納得感」のある意見を言うことが評価されますが、このタイプのグループディスカッション(GD)では資料から読み取れる内容を根拠に議論を進めていなければいけません。
コミュニケーション能力や、態度などの「人柄」以上に、論理的な思考能力、仮説構築力といった「能力」が見られているグループディスカッション(GD)だといえるでしょう。
例えば、このテーマの場合、以下のような意見を言うことができるかもしれません。
「高齢者人口が増加しているので、高齢者にありがちの歯槽膿漏(しそうのうろう)を防ぐ効果の歯磨き粉を開発する。また、歯磨きはお風呂とセットでやることが多いが、風呂上がりに老眼鏡をかけて歯磨きをするのは彼らにとって困難だと推察されるので、歯磨き粉の文字を大きくする」
説得力があるように聞こえるかもしれませんが、高齢者人口のデータや、歯槽膿漏に苦しむ高齢者の割合の多さを示すデータが与えられていない場合にこのような意見を言うことは、「根拠がない」というマイナスの評価につながります。
もし、資料に「歯を丈夫にする効果を持つ歯磨き粉の売り上げは40代を中心に伸びている」、「自社の製品は、小さいサイズの歯磨き粉という部門では成功を収めている」という2つのデータが載っているとすれば、以下のように述べることができれば高評価を得られるでしょう。
「資料から、最近は40代以上の人を中心に、小型の歯磨き粉の売り上げは伸びていること、健康増進を目的とした歯磨き粉の売り上げは伸びていることの2つが読み取れる。ゆえに、歯を丈夫にする効能を持つ小さいサイズの歯磨き粉を開発する。40代という年齢が健康を気にしはじめる年齢であることを考えると、この2つは相反するものでもないと思います」
注意点:「他の選考に比べて結論が見られる傾向あり」
「グループディスカッション(GD)は議論のプロセスを見られている」このような共通認識があると思いますが、資料分析型グループディスカッション(GD)において、この認識は要注意です。資料分析型グループディスカッション(GD)は実際の業務の事例をテーマにするなど、ある種「正解」が存在する場合が多いからです。「結論の妥当性」を見られている場合もあるということを念頭に置いておきましょう。
考察:評価基準は、構造的に物事を捉え、数字ベースで話せるか
このグループディスカッション(GD)を採用している企業として、日系メーカーの日産自動車などが挙げられます。
資料の分量は企業によって違いますが、本格的な読み取りが必要となるため、実施するのに1時間程度は掛かる長丁場の選考です。構造的に物事を捉え、数字ベースで話すことができる人を求めている場合によく使われます。また、資料読み取りの時間が取られている場合と、そうでない場合の2つのケースが見られます。
資料分析型グループディスカッション(GD)の具体的なテーマ例
実際に「資料分析型グループディスカッション(GD)」で出題されたテーマは以下の通りです。
・あるテーマパークの料金を固定にすべきか変動にすべきか
・今年どのような柔軟剤を出すべきか
・DIYショップを新規出店するなら、以下の4つの候補地のうちどれがいいか
・とある街にショッピングセンターの隣に建てるべきものは何か
・インドネシアでの都市開発事業でどのパートナーと組むべきか
・古くからとある写真館では、大手写真屋チェーンによる経営圧迫が問題となっている。経営を立て直す戦略を考えなさい
・とあるファミリーレストランが取るべき経営戦略を考えなさい
資料分析型のグループディスカッション(GD)を採用している企業例
以下のリンクから各社のグループディスカッション(GD)テーマや選考突破の秘訣を見ることができます。
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・三井物産|総合職(担当職)2024年卒のインターンシップ
・野村総合研究所|アプリケーションエンジニア2024年卒インターンのGD
4. ディベート型グループディスカッション(GD)対策のコツ
反対/賛成の立場、または自分に明確な役割が与えられた上でテーマについて議論するグループディスカッション(GD)です。反対/賛成の2つの立場に分かれる場合、資料はありませんが、学生それぞれに異なる役割が与えられた場合は、自分の役割、状況が書かれた資料を渡されるケースが多いです。
食品メーカーである、ネスレ日本を例として説明します。
【テーマ:自分が部長であると仮定し、学校全体の部活予算を最適に配分せよ(ただし、自分の部活になるべく多く部費が回ってくるようにする)】
このグループディスカッション(GD)の対策:自分の立場に優位な基準設定を勝ち取れ
この種類のグループディスカッション(GD)において大切なのは、「初めに判断の基準を作る」ことです。
自分の立場が決められた状態でグループディスカッション(GD)が始まるため、「自己主張の押し付け合い」になりやすい形式です。けんかを避け、議論を成り立たせるため、判断の基準を設定することから始めましょう。
自分の立場が有望な選手を抱えるサッカー部の部長である場合、「学校の地位を上げるかどうか」を基準にすれば、自分の部活に予算を多めに配分するよう主張できます。「サッカーは知名度が高い」「有望な選手が多いので、全国的に有名になる可能性がある」という正当な理由があるからです。
このグループディスカッション(GD)から読み取れる意図:ネスレ日本の場合
ネスレは外資系メーカーには珍しく、総合職の一括採用をとっています。入社後、ジョブローテーションが頻繁に行われることから、いきなり与えた立場に、柔軟に対応できるかどうか見定めているのでしょう。また、資料分析型グループディスカッション(GD)の要素も含まれているので、論理的な議論ができるかも見られているでしょう。
ネスレの詳しい選考対策は下記のネスレ日本の選考対策ページを参照してください。(閲覧には無料の会員登録が必要です)
ネスレ日本
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ディベート型グループディスカッション(GD)具体的なテーマ例
実際に「ディベート型グループディスカッション(GD)」で出題されたテーマは以下の通りです。
・就職活動にエントリーシートは必要か
・就職活動で高学歴は有利となるか
・首都機能を移転させるべきか否か
・お店の24時間営業はあるべきか
・仕事は質か量か
・通年採用か、一括採用かどちらがいいか
・日本はカジノを導入すべきか
・救急車の有料化に賛成か反対か
・日本のリゾート施設は高齢者向けにすべきか
ディベート型のグループディスカッション(GD)を採用している企業例
以下のリンクから各社のグループディスカッション(GD)テーマや選考突破の秘訣を見ることができます。
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・ネスレ日本|事務系職2022年卒のインターンシップ
・伊藤忠商事|総合職2024年卒のインターンシップ
・PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー|コンサルタント職2024年卒本選考のGD
・ドイツ銀行グループ|フィクスト・インカム&カレンシーズ2021年卒本選考のGD
・NTTデータ|SE・コンサル・営業コース2024年卒本選考のGD
5. その他(フェルミ推定型/ケーススタディ型)の対策法
このほかにも、以下のような特殊なケースもあります。
・フェルミ推定型のグループディスカッション(GD)
・説明会の話を踏まえて、社員への逆質問を作成するグループディスカッション(GD)
その他(フェルミ推定型、ケーススタディ型)の具体的なテーマ例
実際に「その他(フェルミ推定型グループディスカッション、ケーススタディ型グループディスカッション)」で出題されたテーマは以下の通りです。
・一人の学生をLVMHに入ってきたお客と見立てた中での商品の売り込み
・クローズアップ現代の冒頭5分をみて、その番組内容についてどう思うか
└視聴した映像に対してディレクターとしてどう思うか、そしてディレクターとして何が大切かについて考える
・当日グループディスカッションで扱いたいテーマを学生が考える形式
└社会人として大切にすべきことは何か
└SNSにいいねの機能が必要かどうか
└ドコモの新規事業はどういうものがいいか
└学校に新しい科目を作るとしたらどのような科目にするか
・ケーススタディ型
└1. 東京駅の利用者数 2. 東京駅に出店するべき店の決定 3. その店の売上
その他(フェルミ推定型/ケーススタディ型)のグループディスカッション(GD)を採用している企業例
以下のリンクから各社のグループディスカッション(GD)テーマや選考突破の秘訣を見ることができます。
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・LVMHグループ(ルイ・ヴィトン モエヘネシーグループ)|【モエ・ヘネシー・ディアジオ(MHD)】Account Executive(営業職)2017年卒本選考のGD
・NTTドコモ|技術系総合職2023年卒のインターンシップ
まとめ:グループディスカッション(GD)はテーマ別対策が最大のコツ
以上5つ、種類別にグループディスカッション(GD)をまとめました。就活が始まってまだ聞いたことも練習したこともない「グループディスカッション(GD)」への漠然とした不安が、この記事を読んで少しでも軽減されていれば幸いです。
選考やグループディスカッション練習セミナーなど、さまざまなグループディスカッションに慣れていきましょう。この記事では、全体的なポイントにフォーカスしましたが、もちろん各企業によって、グループディスカッション(GD)で求めるポイントは異なります。企業別にポイントが知りたい! という方は、各企業の選考対策ページやクチコミも併せてご覧ください。
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友達と事前に練習を開始する場合には、具体的な企業が行っているグループディスカッション(GD)の議題を用意し、討論するなどの練習法もいいでしょう。意見交換をさかんにし、情報共有をすることでぜひ勝ち筋を見つけてくださいね。
クチコミ
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グループディスカッション(GD)対策におすすめの記事
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※こちらは2016年3月に掲載された記事の再掲です。