こんにちは、トイアンナです。
外資系企業の選考が進むにつれ「フェルミ推定」という聞きなれない単語を耳にされた方も多いかと思います。フェルミ推定は訓練すればするほどスラスラ解けるようになる一方で、未経験者にはまるでやり方が思いつかない特殊な課題です。さらにコンサルティング業界で多く課される「ケース面接」にはフェルミ推定の利用を求められるため、対策せねば散ることとなります。
そこで今回はフェルミ推定って何? という方でも解きやすい簡単な例題を用いて、フェルミ推定のノウハウをお伝えしたいと思います。
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フェルミ推定とは「わからないもの」を概算する力
フェルミ推定とは、一見予想もつかないような数字を、論理的思考能力を頼りに概算することです。有名な問題には、下記のようなものがあります。
・日本にはマンホールがいくつあるか
・日本にあるワイパーの本数を求めよ
正直に申し上げますと、筆者が初めてフェルミ推定のお題を見たときの感想は「知るかそんなもん」でした。しかしながら、フェルミ推定は思いのほか仕事の現場で役立ちます。
たとえば新しい経営企画や戦略を立てる際、すべてのデータがそろうことはまれ。下手をすれば国の統計データしか頼りになる情報がないかもしれません。そんな中で実際に商品をモノにするには「わけのわからない数字も論理的思考力だけで推定する」力が求められました。フェルミ推定は社会人生活を送る上で、極めて実践的な技術なのです。
フェルミ推定の材料になるもの
まず、フェルミ推定をやってみる前に最低限の知識を頭へたたき込んでおきましょう。フェルミ推定は「ざっくりしたデータから概算する」ことですが、概算するも何も大元のデータがなければどうにもなりません。
詳細データは応用編に書いていますが、基礎として下記知識を丸暗記してください。
人口:1.2億人
世帯:5,000万世帯
国土面積:約40万平方km
平均寿命:80歳
労働力人口:約6,000万人
1年に産まれる子供の数:約100万人
大学進学率:約50%
大企業の数:1.2万社
中企業の数:420万社
とても簡単な問題から取り組んでみる
次に、かなり簡単なフェルミ推定の問題を解いてみます。フェルミ推定を解くうえで一番の禁忌は、難問へはなから取り組むことです。段階を踏めば誰でも応用問題を解けるようになるので、最初は「ここまで簡単な概算でいいのか」と思うほど簡単な問題にしましょう。
少しずつ難易度を上げながら、まずは3問解いてみます。
1. 全国に女性は何人いるだろうか
解:人口は1.2億人で、女性が約半数とするなら6,000万人。
2. 小学校から大学までに子供は何人いるだろうか
小学校から高校は進学率100%として
100万人 × 12学年 = 1,200万人大学の進学率は約50%なので、
100万人 × 50%(進学率) × 4学年 = 200万人※簡単に推定するため専門学校・高専・短大・大学院をあえて数えませんでした。フェルミ推定ではある程度細かい数字を無視するのが大切です。
3. 日本に電柱は何本あるか
道端の電柱を想像すると、50メートル四方に1本は電柱がありそうだ。
すなわち2,500平方メートルあたり1本の電柱があると仮定する。
つまり1キロ平方メートル(1,000,000平方メートル)あたりは400本ある。
日本は山岳地帯が多く、平地は国土の15%程度。少し多く見積もっても、電柱がある地帯はせいぜい20%と考えてみる。
日本の国土面積は約40万平方kmなので、20%は8万平方km
従って、日本には約3,200万本の電柱があると推定できる。
フェルミ推定への恐れを無くす
さて、サクサクと3本解いてみましたが、「意外と納得」できた方が多いのではないでしょうか。実は3問目は実際にフェルミ推定の実例となる難易度です。こういった課題も、あらかじめたたき込んだ基礎知識をもとに推定すれば怖くありません。
また、フェルミ推定は正しい回答は求められていません。答えが天文学的にズレていたら問題でしょうが(例:日本に電柱は3本しかないと答えるなど)、それっぽい数字であればあとは論理的思考力と、それを説明できるプレゼンテーション能力だけが求められています。
むしろフェルミ推定で苦戦しやすいのは、綿密に計算したい理系の学生です。「思い切って◯◯とする」と仮定できないと、いつまでも前提の数字にとらわれて制限時間内に答えを導くことはできません。インターネットも使えない状況で正しい答えへ近づくのは至難の業であり、そもそも目的ではないと心得ましょう。
フェルミ推定への恐怖心が薄れたら、ぜひ応用編へ進みましょう。論理的思考力をさらに磨くことで、説得力のあるプレゼンを心掛けてください!
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※こちらは2017年10月に公開された記事の再掲です。なお、「3. 日本に電柱は何本あるか」の計算方法に誤りがありましたので、お詫びして訂正いたします(2022/5/26)。
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