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自己分析のやり方9選!簡単にできる方法・ツールとメリットを解説

2025年9月29日(月) | 573,306 views

こんにちは、ワンキャリ編集部です。

就活における自己分析とは、過去の経験や出来事をもとに自分の強みや弱みを整理し、どのような仕事に自分が適性を持つかを探ることです。つまり、企業への自己PRや企業・職種選びの根本となる役割を担います。

自己分析は就活の方向を決定づけるコンパスのようなものであるため、深くまで自己分析ができていれば取るべき行動は明確に見えてくるはずです。

とはいえ、人生で初めての自己分析。「自分史を書けばよいのか」「性格診断テストを受検すればよいのか」など、自分に合った方法で分析できているか分からないという人もいるのではないでしょうか。自己分析は「絶対的な正解」のない作業ですが、「最適解」を導き出すことはできます。

ワンキャリアでは自己分析のやり方をあらゆる角度から分解し、解説しています。1人でも多くの就活生のお悩みを軽くして、「最適解」へたどり着くお手伝いができれば幸いです。

<目次>
●自己分析の目的とは?
 ・選考対策(企業に受かる)
 ・キャリア選択(企業を選ぶ)
●自己分析を行うメリット
 ・就活の軸を見つける
 ・自己PR(強み・弱み)につながる
 ・志望動機につながる
 ・選考対策に活用できる
●自己分析はいつまでにやるべき?
●4通りに分類できる自己分析のやり方9選
●【選考対策】自己分析1:分析方法4選
 ・1. 自分史
 ・2. モチベーショングラフ
 ・3. マインドマップ
 ・4. ジョハリの窓
●【選考対策】自己分析2:診断ツール3選
 ・1. ストレングスファインダー
 ・2. ビッグファイブ尺度
 ・3. エニアグラム
●【キャリア選択】自己分析1:企業分析/比較シート
 ・1. 企業の情報を4つの観点で言語化する
 ・2. 「合う」「合わない」を判断する
 ・3. 複数の企業で共通する部分を抽出する
●【キャリア選択】自己分析2:他己分析とその質問リスト
 ・他己分析のポイント
 ・他己分析の質問例
●自己分析の落とし穴
 ・自己分析を永遠にやり続ける
 ・2. 1つの出来事ばかり深掘りし続ける
 ・3. あらゆる自己分析の方法に手を出す
 ・4. 自分に厳しすぎる/甘すぎる
●【例文つき】自己分析の結果の活用方法
 ・志望動機に活用する方法
 ・強み・弱みに活用する方法
 ・自己PRに活用する方法
 ・ガクチカに活用する方法
●自己分析についてよくある質問(FAQ)
 ・自己分析は一度やれば終わりですか?
 ・自己分析ノートはどのように作れば良いですか?
 ・自己分析に行き詰まった時の対処法は?
●おわりに:自己分析のやり方まとめ


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自己分析の目的とは?

自己分析とは、自分の思考やこれまでの経験を整理し、自分の能力や性質、強みや弱み、今後のありたい姿などを理解することです。

また、自己分析で最も重要なことは、「目的を明確にすること」です。一般的に自己分析を行う目的は、「選考対策(企業に受かる)」「キャリア選択(企業を選ぶ)」の2つが挙げられます。

目的を定めずに自己分析を行うと、終わりが見えずに自己分析をやり続けることになります。そのため、自己分析を行う前に、「なぜ自己分析を行うのか」「自己分析を通して何を得たいのか」を明確にしておきましょう。この2つの目的が混ざってしまうと、なぜ自己分析を行っているのかが分からなくなってしまいます。そのため、ここでも「目的の明確化」を意識することがポイントです。


自己分析というと、自分の過去の経験や強み・弱みを振り返る作業と捉えがちですが、それだけでは不十分です。
企業が知りたいのは、あなたが「過去に何をしてきたか」ではなく、「その経験をもとに、どのような未来を描き、それを実現するために何をするか」です。言い換えれば、過去の経験から得た価値観や行動特性を言語化し、それが将来のキャリアにつながることを示すことが、説得力のある自己PRにつながります。単なる経験の羅列ではなく、「その経験を通じて得た学びが今後の仕事にどう活かせるのか」を明確にすることで、企業に強い印象を残せます。
就職活動では、未来を見据えたストーリーを伝えることが、選考を突破する鍵となるでしょう。


記事監修アドバイザー:渕脇
2024年、新卒でワンキャリアに入社。 学生時代は国際系の学部に所属し、ケニアで2か月間インターンをしたりインドで1か月間一人旅したりとアクティブに過ごしていた。 大学で教職課程を履修しており、ワンキャリアでは内定者インターンとしてキャリア教育事業に携わったのちに、新卒入社後1年目から新規事業「ワンキャリア新卒紹介」にアサイン。

・得意な領域:ガクチカ・自己PRの整理・言語化/面接対策(深掘り質問への対策)/就活軸の整理(特に海外軸・社会貢献軸)

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選考対策(企業に受かる)

選考対策(企業に受かる)ために行う自己分析のゴールは、「自分の強み・弱みを理解すること」と「自分の経験を話せる」ことです。


キャリア選択(企業を選ぶ)

キャリア選択(企業を選ぶ)のために行う自己分析のゴールは、「今後ありたい姿」や「自分のパフォーマンスが上がる環境」を理解することです。自己分析でこれらを明確にすることで、自分のキャリアに必要な要素を明確にできます。

自己分析を行うメリット

自己分析は就活のさまざまなフェーズで活用できるというメリットがあります。ここでは、自己分析を行うメリット4つと、どのように生かせば良いか詳しく解説します。


就活の軸を見つける

ここでは、自己分析の結果を用いて、就活の軸を作成する方法をご紹介します。

実践的で簡単な就活の軸の作り方としては、「本音の軸」「建前の軸」と2層に分ける方法があります。

まず始めに明確にするのは、「本音の軸」です。「本音の軸」とは、自分が本当に求めているものや大切にしたいことを指します。自己分析で導いた「今後ありたい姿」や「自分のパフォーマンスが上がる環境」を実現するために必要な要素を明確にします。要素が複数出てきた場合は、「譲れない要素はどれか」という視点で、優先順位をつけることをおすすめします。

そして、「本音の軸」が明確になったら「建前の軸」を作成します。「建前の軸」とは、面接などで相手に伝えるために言い換えたものです。新卒採用担当者に共感してもらえるように本音の軸のニュアンスを変化させていきます。ここでのポイントは、企業の求める人材像に寄せすぎないことです。企業の求める人材に「建前の軸」を寄せすぎてしまうことで、ご自身と企業のミスマッチが発生する場合があるからです。あくまでも、「本音の軸」を基盤にして「建前の軸」を作成しましょう。

以下の記事では、「本音の軸」「建前の軸」の作成する際におすすめのテンプレートもご紹介していますので、併せてご確認ください。

▼就活の軸について詳しく知りたい方はこちら
・就活の軸【例一覧100選】面接/ESでの答え方と業界・職種別の例文


自己PR(強み・弱み)につながる

先ほどご紹介した「選考対策」「キャリア選択」を目的とした自己分析は、自己PRや志望動機にも生かせます。

まず、「選考対策」のために自己分析を行った場合、そこで気づいた自分の強みから自己PRを作成できます。また、企業によってはエントリーシート(ES)や面接で「自分の弱み」について質問されることがあるため、その際にも生かすことが可能です。

例えば、以下のようなESでの設問が出された際、自己分析でのアウトプットを活用できるでしょう。

自身の長所(100文字以内)
努力を継続する力です。昨年の大学の研究では、1年間さまざまな学部の授業で知識を得続け◯◯優秀賞を獲得したり、学部で好成績を取り続け飛び級に成功したりしました。
自身の短所(100文字以内) 決断力が短所です。Aの選択肢しか選べない場合、どうしてもBを選んでいた場合の未来を後悔しそうで悩んでしまう癖があります。最近は制限時間内に意思決定をするよう心掛けています。
※出典:富士フイルム|事務職2020年卒本選考のエントリーシート
▼自己PRの書き方について詳しく知りたい方はこちら
・自己PRの書き方【例文45選】履歴書・面接での伝え方を強み・職種別に紹介


志望動機につながる

「キャリア選択」のために自己分析を行った場合、そこで気づいた「自分のパフォーマンスが上がる環境」や「キャリアビジョン」から、企業を志望する明確な理由を示すことが可能です。

例えば、以下の志望動機では、企業を選ぶ理由を就活の軸から説明されています。

当社の志望理由をお書きください(600字)
貴社を志望する理由は私の就活の軸に合致するからだ。私の就活の軸は(1)社会を俯瞰(ふかん)する力が身につくこと(2)モチベーションを高く保って働けることの2つだ。(1)については、私は将来「自分は社会や人々をよりよくする何かをやり遂げた」と胸を張って言える人生にしたい。その「何か」を成し遂げるためには社会を俯瞰して人々や社会にとって本当に必要なことが何かを把握しなければならない。そしてその本当に必要とされていることやその根底にある課題に対して取り組むことで人々や社会をよりよくできると考える。そのためには、まず社会を俯瞰して課題を発見する力が必要であるが、公正な立場である監査法人でさまざまなクライアントやプロジェクトに関わる中でそのような力を身に付けることが出来ると考える。(2)については、私がモチベーションを高く保って働ける条件は(ⅰ)専門性を生かせること(ⅱ)チームワークを感じて働けること(ⅲ)知的好奇心を満たせることの3つだ。私は貴社のインターンシップを通してリスク評価や対応策の検討の際に◯◯としての専門性が非常に役立つと実感した。また、インターンシップ中は大変なことも時にはあったが自分たちの議論したことをプレゼンとして最終日に発表できた際にチームでやり遂げた達成感があった。さらに、貴社ではさまざまなクライアントや業務にプロジェクトベースで関わることが出来るため知的好奇心を満たせると考える。
※出典:有限責任監査法人トーマツ|ゼネラルアドバイザー(GAU)2021年卒本選考のエントリーシート
▼志望動機の書き方について詳しく知りたい方はこちら
・志望動機【例文17選】ES・履歴書での書き方と職種・業界別の実例


選考対策に活用できる

自己分析では、自分の「強み/弱み」や「性格」を理解できたかと思います。それを自己PRとして面接官に伝える際のポイントは「再現性」を持たせることです。

新卒採用担当者は、学生に対して、長期的に成果を残していける人材であるかを強く見ています。そのため、さまざまな環境においても自身の「強み」が発揮できることを示すことが重要です。学生が社会に出てからも活躍できる人間であることを納得させるために、自分の強みに再現性があることをアピールしましょう。

再現性のある自己PRの構成は以下の通りです。

1. 自分の強みの特徴
2. 強みを発揮した具体的なエピソード(経験)
3. 強みを発揮する方法
4. 将来への展望

ESや面接では、学生の性格や学生時代に頑張ったこと(ガクチカ)について問う質問が多く出されます。自己分析をもとに再現性のある自己PRを作成しておけば、考え方を深ぼるさまざまな質問に対して、一貫した回答ができるはずです。

▼選考対策について詳しく知りたい方はこちらから
・【面接で聞かれること】新卒就活で頻出の質問一覧と内定者の回答例

自己分析はいつまでにやるべき?

自己分析は、就活が本格的に始まる前までに終わらせておくのがベストです。

以下の表にもあるように、3年生の5月からはサマーインターンの選考が始まるため、サマーインターンに参加する企業や気になる業界をそれ以前に決めておく必要があります。したがって、大学3年生の3月までには自己分析を終わらせておくといいでしょう。

そして、自己分析は企業選びだけではなく選考対策にも活用できるため、早いうちに終わらせておくだけでなく対策時期に合わせて再度自己分析をやり直すことで、選考に向けて十分な準備ができます。

その他、就活のスケジュールについて気になる方は以下の記事をご覧ください。

▼就活のスケジュールについて詳しく知りたい方はこちらから
・就活とは?いつから?スケジュールや基本の流れ・必要な準備を解説

4通りに分類できる自己分析のやり方9選

これまで、自己分析は選考対策・キャリア選択のために有効であることをご紹介してきました。それでは、自己分析はどのように行えば良いのでしょうか?

自己分析の手段として有効なのは「帰納的アプローチ」と「演繹(えんえき)的アプローチ」の2つです。「帰納的アプローチ」とは、自分の過去の経験を洗い出して、その経験から見いだせる強み/弱みを抽出する方法です。一方で、「演繹的アプローチ」は、自分の強み/弱みを洗い出し、そこから過去の経験を抽出する方法のことを指します。

さらに、自己分析は、帰納的・演繹的なアプローチの2つの方法をもとにすると、「企業に受かる」「企業を選ぶ」という2つの目的に合わせて4つの方法があります。

1. 選考対策が目的×帰納的アプローチ
2. 選考対策が目的×演繹的アプローチ
3. キャリア選択が目的×帰納的アプローチ
4. キャリア選択が目的×演繹的アプローチ

ここから紹介する自己分析の手法を4つに分類すると以下のようになります。

【選考対策】自己分析1:分析方法4選

選考対策のための自己分析の方法として、代表的な4種類を詳しく紹介します。


1. 自分史

自分史とは、自分の人生を振り返り、現在までの体験を年表のように書き表したものです。客観的な視点でこれまでの経験を振り返り、自分自身の強みや弱みなどを分析するため、納得感のある自己PRの作成に生かせます。


自分史の書き方


自分史の書き方は、以下の4ステップです。

1. 各年代の自分のタイプを書く
2. 幼少期からのエピソード年表を作る
3. モチベーショングラフを作り感情を言語化する
4. 自分史から分かることを多く書き出す

自分史を書くときは、自分史を書くことよりも分析することを意識し、常に作業の最終的な目的は何かを意識して、取り組むようにしましょう。また、なるべく要素を多く書き出すことで自分の価値観を理解するヒントになるため、1つでも多く洗い出しを行いましょう。

実際の記入例については、以下をご参照ください。

当時のキャラクター・立ち位置 出来事・エピソード 当時感じたこと・考えていたこと 経験から学んだこと
幼少期(小学校入学以前) ・幼稚園ではしっかり者だが家では甘えん坊 ・玄関の靴並べや新聞を取ってくるといったお手伝いをした ・お手伝いをすることで、母や父が喜んでくれるのがうれしかった ・誰かが喜ぶことをすると、自分もうれしい気持ちになる
小学生 ・クラスのまとめ役 ・小学5年生のときに学級委員を務め、クラスで行うイベントの企画をまとめた ・クラスメイトの意見をまとめて考えることにやりがいを感じた ・クラスをまとめるためには、多くのクラスメイトの意見を聞くことが大切
中学時代 ・学校ではサッカー部に所属。周囲を俯瞰して見るタイプ ・中2の夏休みに、ボランティアとして、地域のクリーン活動に参加した ・友達に誘われての参加だったため、最初は少し面倒に感じたが、歩道などがきれいになっていくともっと頑張ろうという気持ちになった ・学校と家以外の活動に参加することで、自分の視野が広がった
高校時代 ・勉強そっちのけで部活にはまっていたサッカー少年 ・サッカー部で県大会出場を目指して練習に励んだ ・日々の練習はつらかったが、同じ目標に向かって部活のメンバーと一緒に努力をするのは楽しかった ・高い目標を掲げて努力をするとモチベーションが上がる
・掲げていた目標には届かなくても、努力したことで得られるものは大きい
大学時代 ・周囲からよく相談を受けるタイプ ・コンビニエンスストアのアルバイトで、指定されたたばこをすぐに出せるように銘柄をインターネットで調べて覚えた ・指定されたたばこをスピーディに出せると、お客さまが満足した顔をしてくれる ・少しの工夫で人の満足を引き出せる


自分史を書くときのポイント


自分史における重要な要素は、主に以下のとおりです。印象的だった出来事を書き出すときは、これらの要素をセットで書くようにしましょう。

  • 出来事が起きた時期と内容
  • その出来事を選んだ理由
  • その出来事を通して当時感じたこと
  • その出来事によって学んだこと

出来事の内容のみを並べるのではなく、その出来事で感じたことや学んだことも書くことが重要です。

また、それらの出来事を「なぜ」始めた・やめたのか振り返ることを意識しましょう。そうすることで、自分の目的意識や価値観の洗い出しにつながります。

他にも、自分史のテンプレートや書き方のコツ、就活への生かし方について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

▼自分史の書き方について詳しく知りたい方はこちら
・自分史の書き方を例文付きで解説|自己分析に役立つテンプレート紹介


2. モチベーショングラフ

モチベーショングラフとは、幼少期から現在まで、どのような時にやりがいを感じたか、あるいはやる気を無くしたのかといったモチベーションの変化を可視化することで、自己分析を行う手法です。


モチベーショングラフの書き方


モチベーションが高いときの山と低いときの谷をつないだ曲線のグラフを作り、現在までの出来事のモチベーションの変化を可視化します。

まず以下のように縦軸に「心の充実度(モチベーションの高さ)」横軸に「年齢」を設定しましょう。

次に自分のこれまでの人生を振り返り、モチベーションの高低を曲線グラフで描きます。自分に大きな影響を与えた出来事を思い出しながら描くのがポイントです。グラフが描けたら、特にモチベーションに大きく変化があった時期に何があったのかを思い出し、そのイベントを記入します。

最後に、そのときに自分が考えていたことや、今振り返ってみて当時どのようなことが要因でモチベーションの起伏があったのかを深掘りします。モチベーショングラフを描くことで、自分の行動特性や思考特性を知り、そこから強みや弱みを抽出することが可能です。


モチベーショングラフを書くときのポイント


モチベーショングラフを書くときは、「過去のエピソードから将来像をイメージする」ことがポイントです。将来像は、「志望する会社に入社すること」ではなく、その後の活躍する姿をイメージするようにしてください。どのようなキャリアを歩むのかを考えることで、より自分に合う企業選びができます。

また、周りの人に見てもらうことで、自分では気づけなかった強み・弱みが見つかるかもしれないため、「第三者に見てもらう」こともポイントの1つです。

モチベーショングラフを使用する際の注意点や就活への生かし方について、以下の記事で詳しくまとめていますので、ぜひご覧ください。

▼モチベーショングラフの書き方について詳しく知りたい方はこちら
・モチベーショングラフの書き方【テンプレート付き】就活活用法を紹介


就活生の中には、「やりたいことがわからない」という悩みを持つ人も多いですが、それは決してネガティブなことではありません。
自己分析は、自分の興味・関心の傾向を知る手段でもあります。過去の経験を振り返る際に「なぜそれに興味を持ったのか?」「どの部分が楽しかったのか?」と深掘りすることで、仕事においてもモチベーションが湧く要素を見つけることができます。やりたいことが見つからない場合は、「なぜ?」を繰り返し、自分の価値観を明確にすることから始めましょう。
さらに、実際に様々な業界や職種について情報を集めることも重要です。興味が湧く業界の人と話したり、インターンに参加したりすることで、自分の適性を実感できる瞬間が訪れることもあります。行動を伴う自己分析が、最適なキャリア選択への第一歩となるのです。

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3. マインドマップ

マインドマップとは、特定のキーワードを中心として、関連する言葉やイメージを放射状につないだ図のことです。就活で自己分析をする際にマインドマップを使うと、思考を可視化して頭の中を整理できるため、自分の強みや得意なことなどが明確になります。


マインドマップの書き方


まずは深掘りするテーマを決めて、用紙の中心に記入してください。はじめて自己分析を行う場合のテーマは、「自分」にすることをおすすめします。自分というテーマから、「好きなこと」や「つらかったこと」、「性格」など自分の内面や経験へと派生させていきます。

テーマを中心に書いたら、周囲に関連するキーワードを放射線状に派生させていきます。放射線状に書く線は「ブランチ」といいます。1つのブランチに対して書くのは、基本的には1つのワードです。

テーマから派生して書き足した内容について、「なぜ?」を繰り返して項目の深掘りを行います。マインドマップを使って自分の内面や経験を掘り下げていくと、強みや価値観などが浮き彫りになります。


マインドマップを作るときの注意点


マインドマップを作る際は、「1枚にまとめる」「書くことを目的にしない」「後から見返しても分かるようにする」ことを意識しましょう。

1枚にまとめないと、マインドマップ特有の体系的な思考の流れを把握できなくなってしまいます。

また、マインドマップを使用する目的は「書くこと」ではなく、「自己分析の深掘り」です。作成自体が目的になってしまうと、深く分析できず本末転倒になってしまうかもしれないため、「書くことを目的にしない」ことに注意しましょう。

「後から見返しても分かるようにする」ためには、重要なポイントを太字にしたり、色分けしたりしておくことがおすすめです。見返せばすぐに内容が理解できるように工夫し、企業選びや自己PRの作成、面接対策などに生かしましょう。

マインドマップを使用した自己分析の具体例や、無料ツール・アプリ、その他就活への生かし方や注意点について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

▼マインドマップの書き方について詳しく知りたい方はこちら
・マインドマップを使った自己分析!書き方や無料のツール・アプリを紹介


4. ジョハリの窓

ジョハリの窓とは、「自分から見た自分」と「他人から見た自分」について分けて分析することで、自分への理解を深める自己分析の手法です。具体的には、自分について4つの領域から自己分析と他己分析を行うことで、自分と他者の認識のズレを発見します。

ジョハリの窓では、人が人間関係で有する4つの領域を「窓」に見立て、それぞれの領域に当てはまった項目で分析を行います。4つの窓にはそれぞれ以下の特徴があります。

自分は知っている 自分は気づいていない
他人は知っている 「開放の窓」
自分も他人も知っている自己
「盲点の窓」
自分は気づいていないが他人は知っている自己
他人は気づいていない 「秘密の窓」
自分は知っているが、他人は気づいていない自己
「未知の窓」
誰からもまだ知られていない自己


ジョハリの窓のやり方


ジョハリの窓のやり方は、紙とペンを使って自由に記述する方法が手軽です。あらかじめ一般的な性格・能力を選択肢として用意する方法もあります。無料の診断アプリもあるため、それを利用するのもいいでしょう。

自己分析と他己分析を組み合わせるジョハリの窓は、基本的に複数人が集まって行います。しかし、1人で行うことも不可能ではありません。

ジョハリの窓とその活用法、そして詳しい分析の仕方について気になる方は、以下の記事をご覧ください。

▼ジョハリ窓の自己分析のやり方について詳しく知りたい方はこちら
・ジョハリの窓とは?診断を就活に生かせる自己分析のやり方を解説

【選考対策】自己分析2:診断ツール3選

「選考対策が目的×演繹的アプローチ」で自己分析を行う際は、診断ツールを用いることをおすすめします。診断ツールを用いて、自分の強み・弱みを洗い出し、それらに該当する過去のエピソードを抽出します(演繹的アプローチ)。

代表的な診断ツールとして、ストレングスファインダーやビッグファイブ尺度、エニアグラムなどが挙げられます。こちらの3つについて詳しく解説します。


1. ストレングスファインダー

ストレングスファインダーとは、ウェブサイトで質問に答えることで、自分の才能(強みの源)が分かる性格診断ツールです。34種類ある特徴の中からトップ5の強みをレポート形式で知れます。また、診断基準もシンプルなため、選考でアピールすべきポイントを絞りやすいことが特徴です。

ストレングスファインダーの診断方法は以下の通りです。

1. 『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0』(日経BP 日本経済新聞出版、2023年)を購入する。
2. 本のカバー裏側にあるIDを記入して受検する。

さらに、ストレングスファインダーでより良い自己分析を行うポイントは、診断結果の中から納得感を持てる強みを抽出することです。そこから、過去の経験でその強みが発揮されたエピソードを複数抽出しておくことで、自己PRを話す際に役立てることができるでしょう。


2. ビッグファイブ尺度

ビッグファイブ尺度とは、5つの要素の組み合わせから、その人の性格や適職を導く性格診断ツールです。診断結果は、「外向性・好奇心・協調性・情緒安定性・勤勉性」の5要素でスコア化されます。こちらも診断基準がシンプルなため、選考でのアピールポイントを絞りやすいことが特徴です。



ビッグファイブ尺度の診断方法は以下の通りです。

1. ウェブ上にある無料診断ツールで受検する
2. オンラインカウンセリング(有料)を受検する


3. エニアグラム

エニアグラムは人の性格を9つのタイプに分け、自分の性格や特徴を診断するツールです。就活の自己分析に役立ち、適職を知るための判断材料になります。

エニアグラムは、9つの点を持つ円周と、それをつなぐ線からできた幾何学図形のことであり、エニアグラムの幾何学図形をシンボルとして、性格判断に応用したものがエニアグラム診断です。

エニアグラムの9つの性格タイプについて、行動を起こす直接的な要因(動機)や強み・弱み、それぞれの適職やおすすめの職業などを以下の記事で詳しくまとめています。ぜひご覧ください。

▼エニアグラムの活用法について詳しく知りたい方はこちら
・エニアグラム全9タイプの適職とそれぞれの職業を解説!自己分析に役立てよう

【キャリア選択】自己分析1:企業分析/比較シート

「キャリア選択が目的×帰納的アプローチ」で自己分析を行う際は、企業分析/比較シートを用いることをおすすめします。

企業分析・比較では、企業への印象を言語化した上で、なぜその印象を持ったかを事実と解釈に分けて明確にします。その結果を企業ごとに比較することで、自分がキャリアにおいて重要視しているポイントを見つけられます。

ここでは、企業分析・比較を進めていく際の手順をご紹介します。


1. 企業の情報を4つの観点で言語化する

・People(人/風土):どんな社員と働けるのか? どんな組織風土なのか?
・Profession(仕事/事業):どんな業務があるのか? どんな事業なのか?
・Philosophy(理念/目標):どんなビジョンや目標を持っている会社なのか?
・Privilege(制度/待遇):どんな制度があるのか? どんな待遇があるのか?


2. 「合う」「合わない」を判断する


3. 複数の企業で共通する部分を抽出する


▼企業分析・比較について詳しく知りたい方はこちら
・【業界研究のやり方:36業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!人気業界/企業を徹底比較



多くの就活生は自己分析で「自分の強みを見つけること」に注力しがちですが、それだけでは不十分です。強みが企業の価値観や働き方と合うかを見極めることも重要です。例えば、「リーダーシップがある」と自己評価しても、企業文化が合わなければ十分にその強みを評価してもらえない可能性があります。
業界や企業ごとに求める人材像は異なるため、企業研究と自己分析を掛け合わせ、自分の価値観や性格が企業とフィットするかを考えることが長期的なキャリアの充実につながります。言い換えるならば、自己分析は単なる選考対策ではなく「どの企業で自分らしく働けるか」を見極める作業でもあるのです。強みだけでなく価値観の相性も考慮することで、入社後のミスマッチを防ぎ、納得のいく就職活動ができるでしょう。

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【キャリア選択】自己分析2:他己分析とその質問リスト

「キャリア選択が目的×演繹的アプローチ」で自己分析を行う際は、他己分析も行うことをおすすめします。他己分析とは、友人や家族など自分のことを知る人に分析をお願いする方法です。他己分析で自分の強み・弱みを客観的に洗い出し、それらが形成された過去のエピソードを抽出します(演繹的アプローチ)。

他己分析を行うことで、客観的な自分を捉えられます。そのため、自分で考えていたキャリア観のずれが修正され、より自分の描くキャリアに対して納得感が持てるようになるでしょう。

ここでは、他己分析のポイントと質問例をご紹介します。

他己分析のポイント

1. さまざまなタイプの人に回答を依頼する
2. 質問を準備する
3. さまざまな人からの回答を自己分析の結果と照合する

まず、幅広い観点から自分と向き合えるよう、年齢や立場・関係性が異なる5〜10人に協力をしてもらえるといいでしょう。

そして、聞きたい質問は複数準備しておきましょう。質問例は後程ご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。中には、他己分析で得られた回答が自己分析の結果と異なる場合があるでしょう。その際は、なぜ回答と自己分析の結果が異なるかを考え、他人からの見え方と自己評価が一致するように修正しましょう。

他己分析の質問例

・どのようなタイプの性格ですか?
・私の強みは何だと思いますか?
・私の弱みは何だと思いますか?
・より伸ばすと良い長所はどこですか?
・改善した方が良いと思う部分はどこですか?
・私の第一印象を教えてください
・私の現在の印象を教えてください
・私を一言で表現すると何ですか?
・どのようなことをしているときが楽しそうですか?
・どのようなことをしているときが退屈そうですか?
・私は友人や組織の中でどんな存在ですか?
・私に関して印象に残っているエピソードはありますか?
・他人に私を紹介するとき、どのように表現しますか?
・私はどのような仕事が向いていると思いますか?

自己分析の落とし穴

自己分析を行うことで得られるメリットは大きいですが、行っている中でつい陥りがちな落とし穴が存在します。ここでは、就活生が陥りがちな自己分析の失敗例4つとその対処法についてご紹介します。




就活生の中には、自己分析に時間をかけすぎて「考えるだけで行動できない」状態に陥る人もいます。しかし、自己分析はあくまで「自分を知るための手段」であり、完璧な答えを出すことが目的ではありません。むしろ、実際に企業の説明会やインターンに参加し、社員と話す中で「自分にはこういう環境が合うのかもしれない」と気づくケースも多いです。
考えるだけでなく、行動しながら自己理解を深めることで、より実践的な自己分析ができるようになります。また、自己分析に没頭しすぎると、理想像を追い求めすぎてしまい、実際の自分とのギャップに悩むことがあります。
まずは動いてみて、経験を積みながら自分の適性や価値観を明確にしていくことが、就職活動を成功させるポイントです。

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自己分析を永遠にやり続ける

記事の冒頭でもお伝えしましたが、自己分析におけるゴール(目的)がないと、永遠に分析を行い続けてしまいます。自己分析で重要なことは、「目的を明確にすること」です。ご自身が選考対策(企業に受かるため)やキャリア選択(企業を選ぶ)のどちらの目的に該当するのか、自己分析を通じて何を知りたいのかを明らかにしましょう。


1つの出来事ばかり深掘りし続ける

今回の記事では、「帰納的アプローチ」と「演繹的アプローチ」での自己分析をご紹介しました。この帰納的アプローチ(過去の体験を洗い出し、自分の性格を抽出する方法)で陥りがちなのが、「1つの経験にこだわりすぎる」ことです。自分の性格などに納得感を持たせるためにも特定の出来事にこだわりすぎるのは禁物です。まずは、モチベーショングラフを用いて、「過去の経験」を洗い出し、全体を把握した後に、それぞれの出来事の深掘りを行うことをおすすめします。


あらゆる自己分析の方法に手を出す

「自分のことをちゃんと理解したい」という気持ちから、複数の自己分析を試したくなることもあるでしょう。ですが、逆に「どの分析結果を信じたら良いか分からなくなる」ことがあります。自己分析の手順はあくまで手段でしかありません。そのため、前述でご紹介した4通りの方法から、ご自身の目的(選考対策・キャリア選択)と思考法(帰納的・演繹的)に応じて、1つのやり方を選び、徹底的に向き合うことを意識しましょう。


自分に厳しすぎる/甘すぎる

自己分析を行う人の中には、普段から自分に厳しい性格のために「短所ばかり思いついてしまう」ことがあります。自己分析を選考対策の目的としていた場合、自身の短所だけでなく、「企業に自分を売り込むため」の長所を見つけることが重要です。もし、短所ばかり頭に浮かんだら、「いっそ長所と捉えたらどう言い換えられるかな」と考えるといいでしょう。

また、反対に「長所ばかり思いついてしまう」人も注意が必要です。自己分析に加えて他己分析も用いながら、総合的に自分の性格を分析しましょう。

▼自己分析の方法に関する記事はこちらから
・自己分析って何?学生が陥る3つの落とし穴と進め方
・【簡単4STEP】自分の強み・弱みの見つけ方と診断法!伝え方も解説

【例文つき】自己分析の結果の活用方法

自己分析で明らかになった自分の価値観や強みは、ESや面接で説得力のある回答をするための「核」となります。ここでは、自己分析の結果を「志望動機」「強み・弱み」「自己PR」「ガクチカ」に落とし込む具体的な方法を、例文とともにご紹介します。


志望動機に活用する方法

志望動機を作成する際は、まず自己分析で明確になった「どのような時にやりがいを感じるか」や「何を通じて社会に貢献したいか」といった自身の価値観を言語化します。次に、企業の理念や事業内容を深く研究し、自身の価値観と企業の方向性との共通点を見つけ出します。その共通点を軸に、「自分の想いはこの企業でこそ実現できる」という一貫した論理で伝えることが、説得力のある志望動機につながります。

【設問】
当社を志望した理由と、当社に入社したら成し遂げたいことを記載してください。(500文字以内)

【回答】
お客様本位の価値提供を通じて、お客様の人生を支えるパートナーになりたいからだ。サークル内の英語劇大会で演者一人一人に寄り添い優勝まで伴走した経験から、人に深く関わりながら成果まで支えることにやりがいを感じた。そのため、お客様との信頼関係に基づき、高い専門性を伴う多様なソリューションを提供し、実行まで伴走する信託銀行に興味を抱いた。中でも貴社を志望する理由は、主に3つある。1つ目はグループ力を活かし、お客様のニーズに専門性高く対応できる点だ。貴社は証券関連ビジネスを得意分野としてサービスを展開しているため、多様なお客様に高度なソリューションを提供できる環境が整っている。2つ目は挑戦しやすい環境がある点だ。貴社は一人一人の裁量権が大きく、少数精鋭な環境で若手から挑戦できるというお話を社員の方からお伺いした。これは私の軸にも合致しているため、魅力に感じた。3つ目は多様な背景を持つ人材が多い点だ。貴社では中途社員の方も多く、異なる価値観に触れて自身の視野を広げながらキャリアを歩める点に魅力を感じました。お客様の「想い」を軸に、「あなたに任せたい」と信頼される最良のパートナーを目指したい。

※出典:野村信託銀行|総合職2026年卒本選考のES 


強み・弱みに活用する方法

自己分析で洗い出した過去の経験は、あなたの強み・弱みに説得力を持たせるための具体的な「根拠」となります。強みを伝える際は、過去の成功体験を振り返り、自身のどのような特性が成果に結びついたのかを具体的に示し、その強みを仕事でどのように生かせるのかを述べることが重要です。

一方で弱みについては、失敗体験などから客観的に課題を認め、それを克服するために現在どのような努力をしているのかを具体的に語ることで、成長意欲のある人材だとアピールできます。

【設問】
ご自身の認識している強みと弱みをそれぞれ記載してください。(制限なし)

【回答】
私の強みは、「チャレンジ精神」と「改善行動力」だ。この力はカメラマンとして起業した際に発揮された。私はモデル撮影専門のカメラマンとして起業してSNSで集客したが、全く依頼がなかった。そこで売れるサービス設計について大学の授業で学び、学びを活かして、事業内容をレストラン向けの営業風景・料理撮影に変更した。さらにはSNS集客は失敗してしまったため、飛び込み営業に変更して売り上げを徐々に伸ばし、最終的に38万円の売り上げ目標を達成した。起業という難しいことに対しても、チャレンジ精神を発揮して取り組み、課題があれば改善策を考え行動してきた。
私の弱みは、一つのことにこだわり過ぎてしまうことだ。カメラマンとして起業した当初は、モデル専門の撮影と、SNS集客をすることで成功することに長くこだわり過ぎてしまい結果が出せなかった。しかし、いざ事業内容と営業方法を変更すると簡単に目標が達成できると気づいたため、最近では行き詰まったと感じた時に他のやり方を検討することと、第三者の意見を取り入れることを意識している。

※出典:日立ソリューションズ東日本|システムエンジニア2026年卒本選考のES 


自己PRに活用する方法

自己PRでは、まず自己分析で見つけ出した自身の強みの中から、企業の求める人物像に最も合致するものを一つ選びます。その強みが発揮された具体的なエピソードを簡潔に伝え、説得力を持たせます。最後に、その強みを入社後にどう活かし、企業に貢献できるのかを明確に示すことで、採用するメリットを効果的にアピールできます。

【設問】
自己pr(300文字以内)

【回答】
私は、相手の立場に立った丁寧な接客と、瞬時の状況判断を強みとしています。日本と◯◯での留学・アルバイト経験を通じて、異なる文化背景を持つ人々との円滑なコミュニケーションを学びました。ホテルや飲食店の現場で、お客様のニーズに先回りして応えることや、トラブルにも柔軟に対応する力を培いました。また、高校時代には◯◯部の副主将としてチームをまとめた経験があり、協調性とリーダーシップにも自信があります。今後は、国内外のゲストに対して心に残るサービスを提供し、信頼されるスタッフを目指します。

※出典:リゾートトラスト|営業職2026年卒本選考のES 


ガクチカに活用する方法

「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」を語る上では、自己分析で発見した、最も自分らしさが表れているエピソードを選びます。重要なのは、その経験の中でどのような課題に直面し、それに対してどう考え、どう行動したのかというプロセスを具体的に説明することです。そして、その経験から得た学びを、入社後にどう生かしていきたいかにつなげることで、あなたのポテンシャルと人柄を伝えることができます。

【設問】
ガクチカ(300字以内)

【回答】
私が大切にしてきた考えは、「すべての物事には改善の余地がある」ということです。○○部では年間で約5回のイベントを開催していますが、その中で○○により不備や無駄が見られる場面がありました。イベントにはマニュアルが存在していましたが、改善点に気づいたことをきっかけに、その内容の見直しを行いました。見直しの際は、私がイベントの運営リーダーを務め、マニュアルの再構成や当日の部員への的確な指示を通して、より円滑な運営を目指しました。その結果、設営から撤収までの時間を○○短縮することができました。貴社に入社後も、改善の視点を持ち続け、知識と経験を積みながら業務に貢献していきます。

※出典:日興システムソリューションズ|証券、金融業務に関するシステムエンジニア/業務系、情報系システムの開発2026年卒本選考のES 


自己分析についてよくある質問(FAQ)

ここからは、自己分析についてよくある質問を紹介します。



自己分析は一度やれば終わりですか?

いいえ、自己分析は一度で終わりではありません。就職活動の初期に行うイメージが強いですが、自己分析は選考が進むにつれて何度も見直すものです。

面接を受けたり、様々な企業の説明会に参加したりする中で、新たな興味が湧いたり、考え方が変わったりすることは自然なことです。その都度、自分の価値観や強みを再確認し、情報をアップデートしていくことで、より一貫性のある、説得力の高い自己PRや志望動機を語れるようになります。キャリアを重ねる上でも、定期的な自己分析は自分の方向性を定める上で非常に役立ちます。


自己分析ノートはどのように作れば良いですか?

自己分析ノートに決まった形式はありませんが、「事実(出来事)」と「感情・思考」をセットで記録していくのがおすすめです。大学ノートやルーズリーフ、スマートフォンのメモアプリなど、自分が使いやすいものを選びましょう。

具体的な作り方としては、まず過去の経験(部活動、アルバイト、学業など)を時系列で書き出します。次に、それぞれの経験の中で「なぜそれに取り組んだのか?」「何を課題に感じ、どう乗り越えたのか?」「その経験から何を得たのか?」といった点を深掘りし、自分の感情や考えを記録していきます。これにより、自分の行動原理や価値観が可視化され、強みや弱みを客観的に把握しやすくなります。


自己分析に行き詰まった時の対処法は?

自己分析に行き詰まったら、一人で抱え込まずに他者の視点を取り入れることが最も効果的です。

友人や家族に「私の長所や短所って何だと思う?」と聞いてみる「他己分析」は、自分では気づかなかった客観的な強みや特徴を発見する絶好の機会です。また、大学のキャリアセンターの職員や、就職エージェントのキャリアアドバイザーといった専門家に相談するのも良い方法です。プロの視点から自己分析の進め方についてアドバイスをもらったり、客観的なフィードバックを受けたりすることで、新たな気づきを得られるでしょう。少し時間を置いて、リラックスしてから再度取り組むことも大切です。


おわりに:自己分析のやり方まとめ

これまでの内容をまとめると以下の通りです。

【自己分析の際のポイント:目的の明確化】
自己分析を行う前に、なぜ自己分析を行うのか、何を得たいのかを明確にすることが重要。
【自己分析の目的1:選考対策】 自分の強みと弱みを理解し、過去の経験や出来事を通じて自己PRを構築すること。自己分析を通じて、自分自身を企業にアピールできるようになる。
【自己分析の目的2:キャリア選択】 「将来ありたい姿」に近づくために必要な要素や「自分のパフォーマンス向上」に必要な環境を理解すること。自己分析を通じて、どの企業や職種が自分に合っているかを見極めることができる。
【自己分析の方法】 ・帰納的アプローチ:過去の経験から自分の強みや弱みを抽出する方法。 ・演繹的アプローチ:自分の強みや弱みを特定し、それに基づいて過去の経験を分析する方法。
【自己分析の目的に応じたアプローチ】 ・選考対策×帰納的アプローチ:モチベーショングラフや自分史の作成 ・選考対策×演繹的アプローチ:ストレングスファインダー・ビッグファイブ尺度 ・キャリア選択×帰納的アプローチ:企業分析/比較シート ・キャリア選択×演繹的アプローチ:他己分析
【自己分析の落とし穴と対処法】 ・自己分析を永遠にやり続ける  └目的を明確にする。 ・1つの出来事ばかり深掘りし続ける  └モチベーショングラフで過去の経験の全体像を把握する。 ・あらゆる自己分析の方法に手を出す  └目的や思考法に応じて1つの方法で徹底的な対策をする。 ・自分に厳しすぎる/甘すぎる  └自己分析に加えて他己分析を用いて自己評価を客観的に行う。
【自己分析から就活の軸を作成する】 自己分析で分かった「将来ありたい姿」「モチベーションが上がる環境」をもとに「本音の軸」と「建前の軸」を作成する。
【自己分析から自己PRを作成する】 自己分析の結果をもとに、強みの特徴、具体的なエピソード、強みを発揮する方法、将来の展望の流れで自己PRを作成する。

自分を知り言語化を行うことは、難しいからこそ楽しいことでもあります。この記事で紹介した自己分析のフレームワークや対策法は、「自己PR」でも「仕事選び」においても、強力なツールとなるでしょう。

就活では企業の選考に落ちたり、面接官にうまくアピールできなかったりするため、自分に自信がなくなることもあると思います。ただし、過去の経験に基づいた最適な方法で自己分析を行うことで、自分の強み・長所を理解し、得意な仕事で活躍できる未来が切り開けます。選考でのポイントは、企業の採用担当者側の視点で評価される自分の強み・長所を言葉にして伝えることです。

また、企業選びにおいても、自分の長所や短所を踏まえて適性を見極めることができていれば、志望動機も自然と説得力のあるものになるはずです。

就活のスタートからゴールまで重要な役割を担う「自己分析」を、皆さんに合った方法で行うサポートができていれば幸いです。

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(Photo:Unitone Vector/Shutterstock.com)

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