※こちらは2018年5月に公開された記事の再掲です。新型コロナウイルス感染拡大の影響などで、各社の選考状況が変更する可能性もございます。
こんにちは、トイアンナです。
就職活動といえば「大学4年生がするもの」というイメージが強いですが、年々早期化が進んだ影響もあり、多くの就活生にとっては大学3年生から戦いが始まっています。しかし、「なぜ、早く始めると有利なのか?」は、既に就活を始めている方も説明が難しいのではないでしょうか。
今回は「就活で早期選考をすべき理由」と、「具体的に今から何をすればいいか」をご案内します。
そもそも、早期就活のメリットは? 就活の選考は、3年生の5月から始まっている
早期就活のメリット1:就活解禁前でも、水面下で内定が出ているから
大学4年生の3月、「就活解禁」で一斉にオープンするナビサイト。しかし、実は就活解禁の1年ほど前から「インターンシップ」の名目で選考が始まっていることはご存じでしょうか。
新卒採用の「3月解禁・6月面接」というスケジュールは、経団連(経済団体連合会)がルールとして定めています。しかし経団連に加盟している企業でも、内定を就活解禁前に出さなければフライングしてもバレません。最終面接だけ就活解禁後にすれば、その前段階の選考は進めてしまえます。実質的な面接が「インターン」「OB・OG訪問会」といった名称でひっそりと行われているのです。
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極端な例ですが、日系大手企業であっても就活解禁後にほとんど内定の枠が残っていない企業もあります。また、経団連に加盟していない外資系企業やベンチャー企業は、堂々と3年次に内定を出しています。筆者も内定をいただいたのは学部3年生の12月と、当時の就活解禁前でした。
したがって、内定を確実に手に入れたければ大学3年生から動くのが正解です。
早期就活のメリット2:平凡でも、東大・帰国子女・体育会と戦えるから
「でも、人材不足で僕たち売り手市場なんでしょう?」という考えもあるでしょう。確かに大卒の有効求人倍率は1.78倍(※1)と、売り手市場が継続しています。しかしこれはあくまで「すべての企業を等割りしたら」という考え方です。
採用人数が少ない外資系企業や、誰もが知っている日系大手企業では信じられないほどの高倍率が続いています。たとえば明治の事務職は、内定倍率がなんと2,000倍以上です(※2)。明治の他にも、味の素やサントリーなど食品業界の内定倍率は、宝くじ級に上がっています。ここまでくると、東大卒・帰国子女・体育会の3大就活スペックをそろえても内定を確約できません。
また、単純計算では応募数が少なく、内定倍率が低そうに見えるBCG(ボストン コンサルティング グループ)やマッキンゼー・アンド・カンパニー、ゴールドマン・サックスなどの外資系トップ企業も、トップ大学のなかでも優秀層同士が争うため、内定は容易ではありません。これは、東大入試の合格倍率は例年3倍程度でも、受験者の層がもともと優秀なため決して「合格難易度が低い」と言えないのと同じことです。
日系企業においても、総合商社や大手保険会社、インフラ業界などは学歴フィルターが強いといわれるため、筆記試験から同レベルの学生と戦わねばなりません。たとえ東大生でも「これまで試験は得意だったから大丈夫」は通用せず、いきなり筆記試験で落ちる可能性があるのです。
優秀な学生たちと戦うことを前提に、内定の狭き門をどう潜り抜けるか。答えは「より長い時間努力する」ことしかありません。あなたが周囲と比べて何倍も優秀であれば、話は別です。しかし、もしあなたが飛び抜けて優秀ならば、既に企業から声がかかっているはずです。今それがない時点で、「就活では互角以上に優秀な学生たちとの戦いを強いられる」と想定するほうが賢いでしょう。1日は24時間平等に配分されていますから、無理なくできる長時間の努力とはスケジュールの前倒し、すなわち早期就活に他ならないのです。
(※1)出典:日本経済新聞「大卒求人倍率1.78倍、学生の「売り手市場」続く リクルート」
(※2)出典:東洋経済ONLINE「内定競争倍率『高い50社、低い50社』はどこか 明治の競争倍率は2750倍!食品や化学が高い」
日系志望も今始めよう! 早期就活のロードマップ
1. 「外資内定」が手土産に。今から外資を受けよう
日系志望でも、まず外資系の主たる企業を調べて、選考を受けましょう。その理由は3つあります。
1つ目は、自分を追い込めるからです。
危機感がないのに、受けたこともない筆記試験の対策やOB・OG訪問ができる方はそういません。さっさと選考が早い企業を受け、自分を追い込むほうが効率よく対策できるはずです。どんどん企業の採用ページへ飛び、プレエントリーを始めてください。プレエントリーをすれば、説明会や選考へのお誘いがきます。ワンキャリアの外資系企業一覧を検索するとトップ企業を洗い出すことができます。
2つ目の理由は、日系企業での印象アップです。
多くの日系大手企業は、外資内定者を優秀とみなすため、内定が選考優遇の手土産となります。日系企業へ行きたい学生も、外資を受けるメリットは大きいといえます。
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3つ目の理由は、選考の練習です。
いきなり本命企業の面接へ行っても、話がしどろもどろになって撃沈すること請け合いです。その前にほかの企業で場数を踏むことにより、満を持して本命企業の就活ができるはずです。
もちろん、これらの選考を通じて外資系企業が本命になる方もいると思います。筆者も日系電機メーカーが第一志望群だったのですが、P&G JapanやBCG、デロイト トーマツ コンサルティングに出会って考えを変えたひとりです。そういった出会いのチャンスを選考時期のズレから逃すのももったいないはず。ぜひこの機会に早期選考へ加わってみましょう。
2. 内々定に直結も。日系企業のサマーインターン準備をしよう
目前に控えるサマーインターン。外資の場合は実質的な「本選考」ですが、日系企業のサマーインターン対策もぜひ始めましょう。多くの場合「選考に無関係」という触れ込みですが、実は選考の優遇や、内々定につながる企業もあるからです。
サマーインターンをはじめ早期層向けのイベントへの参加実績は、就活解禁後の選考で志望の本気度を確認するための指標になることがあります。さらに、インターン中に優秀さを見せることができれば、面接を飛ばしてもらえる「シード権」を手に入れられたり、内々定に直結したりします。
サマーインターンの探し方ですが、ワンキャリアをはじめとするトップ学生向けの就活媒体を参照しましょう。大手ナビサイトは経団連に歩調を合わせるため、3年生向けの情報提供が遅れがちです。「サマーインターン特集」などが組まれている媒体で、情報収集を怠らないようにしてください。
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・募集中のサマーインターン一覧はこちら
3. 就活イベントに参加し、トップ層の「就活仲間」をつくろう
サマーインターンの準備を進める過程で、「就活スタートセミナー」のような早期就活生向けイベントも見つかるはずです。そこで他の就活生と仲良くしておきましょう。彼らは早期就活の重要性を既に知っているトップ層のため、あなたが今何をすべきかを知る最大の情報源です。
もしツテがあるならば、早期就活で内定を得た先輩に話を聞くのもよいでしょう。早期就活の成功は、情報がカギです。選考時期を逃さないよう、オンライン・オフラインどちらも情報収集を怠らないでください。
「英語ニガテ」「お金ない」「しゃべれない」ハンデがある方へのアドバイス
そして最後に、経歴や経済状況にハンデがある方へのアドバイスです。
1. 受験経験のハンデがある方へ
AO入試、指定校などで入学した方は筆記で落ちる傾向があります。筆記で落ちる恐怖については、下記をご覧ください。なお、私も某総合商社は筆記試験で脱落し、大変恥ずかしい思いをしました。トップ学生同士が争う企業を受けるなら、必ず筆記対策をしましょう。
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・文系よ、今すぐ対策だ。高学歴こそ知るべき「筆記試験・Webテスト」の残酷すぎる現実
また、英語ができない方は、今すぐ始めないとゲームオーバーまっしぐらです。昨今はTOEICなしにトップ企業の面接が立ち行きません。「御社でいったい、英語がいつ必要なんですか?」と聞きたくなるような業種ですら求めてきます。ですからTOEIC対策を始めましょう。荒療治ですが今からサマーインターンをかなぐり捨てて、夏休み留学を検討されることもおすすめします。それくらい、英語ができないと致命的だからです。
2. 経済状況にハンデがある方へ
親の支援が就活で得られない方向けのアドバイスです。住んでいる地域周辺で就活するなら30万円、都心部へ移動しながら就活するなら50万円は見込んで貯蓄をしましょう。スーツや交通費、外食代はバカになりません。真っ先にすべきはOB・OG訪問やセミナーへ参加することではなく貯蓄です。
3. コミュニケーション能力にハンデがある方へ
今の内に腐るほど、堂々と話す練習をしてください。厳しい話ですが、たとえ持病でどもりがあるにしても、面接で不利になる可能性は否めません。あがらないためには、下記の本が参考になりますので、ぜひお試しください。
・1分のスピーチでも、30分のプレゼンでも、人前であがらずに話せる方法
少しでも早期就活であなたが内定へ近付けますよう、全力で応援しています。
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