こんにちは、ワンキャリ編集部です。
就職活動を進めると、必ずいわれるのが「就活の軸を持ちましょう」という助言。
ですが、そもそも「就活の軸」とは何を指すのでしょうか? また、就活の軸はどのようにして作ることができるのでしょうか? 今回は、「就活の軸」についてゼロから詳しく解説します。
<目次>
●就活の軸とは? 重要な理由と合わせて解説
●就活の軸には「本音の軸」と「建前の軸」の2つが存在
●「本音の軸」の絞り方:真意を深堀るテンプレートと例文
●「建前の軸」の例と答え方:本音を言い換えたものに
●「本音の軸」の例と答え方:最終兵器に使おう
●内定者の就活の軸に関する回答例一覧
●就活の軸の深掘りをして、自信を持って志望企業に挑戦しよう
就活の軸とは? 重要な理由と合わせて解説
「就活の軸」とは、あなたが就活をする上でどんな基準をもって行動するかを指します。軸を定めるメリットは主に2つあります。
1つ目は、志望動機が具体的になり、面接官を納得させやすくなることです。 新卒採用の面接では、「就活の軸」がよく聞かれます。その理由は、志望度の高さを見極めるためです。企業側は新卒者の早期離職は防ぎたいと考えているため、就活の軸を自社とマッチしているかを見極める判断基準にしているのです。
2つ目は、受ける業界・企業を絞ることができることです。業界や企業の判断軸ができることで、ミスマッチを防げたり、効率的な業界・企業選びができたりします。
しかし、「就活の軸が重要だ」といわれても、「企業研究もできていない段階では見つけ方が分からない」と感じる方もいるでしょう。そこで、実践的で簡単な「本音の軸」「建前の軸」と2層に分ける方法を用いて、深みのある「就活の軸」を作るポイントをお伝えしていきます。
就活の軸には「本音の軸」と「建前の軸」の2つが存在
どんな就活生にも本音と建前があります。例えば「将来、世界のどこでも働ける人材になりたい」という夢がある人の本音は「バリバリ海外で働いてモテたい」かもしれません。
就活の軸を作るためには、まず自己分析をして、自分の「本音の軸」を見つける必要があります。「そんなの分かりきってるよ」と思うかもしれませんが「ぶっちゃけると、どんな会社で働きたい?」と質問すると、こんな答えが返ってくるものです。
・バリバリ働きたいが、18時には帰りたい
・家庭を何よりも大切にしたいが、会社で鍛えられて成長したい
・お金も大事だし、待遇面のいい会社がいいが、厳しい環境に行きたくない
こういう理想は、残念ですが、2つ同時にはかないません。お金・やりがいを求めれば激務になりがちですし、安定した働き方を求めるなら仕事にルーティンワークが増えます。そこで本音の軸は必須だと思うものから優先順位をつけて絞る必要があります。
「本音の軸」の絞り方:真意を深堀るテンプレートと例文
こちらでは、「仕事を通して最も得たいもの」と「そのために犠牲にしてもいいと思うもの」を明文化し、「本音の軸」を絞るためのテンプレートを用意しましたので、使ってみてください。
就職先が( )ならば( )でもいい・例文1:就職先が( 30歳までにお金が1000万円もらえる )ならば( 多少は激務 )でもいい
・例文2:就職先が( 大企業でモテる )ならば( 仕事内容は単調なもの )でもいい
こんな風に希望の条件を最低3つは書いてみましょう。徐々に「本音の軸」が絞っていけるかと思います。こうして条件を絞るときは「なぜ激務でも高い給料が欲しいか」など、根拠を明確にしておきます。例えば、激務でも年収が欲しい根拠に、「承認欲求が異常に強く、他者から認められる定量的な指標の1つが年収だから」といった根源的な欲求を挙げる人もいるでしょう。このように、自身が重視する条件を絞った理由が、あなたの就活の価値観そのものです。次はいよいよ「建前の軸」に移っていきましょう。
「建前の軸」の例と答え方:本音を言い換えたものに
「建前の軸」といってしまうと、まるでウソをつくようですが「本音の軸」をベースにして作ります。本音の軸で作った「○○で働けるならば、××でもいい」という雛形(ひながた)から「××でもいい」を切り取ってポジティブに言い換えメリットを伝える「建前の軸」です。
上記の例文で使った「30歳までに1000万円もらえる、年収の高い仕事なら、多少は激務でもいい」で実践例を考えてみましょう。まずは後半の「多少は激務でもいい」を切り取ります。そして「激務の会社」で得られることを考えます。
激務の会社であれば……
・入社後、タフな環境で成長できる
・同級生より早く経験を積むことができる
といった利点を思いつくことができます。この利点を「タフな環境で成長したい」「早く経験を積みたい」と言い換えることによって一貫性のある「建前の軸」が生まれます。
もう1つの例である「就職先が大企業でモテるならば仕事内容は単調なものでもいい」でも考えてみましょう。
仕事内容が単調ならば……
・常に安定したパフォーマンスを発揮しやすい
・(繰り返し同じ業務を行うことで)正確に業務を遂行する能力が身につく
といった利点を考えることができます。あとは受ける企業に合わせて「常に安定したパフォーマンスを出せる人材でありたい」といってもいいですし、「正確さが求められる仕事がしたい」 といっても構いません。
このように「建前の軸」を本音の軸から作り出すことで、説得力があり、かつブレない自分の価値観を理解してもらえるのです。
「本音の軸」の例と答え方:最終兵器に使おう
一度「建前の軸」さえできてしまえば「本音の軸」は、不要なのでしょうか? 実は「本音の軸」が活躍する最大の機会は、圧迫面接です。
圧迫面接では「君の志望動機ってウソなんじゃないの?」といったわざと少し意地悪な見方で面接官が確認してきます。そこで軸が建前であることを疑われている場合は、「本音の軸」を取り出します。
例えば、「タフな環境で成長したいなんていって、いざ働いたら逃げ出すんじゃないの?」といわれたら、「本音の軸」を使ってこんな風に答えられます。
「私は幼少期から貧しい家庭で育ったので、お金の大切さを知っています。そのため、御社に入社したら稼いだお金で家族を助けたいと思っています。そのためなら、タフな環境でも全く構いません」
こんな風に「本音の軸」を準備しておけば、企業側を納得させることもでき、建前の軸しか持たない他の学生と評価で差をつけられる深みのある自己アピールができるのです。
内定者の就活の軸に関する回答例一覧
ここでは、実際に内定者が選考で企業に伝えていた就活の軸の例をご紹介します。 就活の軸を作成する際に参考にしてみてください。
・就活の軸:成長ができる環境がある
私の就職活動の軸は、1つあります。1つ目は、「成長ができる環境がある」ことです。私にとっての成長は、目指すべき目標が変わるということだと考えています。目標が変わるのはそれが達成されたときであり、それには多くのインプットや経験を積む必要があります。そのためには、幅広い業界を担い、世界規模で活躍し、優秀な人材とともに切磋琢磨(せっさたくま)できるといった環境が重要であり、そこで経験を積むことで自身の成長にさらなる飛躍が生まれると考えています。
※出典:アクセンチュア|デジタルコンサルタント職2022年卒本選考のエントリーシート
・就活の軸:IT技術を用いて顧客企業の発展に貢献する
2つ目は、「IT技術を用いて顧客企業の発展に貢献する」ことです。私は、貴社の説明会や座談会を通して、ITで解決できることや可能性の大きさに驚きました。そして、自身がIT技術に精通したコンサルタントとなり、顧客に対し技術を生かした提案を行いたいと思うようになりました。VUCAと呼ばれる予測不可能な時代の中でもテクノロジーを駆使した未来を見据えた課題解決を行いたいです。
※出典:アクセンチュア|デジタルコンサルタント職2022年卒本選考のエントリーシート
・就活の軸:「ものづくり」を通して人々の生活をよりよくする
私は学生時代学んだことを生かして「ものづくり」を通して人々の生活をよりよくするということが軸である。また現状の知識に満足せず、生涯技術者としても人としても成長していきたいと考えている。そのなかで貴社はいつの時代も保有する高い技術力で世間が必要としている全く新しいものを創り出すことで社会を豊かにし、また経営理念にもあるように個人としても会社としても成長し続けることができる、そのような社風や環境が整っている。これらの点が私の軸と完全に一致しており、私自身も成長し続けられる場所なのではないかと感じた。
※出典:シャープ|技術職2024年卒本選考のエントリーシート
・就活の軸:人々の人生をより過ごしやすくする
私の就活の軸は、人々の人生をより過ごしやすくすることである。 現在、日本では平均寿命が伸びており、「人生100年時代」と呼ばれている。また、それと同時に健康寿命の増加が注目されている。例え長く生きることが出来るようになったとしても、その年月を健康に過ごすことができなければ意味がないと私は考えている。では、健康寿命を延ばすためにはどうすればいいのか。それは、不必要なストレスを取り払い、生活の質をあげることだと思われる。日々の生活を「ほんの少し」良くするだけでも、長い目で見るととても大きな影響を及ぼすことになる。劇的な改革でなく仕事を通じて、人々の日常生活を良くしたい。それが私の目標である。
※出典:ジンズ|総合職2024年卒本選考のエントリーシート
・就活の軸:社会に貢献している
私は、「企業理念が明確で共感できる」かつ「社会に貢献している」企業にこだわり、就職活動をしています。私は、貴社のような、日々の生活を大切にする、という考えにとても共感します。また、誰かの役に立ちたい、という思いが強いので、その理念に基づき、いろいろな事業を展開し、さまざまな形で社会貢献するような企業に入り、自分個人も社会の役に立てるような人間になりたいとも考えています。
※出典:良品計画|総合職2020年卒本選考のエントリーシート
就活の軸の深掘りをして、自信を持って志望企業に挑戦しよう
ここまで、就活の軸の作り方について伝えてまいりました。多くの学生が目の前の選考に追われて、ないがしろにしがちな「軸」。しかし、深掘りして作ることでどんな選考でも物怖じをせず挑むことができますし、結果、内定にもつながります。企業とのミスマッチも防げるでしょう。「本音の軸」と「建前の軸」を使いこなして、就活を成功させましょう。
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