こんにちは、ワンキャリ編集部です。ワンキャリ編集部が総力を上げてお届けする【最新版:業界研究】。
人材業界と一口にいっても、そのビジネスモデルや仕事内容はさまざまです。そのため、人材業界について詳しく知らない方や、企業の区別がつかないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、業界内で売上高が大きく、就活生からも人気を集める4社(リクルート・パーソルキャリア・パソナ・リンクアンドモチベーション)の事業を比較します。
まずは事業内容別に詳しく見ていきましょう。
<目次>
●人材業界の種類とは?
●事業内容別:ビジネスモデルと魅力
●業績比較
●各社の特徴と選考のポイント
・リクルート
・パーソルキャリア
・パソナ
・リンクアンドモチベーション
●各社の平均給与
●おわりに
人材業界の種類とは?
人材業界の事業内容は以下4つに区分されます。
1. 求人広告:企業の求人広告を載せるメディアを作り、仕事を探す人に提供する事業
2. 職業紹介:企業から求人の依頼を受け、該当する人材を紹介する事業
3. 人材派遣:派遣登録者を必要とする企業に人材を紹介派遣する事業
4. 請負(アウトソーシング):企業から委託された業務を請け負う事業※参考:人材サービス産業協議会「2030年の労働市場と人材サービス産業の役割 P.2-5」
それでは次に事業内容別の市場動向から魅力まで詳しく見ていきましょう。
事業内容別:ビジネスモデルと魅力
1. 求人広告:広告制作/クリエイティブさが魅力
【市場動向】
求人広告事業の市場規模は2021年の時点で6,962億円で、新型コロナウイルス感染症の影響を最も受けた2020年度と比較すると67.8%増という結果になっており、かなり持ち直しています(※1)。
2023年2月の中途求人サイト月間訪問数ランキングでは、パーソルキャリアが運用している「doda」が1位。他の企業としてはマイナビなどが挙げられます(※2)。
(※1)参考:ADVANCE NEWS「新形態サービスの勢い拡大、全求協調査」
(※2)参考:PRTIMES「求人サイト月間訪問数ランキング」
【魅力】
求人広告はサービスとして、扱うのは「人」ではなく「広告」となることが大きな特徴です。
そのため、広告制作などのクリエイティブさも求められる仕事に興味を持つ学生に魅力的な事業といえるでしょう。
2. 職業紹介:クライアント/カスタマーと親密な関係を築く
【市場動向】
職業紹介は3,876億円の市場規模を持ちます(※3)。
【魅力】
職業紹介において、成約率を高めるためにはマッチングを適切に行う必要があります。
そのため、職業紹介事業は、クライアント企業と求職者と密な関わりを持てることが特徴です。人材業界の中でも密に人と関わり、一人一人と向き合う仕事をしたい人におすすめの事業といえるでしょう。
(※3)参考:人材サービス産業協議会「2030年の労働市場と人材サービス産業の役割 P.3」
3. 人材派遣:職探しから転職後までサポートする。業界最大規模を持つ市場
【市場動向】
人材派遣は市場規模6兆5,798億円と、人材業界の中でも圧倒的市場規模を持つ事業です(※3)。
【魅力】
人材派遣会社で働く上で、派遣社員との関係は仕事を紹介した後も続き、派遣社員のアフターケアを行うことも業務の1つです。
そのため、会社に派遣した後に派遣社員がどのように仕事を行っているかや、生き生きとした働きぶりが実際に見えることは、人材派遣の大きな魅力といえるでしょう。
4. 請負(アウトソーシング):人材育成/組織作りのプロフェッショナル
【市場動向】
請負(アウトソーシング)事業は市場規模2兆1,500億円です(※3)。多くのコンサルティングファームが力を入れていますが、人材コンサルティングに特化している企業は少数です。その中でも最近事業を拡大しているリンクアンドモチベーションは業界の中でも特徴的といえるでしょう(※4)。
【魅力】
請負(アウトソーシング)事業は人や組織の変革をサポートすることによって、クライアント会社全体の売上を改善することを目的とします。そのため、成果が目に見えて分かることが特徴です。
また、1つのプロジェクトで会社全体を変革するため、多くの人に影響を与えることができることも魅力といえるでしょう。
(※4)参考:リンクアンドモチベーション「コンサルティングサービス」
業績比較
人材業界の企業の中で業績を比べました。
※出典:2021年度有価証券報告書「リクルート P.130/パーソル P.77/パソナ P.66」
※出典:リンクアンドモチベーション「2022年12月期決算説明資料 P.5」
※会計基準はリクルートとリンクアンドモチベーションはIFRS方式、パーソルとパソナは日本方式で、各社のデータは連結決算の数値となっています。
売上高(収益)、営業利益ともにリクルートがトップです。
次は、各社の特徴と選考のポイントを見ていきましょう。
リクルートの特徴と選考のポイント
人材業界で、グローバルナンバーワンの時価総額を誇る
1960年、大学新聞に企業の求人広告を掲載し、求人情報を提供することから始まりました(※5)。その後、2014年に上場し、「20年に人材領域でグローバルナンバーワン」という目標を発表しました。その後、総合人材サービスの世界最大手であるアデコに売上高で並び、時価総額においては圧倒する存在になりました。同社は目標を達成したといえます(※6)。
※出典:リクルート「2021年度 有価証券報告書 P.145」
リクルートグループの事業体制は、「HRテクノロジーSBU」「マッチング&ソリューションSBU」「人材派遣SBU」の3つの戦略ビジネスユニットで構成されています(※7)。
(※5)参考:リクルート「RECRUIT GROUP PROFILE 2022 INSIDE OUT P.12」
(※6)参考:日本経済新聞「リクルートHD社長『ボタン1つで就職できる世界に』」
(※7)参考:リクルート「About ビジネスモデル」
選考のポイント
リクルートの社員は「起業家精神」「当事者意識」を誰もが重視しながら働いており、「Why are you here?(あなたはどうしたいのか)」という個人の意思を尊重する言葉が常に意識されています。そのため、選考では入念な自己分析を通し原体験とひもづけた「将来目指す姿」を明確に語る必要があります。
また、同社の営業は顧客の課題に深くまで入り込むため、顧客と共に課題を解決するタフさが求められます。事実、面接では学生時代に頑張ったことに関して「苦労したこと・大変だったこと」が聞かれるそうです。さらに面接では過去の経験に関し「なぜそれをやろうと思ったのか」「何のために取り組んだのか」「なぜそれが必要だと感じたのか」を深く聞かれたといいます(選考対策ページより)。
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パーソルキャリアの特徴と選考のポイント
「人」を通じた社会課題解決を行う企業
パーソルキャリアは主に、「doda(デューダ)」を展開する総合人材サービス企業で、会員登録者数(累計)は2022年2月末時点で679万人です(※8)。
※出典:パーソルキャリア「2021年度 有価証券報告書 P.112」
業界売上1位のリクルートが、不動産や教育、ウェディングなどさまざまな事業を展開するのに対して(※9)、同社は人材領域の課題解決にこだわり続ける姿勢が特徴です。
人材ビジネスに強い関心を持ち、主体的に課題を解決していきたいと感じる学生におすすめしたい企業です。
(※8)参考:パーソルキャリア「事業・サービス」
(※9)参考:リクルート「グループ事業概要」
選考のポイント
パーソルキャリアの選考では、一貫して理念である「はたらいて、笑おう。」を体現することが求められます。実際、内定者は1次面接以降も自分の原体験を振り返りながら「パーソルキャリアの理念に合っているか」を徹底的に確認されたとのこと。
また、本気で社会を変えようとしている社員が多いため、(1)社会を変えようと課題に向き合う熱意(2)人や人材領域に興味があることをアピールし、社風へのマッチを示しましょう(選考対策ページより)。
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パソナの特徴と選考のポイント
大きな影響力が魅力。官公庁とのつながりも
パソナは人材派遣事業を中心に、2022年には3,661億円を売り上げ、業績は右肩上がりです(※10)。
※出典:パソナ「2021年度 有価証券報告書 P.108」
また、官公庁・自治体向け業務委託サービスに力を入れており(※11)、企業のみならず、官公庁や地方自治体との案件も多くなっています。説明会では社員が「大きなお金を動かせる」「大企業・官公庁を通じて社会に大きな影響を与えることができる」と口を揃えて話していたそうです(選考対策ページより)。
人材事業を通じて、世の中に大きな影響を与えたいと考える学生におすすめの企業といえるでしょう。
(※10)参考:パソナ「財務ハイライト」
(※11)参考:パソナ「官公庁・自治体」
選考のポイント
パソナは、「社会課題を解決する」という企業理念を掲げており、社会課題解決に徹底的にこだわっています。内定者が選考で会った社員は、「給料のために働いているわけではない」と言い切っていたそうで、働く理由を社会貢献だと考えている社員が多かったそうです。
そのため、ESで「あなたが感じる社会の問題点はなんですか」という設問がある理由も、社員と同じように社会貢献に興味のある学生を求めているからだと推測できます。「社会貢献」を就職活動の軸に据えている学生はチェックしてみると良いでしょう(選考対策ページより)。
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リンクアンドモチベーションの特徴と選考のポイント
ヒトの「モチベーション」に着目した世界初のコンサルティングファーム
2000年4月に創業した、「モチベーション」にフォーカスし、組織人事に関するあらゆることをコンサルティングしている世界初の会社です(※12)。
※出典:リンクアンドモチベーション「2021年度 有価証券報告書 P.71」
企業を支援する切り口として、戦略や資金ではなく「モチベーション」に着目したコンサルティングサービスを展開しています(※13)。
これらのことから、同社はオンリーワンの存在であるといえるでしょう。
(※12)参考:リンクアンドモチベーション「企業情報」
(※13)参考:リンクアンドモチベーション「代表挨拶」
選考のポイント
ある内定者が人事から聞いた話によると「強い・賢い・熱い・気持ちいい」の観点から学生を見ているといいます。
具体的な性質は以下のとおりです。
強さ:物事に対して粘り強く取り組めるか
賢さ:論理的に物事を考えられるか
熱さ:ヒト・組織を変えられるほどの情熱を持っているか
気持ちよさ:相手との円滑なコミュニケーションが可能か
ある内定者は「どれかひとつだけが長けているだけでは足りない。少なくともこのうちの3観点は優れているといい」と話しているため、4つの観点をバランスよくアピールすることが大切だといえます(選考対策ページより)。
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各社の平均給与
各社の平均給与は以下の通りです。
企業名 | 平均給与 | 平均年齢 |
リクルート |
998万円 |
38.9歳 |
パーソル |
730万円 |
39.5歳 |
パソナ |
619万円 |
36.8歳 |
リンモチ |
672万円 |
31.7歳 |
※出典:2021年度有価証券報告書「リクルート P.20/パーソル P.13/パソナ P.10/リンクアンドモチベーション P.12」
※平均給与は千の位を四捨五入しています
日本全体の30代の平均年収が約430万円(※14)です。企業によって差はあれど、平均より高めの水準だといえるでしょう。
(※14)参考:国税庁長官官房企画課「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告- P.180」より算出し、小数点以下四捨五入
おわりに
人材業界についての理解は深まったでしょうか?
一口に人材業界といっても、その事業内容によって仕事内容や魅力が異なります。
「仕事を通してどのようなことを成し遂げたいのか」によって、どの会社を志望するのかも変わると思うので、ぜひ業界研究も徹底的に行ってみましょう。
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各社の選考情報については、以下の選考対策ページも活用してみてください。
※注釈のない記載は、選考対策ページ(下記)の情報をもとにしています
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