こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。
今回は、酒類に強みを持ち、就活生からも強い人気を持つサントリーホールディングス・アサヒグループホールディングス・キリンホールディングス・サッポロホールディングスの4社について、各社の特徴を比較しながらお伝えします。以下、それぞれ「サントリー・アサヒ・キリン・サッポロ」と表記します。
<目次>
●飲料メーカーの業界動向
●飲料メーカー大手4社の業績比較・ランキング
●飲料メーカー大手4社の特徴・強み
・サントリー:幅広い商品ブランド、積極的なM&Aで海外展開を図る
・アサヒ:トレンドに合わせた商品展開と積極的な海外展開
・キリン:事業の多角化を目指す。医薬事業への挑戦も
・サッポロ:不動産事業への挑戦
●飲料メーカー大手4社の社風の違い
・サントリー:「やってみなはれ」を体現した、個人主義・能力主義の社風
・アサヒ:チームで業務に取り組む、熱意と信頼関係に満ちた職場環境
・キリン:真面目で誠実な人が多く、チームワークを重視する社風
・サッポロ:オンリーワンを目指し、チャレンジ精神と巻き込み力がある人材に適した社風
・飲料メーカー選考の共通のポイント:深い企業理解の伴った明確な志望動機
●飲料メーカー大手各社の平均年収・平均勤続年数・平均年齢
●ワンキャリア主催のイベントで、業界・企業の最新情報をゲットしよう
●飲料メーカー大手4社の選考対策ページ・クチコミ
●飲料メーカー以外の業界研究記事
飲料メーカーの業界動向
清涼飲料水における2022年の総生産量は22,725千キロリットルで、前年比は102.7%です。この数値は、すべての国民が毎日498ミリリットル、500ミリリットルペットボトルをほぼ1本飲んでいる計算です。
また、生産者販売金額は4兆1,537億円。2019年以来の4兆円越えとなり、加工食品業界では、最大規模を維持しています(※1)。
(※1)参考:一般社団法人 全国清涼飲料連合会「全清飲2023活動レポート P.5」
海外展開に向けてM&Aが盛んに
国内では大小含め多数の飲料メーカーがひしめく状態となっており、競争は激化しています。そこで、大手飲料メーカーは近年、海外市場での売上を伸ばすことに注力しています。例えば2020年にはアサヒが、バドワイザーをブランドに持つアンハイザー・ブッシュ・インベブの傘下である豪州のビール会社、カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)の全株式を取得する手続きを完了(※2)。2022年には、サッポロがアメリカのストーン・ブリューイング社の全持分を取得する(※3)など、人口減少による日本のビール市場の縮小が見込まれる中、海外展開の加速が見られます。
(※2)参考:DIAMOND Chain Store「アサヒ、ABインベブ豪事業の株式取得完了 一部ブランド売却へ」
(※3)参考:サッポロ「沿革」
新型コロナウイルス感染症の影響と今後の見通し
新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和や、早い梅雨明け、酷暑の到来などにより、回復傾向が顕著だった2022年度の飲料市場。健康維持・免疫力向上やストレス緩和などのニーズがコロナ前よりも高まり、これらのニーズに対応して売上を伸ばしたヒット商品も生まれました。
2023年度は2022年度以上に人出が増えるものと考えられることから、飲料市場規模は5兆円の大台を回復するものと予測されています(※4)。
(※4)参考:株式会社矢野経済研究所「飲料市場に関する調査を実施(2023年)」
飲料メーカー大手4社の業績比較・ランキング
動きの激しい飲料メーカーをけん引する4社の業績を比較してみましょう。
以下のグラフは、2022年度の各社の売上収益・営業利益を比較したグラフです。
※出典:2022年度有価証券報告書(サントリー P.54/アサヒ P.100/キリン P.101/サッポロ P.75)
※会計基準は4社ともIFRSで、連結決算の数値となっています。
売上収益、営業利益ともにサントリーが首位を走っています。
サントリーは、2014年に世界有数のプレミアムスピリッツメーカーであるビーム社の全株取得や、サントリー食品ヨーロッパ社の設立により、海外売上比率を大きく伸ばしています(※5)。2022年度は、アジアパシフィック地域で清涼飲料事業や健康食品事業の主要ブランドが大きく伸長。また、日本では『サントリー天然水』『伊右衛門』『GREEN DA・KA・RA』が過去最高の販売数量を達成しました(※6)。
それでは、各社の特徴を見ていきましょう。
(※5)参考:サントリー「サントリーの歴史」
(※6)参考:サントリー「2022年度有価証券報告書 P.25」
飲料メーカー大手4社の特徴・強み
サントリー:幅広い商品ブランド、積極的なM&Aで海外展開を図る
事業の特徴
1899年、鳥井信治郎によって創業されたサントリー(※7)。競争が激化する飲料業界において売上首位の座に位置する同社は、酒類・清涼飲料ともに非常に多くのヒット商品を持っています。
【代表ブランド】
ザ・プレミアム・モルツ/鏡月/ジムビーム/ほろよい/のんある気分/緑茶 伊右衛門/ペプシ/C.C.レモン/ボス など※参考:サントリー「商品情報」
2022年度の売上収益のセグメント構成比は以下の通りです。
※出典:サントリー「2022年度有価証券報告書 P.69」
売上の約半分を占めるのは飲料・食品事業です。ブランド強化や新規需要の創造に注力、また、特定保険用食品・機能性表示食品である『特茶』や『伊右衛門 濃い味』『サントリー烏龍茶OTTP』などの販売数量も好調で、売上収益は前年を上回りました(※8)。
2022年7月にはサントリー株式会社を設立し、ワイン、ビール、スピリッツなど複数の事業を束ね、国内の酒類事業の製造から販売までを一本化。より迅速に消費者ニーズに対応できる体制に強化されています(※9)。
(※7)参考:サントリー 新卒採用「サントリー『やってみなはれ』の歴史」
(※8)参考:サントリー「2022年度有価証券報告書 P. 23」
(※9)参考:サントリー 新卒採用「事業戦略」
海外事業
先述した通り、2014年にビーム社の全株を取得するなど、サントリーは海外進出の足がかりとして海外企業のM&Aを複数行っており、他社と比較しても海外進出は一歩先んじているといえます。数字を見ても、海外売上(酒税控除後)は1兆3,593億円にのぼり、全体売上の51%を占めています(※10)。
大規模M&A、子会社設立など、さまざまな手法を組み合わせ、グローバル体制の基礎を構築(※11)。「世界で戦う」ことを目指す同社は、今後もグローバルプレイヤーとして飽くなき挑戦を繰り広げていくことが期待されます。
(※10)出典:サントリー「2022年度有価証券報告書 P.26」
(※11)参考:サントリー 新卒採用「グローバル経営基盤」
アサヒ:トレンドに合わせた商品展開と積極的な海外展開
事業内容
アサヒは、1889年に大阪麦酒会社として設立以来、瓶詰生ビール『アサヒ生ビール』や、缶入りの『アサヒビール』など、日本初のビールを多数生み出したビールメーカーです(※12)。
グループ理念「Asahi Group Philosophy」では、「期待を超えるおいしさ、楽しい生活文化の創造」というミッションを掲げています(※13)。
【代表ブランド】
アサヒスーパードライ/クリアアサヒ/ブラックニッカ/かのか/三ツ矢サイダー/カルピス など※参考:アサヒ「商品情報」
2022年度の売上収益のセグメント構成比は以下の通りです。
※出典:アサヒ「2022年度有価証券報告書 P.117」
少子高齢化や嗜好(しこう)の多様化などを背景に、酒類の国内市場は縮小傾向にあります(※14)。そのような状況の中で、アサヒはコロナ禍を始めとする消費者行動の変化に伴い(※15)、トレンドに対応した製品開発に注力しています。
例えば、「宅飲み」の需要が増える中で、缶ビールではあるものの、ジョッキに注いだ生ビールを飲んでいるような体験ができる『アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶』の通年販売を開始(※16)。また、需要が高まるソバーキュリアススタイル(※17)に向けて、『ウィルキンソン』から『#sober(タグソバー)』シリーズを提案するなど、健康志向を踏まえた新たな価値創造を図っています(※16)。
(※12)参考:アサヒ「歴史・沿革」
(※13)参考:アサヒ「グループ理念」
(※14)参考:国税庁「酒レポート 令和5年6月」
(※15)参考:DIAMOND online「コロナ禍における家飲みマーケットの分析から見えてきた『市場拡大』のヒントとは?」
(※16)参考:アサヒ「2022年度有価証券報告書 P.39」
(※17)……欧米のZ世代・ミレニアル世代を中心に近年流行している「あえてお酒を飲まない」という新しいライフスタイルのこと。
海外事業
国内市場が縮小傾向にある中で、酒類に強みを持つメーカーとして海外市場に大きく舵(かじ)を切りました。2020年に豪州のビール最王手、カールトン・アンド・ユナイテッド・ブルワリーズ(CUB)の買収を完了させるなど数々の海外M&Aを行い、海外での事業展開を加速させています(※18)。
2022年より事業セグメントを変更(※16)。上記のグラフを見ても海外の収益比率は約48%となっており、積極的な海外展開への熱意がうかがえます。
(※18)参考:JETRO「豪競争・消費者委、アサヒGHDの豪ビール最大手CUB買収を実質的承認
キリン:事業の多角化を目指す。医薬事業への挑戦も
事業の特徴
キリンは、1907年に設立し、現在は178社のグループ企業を擁しています(※19)。経営の原点として「お客さま本位」「品質本位」を掲げ、顧客の満足と、安全で安心な商品・サービスの提供に努めています(※20)。
【代表ブランド】
一番搾り/淡麗グリーンラベル/氷結/本麒麟/SPRING VALLEY 豊潤<496>/キリン 午後の紅茶/キリンレモン など※参考:キリン「ソフトドリンク・乳製品/お酒」
2022年度の売上収益のセグメント構成比は以下の通りです。
※出典:キリン「2022年度有価証券報告書 P.121」
キリンの特徴は、ビール・酒類だけに頼らない事業の多角化を進めている点であり、国内・スピリッツ事業の全体に占める割合は、3割程度です。
また、売上の約20%を占める医薬事業は連結子会社の協和キリンが担っています。新型コロナウイルス感染症の影響で世界の治療環境が変化する中、『Crysvita』『Poteligeo』などのグローバル戦略品を着実に成長させています。また、次世代戦略品である『KHK4083(一般名:rocatinlimab)』や、『KHK7791(一般名:テナパノル塩酸塩)』などの開発も着実に進捗(しんちょく)しています(※21)。
また、2027年までに「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業となる」ことを目指す長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027(KV2027)」を推進中(※22)。「2022年-2024年中期経営計画」では、「ポストコロナを見据えた事業構造改革の実行」「新たな価値創造」を目標にし、成長を加速させていく方針です(※23)。
(※19)参考:キリン「企業情報」
(※20)参考:キリン「品質への取り組み」
(※21)参考:キリン 「2022年度有価証券報告書 P.40」
(※22)参考:キリン 「2022年度有価証券報告書 P.66」
(※23)参考:キリン「長期経営構想・中期経営計画」
海外事業
医薬事業の海外進出については上記の通りですが、キリンの海外事業を支えるのは各国の子会社が展開するビール事業です。売上収益の約12.9%を占めるオセアニア酒類事業では、業務用市場が新型コロナウイルス感染症の影響から回復傾向にあった一方、家庭用市場は軟調に推移しました。
2022年度にはアメリカでベルズ・ブルワリー社を傘下に収め、ニュー・ベルジャン・ブルーイング社とともに、北米におけるクラフトプラットフォーム構築を進めています(※24)。
(※24)参考:キリン 「2022年度有価証券報告書 P.40」
サッポロ:不動産事業への挑戦
事業の特徴
サッポロは1876年、北海道・札幌にて「開拓使麦酒醸造所」として創業されました(※25)。「新しい楽しさ・豊かさをお客様に発見していただけるモノ造りを」を経営理念としています(※26)。
【代表ブランド】
YEBISU/サッポロ生ビール黒ラベル/麦とホップ/ポッカレモン/じっくりコトコト※参考:サッポロ「商品情報」/pokka sapporo「商品カテゴリー覧」
2022年度の売上収益のセグメント構成比は以下の通りです。
※出典:サッポロ「2022年度有価証券報告書 P.92」
上記のグラフを見ると、酒類事業の割合が高い飲料メーカーであることが分かります。
サッポロは食品飲料部門の強化を目的に、2011年にポッカコーポレーションの株式を取得しました(※25)。同社の人気商品であった、スープの『じっくりコトコト』シリーズや、『キレートレモン』といった商品は、同事業部門の主力商品として、現在もサッポロの収益基盤を支えています。
また、事業セグメントとして不動産事業の部門を設けており、独自経営を行っているのがサッポロの特徴です。
同社の業績を売上ベースで見ると不動産事業の割合は4.3%程度ですが、営業利益ベースで見ると約33%であり、酒類事業についで営業利益を上げていることが分かります(※27)。同事業は現在、恵比寿・札幌のコア物件の価値向上とまちづくりを推進。賃貸中心の収益基盤から、総合的な資産価値の向上に努めています(※28)。
(※25)参考:サッポロ「沿革」
(※26)参考:サッポロ「企業理念体系・ビジョン」
(※27)参考:サッポロ「2022年度有価証券報告書 P.92」
(※28)参考:サッポロ「2022年度有価証券報告書 P.27」
海外事業
サッポロビールは、1985年にアメリカでの日本製ビールシェアNo.1となり、35年以上首位の座を守っています。
日本国内だけでなく、欧州、アジア、オセアニアなど世界各国でビールを販売しています。
2006年にはカナダ第3位のビールメーカー、スリーマンブルワリー社を買収。また、2011年には日本のビールメーカーとして初めてベトナムに新工場を落成させるなど、サッポロビールは世界の「SAPPORO」へ躍進を続けています(※29)。
(※29)参考:サッポロ「日本から、 世界の『SAPPORO』へ躍進」
飲料メーカー大手4社の社風の違い
これまで、各社の事業上の特徴について説明してきました。次に、各社の文化や風土の違いと、それに関わる選考でアピールすべきポイントについて説明します。
サントリー:「やってみなはれ」を体現した、個人主義・能力主義の社風
サントリーは「やってみなはれ」の言葉で表されるように、社員一人一人の挑戦する姿勢を重視しており、個人主義・能力主義の社風を持つといえます。実際にある内定者は、「実力主義の会社のように感じた。社員が『自分たちが出した成果を評価してプロジェクトを任せられるケースも多々ある』と話していたからだ」と語っています。
また、2024年卒のESでは「今までの人生における『挑戦』または『創造』について」というテーマのプレゼンテーションフォームが課され(選考対策ページより)、これについて深掘りがされていることから、学生が過去にどのような挑戦を行ってきたかを重視していることが分かるでしょう。
したがって、同社の選考では積極的に挑戦していくマインドを持ち合わせていることが大切と考えられます。
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・【サントリーグループ/3分対策】「やってみなはれ」を実践できる挑戦心をアピールせよ!本選考の選考対策ポイント
アサヒ:チームで業務に取り組む、熱意と信頼関係に満ちた職場環境
アサヒの魅力は、チームで業務に取り組む、熱意と信頼関係に満ちた職場環境があることです。
実際にある社員は、「営業で結果が出ず落ち込むことはあるが、チームで目標を達成するため、互いにフォローし合える仲間思いの社員が集っている。また、目標達成への熱意に満ちた社員が多い」と語っています(※30)。
また、大半の事務系社員は業務用営業や量販営業に携わることになりますが、その際、営業成績を上げるために困難な場面にぶつかることが少なからずあるとのこと。選考においても、「困難な場面に直面しても、乗り越えられる粘り強さ」を示すことが重要だと考えられます。
加えて、顧客と直接コミュニケーションを取る際に、「好印象を与えられるような人当たりの良さ」を持ち合わせていることも、重要な資質の1つだと考えられます。実際に、ある内定者は人当たりの良さを示すため、面接官の質問に笑顔で回答したり、他の学生が回答している際には笑顔でうなずくなどのリアクションを取ったりしたそうです(選考対策ページより)。
(※30)参考:アサヒビール 新卒採用サイト「人を知る 大河原 由美子」
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キリン:真面目で誠実な人が多く、チームワークを重視する社風
内定者はキリンについて、「真面目で誠実な人が多く、チームワークを重視する社風である」と語っています。
また、ビール分野での新たな取り組みをはじめ、ヘルスサイエンスや医領域にも事業を広げてきた同社。こうした背景から、既存の枠にとらわれず新しい挑戦を推進するような、リーダーシップを持った学生が求められていると考えられます。
実際に、キリンが求める人物像として、「『熱意・誠意・多様性』を共通の価値観として、リーダーシップを発揮し、成長・発展し続けられる人財」を挙げているほか(※31)、ある23卒の内定者は選考で「周りを巻き込んで推進していけること」を強みとして述べた上で、部活の代表として部員をまとめ、チームの目標を果たしたエピソードを伝えたところ、選考を通過しています(選考対策ページより)。
(※31)参考:キリン 採用情報「キリンが求める人財について」
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・【キリンホールディングス:3分対策】志望度の高さがカギ!本選考の選考対策ポイント
サッポロ:オンリーワンを目指し、チャレンジ精神と巻き込み力がある人材に適した社風
「オンリーワン」を目指して数々の取り組みを行ってきたサッポロは、「開拓者精神」を重視しているそうです。選考においても、新しいことにも果敢に挑戦できる、チャレンジ精神の強い学生を求めていると考えられます。
実際、本選考のESでは「今までの人生におけるあなたの挑戦とそこから学んだことを最大3つ」を問われています。よって、チャレンジ精神の強さが伝わるエピソードを話すことで、同社への適性を示すと良いでしょう。また、「挑戦したときにぶつかった困難も乗り越えられた」と伝えることで、「困難に直面しても諦めない粘り強さ」も同時に示せます。
また、サッポロは営業がメインの仕事であることもあり、周囲と信頼関係を築き、組織に対して影響を発揮できるかどうかも重視されています。実際、ある内定者は「学生時代に力を入れたこと」を聞かれた際、周囲を巻き込んでイベントを主催したエピソードを伝えると、高く評価されたそうです(選考対策ページより)。
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飲料メーカー選考の共通のポイント:深い企業理解の伴った明確な志望動機
ここまで各社で学生に求められている要素の違いや特徴をお伝えしましたが、飲料メーカーに分類される4社共通のポイントとして、十分な企業理解を踏まえた志望動機を持っているか、という点が挙げられます。
競合他社の多い飲料業界では、他社に学生が流出しないようにするため、他社との差別化ができているかが重視されているのでしょう。各社のESでも、志望理由や、社風とのマッチングを問うような設問は例年課されます。
【過去のES設問例】
・サントリーは「挑戦」と「創造」の歴史です。そこで皆さん自身の「挑戦」または「創造」についてお聞かせいただきたいと思いますので、自由にお書きください。(サントリーホールディングス 2024年卒)
・あなたが思う「高い成果を出すためにチームワークに必要な要素」は何だと思いますか。(アサヒビール 2024年卒)
・その強みを生かして、あなたがこれまでの人生の中で最も本気で挑戦したエピソードを教えてください。(キリンホールディングス 2023年卒)
・今までの人生で最大の挑戦と挑戦した理由、その結果得られたことを教えてください。(サッポロビール 2024年卒)
面接でも「なぜ数あるメーカーの中でもこの会社なのか」「入社してから実現したいことは何か」などの質問を想定して、あらかじめ明確な答えを用意するようにしましょう。
飲料メーカー大手各社の平均年収・平均勤続年数・平均年齢
各社の平均年収・平均年齢・勤続年数は以下の通りです。
企業名 | 平均年収 | 平均勤続年数 | 平均年齢 |
サントリー | 1140万円 | 19.7年 | 45.0歳 |
アサヒ | 1230万円 | 11.9年 | 41.3歳 |
キリン | 943万円 | 15.0年 | 42.49歳 |
サッポロ | 867万円 | 20.6年 | 46.8 歳 |
※出典:2022年度有価証券報告書「サントリー P.9/アサヒ P.10/キリン P.10/サッポロ P.10」
※平均給与は千の位を四捨五入しています。
サントリーとアサヒの平均給与は1000万円を超えており、業界の中でも高い水準となっています。
また、日本全体の40代の平均年収が約492万円(※32)です。多少の差はあれど、4社とも他の業界と比較しても高い水準といえるでしょう。
(※32)出典:国税庁長官官房企画課「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告ー P.21」より算出
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飲料メーカー大手4社の選考対策ページ・クチコミ
いかがでしたか。
今回は酒類に強みを持つ飲料メーカー4社の特徴を、比較しながら説明してきました。先述したとおり、他社との差別化ができているかが重要視される業界なので、本記事の内容はしっかりと頭に入れておきましょう。
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・【業界研究:石油業界】「ENEOS・出光興産・コスモエネルギー・国際石油開発帝石・石油資源開発・三井石油開発」石油大手6社の業績、社風を徹底比較!
・【業界研究:航空会社】大手2社(全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL))を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【非鉄金属:業界研究】大手4社(住友電気工業・三菱マテリアル・JX金属・住友金属鉱山)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️不動産・建設 ・【デベロッパー:業界研究】大手6社(三井不動産・三菱地所・東急不動産・住友不動産・野村不動産・森ビル)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【デベロッパー2:業界研究】大手4社(ヒューリック・東京建物・日鉄興和不動産・NTT都市開発)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【スーパーゼネコン:業界研究】主要5社(大林組・鹿島建設・大成建設・清水建設・竹中工務店)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️IT・通信 ・【SIer:業界研究】SIer大手5社(アクセンチュア・NTTデータ・野村総合研究所・日本IBM・富士通)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【通信:業界研究】大手キャリア4社(NTTドコモ・ソフトバンク・KDDI・楽天)を比較!業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▪️人材・教育 ・【人材:業界研究】大手4社「リクルート・パーソルキャリア・パソナ・リンクアンドモチベーション」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
・【教育:業界研究】大手4社「ベネッセ・リクルート・トライ・LITALICO」を比較!業績ランキング・平均年収・社風/強みの違い
▼就活記事の総集編まとめ
・【新特集スタート】就活生の悩むべき問題は5つだけ。モヤモヤした視界を切り開く「就活の羅針盤」
・インターン/就活はいつから?スケジュールと準備の進め方
・OB・OG訪問とは?就活でOB・OG訪問が必要な人、しなくていい人
・志望動機の書き方と例文集|人気8業界のES通過例文と王道の回答例
・【自己PRの書き方】ESで強みを効果的にアピールするには?新卒採用担当の目線と内定者の回答例から解説
・【面接対策】質問集&回答例|新卒就活でよく聞かれることと準備方法
・【自己分析のやり方】たった4通り!簡単にできる方法・ツール・シートを解説
・【業界研究:34業界収録】めんどくさい業界研究は全て任せろ!金融/商社/不動産/メーカー/広告/コンサルなど人気業界/企業を徹底比較
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・グループディスカッション完全対策!全テーマの進め方/コツや役割を網羅的に解説
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(Photo:Elena Veselova/Shutterstock.com)