こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。今回は製薬業界がテーマです。
製薬業界の主要5社である武田薬品工業(以下、武田薬品)、大塚製薬、アステラス製薬、第一三共、中外製薬について、各社の強みや社風を比較しながらお伝えするとともに、特許失効問題や医療制度に大きく影響を受け、変化する製薬業界の魅力に迫ります。
<目次>
●製薬業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
・ビジネスモデル
・取り扱う薬の種類
●製薬業界全体の動向
・バイオ医薬品
・デジタル医薬品
・後発薬シフトと薬価制度改定
・創薬研究やMRのDX化
・ビッグデータの活用
●製薬業界の仕事内容・主な職種
・研究職
・開発職
・営業職(MR)
・事務職
・薬事職
・生産・技術職
・管理薬剤師
・広報・マーケティング
●製薬業界大手5社の業績比較・ランキング(売上高/営業利益)
●製薬業界大手5社の特徴・強み
・武田薬品:国内シェア1位のガリバー、タケダイズムを重んじる誠実な取り組み
・大塚製薬:「ものまねをしない」大塚製薬独自を追求するビッグベンチャー魂
・アステラス製薬:幅広い海外地域での事業展開
・第一三共:老舗ブランドを持つ、信頼を集める医薬品メーカー
・中外製薬:目の前の患者に寄り添い、常に進歩を追求するバイオ医薬品のパイオニア
●製薬業界大手5社の社風の違い・制度
・武田薬品:国内トップの研究開発費により充実した環境が整う
・大塚製薬:成長を積極的に後押しする環境で幅広い業務に携われる
・アステラス製薬:「患者への貢献」の価値観が根強い。主体的に結果を求める社風
・第一三共:広い視野と専門的な力を重視。キャリア形成支援も充実
・中外製薬:上下関係にとらわれず意見交換ができ、風通しの良い文化が根付いている
●製薬業界大手5社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
●製薬業界で働く魅力・やりがい
・人々の人生と未来を支える
・新しい医薬品を生み出す醍醐味(だいごみ)
・医療現場のリアルな声に触れられる
・安定している
・高収入が期待できる
・充実した福利厚生
●製薬業界大手5社の選び方
・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出す
・情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用する
・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用する
・手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ
・企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ
・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理する
●製薬業界大手5社が求める人物像・選考対策
・製薬業界が求める人物像
・製薬業界の選考対策
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製薬業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
製薬業界は、医薬品の開発・製造・販売を一手に担っている業界で、人々の健康的な暮らしを守るためになくてはならない業界です。製薬業界の業務内容は幅広く、さまざまな職種の人が働いています。
ここでは、そんな製薬業界のビジネスモデルや取り扱う薬の解説を通じて、製薬業界とはどのような業界であるかを解説します。
ビジネスモデル
前提として、製薬業界では、医薬品の生産において大きく2つの業務があります。1つ目が製品の製造・販売、2つ目が新薬の研究開発です。
まず、1つ目の製品の製造・販売について解説します。
基本的には製薬会社から医薬品卸売会社を経由して医療機関や薬局、薬店に提供されます。このとき、医薬品が提供される各段階において販売料としての収益が発生します(※1)。
次に、2つ目の新薬の研究開発について解説します。
新薬の発売に至るまでには、「探索研究→前臨床試験→臨床試験→承認審査」という段階を経る必要があります。発売に至るまでに、9年〜16年に及ぶ開発期間と数百億円から1千億円を越える莫大(ばくだい)な開発費用がかかります。加えて、研究対象となった候補物質のほとんどが途中の段階で開発が断念されます(※2)。このことから、新薬の研究開発は非常に難易度が高い業務であるといえるでしょう。
しかし、無事承認された新薬は、特許期間や再審査期間の間で独占販売が可能です。承認後の新薬の売上は独占販売期間中は売上が拡大するものの、独占販売期間が終わるとジェネリック医薬品が登場し、売上が急激に落ち込む傾向があります(※2)。
つまり、製薬会社が持続的に成長していくためには、継続的に研究開発を行い、新薬の発売による収益源の確保が必要不可欠であるといえます(※2)。
(※1)参考:厚生労働省「医薬品卸の現状や課題を踏まえた今後の対応 P.2」
(※2)参考:第一三共「医薬品業界について」
取り扱う薬の種類
製薬業界が取り扱っている薬は主に3種類です。1つ目が医療用医薬品、2つ目が要指導医薬品、3つ目が一般用医薬品です。

以下、それぞれについて詳しく解説します。
医療用医薬品
医療用医薬品とは、医療目的で開発された薬のことです。医師の処方に基づいて、患者が薬局などで購入する必要があります。一方、後ほど紹介する要指導医薬品・一般的医薬品(OTC医薬品)は、医師の処方がなくとも購入できます(※3)。
また、医療用医薬品は、さらに新薬と後発医薬品(ジェネリック)に分けることができます。
(※3)参考:厚生労働省「医療用医薬品と一般用医薬品の比較について」
要指導医薬品
要指導医薬品とは、薬剤師の指導のもとでなければ販売できない医薬品のことで、購入する際に薬剤師が対面で情報を提供したり指導を行ったりする点がポイントです。また、薬局や店舗販売業において対面でのみ販売されます(※4)。
要指導医薬品は、原則3年間市販薬として販売されます。その後、安全性に問題がなければ一般用医薬品として転用されます(※4)。
要指導医薬品は、一般用医薬品(OTC医薬品)よりも慎重に取り扱う必要がありますが、医療用医薬品ほどではないというイメージで良いでしょう。
(※4)参考:厚生労働省「要指導医薬品について P.2」
一般用医薬品(OTC医薬品)
一般用医薬品とは、私たちが日頃ドラッグストアなどで気軽に買える薬などが該当する医薬品です。医師の処方箋や薬剤師の指導がなくても購入できます。これは、一般の人が直接薬局などで購入し、自らの判断で使用することを前提に、有効性に加え、安全性の確保を重視して審査されているからです(※3)。

