こんにちは、ワンキャリ編集部です。
ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。
今回は、業務のグローバルさから就活生に人気の根強い海運業界についてお伝えします! 他国との密接な関係が避けられない貿易業。まずは、海運の概要などの基本から大手3社(日本郵船・商船三井・川崎汽船)について、さまざまな視点から分析します。
<目次>
●海運業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
・ビジネスモデル
・内航海運と外航海運の違い
●海運業界の動向
・新型コロナウイルス感染症による不況と回復
・石油価格の変動や世界情勢の影響を受けやすい
・海運大手3社が共同でコンテナ船事業を発足
・デジタル化への対応
・環境に配慮する取り組み
●海運業界の職種
・海上職
・陸上職
●海運業界大手3社の業績比較・ランキング(売上高/営業利益/営業利益率)
●海運業界大手3社の特徴・強み
・日本郵船:安定型の「総合」物流企業
・商船三井:グローバルに大きくモノを動かす、海運のスペシャリスト
・川崎汽船:「進取の気性」常にチャレンジを続ける非財閥系企業
●海運業界大手3社の社風の違い・制度
・日本郵船:国を支える誇りを胸に、穏やかさを体現する
・商船三井:組織力の日本郵船、個人力の商船三井
・川崎汽船:おおらかな社風と充実したワークライフバランス
●海運業界大手3社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
●海運業界で働く魅力・やりがい
・外国企業との関わりも多く、グローバルな働き方ができる
・世界経済や世界貿易を支える、スケールの大きな仕事ができる
・船という環境下で業種が多いため、幅広い業務経験を積める
●海運業界大手3社の選び方
・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
・情報収集ではONE CAREERの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリアライブ』を活用しよう!
・手間がかかる「業界研究」はONE CAREERにおまかせ!
・企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ!
・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう
●海運業界大手3社が求める人物像・選考対策
・海運業界が求める人物像
・海運業界の選考対策
●海運業界以外の業界研究記事
▼業界理解が深まったら企業分析をしよう▼
海運業界とは? 事業内容/提供サービスを解説
海運業界とは、世界各地の港と港をつなぎ、物資や人の輸送を行う産業です。貨物輸送が主な事業であり、内航海運と外航海運に分かれ、国内外の経済活動を支える重要な役割を果たしています。ここでは、海運業界のビジネスモデルや運搬手段、内航海運と外航海運の違いについて詳しく解説します。
ビジネスモデル
海運業界のビジネスモデルは、主に物資の運搬、船舶の売買や賃貸によって成り立っています。
物資の運搬では、定期船と不定期船を使い分け、顧客のニーズに対応します。また、船舶の売買や賃貸も業界の重要な柱であり、効率的な運営をサポートしています。
ここでは、これらのビジネスモデルについて詳しく解説します。
物資の運搬
定期船は、決められた航路を定期的に往復するもので、主にコンテナ輸送などで使用されます。一方、不定期船は、依頼者のニーズに応じて運搬ルートを柔軟に変更する仕組みで、主に大口の貨物や特定の時期に集中する需要に対応します。
運搬する物資に応じて、さまざまな種類の船が活用されます。例えば、穀物や鉱物などを輸送するドライバルク船、自動車を専門に運ぶ自動車専用船などがあり、顧客のニーズに合わせた最適な輸送手段を提供しています。
船舶の売買/賃貸
海運業界では、船舶の売買や賃貸も重要なビジネスモデルの一つです。
海運業者は、物資を運搬するために船舶を必要としますが、すべての船舶を自社で保有することは難しく、限界があります。そこで、船舶を売買したりリースしたりする会社が存在し、必要に応じてこれらを利用することで、一時的に船舶を増やし、より多くの貨物を運搬することが可能になります。
船舶の賃貸は、海運企業にとって安定した収入源となるモデルです。特にリース契約により、船舶を貸し出すことで長期間にわたる安定した収益を確保できます。これにより、海運業者は自社で全ての船舶を保有せずとも、大規模な輸送を実現し、効率的な運営が可能となります。
このような船舶の売買・賃貸ビジネスは、海運業界全体の運搬能力を拡大させ、業界の発展に寄与しています。
内航海運と外航海運の違い

内航海運と外航海運の違いは、主に輸送範囲と運ぶ物資にあります。
内航海運は国内の港と港をつなぎ、主に日本国内での海上輸送を担当します。一方、外航海運は日本と海外をつなぎ、国際間の貨物や人の輸送を担っています。
内航海運は、国内の海上輸送に特化しており、石油や産業基礎資材、食料品、日用品などを日本国内の港から港へ運びます。国内輸送には他にトラックや貨物列車、航空機もありますが、内航海運は全体の約4割を占めており(※1)、大型貨物の輸送において重要な役割を果たしています。また、新幹線や地下鉄車両、工業用水の輸送も行っています(※2)。
外航海運は、日本と海外を結ぶ国際的な海上輸送を担当します。日本は資源エネルギーや食料の多くを輸入に依存しており、また自動車や工業製品を輸出することで経済成長を遂げてきました(※3)。外航海運は、日本とアジア、アメリカなどとの貿易の99%以上を占め(※4)、四方を海に囲まれた日本にとって欠かせない国際貿易手段です。
(※1)参考:国土交通省「内航海運の現状等について P.1」
(※2)参考:海の仕事.com「内航海運:船で人や物を運ぶ」
(※3)参考:経済産業省「第4節 激変する世界情勢の中での日本の貿易投資動向」
(※4)参考:国土交通省海事局「外航海運の現状と外航海運政策 P.4」
