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【SIer:業界研究】SIer大手6社ランキング(NTTデータ・富士通・NEC・日立製作所・日本IBM・NRI)!業績比較・平均年収・社風/強みの違い

nri 業界理解 日立製作所 日本電気 SIer NTTデータ 日本IBM 富士通
2025年10月31日(金) | 228,578 views

こんにちは、ワンキャリ編集部です。

ワンキャリ編集部が総力を挙げて紹介する【最新版:業界研究】。今回はSIer業界がテーマです。

SIer業界の主要5社であるNTTデータグループ(以下、NTT DATA)、富士通、日本電気(以下、NEC)、日立製作所、日本IBMの業績比較・ランキング・平均年収・社風/強みの違いに迫ります。社会的インパクトの大きい業務内容や、それに見合う給与形態、幅広い業界と関われることなど、「SIer業界」には就活生を魅了する要素が多くあります。ぜひ、最後までご覧ください。

<目次>
●SIerとは 事業内容/提供サービスを解説
 ・SIerの分類と特徴
 ・システムエンジニア(SE)との違い
 ・SIerの仕事内容
 ・SIerの業務工程
●SIer業界全体の動向
 ・世界のSI市場は拡大している
 ・2025年の崖問題
●SIer業界大手6社の業績比較・ランキング(売上高/営業収益/営業利益率)
●SIer業界大手6社の特徴・強み
 ・NTT DATA:日本最大規模のシステム開発会社
 ・富士通:国内外に大きな影響力を持つ日本の総合電機メーカー
 ・NEC:顔認証技術などの技術力を強みに、官民を問わず価値提供を実現
 ・日立製作所:「IT×OT×プロダクト・システム」を武器にIT時代を戦う
 ・IBM:多様性を大切にする外資系企業、ソフトウエア以外の分野にも注力
 ・NRI:金融ITソリューション事業に強み、業界内で高いシェアを誇る
●SIer業界大手6社の社風の違い・制度
 ・NTT DATA:大企業ならではの多様性
 ・富士通:さまざまな関係者と協力しながら業務を遂行する社風
 ・NEC:歴史ある会社でありながら、挑戦する人を応援する社風
 ・日立製作所:真面目な雰囲気の内にチャレンジ精神を秘めた社風
 ・IBM:手厚い育成環境と社会への貢献
 ・NRI:若手のうちから大きな裁量権を与えてくれる社風
●SIer業界大手6社の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
●SIer業界で働く魅力・やりがい
 ・プロジェクトを達成したとき
 ・イメージ通りに実装・テストができたとき
 ・ユーザーに感謝されたとき
 ・難易度の高いトラブルに対処できたとき
 ・スキルが向上していると実感できたとき
 ・自身の手掛けた仕事が世の中にあると感じるとき
●SIerの選び方
 ・自己分析で自分の強みや価値観を洗い出そう!
 ・情報収集ではワンキャリアの【選考対策ページ】を有効活用しよう!
 ・ワンキャリア公式YouTubeチャンネル『【公式】ワンキャリア 就活チャンネル』を活用しよう!
 ・手間がかかる「業界研究」はワンキャリアにおまかせ!
 ・企業研究を効率よく進めたい方には「合格の秘訣」がおすすめ!
 ・就活の軸を見つけ、自分の価値観を整理しよう!
●SIerで築けるキャリアパス
 ・ITスペシャリスト
 ・プロジェクトマネージャー
 ・ITコンサルタント
 ・他のSIerへの転職
 ・フリーランスとして独立する
●SIer業界大手6社の求める人物像・選考対策
 ・SIer業界が求める人物像
 ・SIer業界の選考対策


▼業界理解が深まったら企業分析をしよう▼

SIerとは 事業内容/提供サービスを解説

SIer(エスアイヤー)の「SI」とは、「System Integration(システムインテグレーション)」の略で、システム開発や運用などを請け負う事業またはサービスを指す言葉です。顧客(クライアント)の要望に応じて、ソフトウエアの設計や運用、コンサルティングに至るまでさまざまな仕事を請け負う企業のことを「System Integrator(システムインテグレーター)」、略して「SIer」と呼びます。

大きな開発規模の場合は大手SIerから下請けのSIerへ再発注されるピラミッド構造となっているため、大手SIerに在籍することで裁量が大きくなり、より高待遇となります。

SIerの分類と特徴

SIerは大きく5つに分けられます。会社によってそれぞれ特徴は異なるので、大まかに特徴を把握してからそれぞれの企業分析を行うとより理解が深まるでしょう。

SIerの分類 主な特徴 主な企業
外資系 グローバルに事業展開を行うSIer。
世界的に展開しており、サービスと商品どちらも強い。営業利益率が高く待遇が良い傾向。
アクセンチュア、IBM
ユーザー系 大企業から情報システムが独立したSIer。
親会社から依頼があるため安定して案件を獲得することが可能。
NTT DATA、SCSK
コンサル系 企画提案や要件定義を行うSIer。
サービスの付加価値が高いので、営業利益率が高い傾向で事業や経営に関わることができる。
NRI、アクセンチュア
メーカー系 パソコンメーカーから独立したSIer。
案件で使用する商品を自社製品でそろえることが可能なため、ものづくりに携わることができる。
富士通、日立製作所、日本電気(NEC)
独立系 特定の親会社を持たないSIer。
独自の力で成長したオーナー社長のリーダーシップが魅力。
大塚商会、BIPROGY(旧:日本ユニシス)

※大きく分けた5つの中でも会社ごとによってそれぞれ特徴は異なります。あくまで概要です。


システムエンジニア(SE)との違い

SIer業界に興味を持っている人の中には、「システムエンジニア(SE)」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか? SIerとSEは一見違いが分かりにくいですが、この2つには明確な違いがあります。

SIerはあくまでも「企業単位」のことを指している一方で、SEは「個人」を指していることが、明確な違いです(※1)。

SIerは「企業単位」ですから、外資系・ユーザー系・コンサル系などに分類されますが、SEは担当している業務の内容によってネットワークエンジニアやデータベースエンジニアなどに細かく分類されます。

このように、非常に分かりにくいですが、SIerで働いていればSEですし、SEをしているのであればSIerに携わっているのです。

(※1)参考:エンジニアルート「SIerとは? 知らないと恥ずかしい!SEとの違い、仕事内容や種類について」


SIerの仕事内容


SIerではクライアント企業の業務内容を理解したうえで、課題を解決するためのコンサルティング、システム開発・運用・保守を請け負います。ここでは、そんなSIerの仕事を4つご紹介します。


業務向上へのコンサルティング


クライアント企業が抱える業務上の課題に対し、最適なシステムの導入を通じて解決を図ることです。単なる技術サポートにとどまらず、経営戦略の視点を取り入れて課題解決を支援する点が大きな特徴です(※2)。

具体的には、クライアントが抱くシステムに対する漠然としたイメージや要望を、ヒアリングやインタビューを通じて明確化し、実現可能な構想として立案します。その際、業務フローの見直しや効率化、リソースの最適化といったコンサルティング要素も求められます。

また、クライアントの課題やニーズに応じて、SIerがゼロから企画を発起することも珍しくありません。

SIerの役割は、単なるシステム開発にとどまらず、プロジェクトの全体像を見据えた戦略的なアプローチを取る点にあります。要件定義から設計、開発、導入、運用サポートに至るまで、幅広いフェーズに関与し、クライアントと協力しながらビジネスの成功に貢献する重要な役割を担っています(※3)。

(※2)参考:foRPro「【SIerとは】具体的な仕事内容や業務工程を詳しく解説」
(※3)参考:NTT東日本「SIerとは?業務内容、SESとの違い、人材選びのポイントを解説」


システム開発と設計 ウォーターフォールモデルとアジャイルモデルがある


SIerのシステム開発と設計業務は、クライアントからヒアリングした構想や要件を基に進められます。まず、要件定義をもとに基本設計を行い、システム全体の実装イメージを文書化します。その後、画面インターフェースや処理フローなどを詳細設計に落とし込み、実際の開発を開始します。

※出典:デジタルクロス「ウォーターフォールモデルの限界と"PoC貧乏"が起こる理由【第2回】」


上の図を元に、システム開発の2つの進め方を解説します。1つは「ウォーターフォールモデル」、もう1つは「アジャイルモデル」です。ウォーターフォールモデルは、上流工程から下流工程に向かって一方向に進む開発手法です。「要件定義→設計→製造→テスト→リリース」の順番で進行し、計画段階で詳細を固めるため、大規模プロジェクトや変更の少ない案件に適しています。

一方で、アジャイルモデルは開発工程を短いサイクル(スプリント)に分け、計画、実装、評価を繰り返すことで進める手法です。この手法ではプロジェクトの進行中に計画を柔軟に変更できるため、変化の激しいビジネス環境や迅速なリリースが求められるシステム開発に適しています。

SIerは、これらの開発手法を活用しつつ、プロジェクトを遂行します。ただし、全ての工程を1社で担当するわけではなく、元請けSIerがプロジェクト全体を統括し、協力会社(下請けSIerや専門企業)と連携して進めるのが一般的です(※4)。このようなプロジェクト体制により、多様な企業や専門家が協力しながら効率的かつ質の高いシステムを提供しています。

(※4)参考:アスターリンク「SIer(エスアイヤー)とは?仕事内容や分類、SEとの違いをわかりやすく解説」


インフラの構築


SIerの業務はアプリケーション開発に限らず、アプリケーションが安定して稼働するためのインフラの構築も重要な役割を担っています。このインフラ構築は、システム全体の性能や信頼性を支える基盤であり、IT環境の整備において欠かせない工程です(※2)(※3)。

かつてはオンプレミス(自社運用のサーバー)での構築が主流でしたが、近年ではクラウドサービスを活用した基盤構築が一般的になりつつあります(※5)。AWSやMicrosoft Azure、Google Cloud Platformなどのクラウドサービスを活用することで、柔軟性やスケーラビリティを重視した設計が可能となり、クライアントのニーズに応じた効率的なインフラを提供できます。

インフラ構築の具体的な業務内容には、ネットワークやサーバーの設計・構築、セキュリティ対策の実施、パフォーマンスの最適化などが含まれます。これらの作業を通じて、アプリケーションやデータが安全かつ快適に利用できる環境を提供することが、SIerの大きな責任の1つです。

(※5)参考:クラウドエース「SIer(エスアイヤー)の全てが5分でわかる!仕事・役割・将来性など」


開発したシステムの運用管理


SIerの業務は、開発したシステムを納品して終わりではありません。システムが稼働した後も、安定的にサービスを提供し続けるための運用管理が重要な役割を果たします。運用管理の業務には、システムのバージョンアップや機能改修、パフォーマンスチューニング、障害対応などが含まれます。

これらの業務を通じて、システムの信頼性や効率性を維持・向上させることが、クライアントの業務を支える鍵です。また、運用管理ではリアルタイムでの対応が求められるケースも多く、迅速かつ柔軟な判断力が重要です。

システム開発や運用管理のプロセスでは、SIer1社だけで業務を完結させることは少なく、再委託先のSIerやハードウエアメーカー、ソフトウアメーカーなど、さまざまなパートナーと協力して進めるのが一般的です(※2)(※3)。このように多様な関係者と連携し、幅広い経験を積むことで、キャリアの選択肢を広げることができます。

運用管理業務はシステムの安定稼働を支える重要な分野であり、現場での経験を積むことが、自身のスキルアップや将来のキャリアパスを見定める上で非常に役立つと言えます。


SIerの業務工程


要件定義工程


要件定義工程は、システム開発における最初の重要なステップです。この工程では、設計や開発に入る前に、顧客の要求や課題を明確化し、それを基にシステムの仕様を定義します。顧客が抱えるニーズは、初期段階では漠然としていることが多いため、SIerは詳細なヒアリングや業務分析を通じて、具体的な要件として整理します(※6)。

このプロセスでは、単に顧客の意見をそのまま受け取るだけではなく、SIer側の視点から最適な解決策を提案する姿勢が求められます。例えば、業務プロセスの効率化やコスト削減を目的としたシステムの仕様を設計段階で明確にすることで、顧客の期待を超える付加価値を提供することが可能です。

さらに、要件定義は後続の設計や開発工程の基盤となる重要な文書を作成するプロセスでもあります。この文書化された要件が曖昧であると、開発途中で仕様変更や認識のずれが発生しやすくなるため、明確かつ詳細な記述が欠かせません。

要件定義工程は、顧客とSIerの間でしっかりと合意形成を行うことが成功の鍵です。適切なコミュニケーションスキルや、顧客のビジネスを理解する能力が、システムの完成度やプロジェクト全体の進行に大きな影響を与える重要な工程です。

(※6)参考:G-gen「SIer(エスアイヤー)とは何か?業務内容、種類、年収まで徹底解説!」


設計工程


設計工程は、開発するシステムの具体的な仕様を決定する重要なステップです。この工程では、要件定義工程で整理された顧客のニーズや要望を基に、実現可能なシステムの全体像を設計文書に落とし込みます(※2)。

最初に行われる基本設計(外部設計)では、システム全体の構造や必要な機能を定義し、どのようにユーザーがシステムを利用するかを明確にします。この段階では、使用するソフトウエア製品やハードウアのスペック、ネットワーク構成など、システムを動かすために必要な主要な要素も決定します(※7)。

次に、詳細設計(内部設計)では、基本設計を基にシステムの内部動作をより細かく具体化していきます。例えば、画面のインターフェースについては、ボタンの配置や機能、入力フォームの仕様、エラー発生時の処理フローなどを細部にわたって設計します。これにより、開発者が実装しやすい具体的な指針が提供されます(※7)。

また、設計工程では性能要件や拡張性、安全性などの非機能要件も考慮し、開発段階や運用段階でのトラブルを未然に防ぐための設計を行います。これらを詳細に詰めることで、プロジェクト全体の品質向上に寄与します。

設計工程の質はシステム全体の完成度や安定性を大きく左右するため、顧客との密なコミュニケーションや、チーム内での十分なレビューが欠かせません。

(※7)参考:インターセクト「外部設計と内部設計の完全ガイド:システム開発における成功の鍵」


開発工程


開発工程は、設計文書を基に実際にプログラミングを行い、システムの機能を形にする重要なステップです。この工程では、設計で定義された要件や仕様に基づいて正確にコードが作成されることが求められます。

ただし、設計が曖昧だったり、現実的でない仕様が含まれていたりする場合、プログラミング中に想定外の問題が発生し、バグや動作不良の原因となることがあります。そのため、設計の段階で十分な検討が行われていることが前提条件です。

また、開発工程の多くは下請け会社や外部の協力会社に委託される場合があります。その場合、元請けであるSIerは、進捗(しんちょく)管理や成果物の品質チェックを担当します。具体的には、開発中のコードレビューや進行状況の確認、完成後の動作テストを通じて、委託先のアウトプットが設計通りであることを保証します。

さらに、昨今のシステム開発では、開発工程における自動化ツールやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)の活用も進んでおり、効率的かつ高品質な開発を実現する仕組みが導入されています(※8)。SIerはこれらの最新技術を適切に活用し、全体の開発プロセスを円滑に進める役割も担います。

(※8)参考:アシスト「【徹底解説】CI/CDとは?CI/CDパイプラインやCI/CDツールについてイチから解説」


テスト工程


テスト工程は、開発工程で作成されたシステムが設計通りに機能し、期待通りの動作をするかを検証する重要なプロセスです。この工程では、システム全体の品質を確保し、リリース後のトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。

テスト工程は、一般的に「単体テスト」「結合テスト」「システムテスト」の3段階に分かれて進行します(※9)。

単体テストでは、個々のプログラムやモジュールを対象とし、コードが正しく動作するかを検証します。ここでは、特定の関数や処理単位で細かいテストが行われます。

結合テストでは、複数のモジュールや機能を連結し、それらが正しく連携して動作するかを確認します。この段階では、データのやり取りや処理の流れに注目し、システム全体の一貫性を検証します。

システムテストでは、システム全体を対象に、実際の利用者の操作をシミュレーションしながら動作確認を行います。この工程では、システムのユーザーインターフェースや操作性、耐障害性なども含めて総合的に評価します。

また、SIerだけでなく、顧客側もテストに参画する「受け入れテスト」が重要です。顧客が実際の操作環境や業務シナリオを基にシステムを評価することで、より実践的で品質の高いシステムの導入が可能です。

さらに、最近ではテスト自動化ツールやスクリプトの活用が進み、大規模なプロジェクトでも効率的にテストを実施できる仕組みが整備されています。SIerはこれらのツールを適切に活用し、テスト工程全体をスムーズかつ効果的に進める役割を担います。

(※9)参考:クライン「単体テスト、結合テスト、システムテストの違いとは?各テストの役割と実施方法を徹底解説」

▼この先で分かること▼
・SIer業界の今後の動向
・大手6社の強み/社風
など業界研究・企業研究に必要な情報が……!

SIer業界全体の動向

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