自己分析に必要なことはたった2つ
就職活動は「自分という人材を企業に売り込む」営業活動です。
自分のセールスポイントを探して売り込むためには、まず自分がどんな特徴を持っているか知る必要があります。そのために必要となるのが「自己分析」です。自己分析をしっかり行うことによって、自分は何が得意で、何が不得意かだけでなく、どんな理由で「もっと頑張ろう」と思うのかを知れます。
自己分析に本来必要なのは、以下の2点です。
・「私は企業が求める人物像に沿った人材である」と言葉にできること
・「性格を他人に伝える上で根拠となるエピソード」を用意すること
しかし、学生の中には自己分析の「落とし穴」にはまり、必要のない自己分析を進めて憂鬱(ゆううつ)になってしまったり、企業にとってはどうでもいい自分の長所をアピールしてしまったりする学生がいます。
そこで今回は自己分析の「落とし穴」を避けながら、就活で必要なアピールができる自己分析の方法をご紹介してまいります。
落とし穴1:「長所なんてない」という考え方をする
まずは「私は企業が求める人物像に沿った人材」と伝えるために自分の長所を言葉にしていきます。
しかし、日本人で「私は長所しかありません」という考え方をする人は少数派でしょう。「自分はリーダーシップがあるといっても、人の意見をうまく取り入れられないし……」などと、むしろ欠点を掘り返しがちです。
もしコンビニで「まずくて高いお茶」と記載されているパッケージを見かけたら、「絶対買わない」と思うでしょう。あなたが長所を自分で言葉にしない限り、採用担当者は、あなたのことがコンビニの「まずくて高いお茶」と同じように見えるでしょう。
もちろん自分の短所を認められる素直さも重要なのですが、短所を長所として伝えることも可能です。「考えてばかりで行動できない」のは「慎重」、「人を顧みず突っ走る」のは「迅速な行動力」、「人見知り」なのは「人間関係に真摯(しんし)」だからです。
【自己分析のコツ1】
短所ばかり頭に浮かんだら、「いっそ長所と捉えたらどう言えるかな」と考えましょう。
落とし穴2:過去のトラウマを掘り返して憂鬱になる
次に「長所を伝える上で根拠となるエピソード」を考えてみましょう。
長所を強化するエピソードを……と言われて、自分の過去のエピソードを振り返ったものの
「そんなことを言われても、考えてばかりで行動できずに、後悔したことしかない」
「むしろ人を顧みず行動して、他人を傷つけてしまった」
と、過去のトラブルを思い返して「自己分析鬱」とでも言えそうなドツボにはまる学生がいます。
しかし、こういった「つらかった経験」はチャンスと前向きに捉えるべきです。
会社は「あなたがつらい場面でどう考えたか」にとても興味があります。なぜなら、会社でもつらいことがあった時に、同じように考えて行動すると思うからです。そこで昔のつらい体験から「何を感じたのか」「どうしたいと考えたのか」「その結果自分はどういう風にどんな行動をとったのか」を考えてみましょう。
単に「いじめられた」エピソードでも、就活で役立つ「昔いじめられたとき○○だと感じ、今でも同じような場面では◯◯をするようにしています」といったより具体的なエピソードに生まれ変わります。
【自己分析のコツ2】
つらかった経験はチャンスと考え、当時自分がどう乗り越えたかを具体的に考えましょう。
落とし穴3:自己分析が浅い
さて、ここまで自己分析を進めてきた中で、以下の例文を読んでみてください。
Aさん:私は実直なリーダーシップを持っています。学生時代に友達がいじめられ、不登校になってしまいました。そこで私は彼女が学校に来られるように手助けしました。
Aさんの素晴らしい自己分析ですが、ちょっと情報不足です。
なぜならこの自己分析には肝心な「Aさんがどう感じたか」と「Aさんがどう行動したか」が抜けてしまっているからです。自己分析で深く考えるべきなのは「自分が何を感じたか」と「自分がその結果どう行動したか」です。必ずこの2点を付け加えて「私は何をしたかったんだろう」「そしてどう行動してきたのだろう」と思い返してみてください。
その点を踏まえて、もう一段階、自己分析を加えたのがこちら。
Aさん:私は実直なリーダーシップを持っています。学生時代に友達がいじめられて不登校になってしまいました。私はたとえ自分がいじめられたとしても、彼女を助けたいと思いました。そこで私は彼女が学校に来られるように先生、両親、友達の両親と話し合って保健室登校へ付き添いました。
このことでAさんが友達思いで、協調性よりも自分の正義を優先する人であることや、周囲を巻き込んで目的を達成できる人であることがわかってきます。自分の心に残っている小さなエピソードでかまいませんので、1つずつ「何を感じたか」と「自分はその結果どうしたか」を掘り起こしていきましょう。
【自己分析のコツ3】
自己分析を深めるために過去の経験で、「何を感じて」「どうしたいと考え」「実際にどう行動したか」に着目しましょう。
おわりに
以上、自己分析の際に「陥りがちな落とし穴」と、落とし穴を抜け出す「自己分析のコツ」をご紹介してまいりました。
皆さんであれば、落とし穴にはまることなく、自己分析を進められることと信じています。自己分析は、合間の時間でも構わないので、しっかり考えましょう。
この期間に考えたことが企業選びや、面接で深みのある自己PRへとつながっていきますので、頑張ってみてください。
※こちらは2015年10月に公開された記事の再掲です。