どの業界でもIT化の波があることから、成長の見込みがあるといわれるIT・通信業界。
今回、取材したDさんは、携われる領域の広さに魅力を感じてIT・通信業界を志望し、大手IT企業への内定を獲得しました。
そんな彼は、自身のことを「慎重派」だと話します。
それもそのはず、就活全体を通して、40社ものインターンに応募をしたそうです。
一方、本選考で応募したのはなんと3社。これは一体どういうことなのでしょうか。
今回は、「本選考の応募数が少なくても、第一志望に内定できた理由」から、「自分の性格に合った就活の進め方」「IT業界の魅力」を中心に、Dさんにお話を伺います!
<目次>
●石橋をたたく「慎重派」でも挑戦できる環境がいい。ITを武器に業界をアップデートしたい
●40社のインターンに応募し、半分以上通過!? 秘けつは「頭の良さ」を面接官に伝えたこと
●業務内容も社風も分かる。得られたのは「選考優遇」だけではない
石橋をたたく「慎重派」でも挑戦できる環境がいい。ITを武器に業界をアップデートしたい
──Dさんはどのような軸で就活をしていましたか?
Dさん:私は「企業の安定性」を軸に就活を進めていました。理由は、主に2つあります。
まずは性格です。私は「石橋をたたいて渡る」ような慎重派の人間で、何かを始めるときには、必ず念入りな準備をして、万全な状態を整えてから実行します。このような性格から、「基盤がしっかりしている企業」の方が自分は働きやすいと感じるのではないかと考えました。
もう一つは、挑戦できる環境です。企業の基盤が整っていない方が、挑戦の機会が多いと思われるかもしませんが、基盤が整っていれば、仮に失敗してもカバーがしやすいとも思います。再チャレンジできる機会が多い方が、自分の性格に合っていると感じました。
──Dさんは「通信業界」のどんなところに魅力を感じたのでしょうか?
Dさん:「IT×○○」という形で、さまざまなジャンルに携われる点に魅力を感じました。実際、内定先では、農業や教育、eスポーツなど、幅広い領域でサービスを提供しています。「いろいろな挑戦をしたい」という思いを実現できそうだったことが、通信業界に興味を持ったきっかけです。
──なるほど。このように関心を持つことができたきっかけは何だったのでしょうか。
Dさん:インターンに参加し、実際の業務を体験したことです。内定先のインターンでは、ITや通信の力で、地域課題の改善に大きく貢献できることを実感できました。システム導入を通じた業務効率化だけでなく、さまざまな提案ができるため、業務がルーチン化しないところにも魅力を感じました。
40社のインターンに応募し、半分以上通過!? 秘けつは「頭の良さ」を面接官に伝えたこと
──Dさんは就活全体を通してインターンに40社も応募されていますね。他の学生さんと比べても多い印象を受けます。
Dさん:個人的には、40社は特段多いとは思っていないです。就活を経験された先輩から「選考を突破するのは厳しい」と聞いており、ほとんど通過できないと思っていたので。実際、メーカーのインターンは倍率が高く、選考を突破できなかった企業もたくさんありました。40社という応募数は決して多い数字ではないと思います。
──とはいえ、40社中20社以上の企業のインターン選考を突破し、参加されています。多くの選考を通過できた秘けつはずばりなんでしょうか。
Dさん:そうですね。今思うと「効率の良い企業情報収集」と「伝え方」の工夫にあったのではないかと考えています。
──なるほど。1つずつ詳しく教えてください!
Dさん:まず、「効率の良い企業情報収集」でいうと、「人の良いところをまねる」という戦略で動いていました。具体的には、就活サイトに載っているインターン合格者のエントリーシート(ES)や、クチコミを参考にしていました。
就活のほかにも、学業やサークル、アルバイトもあり、就活に充てられる時間は限られています。時間に制約がある状況を踏まえ、多くの企業に提出する必要のあったESの作成においては、効率よく企業の情報収集をする必要があると考えました。そこで、クチコミを読んで企業理解を深めたり、インターン合格者のESから、企業から選ばれる人の傾向を読み取ったりして、「原体験から結論までのロジックの組み方」を研究しました。
──「伝え方」の工夫についてはいかがでしょう。
Dさん:「伝え方」については、面接官に「わかりやすく伝えること」と「伝えようとする姿勢」を大切にしていました。本選考に比べて、インターンの時期は、周りの学生と自分を差別化するのは至難の業です。だからこそ、この2つができる学生は、面接官に良い印象を与えることができると思います。その上で、企業に「頭の良い学生であること」と「志望度の高さ」が伝わるように工夫をしました。
──面白いですね。頭の良さって、どうやって伝えるんですか……?
Dさん:論理的に話すことですかね。私は、「結論」を最初に決め、その「理由」と「根拠」を構造的に話していました。結論に至った背景や、ロジックを組み立てて考えたことが伝わりやすいためです。「頭の良さ」というのは、問いに対して「筋道を立てて根拠のある結論を導き出す力」だと考えています。そのためには、結論を出すだけでなく伝えるための話し方が欠かせません。
業務内容も社風も分かる。得られたのは「選考優遇」だけではない
──インターンに参加する際に大切にしていたことはありますか?
Dさん:「目的意識」を持つことです。どんなに多くのインターンに参加できたとしても、目的がなければ得られるものも少ないと思います。「自分がこの取り組みでなにを得たいのか」「参加後の自分はどうなっていたいのか」を常に意識していました。
私は、「志望業界を定めること」「業界ごとの接点(リクルーター獲得)を持っておくこと」「早期選考ルートにのること」という目的を定めて、インターンに臨んでいました。
「目的意識」を持つことは、就活全体を通しても大切なのではないかと思います。
──実際に、たくさんのインターンに参加されたDさんだからわかる「インターンに参加するメリット」についてお聞かせください!
Dさん:選考優遇にのれたことが第一にあります。最近は、日系企業を中心にインターン参加者への選考優遇が増えているので、「早期内定」や「選考優遇」をもらえるメリットがあります。
──本選考を受けたのは3社のみだと聞いています。応募数が少ない方だと思うのですが、これもインターンで「選考優遇」を得られたことが関係しているのでしょうか?
Dさん:そうですね。インターンに参加したことで、「選考優遇」や、「リクルーター面談」の場をいただくことができました。それによって、他の人に比べて選考を有利に進めやすかったと思います。これが、結果として3社のみのエントリーで内定を得られた理由だと考えています。
──「リクルーター面談」ですか?
Dさん:はい。企業によっては、インターンに参加して良い評価をいただけた場合、リクルーター面談が設けられることがあります。私はリクルーターという、社員さんとの接点ができたことで、企業理解がより深まりました。実際にインターンに参加した人としていない人では、企業の理解度でかなり差がつくと思います。
──そのように思われたのはなぜですか?
Dさん:座談会で質問をするのと、リクルーター面談で直接質問するのでは、社員さんとの距離感が違います。リクルーター面談では、親しい関係を築きやすく、普段聞きづらいお話も質問しやすいと感じました。私はリクルーター面談で、社風や業務内容、業界の実情、働き方、仕事のやりがい、企業内の構造まで知ることができました。この内容を面接で話すことで、志望度の高さをアピールできたと思います。また、リクルーターを通じて、他の社員さんを紹介してくれる企業もあります。違った視点で企業の話を聞くことができるのも、インターンに参加してこそ得られる恩恵であると思います。
──企業理解が深まるだけでなく、選考でも役に立つんですね。
Dさん:リクルーターと面接対策もしていたので、その際に志望動機や自己PRが、面接官に評価されるかどうかを確かめることもできました。自分の伝えたいことを、壁打ちをする機会はめったにありません。社員さんの考え方を聞くことで、「社風と合うかどうか」を知ることもできました。企業で働いている「人」への理解を深められたのも、リクルーターの方のおかげです。
──なるほど。企業との相性を知ることで「納得内定」にもつながりそうです。
Dさん:「企業の理解」と「自分と企業で働く方との相性」を確認して、企業の「ハード面」と「ソフト面」を知ることで、自分にとって最適な内定先を決めることができると思います。夏に限らず秋冬などに開催されるものも含め、積極的にインターンシップに参加して、納得のいく企業の選びができるといいですね。
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