企業の面接やOB・OG訪問などで「何か聞きたいことはありますか?」と聞かれる逆質問の際に、質問内容に困ったことはありませんか?
今回は定番の質問から、商社やコンサル、投資銀行など志望企業の採用担当者に「刺さる」質問まで、効果的な逆質問の例を紹介します。
企業の面接官から高評価を得られる鋭い逆質問は、地頭の良さや企業への入社熱意を示し、自分の印象を残させるチャンスです。ぜひ参考にしてください。
<目次>
●面接における逆質問の意図は「志望度」と「空気を読めるか」のチェック
・間接的な志望度チェック
・面接の場で 「人として空気が読めるか」のチェック
●逆質問が思いつかない人はこれを見よう! 全業界・企業に通用する逆質問例3選
・【全業界・企業で使える逆質問例1】:面接官社員の何がモチベーションになっているか
・【全業界・企業で使える逆質問例2】:御社の社員として求められる資質は何か
・【全業界・企業で使える逆質問例3】:御社でやりたい仕事は何か
●面接官への入社意欲のアピールに最適! 業界別に使える逆質問例7選
・【商社社員への逆質問例】:商社だからこその付加価値とは何か
・【コンサルタントへの逆質問例】:ファームの今後の方向性は何か
・【投資銀行社員(IBD部門)への逆質問例】:役職ごとに変わる仕事での必須スキルをどう磨くか
・【マスコミ系社員への逆質問例】:自分のやりたい仕事ができるか
・【メーカー社員への逆質問例】:御社の商品のどの点に魅力があるか
・【ベンチャー企業社員への逆質問例】:ベンチャー企業だからこそ経験できる成長とは何か
・【デベロッパー社員への逆質問例】:プロから見た良い街とは何か
●おわりに
面接における逆質問の意図は「志望度」と「空気を読めるか」のチェック
1. 間接的な志望度チェック
企業の面接担当者が逆質問を課す最大の理由は、志望度を測りたいからという点がまず考えられます。面接で企業や業界に対する知識の豊富さや関心の高さ、筋の良い質問ができるかで入社熱意を評価するのです。事前に自分で仮説を立てた具体的な質問をすることによって、高い入社熱意をアピールできます。なんとなく思いついたものを質問するのではなく、具体的な質問を心掛けてみましょう。
効果的な逆質問の作り方について詳しく対策したい方は、以下の記事をご覧ください。
・OB・OG訪問で「深い話」を聞くための質問テクニック3選【例文つき】
2. 面接の場で 「人として空気が読めるか」のチェック
2点目として、逆質問は「空気が読めるか」ということを面接でチェックするためにも用いられます。某日系素材メーカーで最終面接を経験したある学生によると、「逆質問は変な質問をする学生を落とす最後のチェックだった」ようです。最終面接の段階で学生の優秀さは既に判断されている場合が多いため、逆質問の場では「細やかな空気を読むスキル」も確認していると考えられます。
最終面接での逆質問について詳しく対策したい方は、こちらの記事をご覧ください。
・【面接対策】逆質問で不採用が決まる!?内定に近づく逆質問の極意
逆質問が思いつかない人はこれを見よう! 全業界・企業に通用する逆質問例3選
それでは具体的にどのような逆質問をした就活生が、企業の人事担当者に「刺さる」のでしょうか。まずは業界・企業に左右されない逆質問の具体例を紹介します。
【全業界・企業で使える逆質問例1】:面接官社員の何がモチベーションになっているか
「御社で働く中で本当に大変だったとき、それを乗り切るモチベーションの源泉は何でしたか?」
この逆質問では、具体的に仕事の何が大変なのか、逆境時に社員が何をモチベーションにしたかを知ることにより、面接を通してリアルな仕事内容や社員の性格、社風などの傾向が把握できます。おすすめは、この逆質問を同一業界の複数の企業で質問することです。
例えば三菱商事は上記の逆質問による返答が、「語学研修でお世話になった途上国のためになっていること」に対し、伊藤忠商事は「先輩からの評価」という明確に異なる返答があったそうです。ここから2つの企業間には「優等生を好むカルチャー」と「人間味のあるカルチャー」という会社の雰囲気の違いがあるのではないかと推測できます。このように、面接で逆質問を比較の材料に使うと、企業カルチャーの差異が理解できるでしょう。
【全業界・企業で使える逆質問例2】:御社の社員として求められる資質は何か
「◯◯年在籍されて、いろいろと見てこられたと思うのですが、御社で働く上で重要な資質やポイントとは何ですか?」(中堅社員対象)
中堅以上の社員は、現場と管理の両方の立場を経験し、会社内に先輩も後輩もいる立場。どのような社員が活躍しているか、仕事を通してある程度目の当たりにしてきていると考えられます。面接においてこの逆質問を相手にすることで、精度の高い「会社の仕事を行う上で活躍できる人材の要素」が分かるでしょう。例えばある商社の社員は、「会社の内外で調整ができる人材」とOB・OG訪問で答えました。このポイントを盛り込んだエピソードを学生が面接で話したところ、採用担当者や人事など面接官の反応が良かったそうです。このように、会社で活躍する人材の特徴を質問し、その情報に沿って自己PRを作って準備してみるのも良いでしょう。
【全業界・企業で使える逆質問例3】:御社でやりたい仕事は何か
「御社のリソースを自由に使えるなら、どんな仕事をしますか?」(中堅社員対象)
この逆質問では、社員個人のビジョンを持っているか、社員が聡明(そうめい)かの2点を判断できます。ただし、面接官や採用担当者によっては「生意気な学生だ」と判断されてしまう可能性があるので、聞き方などは気を遣うなどすべきでしょう。また、さらに逆質問の前に自分の意見を述べておくと、面接官との議論が深まりやすくなります。
入社意欲のアピールに最適! 業界別に使える逆質問例7選
ここからは、業界別に面接官から評価を得やすい逆質問の例をお伝えします。
【商社社員への逆質問例】:商社だからこその付加価値とは何か
「ある業界一本に絞ってビジネスをする企業もある中で、御社が介在する事で生み出せる付加価値は何ですか?」
逆質問の場は、面接を通して企業や働き方に対して自分が持つ仮説を検証する場、すなわち企業研究をする場としても有用です。面接で、面接官に仮説を持って一歩踏み込んだ逆質問をすることで、他業界や競合他社を志望しない理由を作ることもできるようになります。例えば上記の逆質問の場合、「幅広く事業展開する商社だからこそ1つの商品を専門的に取り扱う企業とは違う付加価値を見いだすことができる」などといった回答が期待でき、自分の志望理由に盛り込める要素になるでしょう。
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【コンサルタントへの逆質問例】:ファームの今後の方向性は何か
「これからファームが特化したい分野や、御社として導入したい制度はありますか?」(シニアコンサル対象)
この逆質問では各コンサルティングファームの方向性などを知ることで、各ファームの理念や案件の違いや業界全体の知識を得ることができます。「他企業のパートナーは◯◯という方向に向かっていると言っており、業界全体がそういった流れなのかと思っているが、貴社はどうですか?」など、自分の仮説をぶつけることで志望度の高さや仮説をぶつけるセンスの良さなども面接官にアピールできるでしょう。
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【投資銀行社員(IBD部門)への逆質問例】:役職ごとに変わる仕事での必須スキルをどう磨くか
「上司からの仕事をこなしていくジュニアバンカーと収益責任を負う立場のシニアバンカーの働き方は非連続という印象を持っています。若いうちからどんな意識で働けば、シニアバンカーになってからも仕事で活躍できるでしょうか」(中堅社員対象)
投資銀行の内情として、「ジュニアバンカーとシニアバンカーの仕事での働き方の大きな違い」という前提があります。この逆質問ではスキルとして求められているものが大きく変わるタイミングである中堅社員について質問をすることで、「業務を理解しているという志望度の高さ」と「自分の仮説を持って質問をする知性」の2点をアピールすることができるでしょう。
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【マスコミ系社員への逆質問例】:自分のやりたい仕事ができるか
「自分は◯◯という理由から、◯◯ということをやりたい/作りたいと考えているが、御社で仕事を行う上でそれはできますか?」
テレビ局や新聞、出版社などのマスコミ業界では仕事内容が特殊なだけに、「企業への入社後やりたいことをどこまで具体的に描いているか」という点で、志望度を測ることが多いようです。上記の投資銀行での対策と似ていますが、こちらでも「仕事内容を理解している入社意欲の高さ」と「自分の仮説を持って質問をする知性」の2点がアピールポイントですので、業界理解を進め、自分の中で仮説を立てた逆質問を用意しておくといいでしょう。
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【メーカー社員への逆質問例】:御社の商品のどの点に魅力があるか
「エンジニア志望の理系出身者と比べ文系出身は、入社前からある製品に対する強い愛や知識を持っていない社員が多いと思うのですが、もともと興味のなかった製品でも売っていると企業への愛着が湧くのでしょうか?」
この逆質問では「面接で志望理由を話す際に使える、社員受けの良い商品への愛着を示すエピソードが得られる」というメリットがあります。メーカー企業の営業では実際に製品を開発・製造していない社員が販売しますが、販売に必要な知識を身に付ける過程で新たな自社製品の魅力を発見している可能性があります。そのため、この逆質問で引き出した「自社製品の隠れた魅力」を選考で入社志望度をアピールする際の理由付けとして活用するとよいでしょう。
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【ベンチャー企業社員への逆質問例】:ベンチャー企業だからこそ経験できる成長とは何か
「同期で大手企業に入社した人と比べて、ベンチャー企業だからこそより成長できていると思う実感は、どういうときに得られますか?」
新卒でベンチャー企業に入社した社員・中途で転職して入社した社員どちらにも有効な逆質問です。この逆質問により、企業への入社後どのような能力が身に付くのか知ることができるのに加えて、「将来性を踏まえ、ベンチャー企業で働く目的を真剣に考えている」姿勢がアピールできるでしょう。
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【デベロッパー社員への逆質問例】:プロから見た良い街とは何か
「御社で働くプロの視点から見て、好きな街はどこですか?」
「プロの視点から」という一言が重要です。面接などの採用選考で好きな街について質問された際に、社員の視点に近い魅力を組み込むことができます。また、「好きな街はどこですか?」の部分を、志望業界ごとに当てはめ直すことで、その業界で仕事を行うプロの視点を勉強するという使い方も考えられるでしょう。
自信のある学生は、「自分は◯◯が好きなのですが、」と前に付け加えてから質問を始めるのも良いかもしれません。
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おわりに
いかがでしたか。逆質問は面接を受ける学生をふるいにかけるという側面もありますが、質問の内容によっては面接官や人事担当者、さらには役員・社長に良い印象を残し、自身の能力や人柄をアピールすることができる大切な機会になるともいえます。必ず説明会や面接の前には質問を用意してから臨みましょう。
以下の記事でも、逆質問対策についての内容が取り上げられています。逆質問の意義や、NGな質問・採用担当者にウケの良い質問など、参考になりますので本記事と合わせてご一読ください。
・【面接対策】逆質問で不採用が決まる!?内定に近づく逆質問の極意
こちらの記事では面接の準備について解説されており、面接前に逆質問の作成に取り組むときに注意すべきポイントは何かも理解できると思います。ぜひご一読ください。
・【面接前日に確認!】思わぬ質問からの失敗を防ぐ5つの準備・対策法
こちらの記事では、面接の事前準備からよくある質問への回答例などをご紹介しています。ぜひご一読ください。