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「AIに代替されない仕事は4つしかない」市場価値を高めるためのファーストキャリア論【レバレジーズ 藤本直也】

企業インタビュー インタビュー IT 日系
2023年11月14日(火) | 11,576 views
sponsored by レバレジーズ

※こちらは2023年6月に公開された記事の再掲です。

「AI(人工知能)が発達してもなくならない仕事は、大きく分けると4つしかない」

「市場価値において、どの会社にいたかはどうでもいい。どんな職種で何をしたかです」

こう断言するのは、レバレジーズの執行役員である藤本直也氏だ。新卒で入社して4年目、25歳で執行役員に就任し、売上649億円(2021年度)を誇る同社の事業をリード。キャリアのスタートダッシュに成功した1人といえるだろう。

AI(人工知能)が人の仕事を奪うという将来予測や、有名企業のレイオフ(解雇)のニュースなど、キャリアに関する不安要素が大きい今、藤本氏は何を思うのか。発言の真意に迫った。

<目次>
●AIが進化しても世界で求められる仕事は4つしかない
●「就社」ではなく「就職」に覚悟を持て
●各分野の「最強」が集まるインターンで、さまざまなキャリアを考えてほしい

AIが進化しても世界で求められる仕事は4つしかない

──テクノロジーの進化や世界経済の変化など、企業を取り巻く環境は目まぐるしく変わっています。就職先を探す学生も悩むことが多いと思いますが、藤本さんはこれからの時代、どのようにファーストキャリアを選ぶといいと思いますか?


藤本:将来AIが発達してもなくならない仕事、世界で活躍できる仕事は大きく分けると4つしかないと僕は思っています。(1)イノベーター (2)リーダー (3)マーケター (4)インベスターの4つです。この4つは、エンジェル投資家・経営コンサルタントとして活躍されていた瀧本哲史氏の名著『僕は君たちに武器を配りたい』(講談社、2011年)の中で言及しています。


──具体的に教えてください。


藤本:1つ目のイノベーターは、新しいテクノロジーを生み出したり、新規事業によって問題解決をしたりする仕事。2つ目のリーダーは、人の上に立ってリーダーシップを取るような、経営マネジメント能力が求められる仕事です。

3つ目のマーケターは、「人の感情に対して働きかける仕事」ですね。そういう意味では一般的な意味でのマーケターではなく、営業やデザイナーといった職業の方もここに当てはまると思います。

最後のインベスターは、「人を見極める仕事」です。お金の投資ではなく、人への投資。証券会社が行っている株取引は既にAIの方が精度は高いかもしれません。「この社長が言っていることは、信用できるのかな?」「この人を採用したら、活躍するのかな?」といった問いに、AIは精度高く回答できないでしょう。スタートアップ投資や人材投資といった不確定要素に投資するのが、この先も残るインベスターの仕事です。

「なぜこの4つの仕事が良いのか」を一言で言えば、AIやロボットと戦える仕事だからです。

かつて良いとされていた資格や試験の成績を持っていたとしても、現代においては、AIなどテクノロジーで代替できてしまう時代になってきました。だからこそ、「人の感情を動かしたり」「人を見極めたり」といった、みんなが持っていない、規格化されにくい、つまりは人間しかできないあいまいな仕事をやっていたほうが市場価値は高まる、というごく当たり前の話なのです。

藤本 直也(ふじもと なおや):レバレジーズ 執行役員
1991年生まれ。大阪大学工学部卒業後、2014年レバレジーズへ新卒入社。マーケティング部、新規事業の責任者、レバテックの経営企画を担当後、25歳でレバレジーズ史上最年少の執行役員に就任。就任後は人事責任者、経営企画室長、マーケティング部長などを歴任。2018年度から2019年度まで、中央大学で新規事業、マーケティングについての非常勤講師を務めた。(所属部署はインタビュー当時のものです)


──興味深いです。確かに、ChatGPTのような技術が進化すれば、仕事の定義は変わりそうです。例えば、コンサルにおけるリサーチやレポート作成がAIに代替される、みたいな。


藤本:そのような変化はあるでしょうね。コンサルに限らず、足元の需給バランスだけをみると今、人気の仕事がこの先も残る仕事かはわからないですから。レバレジーズの人材育成でも、この4つの能力を上げることを中心に置いています。誰でもいい仕事やAIでできる仕事は切り出したり、テクノロジーで代替したりしています。

実は先ほどの4つの中から、どれを選ぶのが良いか? というものはあまりなくて、そこが個人のやりたいことや志向性に依存します。

そして、個人のキャリアに重要な影響を与える因子は、「職種」になるんですよね。


──どういうことでしょうか?

「就社」ではなく「就職」に覚悟を持て

藤本:そもそも学生の皆さんがやっているのは「就社」活動ではなく「就職」活動です。会社を探すのではなく、職を探す。その仕事の種類が職種です。

転職が当たり前になっている現代において、会社や業界を変えることは容易になっていますが、職種、つまり仕事の種類を変えるのはハードルが高いんです。職種に市場価値やスキルがひもづいてキャリア形成されていくので、職種を変更する転職は年収も下がることが多いし、そもそも選択できないケースもあると思います。職種を変えるのは相当なリスクを伴うので、「何の職種で生きていくのか」をちゃんと考えた方がよいと思います。


──ただ「新卒でコンサルに入り、ビジネスの基礎を積んでから転職する」というキャリアもありますよね。


藤本:ビジネスコンサルタントになりたくて、コンサルティングファームに入るのであれば、それでいいと思います。ただ、コンサルタントもあくまで1つの職種です。事業開発、マーケティング、営業と同じ並びにあり、それぞれが違う能力が求められる仕事です。

コンサルができる人は事業開発ができるわけではないし、その逆もしかりなんです。シンプルに、コンサルとして今後生きていく覚悟がある人はコンサルタントの仕事をするのがいいし、事業開発の仕事がしたい人は事業開発の仕事をするというのがキャリアの本質です。

究極論ですが、世の中で活躍している人は20代前半、下手をすると10代から「これをやる!」と決めている人が多い気がします。プロ野球選手の大谷翔平選手だって小さい時からメジャーで活躍することを決めて野球をやっているわけです。就職した時点で、どの職種の仕事を担当するかが決まってしまうので、就職活動でやりたい職種を決めて、その職種の仕事をしないとキャリアが始まらないとも言えます。 

──後悔しないように覚悟を固めるコツはありますか?


藤本:もしかすると、世の中にどのような職種があるのかを知らない人が多いのではないでしょうか。考えるより前に情報収集に動いた方がいいと思います。

自分の興味ない会社、知らない仕事だったとしてもまずは見に行ったり話を聞いてみたりしてみる。情報を入れずに考えたとしても、最適解にならないからです。好きな企業も嫌いな企業も「これは絶対見ないだろうな」と思い込んでいる企業も、まずは見てみて、その上でどうしたらいいか考えるのがスタートになると思います。いろいろ見てみると、自然と興味の湧く仕事に出会えるので、そのときに、「なんでこの仕事はワクワクするんだろう」と考えると、自分のやりたいことが言語化されていきます。

各分野の「最強」が集まるインターンで、さまざまなキャリアを考えてほしい

──これからのキャリアを考える上で、多くの学生にとって重要な意味を持つのがインターンです。レバレジーズは、どのような機会を提供していますか?


藤本:インターンでは事業開発の面白さを届けられたらなと思っています。レバレジーズの強さは、年間10~20の事業を立ち上げて、7~8割がうまくいっていることです。

新規事業は10個のうち1個当たったらいいと言われる世界ですが、レバレジーズのヒット率が高いのは、実行力が強いからこそ。インターンも、企画や戦略よりも、実行がずっと難しいというコンセプトで組み立てています。


──実行力の源泉は何ですか?


藤本:中心にあるのはインハウスの組織です。プロダクトの企画から集客、デザイン、運用も全て内製化しています。いろんなスペシャリストがいて、強いチームになっています。漫画『ONE PIECE』に出てくる麦わらの海賊団みたいに、各職種の「最強」が集まっているから強いというようなイメージです。

また、人材紹介やM&A仲介支援など幅広い事業を展開していますが、どれも報酬をいただくポイントが1番後にあるビジネスモデルにしています。クライアントの困りごとを聞いて提案、実行してめちゃくちゃうまくいって、先方から「ありがとう」と言われてから入金されるイメージです。小手先の技術だとどうにもならない。競合よりも付加価値を高めていかないと勝てません。だからインハウスは強い。


──レバレジーズの採用情報を見ると、職種も多岐にわたりますね。


藤本:セールス、データサイエンティスト、マーケティング、広告と、挙げればきりがありません。

インターンでは、各職種のスペシャリストたちと一緒にチームを組み、学生のフレッシュな頭脳とレバレジーズの専門性を掛け合わせます。そうすることで、会社としてやりたい事業案の行く末も決まります。いろんな人と絡んで、さまざまなキャリアを考えられます。「こんな人になりたい」という存在にも会えるかもしれません。


──そのような環境なら、インターンで志望職種を経験して「ここじゃないな」と思っても、他の職種を見ることができそうですね。


藤本:選考に進んでも「もしかしたらこの会社じゃないかもしれない」という感覚は大事にしてもらいたいと思っています。なぜなら、学生の将来にきちんと責任を持ちたいからこそ、「この学生がやりたいことは、レバレジーズじゃない」ということを明確にすることも、弊社の採用担当の仕事だからです。弊社では、「将来何をしたいのか?」というのをリクルーターと一緒に考えてもらっています。きちんと学生一人一人の人生に向き合う採用ができているのは、レバレジーズの人事の強みだと思っています。


──ありがとうございます。最後に、これから就活を本格的に始める学生にメッセージをお願いします。


藤本:就活って不安ですよね。それは自分のキャリアが不安だからで、どうしても自分のことばかり考えてしまう。でも自分が仮に良くなっても、日本経済が下がっていけば、子どもや孫の世代に「買いたい物が買えない」「キャリアの選択肢が狭くなる」という状況になり得ます。自分のキャリアに加えて、半分くらいは日本経済や日本社会がどう良くなるのかも考えてもらえると、うれしいです。


──確かに、社会にまで思いを巡らすのは大事ですね。いざ選考が本格化して、内定獲得に意識が向かうと、考える余裕がなくなるでしょうし。


藤本:経済が縮小する日本にあって、極論を言えば会社を大きくするというのは日本を元気にするということです。会社を大きくする人材は、イノベーティブな人やリーダーです。その人は社会で求められるし、結果として市場価値が高まります。

世の中のためになるものを作り、困っている人に提供する。そして社会を変えていく。自分がやりたい仕事を考えると同時に、社会が良くなる、日本にとって価値のある職種を選んでほしいです。


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