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「専門性」を持つことで自分のフィールドが広がる。有限責任監査法人トーマツ リスクアドバイザリー事業本部で新卒が描ける多彩なキャリア

企業理解 企業インタビュー インタビュー コンサル 日系
2024年6月3日(月) | 5,826 views
sponsored by デロイト トーマツ リスクアドバイザリー

※こちらは2023年7月に公開された記事の再掲です。
※法人名および所属部署名は取材当時のものです。
※現在は、有限責任監査法人トーマツのリスクアドバイザリー事業をデロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社(旧デロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社)に集約しております。


世の中の変化が激しく、不確実性が高いとされる時代。何かしらの専門性を身に付けることで、変化に強いキャリアを築きたいと考える人も多いのではないでしょうか。

新入社員が皆、何かしらの専門性を磨き上げ、一流のプロフェッショナルとして「専門家の社会インフラ」を目指す集団がいます。有限責任監査法人トーマツの「リスクアドバイザリー」事業本部です。ある社員はデータ分析、ある社員は内部監査、ある社員はセキュリティ……企業の相談に応じてそれぞれが強みを掛け合わせることで、多様な経営課題に的確に応えています。

「時代が変わって新しいリスクが生まれても、自分の専門性をどう生かすか考えることで、時代の先頭に立って働くことができる」

入社5年目の若手社員2名に、リスクアドバイザリー事業本部でどのように自身の専門性を獲得したのか、そして専門性を掛け合わせて企業の期待に応える面白さについて、話を聞きました。

<目次>
●インターンで感じた「社員みんながスペシャリスト」
●「最初から全部できる『スーパー学生』はいない」
●右も左も分からない新人だった自分が「認めてもらえた」瞬間
●社会の変化の中で、常に自分自身をアップデートできるのが魅力のひとつ
●既存の枠組みにとらわれず、自分だけの武器を見つけてほしい

インターンで感じた「社員みんながスペシャリスト」

──まずは、お二人が入社した決め手について教えてください。


仁神:経済学部で経営を学んでいたこともあって会計や監査(※1)に興味があり、監査法人を中心に就職活動をしていました。最終的にトーマツを選んだ決め手は、社員の皆さん全てが何らかのスペシャリストであり、専門性を確立していたことです。

私が参加したトーマツのインターン(Risk Advisory 3days Internship)では、アカウンティング&ファイナンス、パブリックセクター(官公庁などの公的機関)、GRC(※2)の3つから参加テーマを選べました。3テーマ合同開催でしたので、さまざまな所属の社員と会話をする機会があったのですが、どの方とお話ししても経験に裏打ちされた深い知見を持っていると感じたんです。そのことがすごく魅力的で、自分も専門性を発揮しながら働けたらと、トーマツを選びました。

(※1)……企業のビジネス活動の結果を記録した「財務諸表」(売上・利益・資産・負債など)が正しいかどうか、監査基準に沿って客観的に判断する業務。いわゆるビジネスにおける“裁判官”のような仕事で、公認会計士や監査法人が行う。
(※2)……GRC:ガバナンス(Governance)、リスク(Risk)、コンプライアンス(Compliance)の頭文字であり、経営体制の総合的なリスクマネジメント手法を指す。

仁神 かれん(にかみ かれん):リスクアドバイザリー事業本部オペレーショナルリスク(OR)所属、新卒入社5年目(2019年入社)。ゼネラルアドバイザーユニット(GAU)に配属後、内部監査・内部統制業務やPMO業務に従事したのち現職。会計監査業務も兼務。(所属部署はインタビュー当時のものです)


──中山さんは理系の出身だと伺いましたが、なぜコンサルティング業界へ入社されたのでしょうか。


中山:大学院の修士課程では、応用物理学を専攻していました。研究でデータを扱う機会は多かったので、そうした理系の部分と、ビジネスサイドの知見を掛け合わせたような領域でキャリアを作れたらと、就職活動ではコンサルティング業界を中心に見ていったんです。

今でこそデータ分析やAI(人工知能)といったバズワードが飛び交っていますが、私が就職活動を始めた5年以上前は、まだそこまで注目度が高くありませんでした。ところが、トーマツでは早くから「データ分析×コンサルティング」領域の専門性を高めていて、採用の段階から専門部署(デロイトアナリティクス)の人材を求めていたんです。インターン(Deloitte Analytics 3days Internship)で業務の一端に触れたことも、決め手になりましたね。

中山 知樹(なかやま ともき):リスクアドバイザリー事業本部デロイトアナリティクス(DA)所属、新卒入社5年目(2019年入社)。デロイトアナリティクスに配属後、企業のリスクマネジメントや会計監査における課題をデータアナリティクスで解決する業務に従事。(所属部署はインタビュー当時のものです)


──インターンの中でどういった点に魅力を感じたのでしょうか。


中山:今でも印象に残っているのが、「リスクアドバイザリー業務の一端として、実際にデータを分析して施策検討を行い、その結果を踏まえて仮想のクライアントに提言をする」という課題に取り組んだことですね。複数のチームが同じデータで課題に取り組んだはずなのに、最後の提案が全てのチームで異なっていたんです。

データという絶対的なインプットがあるにもかかわらず、コンサルタントが絡むことによって、多様な解釈や示唆が生まれる。言い換えれば、ここがコンサルタントの腕の見せどころにもなる、面白い仕事だなと思いました。


──「リスクアドバイザリー」は、クライアントが適切にリスクを取り、経営課題に的確に対応するために、専門性に基づいたアドバイスを提供するサービスだと伺いました。お二人は入社後、どのような経緯で現在の部署に配属されたのでしょうか。


仁神:リスクアドバイザリー事業本部に新卒入社すると、基本的にはまずGAU(ゼネラル・アドバイザー・ユニット)という組織に配属されます。GAUは、幅広くプロジェクトを経験してから専門領域を決めていくことができる、アドバイザリー人材を育成するための「器」のような仕組みです。私はGAUでのプロジェクト経験をもとに、会計や監査など、米国公認会計士の資格を生かせる領域で専門性を深めたいと考えていたので、主に内部監査や内部統制(※3)を担うオペレーショナルリスクを最終的に希望しました。

(※3)……不正防止や業務効率化等を目的に、企業内の独立した監査組織が監査を行うこと。内部統制は、企業が健全に事業を運営するためのルールや仕組みであり、取締役会や社内規定といった社内管理体制を指す。 

GAU(ゼネラル・アドバイザー・ユニット)の仕組み。特定の専門性(コンピテンシー)やクライアントの業種(インダストリー)にとらわれることなく、幅広いプロジェクト経験をすることで、アドバイザリー人材として必要な基礎スキルを習得するとともに、各自がフォーカスしていく専門領域を自分自身で見極めていく。2年程度で本所属の部署を決定する。


中山:一方で私の所属するデロイトアナリティクスのように、採用段階から配属先が決まっている専門の部署もあります。GAUには入らずに、新卒入社直後からデータ分析の専門性をとがらせていくための研修を受けてきました。

各部署の強みを掛け合わせ、顧客に最大限応える

──お二人はどのような業務をされているのでしょうか。


仁神:現在は内部監査チームに所属しており、自動車メーカーにおけるサイバーセキュリティの体制構築業務に携わっています。

自動車業界では、常時ネット接続された「コネクテッドカー」が注目を集めていますが、ネットに接続される以上、自動車もサイバー攻撃のリスクに備えなくてはなりません。クライアント様の自動車メーカーは国内外で事業を展開しているため、各国の法規やガイドラインに合わせた体制構築のリスクアドバイザリーを行っています。

具体的にはシステムの監視体制であったり、障害が発生した際の業務の流れであったり、訴訟リスクに対する備えであったり。さまざまリスクに対応できるよう、サイバー攻撃を想定して内部の手続きや組織体制を整えているところです。

──なるほど。それにしても、仁神さんが希望されていた監査の仕事とは、だいぶ異なる印象を受けました。


仁神:私も入社時はサイバーセキュリティをやるとは思っていませんでした(笑)。ただ、先ほどのGRCの観点から見ると、共通するトピックも多いんです。

例えば、サイバーセキュリティの分野でも内部監査が必要です。既存の内部監査の仕組みや考え方を、前例のないサイバーセキュリティ分野へ適用させるわけですが、「これで万全だろうか」と悩むことも少なくありません。

しかしデロイト トーマツには別部署にサイバーセキュリティの専門性を持つメンバーがいますので、彼らに協力を仰ぎながらプロジェクトを遂行させています。


──まさに専門性を掛け合わせる仕事ですね。中山さんは、現在どのような業務を担当されているのでしょうか。


中山:ある素材メーカー様に、先方の内部監査の業務をより効率化・高度化するDXのひとつとして、データ分析手法を導入するプロジェクトに携わっています。

お客様は世界にある100以上の拠点に監査を行っていたのですが、担当者によって監査業務の精度にばらつきが生じることが課題になっていました。そこで、各拠点に蓄積されたデータを活用して内部監査の業務を改善したいとお話をいただき、アドバイザリーやソリューションの提供を行っています。

──実際に中山さんも手を動かしてデータ分析をされるわけですか?


中山:そうですね。先方のプロジェクトメンバーとのやり取りやトーマツ側のスタッフの取りまとめをしつつ、実作業も担当しています。

具体的には、初めにデータサンプルを提供いただいて、私たちでどのような分析ができるか仮説を立て、実際にひとつの拠点に導入して実証実験を行うのです。ここで効果を検証した上で、各拠点に向けて展開と最適化していくことになります。データ分析の導入だけでなく、業務改善の支援までが私たちのミッションです。

データ分析では、インプットの時点でデータの解釈を誤ってしまうと、アウトプットを確実に間違えてしまいます。自分の業務ではどうしても会計関連のデータが多くなるので会計や内部監査の知見が必要でしたが、別部署から専門性を持つ方にチームに入ってもらうことでカバーできました。「これはどういうデータなのか」を正確に解釈するには、やはりそれぞれの専門性が必要です。こうした協業を可能にするのが、トーマツの強みだと思っています。

「最初から全部できる『スーパー学生』はいない」

──お二人とも、今となっては各部署でそれぞれ専門性を発揮されていますが、まだ右も左も分からない入社1年目のころは、やはり大変だったのではないでしょうか。


中山:1年目は会計監査に関わる業務だったのですが、最初は会計の専門用語がまったく分かりませんでしたね……。まるで異国の言葉を話されているかのように感じていました。


仁神:私もそうでした。ひたすらメモを取って、自分で調べたり、先輩たちに聞いたり……。皆さん丁寧に答えてくれましたし、おすすめの本を教えてもらうなど、サポートが手厚かった印象が強いです。

中山:分かります。上司や先輩も同じような経験をされているからか、質問しやすい環境ができているのかもしれませんね。私も先輩たちを質問攻めにしながら、1年目はひたすらキャッチアップの日々でした。


仁神:そうなりますよね。私は1~2年目のとき、米国公認会計士(USCPA)の資格取得も目指していたので、業務知識のキャッチアップと試験勉強を両立させるのはやはり大変でしたね。


──その大変さを、どのように乗り越えていったのでしょうか。


仁神:資格取得は会社からも奨励されているので、受験休暇や金銭面の補助といったサポート制度を活用していました。あとは、上司や先輩にもUSCPA取得者が多いので、「ここを勉強するといいよ」といったアドバイスもいただきました。

業務知識については研修も充実しているので、「ここが弱いな」と感じる分野については、積極的に受講していました。キャッチアップの手段は豊富に用意されていると感じます。


中山:確かに。ほとんど手探りの状態からのスタートでしたけど、上司や先輩からよく声をかけていただきましたし、「不安でどうしようもない」ということはなかったですね。会社側も「最初から全部できる『スーパー学生』はいない」と分かっているからこそ、研修をはじめ、学ぶ機会を多く設けているのだと思います。

右も左も分からない新人だった自分が「認めてもらえた」瞬間

──自分の成長を感じられるようになってきたのは、何年目くらいからでしょうか。


仁神:ここ1、2年でようやく……といった感じですね。5年間でさまざまな業界の内部監査を経験しましたし、内部統制やPMO(※4)など業務内容も複数ありましたので、その都度キャッチアップをしていましたから。

(※4)……Project Management Officeの略。企業や組織に置いて、プロジェクトマネジメントの支援を行う部門のこと。

強いて挙げるなら、3年目で担当した内部監査の案件でしょうか。ある日本企業様が各国に展開している拠点の内部監査を、報告日までに全て完了すべくマネジメントするプロジェクトでした。しかしコロナ禍の影響で、ひとつの海外拠点で監査をする人がいない事態が発生したんですよね。

そこで、日本からリモートで監査をすることになり担当者を探していたところ、お客様から「仁神さんが監査を担当すればいいよね」と声をかけていただけたんです。そのときは「内部監査を任せられると認めてもらえたんだ」と、すごくうれしかったですね。


中山:仁神さんの「認めてもらえた」という気持ち、よく分かります。自分も1年目のときはミーティングに出ても、「新人がいるな」としか見られていなかったと思うんです。

当時は、前提となる知識を間違えて覚えていたり、お客様の課題を誤って認識していたりして、お叱りを受けたこともありました。だいぶ落ち込んだ日もありましたが、「お叱りの言葉は期待の裏返しでもあるはず」と、上司と相談しながらキャッチアップを続けました。

自分の言葉で意見を出せるようになったのは、2年目になってからですね。お客様の感触が変わってきて、ご期待に沿えた手応えがあった。そこで初めて「コンサルタントってこういうことなんだ」と、やりがいを感じることができました。一度へこんでも、諦めなくて良かったなと思います。

社会の変化の中で、常に自分自身をアップデートできるのが魅力のひとつ

──あと5年たって入社10年目になったとき、お二人共どんなキャリアを歩んでいたいですか?


仁神:内部監査を続けてきて感じるのは、この仕事はとても幅が広いということです。製薬、重工業、自動車など、さまざまな業界に携わらせてもらいましたが、業界が変われば内部監査の考え方も大きく変わります。

入社10年目を迎えるころには、その中でも自分が得意な業界を見つけて、お客様から指名されるような存在になりたいですね。

中山:データ分析という軸を磨き続けるのは大前提として、その軸に掛け合わせる要素をもっと増やしていきたいです。ただ「5年後にここをやりたい」とは、はっきり言えませんね。世の中の変化が激しいですし……。


仁神:1年前は、こんなに生成AIが騒がれるなんて思いもしませんでしたしね。


中山:本当ですよね。うちのユニットでも毎日その話題ですよ(笑)。

時代が変われば、新たなリスクや、それに伴う経営方針が生まれます。経営層やマネジメント層が今何を求めているのかを敏感にくみ取って、そこにデータ分析という専門性を掛け合わせていきたいですね。

──そうした時代のめまぐるしい変化が、ご自身の業務に影響したことはありましたか?


中山: 例えばコロナ禍ではさまざまな業種・業界で財務データ上の売上がガクッと落ちるケースが多々発生したのですが、将来の数値を予測するデータ分析の場面において、パンデミックによる売上激減というイレギュラーなデータをそのまま分析の学習データに含めると正確な予測ができません。社会で起きていることのデータへの影響を検討して、このデータは分析対象から除くべきなのか否かといったデータの解釈や分析手法にも変化を加えないといけない場面がありました。


仁神: 内部統制や監査も社会の変化から大きく影響を受けます。例えば製薬業界ですと、コロナ禍での製造ラインの内部統制に関するご相談もありました。日々、新しいものをキャッチアップするのは大事だなと思います。


──単純な繰り返しではない、常にアップデートせねばならないところに、この仕事の魅力があるように感じます。


中山:確かにそうですね。新たに知識を吸収したり、トーマツとしてどんなサービスを提供できるのかチームで話し合ったり、日々刺激を受けることも多いです。時代の先頭に立ってアドバイザリー業務ができるのは、この仕事の醍醐味(だいごみ)のひとつだと思います。

既存の枠組みにとらわれず、自分だけの武器を見つけてほしい

──どのような学生なら、リスクアドバイザリー事業本部で活躍できると思われますか?


仁神:勉強が好きな人、だと思います。先ほど中山さんの話にあったように、常に新しいトピックが生まれるので、学ぶことを面白いと思える人が向いているのではないでしょうか。


中山:今、世の中で何が起こっていて、それが世界にどういう影響を与えているのか、普段から意識して考えている人なら、すごく向いていると思いますね。さらに「自分だったらどうするか」「自分はどう考えるのか」を積極的に発信できる人であれば、十分活躍できると思います。

──それでは最後に、この記事を読む就活生の皆さんにメッセージをお願いします。


仁神:内部監査の仕事でさまざまな業界に携わることができ、何か専門性を持つことでフィールドがぐっと広がることを実感しました。学生の皆さんにとっては、専門性を獲得するまでにハードルの高さを感じるかもしれません。

でも、最初はできないことが多くて当たり前。先輩や上司のサポートや、会社の制度などをフルに使って、チャレンジしてもらえたらと思います。


中山:私たちが持つ、内部監査やデータ分析といった専門性は、多様な専門性を持つリスクアドバイザリーの中でもほんの一部にすぎません。きっと皆さんにも、それぞれの専門性があるはずです。既存の枠組みにとらわれず、自分の興味関心のある分野を追求してもらえたらと思います。その専門性をいかんなく発揮できる場が、リスクアドバイザリーにはありますから。

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デロイト トーマツ リスクアドバイザリー

【ライター:井上マサキ/編集:黒木貴啓(ノオト)/撮影:赤司 聡】

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