「専門性がどう活きるか」「若手のうちから裁量権を持って働けるか」と不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、2026年5月配信の「理系キャリアDAY」をレポートしました。材料開発・プロセス技術を核に、多彩なデバイステクノロジーをグローバルに展開するパナソニック インダストリー株式会社(通称:インダ)の最前線に迫ります。生成AIサーバ向けデバイス開発で活躍する島村宣寛さんと舘亮太さんを迎え、インダ独自の技術的強みや、社員一人ひとりの挑戦を全力で後押しする人財戦略コンセプト「想いを、動かせ。」を体現した社風について語っていただきました。
見えないところから世界を変えるインダの事業と戦略
──本日のテーマは「自身の専門性、経験が活きる場所」です。まず、インダはどんな会社ですか?
島村:インダは「見えないところから、見違える世界に変えていく」会社です。デバイスやマテリアルなど、目に見えない場所から100年以上にわたって、社会に貢献してきました。宇宙から手のひらの上まで事業領域を広く展開しており、従業員約4万人、売上高約1兆円の規模を誇ります。(2025年4月現在)2022年にパナソニックグループが「事業会社制」へ移行したことにより意思決定が迅速化し、人財育成体制も充実しました。技術力と提案力を強みに、迅速に変革を起こせる会社です。
舘:インダでは社員一人ひとりが当事者意識を持って働く「自主責任経営」が徹底されていると私は思います。社員一人ひとりの強みを活かしてスピード感を持って挑戦できるため、歯車感は感じません。
──注力している領域や強みについて教えてください。
島村:インダの注力領域は「車載CASE」「情報通信インフラ」「工場省人化」です。最大の強みは当社固有の「材料開発・プロセス技術」にあります。これを武器に、多様なデバイステクノロジーをグローバル約2万5千社のお客様に届けています。さらに材料開発プロセスを大幅に短期化する業界初の「スマートラボ」を導入するなど、戦略投資を通じて世界の成長を牽引しています。

島村 宣寛(しまむら のぶひろ):パナソニック インダストリー 設計開発
新卒で設計開発職として入社。AIサーバの多様な電力消費に追従した負荷吸収を実現する次世代高性能キャパシタの開発に従事。
理系社員が挑む最先端プロジェクト──AIサーバの進化を支えるデバイス開発
──お2人の具体的な仕事内容を教えてください。
島村:私は新卒でインダに入社し、「AIサーバ向けの多様な電力消費に追従した負荷吸収を実現する次世代高性能キャパシタの開発」に従事しています。膨大な電力負荷の変動を効率よく吸収し、安定させるのが技術課題です。材料選定や合成といった基礎研究から、量産化に向けた工法、コストや生産性の最適化まで全プロセスにチームで挑んでいます。入社以来、培った基礎研究の成果をもとに、現在は新製品を世に送り出す「量産化への準備」を推進しています。リーダーとして他部署や他事業会社とも協力し、世界に貢献するデバイス開発を率いています。
舘:私も新卒入社です。担当業務は主に2つです。1つ目は低ESR(低内部抵抗)・高耐熱性を活かして安定動作を実現する、AIサーバ向けのコンデンサの高性能化に向けた技術開発です。2つ目は海外拠点への技術指導です。海外の製造拠点に対して最先端技術の製造ノウハウを指導しています。次世代サーバ向けコンデンサの高信頼性技術を確立した際、予測に反する結果が何度も出て壁にぶつかりました。しかし、諦めない粘り強さで「なぜ」を徹底的に考え、周囲の人を巻き込んで議論を重ねました。仮説と検証のPDCAを泥臭く回し、インプットとアウトプットを繰り返して技術を確立させました。このプロセスが自身を成長させたと感じています。
──やりがいを感じる瞬間はどんなときですか。
島村:実験を繰り返す中で、狙い通りの条件が実際のデータとしてバチッと決まった瞬間ですね。また、入社直後から実験やテーマを主体的に任せてもらえていますが、1人きりで仕事をすることはありません。困ったことはチーム全体で共有し、みんなで悩みながら進められる体制があるからこそ、困難を乗り越えられています。
舘:私も同じで、頑張ってきたことでコンデンサの品質を向上させることができ、狙い通りに決まった瞬間にやりがいを感じます。周りの意見を聞くことで様々な視点からアイデアをもらえ、「チームで取り組む」という強みがあるからこそ、高い壁も乗り越えられます。
──技術者としてインダの好きなところを教えてください。
島村:自分のやりたいことや意見を尊重してもらえる点です。お互いを認め合い、困ったことはチームとして悩み、解決していく一体感が好きなポイントです。
舘:取り扱っている製品やテクノロジーが多岐にわたる点です。ある程度技術を吸収したら、社内公募などを利用して別の拠点へ赴き、別の製品や技術を習得することも可能です。「社員の挑戦を後押しする風土」が根づいているため、自分の意志でキャリアをつくっていけます。

舘 亮太(たち りょうた):パナソニック インダストリー 設計開発
新卒で設計開発職として入社。低ESR・高耐熱性を活かして安定動作を実現するAIサーバ向けのコンデンサの開発に従事。
【本音でQ&A】理系学生が抱く疑問や悩みのリアル
──理系学生からよく寄せられる疑問に本音で答えていただきます。まずは「研究テーマと仕事の親和性」についてはいかがですか。
舘:直接的な親和性はあまりなくても気にせず挑戦してほしいです。私自身、大学では「有機半導体」の研究をしていましたが、今は「コンデンサ」という全く異なるデバイスを扱っています。職場を見渡しても、研究テーマと業務が完全に一致している人は多くありません。ただ、学生時代に「有機物」を扱っていた経験や、課題に直面したときの思考力、粘り強さは今の仕事に確実に活きています。
島村:私も大学院時代は材料の合成を研究しており、現在のコンデンサ開発に直結しているわけではありません。しかし、大枠で捉えれば「材料の特性を活かしてデバイスの高性能化を図る」という点で共通しており、研究室で培った知識や経験をベースに、会社に入ってからいくらでも成長できました。
──「入社前にどれくらいの専門性が求められるか」や、大学と会社の違いについてはいかがですか。
島村:専門性自体はあるに越したことはありませんが、現時点で完璧である必要はありません。専門性だけでなく、コミュニケーション力や周囲を巻き込む力といったソフトスキルも会社においては必要です。大学との1番の違いは「チームで動く」点です。会社ではチーム全員で成果を上げるために動きます。自分の意見を尊重してもらいつつ、みんなで協力して進める環境だからこそ、1人では成し遂げられない大きな成果に繋げることが可能です。
舘:研究は1人もしくは先生と進めますが、会社ではチームなので「部活動」をやっている感覚に近くて楽しいです。困ったらみんなで議論し合える明るい雰囲気があります。とてもフレンドリーで前向きな社風で、若手の意見がプロジェクトに反映されることも普通にあります。ガツガツ自分を出していける環境です。
就活生へのメッセージ:自分の軸を持って未来を切り拓く
──最後に、これから就職活動を控えている学生の皆さんに向けて、メッセージをお願いいたします。
舘:私は就職活動当時、「自分自身の業務に誇りを持てるかどうか」を最大の軸にしていました。そのために自己分析を行い、漠然と考えていたことを言語化しました。最終的な入社の決め手は、ワンキャリアのアプリで「パナソニック インダストリーは誇りを持っている社員が多い」という記載を目にし、自分にグサッと刺さったことです。今こうして皆さんに誇りを持って仕事の魅力を届けられていることに深い縁を感じています。
島村:就職活動は、これまでの専門性にとらわれすぎず、新たな可能性を広げるチャンスです。当社には材料開発・プロセス技術を核とする多様なデバイステクノロジーがあり、何よりも人財戦略コンセプトである「想いを、動かせ。」のもとで、社員一人ひとりの主体的な挑戦を全力で後押しする風土があります。「大企業の歯車」ではなく、自分が主役となって未来をつくっていける会社です。ぜひ、自分の可能性を信じて思いきり挑戦してみてください。
まとめ
パナソニック インダストリーの技術者2名が語る、理系キャリアの最前線レポートはいかがでしたでしょうか。大手企業の「堅い社風」や「組織の歯車」といったイメージを完全に覆す、フレンドリーで明るく、チーム一丸となって挑戦する風土が、お2人の言葉からリアルに伝わってきました。
グローバル約2万5千社のお客様に、独自の強みである「材料開発・プロセス技術」を武器に多様なデバイスを届けている同社の最先端インフラを支えるプロジェクトは、理系技術者にとってこれ以上ない挑戦の舞台です。今回の記事を参考に就活軸を深掘りし、誇りを持てる納得のキャリアを見つけ出してください。

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