「戦略を描くだけでなく、自ら現場に入り、事業を動かしたい」。もしあなたが提案書をつくるだけのコンサルタントでは物足りないと感じているなら、ぜひ知ってほしい環境がある。「グローバル×社会課題解決」の最前線に挑む、ドリームインキュベータ(以下、DI)のプロジェクトだ。
日本企業や政府のグローバル進出の「一丁目一番地」となるようなスケールの大きな案件において、単なる提言にとどまらず自ら現場へ赴き、ステークホルダーを泥臭く巻き込んでいく。グランドデザインを描き、リアルな現場で事業を動かす。その両方を担う姿こそが、DIが掲げる「ビジネスプロデュース」そのものだ。
本記事では、日本を飛び出し、グローバルの最前線で活躍する3名のビジネスプロデューサーにインタビュー。若手のうちから「戦略×実行のハイブリッド人材」へと成長できる環境の実態と、AI時代でも決して代替されない「事業創造の現場を突破する力」の価値に迫る。
<目次>
●外資系ファームや大手ITではなく、DIを選んだ理由。
●日本政府・企業の「一丁目一番地」を担う。DIのグローバルプロジェクトの全貌
●現地政府への政策提言から離島への視察まで……。若手が挑む「全身筋トレ」の現場
●泥臭い現地経験こそが、AIに代替されない「市場価値」を生む
●次世代のビジネスリーダーへ。グローバルでの野望とメッセージ
外資系ファームや大手ITではなく、DIを選んだ理由。
──まずは皆さんがDIへ入社された経緯からお聞かせください。外資系ファームや大手ITをはじめ、多様な選択肢がある中で、なぜDIだったのでしょうか?
山口:私は新卒で入社し、11年目になります。就活時は広告代理店とコンサルで迷っていました。最終的にDIに決めた理由は、課題解決のために使える手段が圧倒的に多かったからです。自社で投資を行ったり事業そのものを創出したりと、クライアントの課題に対して本当の意味で一番効く手を打てる環境であるという点に強く惹かれました。

東京大学卒業後、DIに新卒入社。国内大企業の新規事業戦略構築や産業プロデュースに従事した後、現在はグローバルでの官民連携案件を主導。JICA・IDB Labが共同で推進する中南米・カリブと日本のスタートアップエコシステムを接続する「TSUBASA」プロジェクトなどを統括する。
斉藤:私は大学で情報工学を専攻していたため、周囲はIT企業やエンジニア志望ばかりでした。私自身もIT業界を見つつ、選考時期の早かったコンサル業界も受けていたのですが、選考が進むにつれて「エンジニアよりも、事業の構想から実行まで関われるコンサルのほうが面白そうだ」と感じるようになったのです。
その中でもDIのインターンで出会った先輩社員の存在が決定打でした。若手のうちから頻繁に海外出張へ行き、現地で自ら道を切り拓いている姿がとにかくエネルギッシュで憧れましたね。ここなら若手にもチャンスがどんどん回ってくるのではと思い、入社を決めました。
──伊藤さんは外資系IT・コンサルファームからの転職ですね。グローバル企業でのキャリアを経て、日系企業であるDIへ移られた理由は何だったのですか?
伊藤:前職では製造業向けのDX戦略から開発まで幅広く経験させてもらいました。仕事は充実していましたが、外資系ファームだったため、どうしても「本国のヘッドクオーターが描いたグローバル戦略を、日本市場に落とし込むためのジャパンオフィス」という立ち位置になりがちでした。
ですが私が求めていたのは、自ら現地に足を運び、泥臭く事業そのものを創り出せる環境でした。また、前職でプロボノ(※)として参加した離島のマイクログリッド発電プロジェクトを通じて、「自分のリソースを社会課題解決に直接使いたい」という想いが強くなっていた時期でもありました。
面接で具体的なプロジェクトの話を聞いたとき、「ビジネスとして成り立たせながら社会課題を解決できる、こんな理想的な環境があるのか」と衝撃を受けて迷わずDIに飛び込みました。
(※)……経験や専門スキルを活かしてNPO(民間非営利団体)や地域団体を無償で支援する社会貢献活動
日本政府・企業の「一丁目一番地」を担う。DIのグローバルプロジェクトの全貌
──昨今、DIのグローバル案件が急拡大していると伺いました。具体的にどのようなコンセプトや戦略で展開されているのでしょうか?
山口:実はキャリアの前半、私が担当していたのは国内大企業の新規事業創造がメインでした。転機は5年ほど前です。ベトナム駐在から帰国した上司に声をかけられ、グローバルの取り組みに本格的に携わることになりました。現在のグローバルでの官民連携関連プロジェクトの基盤は、当時から積み上げてきたものです。私たちが戦う場所として選んでいるのは、DIが最も価値を発揮できるフィールドです。私の場合は、主に東南アジア、南アジア、中南米などの新興国・途上国が多いです。今、途上国におけるビジネスの潮流は「途上国ビジネス2.0」とも呼ぶべき大きな変化を迎えています。かつてのように「安価な労働力で製品を作るサプライチェーンの拠点」としてではなく、先進国よりも規制が柔軟な環境を活かした「社会課題解決のモデルを官民連携を通じて生み出す場」として捉え直す動きです。社会課題をビジネスの力で解決するという新潮流に対して、DIが創業以来培ってきた「新規事業創出」のノウハウがバッチリはまっていると感じています。
──具体的に、どのような規模の案件を手掛けられているのですか?
山口:例えば、私が主導している中南米・カリブでの「TSUBASA」というプロジェクトがあります。これはJICA(国際協力機構)や米州開発銀行(IDB)のイノベーションラボであるIDB Labと共同で、日本のスタートアップによる中南米・カリブの事業展開を通じて、現地のSDGs達成に貢献し、現地のエコシステムと接続する枠組みです。
立ち上げ当初は、スタートアップ数百社にひたすらDMを送り、イベントで泥臭く名刺を配って回ったこともありました(笑)。実績を積み重ねた結果、現在では、日本と中南米・カリブの連携に大きく貢献できるようになってきたと感じています。
──総合商社や他の外資系コンサルファームでもグローバル展開支援は行っていますが、DI独自の価値はどこにあると考えていますか?
山口:既存の商材や事業領域に縛られない「フラットさ」と、中長期のグランドデザインを描く「構築力」だと思います。商社の場合、どうしても「自社が持つアセットをどう売るか」「投資に対する短期的な回収が見込めるか」という目先の事業性を重視する視点が入りやすいでしょう。一方、ビジネスプロデューサーとしての客観性と戦略性を持つDIなら、「そもそもどういう制度や市場ルールを作れば、業界全体が潤うのか」という中長期的な構想を描くことができます。「儲からないなら、行政を巻き込んで儲かる制度に変えてしまえばいい」くらいの発想で、官民双方のフラットな立場から仲間づくりやルールづくりを主導できることが当社の優位性です。
現地政府への政策提言から離島への視察まで……。若手が挑む「全身筋トレ」の現場
──DIでは「戦略を描くだけでなく現地で泥臭く動く」そうですが、若手の皆さんは現場でどのような動き方をされているのですか?
斉藤:私が2年間担当した、JICA(国際協力機構)のインドネシアにおける水素・アンモニア市場創造を支援する案件がまさに象徴的でした。日本とインドネシアの二国間連携のロードマップを策定するプロジェクトで、政策提言を進めるために複数回にわたって現地へ訪問しました。エネルギー鉱物資源省(MEMR)という現地の省庁担当者とオンラインも合わせ何度も議論を重ね、最終報告では政策の土台となる基本的な考え方について合意できたことは、その後の自信に繋がりました。入社2〜3年目で現地政府に対して政策提言を直接やり取りする経験なんて、普通はあり得ません。
政策面からのアプローチに加えて、水素のように需要・供給ともに創出に時間がかかる産業では、足元で何ができるか事業者目線でも常に探索し、実績を積み上げていくことが、現場の熱を絶やさない重要な取り組みとなります。プロジェクト期間中は、日本とインドネシア両国の官民関係者を集めて頻繁にワークショップを開催し、実際のプロジェクト状況について意見交換を行いました。その中で、例えば短期的な実現可能性が高く、将来的な拡大余地もあるのではないかと仮説を立てた水素燃料電池発電については、実際の需要を確かめるべく、山口と一緒に人口約8,000人の離島まで視察に赴きました。

斉藤 敢(さいとう いさむ)
早稲田大学(情報理工学科)卒業後、2023年に新卒入社。上流から変数を動かせる面白さと、若手に豊富な機会を与える社風に惹かれてDIを選択。入社2年目からインドネシアの水素・アンモニア案件を担当し、現在はインド拠点(バンガロール)に駐在中。
──政府への政策提言から離島への視察まで! 振れ幅がすごいです。
山口:そうです。DIでは、産業や事業のグランドデザインを描く高度な論理思考力と、現地での行動力・突破力の両方が同時に求められます。頭も体も限界まで使う、まさに「全身筋トレ」のようなプロジェクトでしたね。
──伊藤さんはインドでの製造業案件に携わられたそうですね。海外ならではの苦労はありましたか?
伊藤:大手製造業のインド市場における新規事業立ち上げ支援を担当しました。現地でのPMOとして、DIとクライアント側のインド人メンバー計十数名を統括したのですが、日本とは商習慣やコミュニケーションの前提が大きく異なる環境での仕事は、日々試行錯誤の連続でした。
例えば、連携の可能性があるパートナー組織との初回のオンライン会議では「問題ないよ! 任せて!」と歓迎的な反応をいただいても、具体的な条件を詰めていく中で、日本での事業では想像もできなかった新たな論点が次々と出てくることがありました。覚書(MoU)をはじめとする各種契約の締結についても、双方の解釈の違いから、想定とは異なる反応が返ってくることも多々ありました。
日本で仕事をしているときの感覚だけでは物事がまっすぐに進まない中で、相手の組織における立ち位置や、担当者にとってのベネフィットも踏まえて働きかけることが重要であると気づきました。組織と担当者、それぞれの意思決定の背景や重視するポイントを1つずつ理解しながら、物事を進めることが求められました。
そのためには、メールや電話ではなく愚直に現地に足を運んで対面で会話を重ねながら相手への理解を深め、信頼関係を築いていくことが欠かせませんでした。そうした試行錯誤を重ねる中で、不確実性の高い環境でも案件を前に進めていく力が鍛えられました。
伊藤 寿和子(いとう すわこ)
早稲田大学・英国大学院を卒業後、新卒で日本IBMに入社し、製造業のDX案件に従事。日系企業ならではのグローバル案件への関わり方や、戦略案件・社会課題解決への強い意欲から、2023年にDIへ中途入社。現在は日系企業のインドでの新規事業立ち上げ支援など、新興国における官民連携・新規事業立ち上げプロジェクトを中心に担う。
泥臭い現地経験こそが、AIに代替されない「市場価値」を生む
──ハードな現場での経験も含めて、DIで培われる経験は、ビジネスプロデューサーとしての成長やキャリア形成にどうつながっていくのでしょうか?
斉藤:意外に思われるかもしれませんが、これまで担当したプロジェクトの比率は海外と国内でおよそ7:3。決して海外案件一色というわけではありません。そして、この国内での経験が海外で効いてきます。国内案件で叩き込まれるビジネスデューデリジェンス(DD)や緻密な市場試算の経験は、海外の現場でも強力な武器になります。どれだけ現地で素晴らしい情熱や一次情報に触れても、それを数字やロジックに落とし込めなければクライアントや政府を納得させる戦略には昇華できません。国内で磨いた「緻密なロジック構築力」と、海外で足を動かして得る「生の情報」。この両輪が揃って初めて、ビジネスプロデューサーとしてDI独自の価値が生まれるのだと実感しています。
──昨今、生成AIの進化によって「コンサルの仕事はAIに奪われるのではないか」という不安を抱く就活生も多いです。その点についてはどう思われますか?
山口:デスクの上で収集できる二次情報や美しいスライドの作成といった作業は、確かに生成AIへ代替されていくでしょう。しかし、私たちが現地で汗をかいて獲得した一次情報や現地の人々と対面で築き上げた信頼関係は、生成AIには絶対に代替されません。ネットのどこにも落ちていない事実を現場で拾い上げ、多様な思惑を持つステークホルダーを、熱量を持って巻き込んでいくこと。これこそがビジネスを動かす本質であり、DIに身を置くことで「ビジネスプロデューサーである前に、どこへ行っても通用する戦闘力の高いビジネスパーソン」へと成長できる理由だと思っています。
次世代のビジネスリーダーへ。グローバルでの野望とメッセージ
──最後に、皆さんの今後の野望と、就活生へのメッセージをお願いします。
斉藤:私は2026年5月からDIのインド拠点(バンガロール)に駐在しています。現地市場は年率20〜30%で急成長するセクターもあり、ものすごく熱気に満ちあふれています。直近では日系企業のインド進出支援が中心ですが、今後はインドの大手企業とのビジネスも広がっていく手応えを感じています。私自身がオーナーシップを持って、インド拠点のビジネスプロデュース事業そのものを大きく拡大していきたいと思っています。入社4年目の若手に、拠点経営に近い打席を与えてくれる環境を全力で活かしきりたいです。現地では、採用メンバーの育成・マネジメントや提案活動のサポートなど、仕事の幅も広がっています。まさに「枠を超えた」挑戦がDIとお客様双方の事業成長につながっていく面白さを日々実感しています。
伊藤:私は途上国の課題解決と、日本企業の事業成長・利益還元を高い次元で両立させる「官民連携モデル」を確立していきたいです。現地に赴いてマーケットを肌で感じてきた経験を糧に、双方向にとって本質的な価値を生み出せるビジネスプロデューサーとしてスキルを磨き続けます。
山口:特にグローバル案件で求められるのは、「大胆さと行動力」「緻密な思考力」「コラボレイティブなコミュニケーション能力」の3つです。斉藤のように社会人3年目で現地政府との協議の場にポンと放り出されても「やってやろう」と飛び込む大胆さ。現場へ足を運ぶフットワークの軽さ。それでいて、緻密なロジックで相手を納得させられる知性。そして何より、たくさんの仲間と信頼関係を築いていけるコラボレイティブさです。大変そうに見えるかもしれませんが、さまざまな現場に足を運び、世界中に信頼できる仲間が増えていく。その過程を楽しめることが重要だと思います。そんな挑戦に前向きに飛び込める方と一緒に働きたいですね。

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