「M&Aアドバイザリーやコンサルタントは華やかだが、本当に『当事者』として事業を動かしている実感は得られるのか?」就活生のこうした問いに、実際に当事者となって回答を示すのがforestだ。同社は「ロールアップ」のビジネスモデルで、M&Aを実行する「戦略投資事業」をはじめ、M&A後の成長を担う「流通販売」「海外販売」「ソリューション」などの事業機能を連携させ、ブランドのポテンシャルを解放している。
「支援だけでなく、自ら投資し、現場で仮説を正解にしたい」そう語る投資室の尾上慎氏とブランド事業責任者の大塚隆誠氏に、大手FASや広告代理店・ECブランドを経て同社へ飛び込んだ理由やforestでしか経験できないチャンスの数々について聞いた。
<目次>
●ブランドの潜在価値を引き出す「ロールアップ」モデル
●「ガラスフィルムの売上倍増」を実現した、チャネル開拓力という武器
●トレンドサイクルの壁にぶつかったPMIの苦悩
●20代から「事業主」として活躍し、P/Lを背負える環境へ
ブランドの潜在価値を引き出す「ロールアップ」モデル
──お二人が大手FASや広告代理店からforestへ飛び込んだ理由を教えてください。
尾上:前職のFASではM&Aのアドバイザリーを担当していました。非常にやりがいはありましたが、どれだけ精緻なデューデリジェンス(以下、DD)を行っても最終的な投資決定や事業運営の責任を負うのはクライアントです。「支援者ではなく当事者としてリスクを取り、M&Aをした事業を自らの手で正解に導きたい」という思いが強くなりました。代表の湯原のビジョンに共感し、海外で急成長していたECロールアップモデルを日本で成功させる確信があったため、アーリーステージの当社に飛び込みました。
大塚:私は前職でもECブランドの責任者をしていましたが、営業利益レベルまでの全責任を負う立場ではありませんでした。「自分の判断で意思決定を行い、結果の全責任を背負って挑戦したい」と考えていた際に知人に紹介されたのが当社です。各分野のスペシャリストが集まる環境で切磋琢磨すれば、自分の成長速度も桁違いに上がると確信しました。
──「ロールアップ」モデルにおけるforestならではの特徴は何でしょうか。
尾上:いわゆる「ECロールアップ」とは、ECモールを中心に販売する中小規模のブランドをM&Aし、マーケティングやシステムなどのノウハウを投入して売上を大きく伸ばすビジネスモデルです。ただ、当社の対象はECにとどまらず、「ECや海外展開で伸びしろがある企業全般」です。例えば、販売チャネルがドラッグストアなどのオフライン中心で、EC未参入のメーカーであっても、グループインすることでEC運営、デジタルマーケティング、海外展開、物流などの機能を即座に提供できます。
「商品を企画し、物流を整え、販売チャネルを開拓してお客さまへ届ける」というバリューチェーンの構造はすべての小売ビジネスで共通です。不足しているリソースを私たちの手によって補完することで、高い再現性を持ってブランドのポテンシャルを解放できるのです。

尾上 慎(おのうえ しん)29歳:投資室室長
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリーでM&Aアドバイザリーを約2年担当。「アドバイザーではなく当事者として意思決定したい」と創業一期目のforestへ参画。現在は投資室でM&AのソーシングからPMI管理までリードする。
※年齢・役職は2026年9月の取材時点のものです。
「ガラスフィルムの売上倍増」を実現した、チャネル開拓力という武器
──尾上さんの所属部門では、M&Aのプロセスにおいてどのような視点でDDを行い、投資判断を下しているのでしょうか。
尾上:私たちが重視するのは、財務数値の裏側にある「ビジネスDD」、つまり企業のコアバリューと参入障壁の見極めです。直近の業績が好調でも参入障壁が低ければ数年後に競合に埋もれてしまいます。ブランド力、技術力、オペレーション、取引先とのコネクションなど、「強みが持続可能で本物か」を精査した上で、「forestにグループインすることで、機能をどれだけ補完し、成長を加速させられるか」を精緻に検証します。
──DDの段階で描いた成長仮説が、実際に大きなバリューアップへと結実した事例を教えてください。
尾上:象徴的なのはスマホ用ガラスフィルムを展開するブランド「OVER's」の事例です。同社はプロダクトそのもののクオリティが非常に高い一方で、社内リソースの不足からAmazonの運用まで手が回っておらず、機会損失が発生していました。そこで私たちはDDの段階で「Amazon運営の徹底強化」と「オフライン(家電量販店やバラエティショップなど)への卸展開」という2つの成長仮説を構築しました。

<キャプション:ガラスザムライ>
グループイン後、すぐにforestのEC専門メンバーをアサインしてAmazonの運用を最適化した結果、投資前と比べてAmazon単体の売上は約2倍に拡大。さらに、以前は困難だった大手家電量販店への卸売りも、forestの営業リソースをつぎ込むことで実現させました。
トレンドサイクルの壁にぶつかったPMIの苦悩
──M&A後の事業成長を担う大塚さんは、PMIの最前線でどのような壁に直面し、それをどう乗り越えてきたのでしょうか。
大塚:私が責任者を務める革小物ブランドのPMIの事例をご紹介します。M&A前のDDでの仮説は「毎年5〜10件の新商品を投入すれば成長が描ける」という見込みでした。しかし実際に運営を開始するとトレンドサイクルが予想以上に速く、新商品は約2年でトレンドアウトしてしまう実態が判明。既存商品の落ち込みを上回るスピードで新商品を企画・投入し続けなければ、事業規模を維持することすら難しい状況でした。

大塚 隆誠(おおつか りゅうせい)28歳:ブランドマネージャー
広告代理店、プロテインECブランドの事業責任者を経て、約1年前にforest参画。「営業利益レベルの責任を持ちたい」と譲り受けた革小物ブランドの責任者に就任。PMI直後からの事業運営、P/L責任、組織管理まで全般を統括する。
※年齢・役職は2026年9月の取材時点のものです。
──課題に対して、どのように立ち向かって正解へと導いたのですか。
大塚:精神論に頼るのではなく、組織補強と「テクノロジーの実装」でアプローチしました。まず社内の商品開発スペシャリストを即座に投入して商品開発の体制を強化。さらに勘や経験だけに頼らない商品企画を目指し、AIを活用して韓国アパレルやハイブランドのトレンド情報を自動収集・分析するシステムを構築しました。
また、モールごとの利益率やUUをまとめて可視化できるダッシュボードを活用し、商品別の課題を抽出していきます。一方で、M&Aにより運営母体が突然変わることに対する現場従業員の警戒感を解くため、毎週のように地方拠点へ足を運んで丁寧な対話で信頼関係を構築していきました。さらに円安に伴う原価高騰に対しても海外工場と数字ベースでロジカルな価格交渉を実施。データによる仕組み化に加えて、現場との泥臭い関係作りも欠かせませんでした。
20代から「事業主」として活躍し、P/Lを背負える環境へ
──FASや戦略コンサルを目指す優秀層の学生にとって、20代でforestに参画する最大のメリットは何でしょうか。
尾上:一言で言えば、「財務スキル×ビジネス理解」という最強の掛け算を身につけられる点です。一般的なFASや投資銀行では財務指標の分析のプロになれますが、その数値の裏側にある事業のリアルまで体感する機会は限定的です。
自ら投資を行うプリンシパルサイドに立つからこそ、数値の裏にあるビジネスの本質を見抜く目が養われます。そして自ら事業を動かすからこそ、次のM&AのDDにおける目利き力が飛躍的に高まる。この体験は、アドバイザリーファームでは得られない一生モノの資産になります。

大塚:「20代から事業主の視座でP/L全体の責任を負えること」に尽きます。私自身、入社1年目で大型ブランドの営業利益責任、組織運営、在庫管理のすべてを統括しています。毎日のように経営者さながらの視点で意思決定を下すため、成長速度と視座の高さは圧倒的です。社内には元経営者やコンサル出身者などスペシャリストが多数在籍しており、対等に議論できる環境も魅力です。
──最後に、意思決定の最前線に立ちたいと考える学生へメッセージをお願いします。
尾上:「支援だけで満足せず、自らリスクを取って事業を成長させたい」という強い向上心と好奇心を持った方には最高のチャンスがあります。M&AからPMIまで一気通貫でビジネスを動かす面白さをぜひ体感してください。
大塚:自分で判断し、結果に責任を持つ。厳しい環境ではありますが、個人の市場価値を爆発的に高められる場所です。「将来どこでも通用する事業家・投資家になりたい」という熱い志を持つ皆さんを待っています。
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