こんにちは、ワンキャリ編集部です。「総合商社特集」の特別企画として、「商社人事インタビュー2017」の連続掲載がスタート。第3回は、双日。今回は、人事総務部 副部長兼人事・採用課長の東平孝幸さんにインタビューを行いました。
人間力プラス世界。自分に「軸」を教えてくれた、商社パーソンの働く姿

人事総務部 副部長 兼 人事・採用課 課長 東平孝幸 氏(とうへいたかゆき):
1995年入社。主計・経理部門や中国駐在、経営企画、秘書などコーポレート部門を経験後、2015年より人事総務部へ異動。2016年8月より現職。
ーーそれでは早速、質問に入ります。まずは東平さんが双日に入られたきっかけを教えてください。
東平:私が商社に関心を持ったのは、学生時代に所属していたオーストラリアンフットボールクラブの遠征試合で、オーストラリアを訪れた時のことです。私の実家が自営業だったので、世の中のサラリーマンには「満員列車で疲れていて、いつもため息をついている」というマイナスイメージを持っていました。
しかしオーストラリアの商工会で出会った商社の方々は、とてもアグレッシブで、仕事へのモチベーションも高く、やりがいに満ち溢れていて魅力的に感じました。そんな人たちが働いている総合商社という業界を知りたくて、社員訪問を行うようになり、そこで自分の軸は商社のビジネスの核である「人間力プラス世界」だと確信したのです。
その後、縁あって双日の前身の1つでもある日商岩井に入社することになりました。
ーー入社してからはどんな仕事をされてきたんですか?
東平:私は入社以降、ずっとコーポレート部門を渡り歩いてきました。最初の5年は大阪経理部でした。その後、東京の主計部にて全社決算を4年ほど担当し、2004年からは北京の中国法人に5年間赴任しました。日本へ帰国後は、経営企画部に3年、その後秘書課長を担当。2015年から人事総務部に配属となり、今では新卒採用も担当しています。商社の核となる人材に携わる仕事に関わることができ、とても刺激的な日々を過ごしています。
ーー総合商社というと営業のイメージが強いので、入社してからずっとコーポレート一筋というキャリアはめずらしく感じますね。もともとコーポレート配属を希望されていたのですか?
東平:商社に入る多くの人は営業職を希望しますが、私は特に希望はありませんでした。「いつか海外で仕事をしたい」とは思っていましたが、最初に配属された経理部は、実はコーポレートの中で最も海外赴任が多い部門なんですよね。全世界のどこで仕事をするにも、会計・税務に携わる仕事は必要ですから。
事業統合を経験し、30歳で感じた「双日の強さ」
ーー数字を扱う仕事の中で、最も印象的だったものを教えてください。
東平:ニチメンと日商岩井の合併業務でしょうか。異なる2つの大手総合商社が事業統合するという、誰も経験したことのないものでした。当時、私は30歳前後でしたが、今の時代では考えられないくらいにリスクや責任が大きな仕事を任せられていました。当時は「商社冬の時代」といわれていて、アジア通貨危機の後、どの商社も多くの不良資産を抱えてとても苦しい時代でした。
全社決算を扱う主計部として、合併処理やデューデリジェンス*といった困難な仕事に携わっていました。さまざまな理由で会社を辞めていく仲間もいましたが、最も忙しい部署の一つと言われていた主計部からはほとんど脱落者がでなかったんです。チームワークが本当によく、仲間が支え合って乗り越えていけたんですね。試練に立たされた時の結束力の強さ、克服力を感じた出来事でした。これが、私たちを最も成長させてくれた印象的な機会だったと思います。
*デューデリジェンス:不動産投資やM&Aの際に、対象企業の資産について調査を行うこと
中国での投資案件では、「システム構築」から「銀行との交渉」まですべてを担当

ーー東平さんは中国駐在のご経験もされています。そのときの経験についてお伺いしたいです。
東平:2003年のホールディングス設立、2004年の本社合併という大仕事を経た後、海外駐在の話が舞い込んできました。「ニューヨークか北京、どちらがいいか」と聞かれたのですが、事業所としてすでに大きいニューヨークよりも、右肩上がりの成長が期待される中国で挑戦したいと考えました。北京はちょうど駐在員連絡事務所から法人へと切り替わる時期でしたので、そこでの財経責任者の仕事はとてもチャレンジングで面白いと感じたんです。
システム構築、銀行からファシリティ*を引っ張ってくるための事業計画作りなど、さまざまなことを手掛けたあっという間の5年間でした。ちょうど北京オリンピックの時期で、新興国が伸びていく過程の凄まじさをまざまざと実感しました。毎年、風景が変わっていく、人々の着る服が変わっていく、生活が豊かになっていく。ものすごく速い成長の流れに身を置いているなと驚いたものです。
*ファシリティ:銀行が手数料を取った上で企業に一定の与信を与える信用供与契約のことをいう
ーー中国での業務はもちろん中国語なんですよね? もともと話せたんですか?
東平:いちから中国語を勉強しましたよ。最初の2年間は、毎朝始業前に家庭教師の先生に来てもらって、徹底的に中国語を勉強しました。3年目からは中国語で仕事をするようになり、これまでより意思疎通や仕事の効率化が進みました。ある投資案件で、相手側の中国企業から10人ほどが参加する中、こちらの担当は営業と私の2人だけということがありました。拙い中国語を駆使して交渉に臨みましたが、私たちの熱意や想いが伝わり、最終的に私たちの提案を採択してくれました。その時に感じたやりがい、面白さは今でも心に残っています。
若手の守備範囲の広さ、スピードには自信がある
ーー他の総合商社と比較して、双日ならではの特徴を教えていただきたいです。
東平:他の総合商社と比較すると、社員数が少ないので、1人に与えられる業務範囲が広いという特徴があります。知らなきゃいけない、やらなきゃいけない仕事の幅が広い。例えば、同じひとつの取引先がいて、関わる商社が複数あるとしますよね。すると他商社から来ている社員が30代後半であるところを、双日は20代の若手が担当し、そして同じレベルで話をしていたりします。このような経験を沢山積むことで、若いうちからどんどん成長が加速する環境にあるというのが、他社との差別化できる点ではないかと思っています。
もう一つ、我々の強みは、「スピード」です。ビジネスは、素早く意思決定をして、早く進出できればできるほど、チャンスが大きくなる。そのために当社は2015年度から部門のレイヤーを一つ取り払い、社長の直下に本部をおく本部制に変えました。このことで、意思決定のスピードが早くなったのではないかと感じています。
ーー学生は分かりやすい比較をしたがります。とくに「5大商社(三菱商事・三井物産・伊藤忠商事・住友商事・丸紅)」というくくりで総合商社を調べる学生も多いと思いますが、双日はその5大商社をどのように見ていますか?
東平:学生の皆さんは、会社全体の人数、利益の絶対量とかに目を通して比較されると思います。
一方で、我々の社内では、会社全体ももちろん意識はしていますが、自分たちがやっている商売それぞれでどうライバルに勝つかという視点でも見ています。事業でみると業界トップクラスという事業もある。もちろん会社としてのプライドは持たなくてはならないけれど、這い上がっていく面白さを感じる人がうちにフィットするのかなと。そのような考えを持った多くの学生さんが、双日を選んでくれています。

ーーそんな双日に求められる人材像を教えてもらえますか?
東平:双日では、自ら考えやり抜くことができる、そして世界を舞台に価値を創造できるグローバルな人材を求めています。でも、新卒からいきなり価値を創造できる人間ってそうそういないと思うんです。むしろ、まず持っていてほしいのは「当事者意識」。主体的にものごとを考えて能動的に動けることが絶対に必要です。
取引先と取引先を有機的につなげながら大きな案件を仕上げ、全員がWin - Winになる社会に価値を提供していく事業をつくることが商社の使命。そういった観点から、周囲を巻き込むことができる人材がすごく重要です。説得力を持たせながら自らが全体を巻き込んでいく。部活でもアルバイトでもなんでもいいから、そういったこれまでの体験が商社での仕事にもつながると考えています。
内定者の出身校は30校以上。国籍・男女・大学・出身地は問わない。多様性を意識した人材戦略

ーー今後の双日に必要なものは何だと思いますか?
東平:商社は、イノベーションを起こし続けないと生き残れませんが、同じような人材だけが集まってもイノベーションはおきません。そこで私たちは「多様性」を意識した人材戦略を推進しています。これからはこれまで以上に多様性に富んだ人材が必要になるでしょう。女性の総合職の採用比率も高い水準であり、これは女性が持つ新たな視点や観点を生かそうという想いの表れともいえます。
また、外国人の採用にも積極的に取り組んでいます。優秀であれば日本語の習得は後からでも構いません。海外のさまざまな都市でリクルーティングを行い、日本に招いて日本語を習得してもらった後に各部署に配属しています。外国人ならではの自由な発想からビジネスを構築することに可能性があると思っています。
ちなみに学閥などは全くない会社です。今年は100人以上採用しましたが、出身校は30校以上。これまで採用実績がない大学からでも優秀な学生がいればどんどん採用したいと思っています。
ーー本日はどうもありがとうございました。
ワンキャリ編集部からのコメント
双日の東平さんへのインタビュー、いかがでしたか。皆さんが少しでも総合商社、また双日への理解を深めるきっかけとなれば幸いです。さらに商社業界や双日への理解を深めたい方はこちらをご覧ください。
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